福田首相辞任/福田も自民党も公明党も大人の対応を取ることができなかっただけの話(1)

2008-09-02 13:11:27 | Weblog

 まずは昨9月1日、9時半からの辞任記者会見をNHKテレビから。解説部分は下線で示し、最後に( )内に纏めます。
  
 福田「ええ、昨年、私は安倍前総理からバトンを引き継ぎまして、えー、9月26日に総理に就任以来、1年近くたったわけでございます。え、その間、参議院選挙で与党が過半数割れをするというそういう状況の中で、ま、困難を承知で、えーお引き受けをしたということであります。

 ま、正直申しまして最初からですね、えー、政治資金の問題、年金記録問題、またC型肝炎問題、防衛省の不祥事、等々ですね、、次から次へと積年の問題が顕在化してきたと。ま、そういうこういうことに遭遇をいたしたわけであります。その処理に忙殺をされました。(1)

 その中でも将来を見据えながら、目立たなかったかもしれませんけど、これまで誰も手を付けなかった、ようにですね、国民目線での改革に着手をいたしました。例えば、えー、道路特定財源の一般財源化。また消費者庁の設置法の、取りまとめ。え、国民会議を通じてですね、え、社会保障制度を抜本見直しをする、といったようなことでございます。

 最終決着はしておりませんけどもですね、方向性は打ち出せた、と思っております。

 ま、さらにその上に今年に入りましてからは、経済景気問題、というものが大きな課題として浮上いたしました。ガソリンや食糧などの物価高騰に国民や農林漁業、中小企業、零細企業のみなさんが苦しむ中で、何とかして強力な対策を作らなければいけないと、まあ、こういうふうに思ったわけでございますが、その体制を整えることを目的に8月に改造を断行いたしました。強力な布陣のもとで、先週金曜日に総合的な対策を取りまとめることができました。この臨時国会では、この対策を実施するための補正予算や、消費者庁設置法など、国民生活にとって一刻の猶予もない重要な案件を審議いたします。

 先の国会では民主党が重要案件の対応に応じず、国会のかけひきで審議引き延ばしや審議拒否を行った。その結果、決めるべきことがなかなか決まらない。そういう事態が生じたほか、何を決めるにもとにかく時間がかかったということは事実でございます。

 今、日本経済はまた国民生活、を考えた場合に、今度開かれる国会で、このようなことは決して起こってはならないこと。そのためにもですね、態勢を整えた上で国会に臨むべきであると考えました。

 国民生活のことを第一に考えるならば、ここで政治の駆け引きで政治的な空白を生じる、という政策実施の歩みを止めることがあってはなりません。
(2)

 この際、新しい布陣の元に政策の実現を、図って、まいらなければならない、と判断をし、私は本日辞任をすることを決意いたしました。まだ経済対策や消費者庁設置法案を取りまとめ、国会の実質審議入りには時間がある、このタイミングを狙いまして、国民にも大きな迷惑がかからない、というように考えた次第で、この時期を選んだわけであります。これをきっかけに、次の自民党総裁の下により強力な態勢をしいてもらい、国家、国民のための政策実現に向けて、邁進してもらうことを期待をいたしております。これまでの1年を振り返るならば、大きな前進のための、いろいろな基礎を築くことができた、というように自負いたしております。みなさま方にもいろいろとお世話になりまして、心から感謝を申し上げます。以上私の辞任の、気持ち、考え方でございます」

 司会「それでは、質疑に移ります。質問をされる方は、エー、挙手をお願い致します。私の方から指名いたしますので、名前と会社名を名乗って、エ、質問ください。それでは幹事会社から」

 ――産経新聞の高木です。あのー、総理は、あの、ま、辞任を表明されましたが、具体的にいつの段階で、そう決断されたか。それとですね、前安倍総理もですね、こうした形で唐突に投げ出されたんですが、福田総理も同じ形になるんですが、エー、そのことで政治不信とかですね、エー、政権に対する不信がですね、また巻き起こんじゃないかと、思われますが、総理はどうお考えですか。

 福田「うん、そうですね。全く私は前総理のケースと違うと思っております。安倍前総理は健康の問題があったわけですね。私は健康の問題は、まあ、目が見えにくかったということ以外、特別な問題はございません。これは私が、あー、これからの政治を考えて、どうあるべきかを考えた上で決断したことでありまして、エー、いつそういうように考えたかと言えばですね、まあ、過去いろいろ考えましたけれども、エー、先週末にその最終的な決断を致しました」

