ちょっと前のことになるが、大阪でホームレスの支援活動をしているNPOおおぞらからお便りが届いていた。そこに、寮を作るので、冷蔵庫とかテレビとか、必要品が書かれていて、提供を呼びかけていた。ふとんとかホットプレートとか提供できるものはあるのだが、そこで和美さんに聞いてもらった。大きなものは送料がかかって悪いから、近場で探すけど、ホットプレートはほしいという返事だった。で、しまいこんであるホットプレートを探し出した。
むかし、若い人が大勢来ていた頃、ホットプレートは大活躍していた。もちろんその頃のものは残っていない。いまあるホットプレートはどら焼きや桜餅といった和菓子用に買ったものである。だから大きいし、ほとんど使っていない。お役に立てばうれしいくらいの気持ちで、さっそく送った。近ければ布団も届けられるんだが。
NPOおおぞらの大川さんからお礼状が届いた。それを読むと関西ではお好み焼きをつくるので重宝させていただきます、という文章があった。あぁ、な~るほど、お好み焼き文化を忘れていた。ホットプレートにはそういう役割があったんだ。食文化の違いだねぇ。思いつきもしなかった。まして私はお好み焼きは好きではない。これは戦争の後遺症、もう60年も経っているよ、と言われそうだが、いまだもってどうしても食べられないのだ。私の好みはともかくとして、日常的な文化の違いをつくづく思ったしだい。
障害者自立支援法で、授産所をやめる人が多いそうだ。授産所で働いて、少しばかりの収入を得ていた人々が、法改正で使用料や食費を支払うと収入にならないし、それ以上の持ち出しになったりしてしまうからだ。
国民は医者にもかかれない状態になってきているし、弱者には厳しい社会になった。
「腰痛だ」と騒いだら、「医者に行ったら」といわれたが、「行く医者がないんだよ。だって真鶴から外科がなくなっちゃったもんね」と言って笑った。ほんとは笑い事じゃないことなんだけどね。