朝、台所に立つと、すっかり顔なじみになって、目ざとく私を見つけてメジロ、ヒヨドリ、スズメがやってくる。シフォンの需要が多くなった。今日も焼いた。
1ケ月ほど前から、なれなれしいスズメが窓近くまで来て餌をねだるようになった。それにチュンと名づけた。「チュン」と呼ぶと、フェンスの上、しかも正面に来て、シフォンを待っている。小さく切って投げてやるのがいいのだが、スズメは小さいから、小さいかけらを上手にスズメに投げるのは難しい。その点、フライングキャッチが出来るヒヨは、少しぐらい目標がそれても取っていく。チュンと声をかけながら、スズメの目を見ながら投げる。一生懸命取ろうと努力しているのは分かるが、落とす確率は大きい。たまに10cmぐらい飛び上がってフライングキャッチもどきをする。落としたのは他のスズメに任せて、取れるまで頑張っている。チュン、もう一度。チュン、もう少し左。言葉が通じるかのように指図に従う。なんとも可愛い。
スズメに餌場を荒らされているシロハラやアオジやメジロは、それでも前面に出て、じっと私の顔を見る。で、そっちにシフォンを投げてやるのだが、スズメの群れは手ごわい。この寒さで餌が少ないのかなぁ。今日はイソヒヨドリの♂も来た。シフォンを拾ったかどうかは確認できなかったが、落ちた崖にもぐったのはわかった。
コタツに入ってテレビを見ていると、「あ~あ~」と今度はかぽたちが呼ぶ。かぽは慣れているから手から取っていく。かぽにやると、遠くからハシボソが様子を窺っている。お腹がすいているんだろうと、ハシボソにもおすそ分け、投げてやる。窓を閉めるとすかさず拾っていく。かわいくはない。
とはいえ、野鳥に餌をやっているときは、きっと鬼婆も優しい顔をしているんだろう。ありがたいことです。
毎日の特訓のせいか、チュンも上手になった。確立は80%、フライングキャッチもするようになった。群れてそばにいても他のスズメはまねようともしない。これも個体の能力の差なんだろうか。
Papasanも目を細めて鳥たちに餌をやっている。カラスがじっと目を見ながら手から貰って食べている、かわいいね、なんて喜んでいる。よかったね。人生、得をしているよ。