よくわからないけど美しいモンチ。
玄関に小さい水たまりができていて、
「なんだろうね~」と話しながら家を出た。
その後でダーからメール、
「左のスニーカーが明らかに猫しっこくさい」
8時起きで、雨の中仕事へ。
明るい雨の歩道橋の上で、いま大変な状況の甘木さんにたまたま会って話して、某社で感じのいい美人の甘木女史に会って顔を怪我したときの怖い写メを見、雨が止んでやすきよ100人行列というバカみたいで笑える光景を眺め、内装がやけに豪華な古びた喫茶店でオムライスを食べ、会社でいつも笑顔のオッサン甘木氏と話し、甘木弟と昨日の「クソイベント」の話をし、甘木兄とも少し話し、某ホテルに行ってたまたま声の高い甘木さんに久方ぶりに会って話し、ボスが5回くらい変わる前から仕事を頼んでる甘木さんともたまたま会って話し、ほか数人の知り合いにたまたま会って話し、われ鐘が始まり、立食のお料理を軽くつまみ、同行してたボスのうざいオーラに耐えられなくなって無口になり、会社に戻って仕事を片付けて、急いで品川へ。
品川のホテルのロビーの脇の、
白いテーブル席で、
ママが持ってきた真珠のネックレスを見る。
ママは真珠のネックレスを問屋から取り寄せて、
自分で選ぶつもりがどれがいいかわからなくなって、
私を呼び出した。
ピンクパールと、ホワイトパール。
両方とも、燦然と、美しく輝く。
ピンクは柔らかく肌になじむように輝き、
ホワイトはパッと浮き立って輝き、存在感があった。
あまり迷うことなく、ホワイトパールを選んだ。
「いいの?」
「これくらいしかあげられないから」
「そんなことは」ない、もちろん。
モノより大切なもので、すでに満ち満ちてるんだから。
その後、ブッフェで夕食。
私は鐘が鳴り始め、
食べ物の味がよくわからない状況だったけど、
ママはここのブッフェは美味しい、
いろいろあって楽しい、と嬉しそうだった。
ブロッコリーのスープが美味しくて、
この前海辺のスパのブッフェで、
老夫婦が枝豆か何かの緑のスープを、
美味しい、美味しいと何度もいいながら食べていたことを、
私もママも思い出した。
フルーツをいっぱい食べる。
ママを駅まで送ってから、
Cに迎えに来てもらう。
Cはノーメイクで、うす暗い。
私は一日外回りの途中で鐘が鳴って疲れていたので、
Cの家で黒茶を飲んで、
猫たちとのんびりしながら、
Cの苦悩(初)について話を聞く。
テーマが重いのでBGMは軽くビリー・ジョエル。
夢を持って時間を進歩的に生きる人と、
ここにいることを肯定して時間を気にせず生きる人がいて、
私もCもここ何年か、後者だった。
Cが急に前者になろうとして、
後者の何が悪いの?と戸惑ったけれど、
経済的な必然があるのかもしれないし、
よくわからないけど、
「私は、あなたは私、って思ってるから」というと、
Cは涙をふいていた。
帰りに梔子の木を見にいく。
少し離れたところに車を止めて、
車から出るとすぐに匂って、
私の背より高い木一面に咲いた花の前に行くと、
あまーい甘い、とろける匂いがたちこめていた。
そのお宅の裏に周ると、すももがいっぱい落ちていた。
家に帰り、猫たちにご飯。
ダーはアニメの打ち入りから帰って、
胃が痛いといっている。
私は仕事で疲れきっている上に、激しい腹痛で、
おかゆの用意もできない。
そろそろ、家でご飯を作ることを、
メインの仕事にして、何より優先したいと思う。
気ままな消費生活も、
毎日いろんな人に会う生活も、
楽しいけれど、未練はない。
何年か続けて、ちょっと飽きてもいたところ。
それと最近、あまり丈夫とはいえないダーが、
私が食事を用意しないとろくなものを食べないので、
やせるし、胃も傷めるしで、
自然に主婦業をメインの仕事に、
と思うようになった。
6月のはじめ、仕事に行く地下鉄で、
ダーに「私仕事辞めようと思う」といった。
このセリフは、今までも3ヶ月に1回ペースで、
繰り返されているセリフではあったけど、
この日、ダーは黙って、
ぎゅーっと私の手をにぎる手に力をこめた。
迷いが消えた。
真珠のネックレスみたいな、
浮きたつように、白く輝く気持ちが、
今も続いている。
もっと先のことは分からないけど。
にゃは