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マリウス

2014-07-01 15:11:12 | アート・文化

Marius

 

「マリウス」が届いた。本多顕彰訳、三笠書房 昭和25年 (1950年)出版。

64年前の本だ。原書を買ったのが1958年だから、もうすでに訳されていたことになる。覚悟していたが、紙は変色し、傷みもシミも多い。水漏れもある。字も小さいし、行間もせまい。度の強い眼鏡をかけても、活字が重なっているところ、画数の多い字は前後を判読するしかないが、しかし読めないことはない。読書用ルーペを注文した。

 

まず「あとがき」を読んだ。本多さんの文章を少し拾って写す。

マリウスの簡単な解説。ウォルター・ホレイショ・ペイター(1839~94)が1881~84に書いた作品。これは歴史小説であるが、同時に思想小説、哲学小説でもある。主人公マリウスは、哲学者皇帝として知られる、アウレリウスの時代にエトルリアに生まれ、ピサに学び、のちアウレリウスの秘書官にとり立てられるが、その間、異教主義から出発し、皇帝のストア哲学に影響され、それから初期キリスト教にふれ、その感化から、友人コリネリウスのためにわが身を犠牲にして疫病に仆れる。

マリウスの内面生活の発展もしくは成長は、そのままペイター自身のそれであったといわれる。このように主人公の思想の成長を描いた作品は、世界の文学の中でもきわめて稀である。・・・・・ユニークな作品であるが、英文学中最も難解な作品である。

 

なるほどね、なぜ読みたかったか、少しは見えてきた。しかし、本多さんの解説を読むかぎり、この本を購入した当時、大学2年生だった私には、確かに哲学書を読みあさっていたとはいえ、恐らく読みこなせなかったろう。この本を思い出したことは、あるいは、これは出会いかもしれない。作者が4年かけて、じっくりと書きあげた作品だそうだから、私も集中して、しかし、ゆっくりと、心して読むとしよう。

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