 ――(会社名と質問者の名前が聞き取れない。最初の産経新聞の高木の名乗りも声が小さく、よく聞き取れなかった。質問の声は十分に聞き取れるのに、なぜもっと堂々とした声で名乗らないのだろうか。)エー、今、新しい体制を整えたうえで国会に臨むべきだというお考えを表明されましたけど、ま、新しい体制になればですね、エー、ま、どのような点で今の事態をですね、打開できるとお考えでしょうか。

 福田「ええ、これはですねえ、まあ、我が自由民主党のことを申し上げて恐縮でございますけれども、まあ、あの、総裁選挙をすることになると思いますねえ。そして、選ばれた新しい総裁がですね、、総理大臣の指名を受ける、マ、こういうふなプロセスに自然になると思っておりますけれども、それはあの、私が続けていくのと、新しい人がやるのと、これは間違いなく、違うと私が考えた結果でございます。それはいろいろな状況を考えて、政治的な判断をしたと、いうことでございます」

 ――「朝日新聞の・・」(後は聞き取れない。)消費者庁、道路等の成果という問題ですけれども、まっだ、いずれもまだ道半ばであり、これを御自身の手で仕上げていくことこそ責任ではないかと思うんですけれども、エー、それを新体制で以ってやってほしいというふうにお考えになるのは何故か。もう一つは、その総理大臣という職をお辞めること自体がですね、政治的空白を招くのではないか。その、国民が今、景気等ですね、状態が悪い時に辞めること自体が空白を招くのではないかと、そういうことを感じるんですけども、どのようにお考えですか。

 福田「消費者庁のことにつきましては、これは、あの、大体法案がまとまったと、いうことでありまして、この趣旨はですね、エー、国会にこれから説明をしていく。まあ、あの、私に続く人がこのことを最重要に考えてやってくださる。ま、それを期待いたしておりますけどね。そうしてくださると思っておりますけれども、それは、あー、ここまで纏まれば、あと国会でどういう審議をされるか、また、あの、そのことについて野党とどういう話し合いをしていくか、といったようなことになりますので、それはお任せする、しかないと、いうように思います。

 これは無責任だと言われれば、全部終わるまでやっていなければいけない。しかし、本当にやっていられるかという問題もあるんですね。第二の問題ですけどもね。私が続けていって、それは、そして、え、国会がですね、順調にいけばいいですよ。そういうことはさせじという野党がいる限りですね、新しい政権になってもそうかもしれんけども、しかし私の場合にはですね、内閣支持率の問題もあるかもしれませんしね、マ、いろいろな状況がありますから、その辺はたいへん困難を伴うのではないかと思います。(3)

 そして政治空白というお話でございますけども、今が政治空白をつくらないという意味ではいちばんいい時期だという判断を私はいたしたわけです。まあ、例えば国会の途中で、何かいったようなことをですね、まあ、想像してもしようがないんだけども、マ、そういうような、もし仮にそういうようなことがあったならば、そのことの方がですね、より大きな影響を国民生活に与えると、いうふうに思っております。

 いろいろこれから大事な法案、あー、政策をですね、あのー打ち出すわけでありますけど、法案だけ考えましても経済対策あり、そして、えー、例の、給油法の問題もあり、また消費者庁もある。また前国会の積み残しもたくさん大事なのがございますから、そういうものを順調に、仕上げていかなければいけない。そのためにはですね、私が、まあ、いろいろ考えましたよ。判断した結果、今、辞任をして新しい人に託した方が、あー、その方がよりよいと判断したわけです」(4)

 ――今日は、あの、夕方に麻生幹事長とは役2時間程会っております。どのようなことをお話をされたということと、それから自ら幹事長に起用された麻生さんを次の総裁選でも総理は支持していくということになるんでしょうか。

 福田「あの、今日は麻生幹事長、それから町村官房長官両氏においでいただきましてですね、私の考え方を説明を申し上げました。まあ、色々な、遣り取りがありまして、しかも、時間もかかりましたけども、、まあ、あのー、そういうことであったということであります。それから、あのー、その後のことはですね、これは自民党の党内でどうするという問題でありますけれども、総裁選挙の日付とか、手続きを進めていただきたいということを麻生幹事長にお願いをいたしました。

