今年もあっちこっちからいっぱい出た。葉緑素を持たない腐生植物。絶滅危惧種とか準絶滅危惧種とか言われているけど、家には毎年発生する。最初は椎の木の根元だけだったのが、崖の下まで増えて、かなり離れた桜の枝を処分した下あたりからもにょきにょき出ている。菌糸が飛んだのかも。
朝は雨だと思っていたが降っていなかったので、ごみ出しに行った。ご近所のタイサンボクが咲いている。伊豆山のあの家のタイサンボクもきっと咲いているだろう。タイサンボク(泰山木)なんていうから、てっきり中国原産だと思っていた。木蓮や白木蓮は中国原産,マグノリア。それに葉も厚く固くて木蓮とは違うから、木蓮の仲間だとも思っていなかった。
タイサンボクがマグノリアだと知ったのはずっと後になって。たまたま見ていたドキュメントで、公園の大きな木を伐採する計画を住民たちが守って、代わりに樹木の手入れを住民たちがすることになった、そのために住民たちは園芸師の資格も取った、という話。その守った大きな木、マグノリア、一目見てタイサンボクだとわかってびっくりした。タイサンボクってマグノリアだったのだ。それから調べるとタイサンボクはマグノリア グランデ、北アメリカ原産だった。
ホーソンの短編に、マグノリアの花の咲き乱れる下の泉の水の話がある。その泉の水は若返りの水。イメージとして白木蓮の咲き乱れる下にこんこんとわく泉を想像していたのだが、イメージがガラッと変わった。
香りがいいから、膨らんだ蕾を切って学校に持って行った。教室中がいい香りに包まれた。花が咲くと、ベタっと花弁が垂れ下がり、棒のような花芯が残った、しかもすぐ垂れ下がった花弁は褐色に変色して。そんなはるかな日を思い出しながら、よそ様のタイサンボクを眺めていた。
我が家の庭には、花は小さいけど、くちなしもたくさん花をつけてくれた。おかげで庭中いい香り。
午前中、教室のピアノの調律に来てくれた。毎年お願いしているのだが、今年のコロナの影響で今日まで延び延びになっていたのだ。調律師さんも仕事が出来なくて大変だったろうなぁ。