「時は逝く 赤き蒸気の船腹の過ぎ行く如く・・・」白秋の詩の冒頭の一節である。青い海に船腹を赤く縫った蒸気船がゆっくりと、しかしたいみなく進んでいく情景が目に浮かぶ。いまの船は速い。自動車並みの速さである。あっという間に視界から消えていく。時もまた、時自身の存在感も、それを眺めている自身の存在感もないままに過ぎていく。とはいえ、掘り起こせば時はいつもたゆみなく流れて、その時間の上に絶えず自分も生きて来たのだが、しかし掘りおこしほどのこともなくと、時とともに忘却の彼方へ押しやってしまうことになる。
肩を痛めて、あれこれ行動し、思い巡らしてはいたものの、キーボードを打てずにいるうちに時が過ぎてしまった。ここ数日秋晴れのいい天気が続いている。色づいた柿の葉がとても美しい。サクラの葉も大分色づいてきた。紅葉したものから散っていく。階段に隅の土溜まりにツワブキが花をつけた。ここは日当たりがいい。
一昨日から5日に行ってきたバガテルの秋バラの写真を取り込む作業をしている。40枚ぐらい取り込んだかな。なんせポジが出来上がってくるのに一週間はかかるので、時間があると集中してしまうので痛い腕をさらに痛めてしまうことになる。とりあえず数がある分だけフォトに入れた。