家のダッジラムキャンピングカー (ロードトレック190) には 、セットフォード社製の
Aqua Magic Ⅳ (アクアマジック 4) という水洗式トイレが付いています。
http://www.thetford.com/HOME/tabid/71/Default.aspx
家庭のトイレと同じ感覚で使える優れもので、型は古いけど今まで何の問題もなく使えていました。
ところが、今回の潮干狩りで、フラッシュペダル踏んでも水が出てこないトラブルが発生。
ペダル踏んでもチョロチョロという感じの水勢しかなく、これだとまともに使えない・・・
アリャリャ!
と、こりゃ~内部の開閉バルブかなんかが逝っちまったか?
そのままにしておくことは出来ないので、当然に修理します。
このタイプのトイレは脱着そのものは簡単で、ボトムにある本体固定ナット二つと、背後の給水ライン接続を外せばOK。
と~こ~ろ~が~! これが狭くて思うようにならないんです。
特に真後ろの配管が弛まない。
スマホを隙間から差し込んでトイレ背後を撮影してみました。 黄色矢印のナットを緩めるのですが・・・・
本当はその上のを外せば良いんですが、何しろ狭くてレンチが入りません。
珍しく? 長時間格闘してしまいましたが、 レンチを”ぶった切って”短くすればあっという間なんですが(笑)
やっとこさ配管を弛めると、本体ボトム部のナットをゆるめてトイレ本体を取り外します。
取り付けの部分はこんな風になっています。
フランジがあり、この下は訳60Lの汚水タンクです。
フランジには、トイレ本体を固定するボルトが有ります。
このフランジのところにある灰色のがパッキン。
本来必ず交換する物ですが、手持ちがない?ので今回は最利用。
そしてこれがトイレのボトム部で、 キャンピングカーの維持は、 こうした生活設備維持との戦いそのものです。
これが出来ないでショップに任せたりするとと、とんでも無い工賃が発生しますので、僕は必ず自分でやります。
さて、取り外したアクアマジックですが、まず上蓋と便座を取り外して作業をやりやすくします。
そしてひっくり返し 赤矢印4本のネジを弛めると機構部カバーがとれます。
これが水の制御やシャッターシステムを制御する機構部。
*茶色いのはグリスで、汚れではありません。
黄色矢印のワイヤーがさらにその下の写真の、 同じ色の矢印ペダルへ接続されています。
黄色矢印のペダルを踏むと バルブが開いてノズルからトイレへ水が流れ込み、ボウルに溜まるようになっています。
用が済んで赤矢印ペダルを踏むと シャッターが開くと同時にフラッシュし、汚物は車体下の汚物タンクへと流れます。
もう少し動きを詳しく見てみます。
黄色い丸で囲んでいるのが機構部で、ピンク矢印の可動レバーが給水開閉バルブに鉄製のロッドで接続されています。
給水ペダルを踏むとレバーがワイヤーに引かれて青矢印方向へ移動。
すると金属ロッドが矢印方向に引かれてバルブが開き、真横のタンクへ流れます。
こんな感じですね
ペダルを離すと、スプリングの力で機構部は元に戻ります。
このタンクを通った水は、トイレ本体の内部へ配管で導かれ、最後にボウル横の噴出ノズルから出てきます。
さて、もう一つの赤矢印ペダルですが、これを踏むと、赤丸で囲んだ可動レバーが両方とも移動し、水の開閉バルブを開けると同時に、シャッター(黄色丸で囲んだ部分)を開いて フラッシュ&ボウル洗浄をします。
キャンピングカー用のトイレはこうした構造になっているんです。
簡単で壊れにくいんです。
さてさて、水が流れないトラブルの原因ですが、機構部分はしっかりと動作しています。
となると、問題はバルブ部という事になる。
そこで、給水コントロールバルブを取り外しますが、まずは取り付けネジを緩め、
更に、機構部のスプリングを少し移動させてリンクロッドをフリーにしたら、バルブ本体を下に引き抜きます。
これが給水コントロールバルブ
青矢印の方向にレバーが動くと 内部にある開閉バルブが開き、水が上のピストンを押し上げることで真横のタンクへ流れるようになっています。
真上の稼働ピストンを抜いて、バブル部を覗いてみたところ・・・・・ あれれ?なんか詰まっている。
これじゃ~水が流れるはずが有りません。
そこで針金でつついてみると、ゴムかすみたいなのがポロリ。
車を新車作成時に、配管内に残っていたカスが今頃流れてきて引っかかり、それがたまたま詰まらせたのだと思います。
当たり前ですが、今度は通りました。 真ん中左側に見える半月状の白いのがバルブの一部。
一応バルブ全体を清水で綺麗に洗浄し、動きになんら問題のないことを何度も確認し、今度は組み立てに入ります。
といっても、リンクロッドを戻しながら単に差し込むだけの簡単作業 挿入時にOリングに給水コントロールバルブがきちんと入っているか?
を確認する必要があります。
ちなみに、これがバルブ型番ですかね。
そういえば、バルブ丈夫のピストンは水に押し上げられて、上下に動きますが、この緑矢印の様にピストン上部は空気が通る穴になっています。
さてネジを元に戻して順次締めていきます。
このネジだけは他より太いので注意。
全部のネジを締め、カバーも全て元に戻したら全体を清掃。 この部分はフランジのところにあるガスケットとの密着部分なので特に綺麗にします。
ちなみにトイレの型番シール
今回は、最後に全体をプラスチッククリーナー使ってピカピカに磨き上げ、新品みたいにしました。
車への取り付けは、冒頭のパッキンを綺麗に洗浄して完全に乾かします。
そしてフランジに当たる部分にシリコンシールをヌリヌリ。
*普通は新品のガスケットに交換するのでシリコン不用ですからあしからず、
ちなみに今回シリコンを塗布したので、次回取り外した際にパッキンが必ず壊れます。
その際にはあらかじめ新品のパッキンを準備しておいての交換なので問題なし。
シリコンを塗利り終わったらフランジに取り付け。
*当たり前ですが、フランジ部分は予め綺麗に掃除しておきます、そうしないと意味ありませんから。
次にトイレ本体のパッキン差し込み部分にもシリコン。
そして、スタッドボルトに気を付けながら、本体を戻します(フランジに差し込みます)。
差し込み部分の状態はペダル下の隙間から確認可能ですが、
このときにガスケットが少しでも歪んでいたら、トイレ本体を再度引き上げ、パッキンとの密着が完全になるように何度でもやり直す。
こんな感じになればOk!
黄色矢印 トイレ本体 、 赤矢印 ガスケット 、 青矢印 フランジ
後は、トイレ背後の給水配管接続を戻して締め、本体サイドの 固定ナットを締めれば作業は終わりです。
動作確認のためのテストで~す!
写真はまだ水がない状態
右のペダルを踏むと。 ボウル部分に適度な流水量で水が溜まります。
この状態で普通は用をたします。
終われば左のペダル踏んで フラッシュ。 左端のノズルから気持ちよく水が流れ出て
ボウルが洗浄されながら汚物はタンクへ流れます。
で、見事に、「機能復活~!」 色も黄ばんだ様な色から、新品に近い色に戻り、とても綺麗です。
しかし、目に見えて綺麗になる整備というのは楽しいものですよね~♪。
以上、アクアマジック Ⅳの セミオーバーホールでした。