 ――今回ですね、エー、ご自身がご決断に至る過程で、総理自身があの、ま、これまでですね、エー、解散・総選挙をご自身の手でやると、いうふうにお考えたことはあるのかないのか。あともう一点が、あのー、民主党、おー、との間では、ねじれ国会の元で、エー、まあ、政策ということが難航したようですけれども、民主党の小沢代表に対してマ、ご自身からおっしゃりたいことがあれば。

 福田「えっ?小沢代表に何ですか?」

 ――民主党の小沢代表に大してご自身からおっしゃりたいことがあれば・・・・

 福田「申し上げたいことがですか。そおーですね、まあ確かにねじれ国会で大変苦労させられました。ええ、話し合いをしたいと思っても、それを受け付けてもらえなかった、ということが何回もございましたし、与党の出す法案には真っ向反対と、それも重要法案に限って真っ向反対と、というようなことで、聞く耳もたず、ということは何回もございまいした。まあ、私は小沢代表に申し上げたいのは国のためにどうしたらいいのかということ、これは虚心坦懐、胸襟を開いて話し合いをする機会がもっとあったらよかったな、そういう機会を持ちたかったなあ、ということを申し上げたいというふうに思っております」

 ――毎日新聞の尾中(女性)と申します。あのー、総理は1カ月前に大幅な改造をなさったばかりですけれども、そのときもこのメンバーで臨時国会を乗り切るために強力な布陣を敷いたはずだと、思うんですが、その内閣のメンバーをわずか1カ月、エー、国会を迎えないうちに自ら総辞職という形を取らなければいけないと、ええ、いうようなことになったことについてエー、もう一度ご見解をお願いしたいのと、そうであるならば総理自身で、この臨時国会を乗り切るために自身として何が足りなかったのか。それをどのようにお考えになっているのか、ええ、お話を聞かせていただけないでしょうか。

 福田「私がね、その1カ月前に内閣改造したということ、それでなぜその1カ月後に、ええ、その総理自身、任命した総理自身がやめるのかと、いうこと。これはもっともなお話だと思います。

 ま、しかし、あの私もですね、内閣改造をしたときには、この、おー、少なくともですね、重要な案件については、その、何とかしたい、こいういう意欲は持っておりました。ですから、あー、そういう布陣をした。

 特にですね、経済については特に重視しなければいけない、というそういう思いがございました。まあ、その、改造の前あたりからですね、経済対策を取らなければはいけない、ということでもって、いろいろと、その、まあ、その、考えをめぐらしておったということがございますので、その新内閣になりますと、早速、経済対策に手をつけていただいたということがございました。

 しかしですね、それが先週末に一応の、おー、決着をみたということであります。で、じゃあ、あの、今現在、どうして、えー、組閣当時と考え方が変わったのか、申しますと、まあ、これはね、その後のいろいろな状況、政治の状況がありますんで、そういうことを勘案して、そしてこの臨時国会が順調、少しでも順調にいくようにと、考えましてね、私自身でね、やるよりはほかの方にやっていただいた方が、あー、よりよきいくのではないか、そしてまた、野党は『解散、解散』と言ってあおるわけですね。解散ということでありますとね、まあ、それはね、議員心理というものがまたいろいろございますんで、ま、そういう議員心理の結果ですね、また、あの、政治情勢が不安定になってはいけない。それはですね、そういうことになった場合には国会だけではない、国会議員だけでの話ではない。やはり国民全体にご迷惑をおかけすることで、そうすればですね、国会に一番迷惑をかけない時期に私がそういうような表明をすると、いうことが一番いいのではないかと、いうように考えまして、この時期を選んだんです。これが一番いい時期かと思っております」(5)

 司会「それでは時間も経過しましたんで、最後の質問をお受けしたいと思います」

 ――あのー、一般に、あの、総理の会見がですね、国民にはちょっと人ごとのように聞こえるというふうな話がよくされていました。で、今日の大臣会見を聞いていますと、そっちょくにそのように、あの、印象を持つのですね。あの、安部総理に引き続く、こういう形での辞め方になったことについてですね、自民党を中心とする現在の政権に与える影響というものをどんなふうにお考えでしょうか。

