数日前、ミンスクのアンドレイさんからメールが入った。娘のインナが日本にいるというのだ。どこにいるの、可能ならインナに会いたいよ、とメールすると、子どもたちの付き添いで日立の近くにいる、と返事が来た。写真も添付されていた。子どもたち、4人ぐらいだったが、10歳ぐらいに見える。子どもたちの付き添い?この子達って、もしかしたら被爆2世?
滞在する施設の電話番号は教えてくれたが、公共施設で、彼らはあちこち移動するみたいだ、責任者も、アンドレイさんが教えてくれた名前の人は見つからない。残念ながら、インナに会えないよ、とメールした。そして、疑問を聞いてみた。案の定、子どもたちは汚染地域に住んでいた家族の子どもたちということだった。子どもたちの13%を占めているようだ。まだまだ放射能被害は拡散している。
子どもに付き添ってきたインナは親の背中を見て育っているのだろう、えらいものだ。毎年5万人ぐらいのベラルーシの子どもたちが援助国に招待されているようだ。放射能のないところで健全な食事をして、免疫力を回復するために。
我が家に来たエレーナも親になった。エレーナの子どもは大丈夫だろうか、心配になる。当時、子どもたちの心配をしていた親たちも被爆していたのだ。その世代の人たちが年をとり、病気になっている。エレーナの両親もルスランの母親もそうだ。後の人の消息は聞いていないが、なにかしらのことはあるだろう。頭では分かっていたことだけど、こういう状況を踏まえるとベラルーシの未来はしんどいねぇ。
日本では温暖化が声高く叫ばれ、それ自体は私たちも出来るかぎり協力する必要はあるが、この機を得たとばかり、二酸化炭素を排出しない原子力発電の宣伝が行われている。しかしいったん事故でもあれば、きちんと知っておくことは大事だろう。そういう説明はなされていない。人体への影響、健康にしても国土の汚染にしても、一朝一夕には回復できないのだということも。実際に日本では小さな事故は頻繁に起こっているのだが、ほとんどは隠されている、それでもたまに少しは報道されるが、あんなものじゃない。