シリアの政府軍攻撃による市民の死者の数が増えている。胸が痛む。あの国を車で走り抜けたといった方がいいような旅だったが、人懐っこく、明るい顔をしていた人々の姿が思い出される。攻撃の中心となっているホムス、近くにハマがある。地図を広げ、場所を確認している。英語版のアルジャジーラは日本の報道とほぼ同じ。アラビア語のアルジャジーラを見たいのだが、公式サイトの動画はなくなってしまったみたいだ。ニュースを開けてみたが、アラビア語ばかり。アラビア語は分からないし、地名も読めないからまったくお手上げ。数字は読めるよ、でも、文字はアレフだけしかわからない。
真夜中のサイエンス ゼロ。今日のテーマはニュートリノの光速を超えた、というニュースを取り上げている。実に興味があるので待っていたのだ。OPERAという実験グループが、スイスのCERNからイタリアの研究施設まで730km、ニュートリノを飛ばして計測した結果、光の速度より1億分の6秒、ニュートリノの方が速かった、というのである。実験は1万5千回も繰り返し、誤差の検証に半年をかけ、誤差を見つけられなかったので、発表したものだ、という。スタッフも、施設も、実験の様子も紹介していた。
ニュートリノが光速より速いというのは、素人には、光速を超える物質は無い、という相対性理論が覆されるのではないかという興味がある。となったら、現在の物理学の基盤が崩れる大事件だ。当然ながら、この実験結果に対する否定的な理論も紹介していた。実験は光とニュートリノを同時に競争させたものではない。超新星爆発のとき、地球に届いた光とニュートリノは同じだった。もしニュートリノの方が1億分の6秒速いとなれば、ニュートリノが届いて光が届くには4年の差がなければならない、という矛盾などが取り上げられていた。
ニュートリノの研究は、相対性理論もさることながら、ビッグバンの時には物質、反物質が存在していたが、反物質が消滅して宇宙に物質だけ残ったのかも検証できるのだという。へ~、おもしろいなぁ。小さな素粒子が宇宙を解明していく。そしてその一方で、その宇宙の、素粒子みたいな人間たちのおろかな殺し合い。エネルギーの法則から言えばどういうことになるんだろうねぇ。