 福田「現在の政権? 自民党政権? 自民党・公明党政権か。それはね、順調にいけばいいですよ。これにこしたことはない。ま、しかし、私の、この、おー、先を見通す目の中には、あー、その決して順調ではない、可能性がある。そしてまた、あー、その状況の中で、不測の事態に陥ってはいけない。そういうことも考えました。まあ、『人ごとのように』とあなたはおっしゃったけどもね、私は自分自身を客観的に見ることができるんです。あなたと違うんです(些かキレた感じのきつい声の調子で)。ま、そういうことも併せて考えていただきたいと思います」

 司会「それでは以上を持ちまして、記者会見を終了いたします。有難うございました」

 福田「どうも、お世話になりました」 

  ≪福田首相辞任/福田も自民党も公明党も大人の対応を取ることができなかっただけの話(2)≫に続く


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福田首相辞任/福田も自民党も公明党も大人の対応を取ることができなかっただけの話(2)

2008-09-02 12:56:51 | Weblog

福田首相辞任/福田も自民党も公明党も大人の対応を取ることができなかっただけの話(2)

 (1) ま、正直申しまして最初からですね、えー、政治資金の問題、年金記録問題、またC型肝炎問題、防衛省の不祥事、等々ですね、、次から次へと積年の問題が顕在化してきたと。ま、そういうこういうことに遭遇をいたしたわけであります。その処理に忙殺をされました。

 
「積年の問題が顕在化」とは自民党政治が自ら内側に溜め込んだウミが内側に溜めきれずに体の表面に噴き出した自民党政治の吹き出物の数々の「顕在化」であって、
「処理に忙殺された」と聞こえのいいことが言うことができるのは身から出た錆だという認識がないからだろう。このことは「私は自分自身を客観的に見ることができるんです」を裏切る「客観的に見ることができ」ないことを物語っている。)

 (2) 先の国会では民主党が重要案件の対応に応じず、国会のかけひきで審議引き延ばしや審議拒否を行った。その結果、決めるべきことがなかなか決まらない。そういう事態が生じたほか、何を決めるにもとにかく時間がかかったということは事実でございます。

 今、日本経済はまた国民生活、を考えた場合に、今度開かれる国会で、このようなことは決して起こってはならないこと。そのためにもですね、態勢を整えた上で国会に臨むべきであると考えました。

 国民生活のことを第一に考えるならば、ここで政治の駆け引きで政治的な空白を生じる、という政策実施の歩みを止めることがあってはなりません。

 (先の参院選敗北は安部内閣不信任というだけではなく、自民党政治に対する不信任でもあったのだから、「決めるべきことがなかなか決まらない」といった状況の最善の打開策は総選挙に出て、改めて福田内閣及び自公政権の信任を問い、直近の民意、国民の最終審判が自公にあるのか野党にあるのか決定付けることだったはずである。

 総選挙で敗北という民意、国民の審判を受けたなら、それを潔く受け止め、民主党以下の政党に政権を託す。そういった大人の対応ができず、政権を失うことだけを恐れて、ねじれ国会が招くこととなった政権運営の難渋という泥沼の自縄自縛にかかっただけのことであろう。勝負に出て国民の信任を取り戻すか、取り戻せなければ、自公政権ノーということなのだから、潔く政権を引き渡すといった覚悟を福田首相自身も自民党も公明党も示すことができなかっただけのこと。その結果の政権運営の難航ということでしかない。

 (
「態勢を整えた上で国会に臨むべきであると考えました」と言っても、ねじれ状況は変わらないのだから、「決めるべきことがなかなか決まらない」といった障害の再度の出来の可能性は否定できない。

 政権維持、政権にしがみつくことだけを考えて、総選挙して国民の民意を問うことが最も分かりやすいシンプルな「政治空白解消方法」だと思い定めることができなかった。政権を失いたくないばっかりに総選挙で問うことをして、「直近の民意は自公政権にあり」、「政権運営は自公を選択した」と賭けに出ることができなかった。

 それをしないで、それが当たり前の政権獲得を狙っている対決政党である野党の民主党のせいにするのは責任転嫁そのもの。大人の対応とは決していえない。)


