今治市の国家戦略特区を使った加計学園獣医学部新設が安倍晋三の政治的関与なる恣意性――「総理のご意向」が入り込んだ認定である疑惑が益々深まっている。ところが、政府側はその恣意性を否定して、特区担当相として山本幸三が獣医学部の新設に関わる地域条件の変更と獣医学部平成30年4月開学時期を主導した形を取っている。
実態は恣意性をカモフラージュするために山本幸三が身代わりの役目を務めているのか、山本主導が事実なのか、改めて探るためにこれまで書いてきたブログと同じ文章、あるいは周知の事実を改めて提示することになるが、ご容赦願いたい。
従来の獣医学部新設の地域条件に「広域的」、「存在し」、「限り」という文言を付け加えて、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」と地域限定した条件をワーキンググループ(WG)という正式な議論の場で議論することもなく決めたのが特区担当相の山本幸三だと既に明らかになっている。
2017年6月16日午後の参院内閣委員会。
山本幸三「『広域的に』、『限り』と言うことは私の指示で内閣府にて入れました」
藤原内閣府審議官「『広域的に』、『限り』を追記するようにというご指示を受けまして、私が手書きでこの文案に修正を加えました」
手書きでの文案修正は2016年11月1日の文科省と内閣府の折衝が行われたワーキンググループ会合。山本幸三は各関係者の意見を聞いて纏めたとしているが、最低限、最終的には国家戦略特区諮問会議等の正式な議論の場に諮った上で決定しなければ地域条件の正式な変更とはならないはずだが、そうはしていないのだから、各関係者の意見を聞いて纏めたは「総理のご意向」を誤魔化す口実に過ぎない。
そうでないと言うなら、旧条件から新条件に変更したことについての合理的な根拠を示すべきだ。例えば、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能」とした場合、獣医師の地域偏在や診療分野別偏在の解消にどの程度役立つか、統計的に説明すべきだろう。
この地域条件の変更は2016年11月9日の「第25回国家戦略特別区域諮問会議」に「資料3」の案として示され、会議では進行役の山本幸三から旧条件から新条件に変更したことについて何らの説明もなく、「資料3」の地域条件の変更に対して誰からも疑義や納得等のどのような意見も述べられずに「異議なし」で決定されていることも異常としか言いようがない。
いわば「案」として示されていながら、既に既定方針となっていたということであろう。
諮問会議で獣医学部新設について議論されているのは以下のみである。適宜抜粋した。
松野博一 文部科学省におきましては、(獣医学部)設置認可申請については、大学設置認可にかかわる基準に基づき、適切に審査を行ってまいる考えであります。以上です」 山本幸三「次に、山本農林水産大臣、お願いします」 山本有二「産業動物獣医師は、家畜の診療や飼養衛生管理などで中心的な役割を果たすとともに、口蹄疫や鳥インフルエンザといった家畜伝染病に対する防疫対策を担っており、その確保は大変重要でございます。 近年、家畜やペットの数は減少しておりますけれども、産業動物獣医師の確保が困難な地域が現実にございます。農林水産省といたしましては、こうした地域的課題の解決につながる仕組みとなることを大いに期待しておるところでございます。 麻生太郎「松野大臣に1つだけお願いがある。法科大学院を鳴り物入りでつくったが、結果的に法科大学院を出ても弁護士になれない場合もあるのが実態ではないか。だから、いろいろと評価は分かれるところ。似たような話が、柔道整復師でもあった。あれはたしか厚生労働省の所管だが、規制緩和の結果として、技術が十分に身につかないケースが出てきた例。他にも同じような例があるのではないか。規制緩和はとてもよいことであり、大いにやるべきことだと思う。しかし、上手くいかなかった時の結果責任を誰がとるのかという問題がある。 この種の学校についても、方向としては間違っていないと思うが、結果、うまくいかなかったときにどうするかをきちんと決めておかないと、そこに携わった学生や、それに関わった関係者はいい迷惑をしてしまう。そういったところまで考えておかねばならぬというところだけはよろしくお願いします。以上です」 八田達夫有識者議員「今度は、獣医学部です。 獣医学部の新設は、創薬プロセス等の先端ライフサイエンス研究では、実験動物として今まで大体ネズミが使われてきたのですけれども、本当は猿とか豚とかのほうが実際は有効なのです。これを扱うのはやはり獣医学部でなければできない。そういう必要性が非常に高まっています。そういう研究のために獣医学部が必要だと。 もう一つ、先ほど農水大臣がお話しになりましたように、口蹄疫とか、そういったものの水際作戦が必要なのですが、獣医学部が全くない地方もある。これは必要なのですが、その一方、過去50年間、獣医学部は新設されなかった。その理由は、先ほど文科大臣のお話にもありましたように、大学設置指針というものがあるのですが、獣医学部は大学設置指針の審査対象から外すと今まで告示でなっていた。