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紅白梅図屏風

2012-02-13 13:35:58 | アート・文化

MOA美術館にある光琳の紅白梅図屏風は3、4年に一度くらいの割りで見に行く。見に行くというより会いに行くという言葉がふさわしいような気持ちである。子どものころから慣れ親しんできたから、いつも作品の前に立つと、思わず「お久しぶり」と声をかけたくなる。

                                                         

今年は行こうね、1月27日~3月2日まで、日程を見て、そう言っていた。とはいうものの期間があると、つい行きそびれてしまうことが多い。

                                                         

昨夜の日曜美術館はこの紅白梅図屏風がテーマだった。科学技術で、光琳がどのようにしてこの絵を描いたのか解明しようというのだった。焦点は中央に流れる水の部分。そう、左右の紅梅、白梅の緻密な描写に対して、デザイン的な、それが故に、生き生きとしている、あの流水の部分である。日本画家が、それを苦労して再現していた。おもしろかった。あの黒は硫化銀だったのだ。江戸時代、工芸には硫化銀は使われていたそうだが、絵画には使われていなかったそうだ。細かい技術も、苦労して再現されていた。

そういう観点からじっくりと見てみよう。

先回茶道具展のとき、ロビーに飾られていた複製の紅白梅図屏風は、このCG版だったのかもしれない。じっくり見なかったが、鮮やか過ぎたから。近々行くからよく見てこよう。そうか光琳は呉服屋さんの生まれだったな、あの流水のデザインは帯にも使えそうだ。

                                                         

NHKの日曜美術館の説明から

「日本美術を代表する尾形光琳の「紅白梅図屏風」(国宝)。所蔵者のMOA美術館と東京理科大学が行ってきた最近の科学調査によって画期的な新事実が出てきた。「紅白梅図」全体の背景となっている金地は金箔(ぱく)であり、中央の水流全体は銀箔であることが分かったのである。
今回の調査結果を元に、尾形光琳がこの水流をどのように描いたのか、日本画家の森山知己が原寸大で忠実に「紅白梅図」の右隻(紅梅)を再現してみる。江戸時代の極薄の銀箔を特別に製造してもらい、その銀箔を硫黄で黒く硫化させる。そして、さらに金箔を貼ってその上から「たらしこみ」という琳派独特の手法で梅を描く。その「紅白梅図」の再現から、改めて尾形光琳のデザイン感覚のすばらしさが、改めて確認できる。」

コメント
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