 (3) これは無責任だと言われれば、全部終わるまでやっていなければいけない。しかし、本当にやっていられるかという問題もあるんですね。第二の問題ですけどもね。私が続けていって、それは、そして、え、国会がですね、順調にいけばいいですよ。そういうことはさせじという野党がいる限りですね、新しい政権になってもそうかもしれんけども、しかし私の場合にはですね、内閣支持率の問題もあるかもしれませんしね、マ、いろいろな状況がありますから、その辺はたいへん困難を伴うのではないかと思います。

 (次は麻生が後継と決め、その人気で支持率が高いうちに総選挙に打って出て、政権維持を図ると誰の目にも明らかなことだが、このことを裏返すと、福田内閣が総選挙に打って出なかったのは、総選挙で敗北する可能性が高いと見ていたからで、福田内閣自体が政権維持を目的としていた内閣で、そのために解散権を行使できなかったことを自ら自供していることを示している。所詮「政治空白」云々は奇麗事でしかない。

 結果の良し悪しに関係なく、国民の選択に任せることができなかった。国民の責任に預けることができなかった。後継が麻生となって、麻生を選択して、後になって麻生が何ぼのものか気づいたとした場合、少しは国民は自らの責任に気づくことになるのではないのか。何でもかんでも自民党ということで、その選択にかかわる国民の側の責任を自らに問う姿勢が国民には育たなかった。ただ、政治が悪い、政治が悪いと自分たちが選択した政権でありながら、責任を政治に転嫁するのみだった。

 麻生が後継なら国民から高い支持率を得て、高い支持率を得ている間に解散・総選挙がやりやすくなるという思惑自体が、自民党が如何に政権にしがみつこうとしているかを物語るもので、福田首相が自らの力で政権を運営して自らが掲げている政治を具体化してくいくのかといった問題とはあくまでも別問題の政権維持の問題でしかない。)
 

 (4)いろいろこれから大事な法案、あー、政策をですね、あのー打ち出すわけでありますけど、法案だけ考えましても経済対策あり、そして、えー、例の、給油法の問題もあり、また消費者庁もある。また前国会の積み残しもたくさん大事なのがございますから、そういうものを順調に、仕上げていかなければいけない。そのためにはですね、私が、まあ、いろいろ考えましたよ。判断した結果、今、辞任をして新しい人に託した方が、あー、その方がよりよいと判断したわけです」

 
 (これも言っていることは立派だが、政権維持を至上命令とした言い訳に過ぎない。「新しい人に託した方」がと言うが、自分自身の政治手法と「新しい人」との政治手法が違った場合、いわば福田首相は財政規律派であり、麻生は財政出動派という違いを考えると、異なる政治手法の人間、政策が異なる人間に「託す」という矛盾を犯すことになる。その矛盾を矛盾でなくす方法が「政権維持」という利害で一致点を見たということ以外にないことになる。)
 
 (5)しかしですね、それが先週末に一応の、おー、決着をみたということであります。で、じゃあ、あの、今現在、どうして、えー、組閣当時と考え方が変わったのか、申しますと、まあ、これはね、その後のいろいろな状況、政治の状況がありますんで、そういうことを勘案して、そしてこの臨時国会が順調、少しでも順調にいくようにと、考えましてね、私自身でね、やるよりはほかの方にやっていただいた方が、あー、よりよきいくのではないか、そしてまた、野党は『解散、解散』と言ってあおるわけですね。解散ということでありますとね、まあ、それはね、議員心理というものがまたいろいろございますんで、ま、そういう議員心理の結果ですね、また、あの、政治情勢が不安定になってはいけない。それはですね、そういうことになった場合には国会だけではない、国会議員だけでの話ではない。やはり国民全体にご迷惑をおかけすることで、そうすればですね、国会に一番迷惑をかけない時期に私がそういうような表明をすると、いうことが一番いいのではないかと、いうように考えまして、この時期を選んだんです。これが一番いい時期かと思っております」

 (自分が政権を野党に奪われる内閣になりたくなかっただけのこと。そういった内閣総理大臣として政治の歴史に名を刻みたくなかっただけのこと。自分の政治を最大限に具体化するための政局運営を如何に実現できるか、実現するかが問題である以上、「議員心理」云々は瑣末な問題でしかない。

 結局は政権にしがみつきたいだけのことで、福田首相も自民党も公明党も、特に公明党の太田代表に関してはそうだと言えるが、大人の対応ができなかった。大人の政治性を身につけていないということなのだろう)

 

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