それを先ほど文科大臣がおっしゃったように、この件については、今度はちゃんと告示で対象にしようということになったので、改正ができるようになった。 麻生大臣のおっしゃったことも一番重要なことだと思うのですが、質の悪いものが出てきたらどうするか。これは、実は新規参入ではなくて、おそらく従来あるものにまずい獣医学部があるのだと思います。そこがきちんと退出していけるようなメカニズムが必要で、新しいところが入ってきて、そこが競争して、古い、あまり競争力がないところが出ていく。そういうシステムを、この特区とはまた別にシステムとして考えていくべきではないかと思っております。 山本幸三「御意見をいただき、ありがとうございました。 それでは、資料3につきまして、本諮問会議のとりまとめとしたいと思いますが、よろしゅうございますか」 (「異議なし」と声あり) 山本幸三「御異議がないことを確認させていただきます。ありがとうございます。 それでは、本とりまとめに基づき、速やかに制度改正を行いたいと思いますので、関係各大臣におかれましても、引き続き御協力をお願い申し上げます。 以上で、本日予定された議事は全て終了しました」 |
獣医学部新設によって山本幸三が言っている「産業動物獣医師の確保が困難な地域」に開学した獣医学部を卒業した獣医師が果たして活動の場とすることになるのかならないのかの議論もない。要するに会議の構図自体が獣医学部新設を既成事実としていて、それに対する事後承諾の形式となっている。
麻生太郎の懸念も元々は獣医学部新設に反対だったから、一言言っておかなければならいから言った程度の発言でしかない。獣医学部新設が獣医師の地域偏在や診療分野別偏在の解消に繋がるのかどうかの議論もない。
獣医学部の「平成30年4月開学」も、山本幸三の主導が絡んでいる。文科省調査・発見の文書の一つに、「平成30年4月開学」は「総理のご意向」とする副官房長官の萩生田光一の発言として記載されているが、それらをカモフラージュするための山本幸三主導の疑いが濃い。
「平成30年4月開学」は以下の文書によって出てきた。
大臣ご指示事項 以下2点につき、内閣府に感触を確認してほしい。 ○平成30年4月に開学するためには、平成29年3月に設置認可申請する必要があるが、大学として教員確保や施設設備等の設置認可に必要な準備が整わないのではないか。平成31年4月開学を目指した対応とすべきではないか。 |
この「大臣」とは文科相の松野博一を指す。「平成30年4月開学」は「教員確保や施設設備等の設置認可に必要な準備が整わない」から、無理ではないのかと懸念を示している。
対して内閣府から回答が届いている。
大臣ご確認事項に対する内閣府の回答 【プロセス・開学時期】 ○ 設置の時期については、今治市の区域指定時より「最短距離で規 制改革」を前提としたプロセスを踏んでいる状況であり、これは総理の ご意向だと聞いている。 〇 規制緩和措置と大学設置審査は、独立の手続であり、内閣府は規制緩和部分は担当しているが、大学設置審査は文部科学省。大学設置審査のところで不測の事態(平成30年開学が間に合わない)ことはあり得る話。関係者が納得するであれば内閣府は困らない。 【政府内の取扱い】 O「国家戦略特区諮問会議決定」という形にすれば、総理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか。平成30年4月開学に向け、11月上中旬には本件を諮問会議にかける必要あり。 ○ 農水省、厚労省への会議案内等は内閣府で事務的にやるが、前面に立つのは不可能。二省を土俵に上げるのは文部科学省がやるベき。副長官のところに、文部科学省、厚生労働省、農林水産省を呼んで、指示を出してもらえばよいのではないか。 【党関係】 ○ 獣医は告示なので党の手続は不要。党の手続については、文科省と党の関係なので、政調とよ<相談していただきたい。以前、宵邸から、「内閣」としてやろうとしていることを党の部会で議論するな、と怒られた。党の会議では、内閣府は質疑対応はあり得るがメインでの対応は行わない。 【官邸関係】 ○ 官房長官、官房長官の補佐官、両副長官、古谷副長官補、和泉総理大臣補佐官等の用心には、「1、2ケ月単位で議論せざるを得ない状況」と説明してある。 |
ところが2016年10月21日の次の萩生田光一の発言を大まかに纏めた文書には「総理のご意向」が全面に出てくる。
「10/21萩生田副長官ご発言概要」 ○(11月にも国家戦略特区諮問会議で獣医学部新設を含む規制改革事項の決定がなされる可能性をお伝えし、)そう聞いている。 ○内閣府や和泉総理補佐官と話した。(和泉補佐官が)農水省とも話し、以下3点で、畜産やペットの獣医師養成とは差別化できると判断した。 1.ライフサイエンスの観点で、ハイレベルな伝染病実験ができる研究施設を備えること。また、国際機関(国際獣疫事務局(OIE)?)が四国に設置することを評価している、と聞いたので、その評価していることを示すものを出してもらおうと思っている。 2.既存大学を上回る教授数(72名)とカリキュラムの中身を増やすこと。また、愛媛大学の応用生物化学と連携するとのこと。 3.四国は水産業が盛んであるので、魚病に特化した研究を行うとのこと。 ○一方で、愛媛県は、ハイレベルな獣医師を養成されてもうれしくない、既存の獣医師も育成してほしい、と言っているので、2層構造にする。 ○和泉補佐官からは、農水省は了解しているのに、文科省だけが怖じ気づいている、何が問題なのか整理してよく話を聞いてほしい、と言われた。官邸は絶対やると言っている。 ○総理は「平成30年4月開学」とおしりを切っていた。工期は24ヶ月でやる。今年11月には方針を決めたいとのことだった。 ○そうなると平成29年3月に設置申請をする必要がある。「ハイレベルな教授陣」とはどういう人がいるのか、普通の獣医師しか育成できませんでした、となると問題。特区でやるべきと納得されるような光るものでないと。できなかったではすまない。ただ、そこは自信ありそうだった。 ○何が問題なのか、書き出して欲しい。その上で、渡邊加計学園事務局長を浅野課長のところにいかせる。 ○農水省が獣医師会押さえないとね。 |
〈総理は「平成30年4月開学」とおしりを切っていた。〉が事実なら、安倍晋三「総理のご意向」による極くごく恣意的な単独主導と言うことになる。
対して政府側は内閣府と文科省の協議で決まったこととしている。
民進党参議院議員古賀之士(ゆきひと・58歳)が2017年6月15日に2017年1月4日の内閣府・文部科学省告示に〈「平成30年度に開設する獣医師の養成に係る大学の設置」とあり〉、そのように〈開設年度を特定した理由とその検討経緯を示されたい〉とする「質問主意書」を安倍内閣に提出した。
「答弁書」 お尋ねについては、平成29年5月23日の参議院農林水産委員会において、松本内閣府副大臣が「共同告示に平成30年度に開設と規定した理由でありますけれども、いち早く具体的な事業を実現させ、効果を検証することが重要であるとの観点から、効果が発現することとなる開設の時期を共同告示に規定し、早期開設を制度上担保しようとしたものであります。 昨年11月9日の諮問会議取りまとめ後、パブリックコメントを開始するまでに、パブリックコメントの概要案に平成30年度開設を盛り込むことにつきまして山本幸三大臣が御判断になったものであります。 また、共同告示を共管する文科省とは、平成30年度に開設との記載を含む概要案につきまして、パブリックコメント開始前に調整を行いまして合意をしているところでございます。農水省にも11月21日にこの旨を通知をいたしました。最終的には、パブリックコメントの受付期間が終了いたしました後、12月末の段階で、共同告示に平成30年度に開設と規定することにつきまして、文科省、農水省を含め最終確認をいたしまして、本年1月4日に告示を公布をいたした経緯でございます。」と答弁しているとおりである。 |
先ず順を追って纏めてみる。
○平成29年5月23日の参議院農林水産委員会に於いて松本内閣府副大臣が「平成30年度開学」の理由を述べる。
○パブリックコメントの概要案に平成30年度開設を山本幸三大臣の判断で盛り込んだ。
○文科省と内閣府が「平成30年度開学」を含む概要案をパブリックコメント開始前に調整し、合意していた。
○この合意を農水省に11月21日に通知。
○パブリックコメントの受付期間終了後(12月末の段階)で共同告示に平成30年度に開設の規定を内閣府・文科省・農水省が最終確認、1月4日の告示に「平成30年度開学」を公布。
パブリックコメントの意見公募時の案の公示日は2016年11月18日で、 意見・情報受付締切日は2016年12月17日 である。
平成29年5月23日の参議院農林水産委員会の質疑を見てみる。
森ゆうこ自由党議員「今日お配りした資料は、この意思決定(獣医学部新設認定)の過程は、議事録にないものが、ないところで全て決まっていて、どこを議事録読んでも決まったところが分からない。だから詳細を、私は、これで第12弾ですかね、シリーズで、質問をさせていただいているんですよ。皆さんが答えなきゃいけない、文書の流出とかじゃなくて、私がずっと求めてきた資料がそれですよ。皆さんが出さなきゃいけないんですよ、説明のために。 それで、11月9日の国家戦略特区諮問会議では、ここの、私が内閣府から提出いただいたこの資料の赤線の部分、平成30年度に開設するということは入っておりません。この平成30年度開学についての規定は、いつ、どこで、誰が決めたんでしょうか」 松本洋平農水省副大臣「共同告示に平成30年度に開設と規定した理由でありますけれども、いち早く具体的な事業を実現させ、効果を検証することが重要であるとの観点から、効果が発現することとなる開設の時期を共同告示に規定し、早期開設を制度上担保しようとしたものであります。 昨年11月9日の諮問会議取りまとめ後、パブリックコメントを開始するまでに、パブリックコメントの概要案に平成30年度開設を盛り込むことにつきまして山本幸三大臣が御判断になったものであります。 また、共同告示を共管する文科省とは、平成30年度に開設との記載を含む概要案につきまして、パブリックコメント開始前に調整を行いまして合意をしているところでございます。 農水省にも11月21日にこの旨を通知をいたしました。最終的には、パブリックコメントの受付期間が終了いたしました後、12月末の段階で、共同告示に平成30年度に開設と規定することにつきまして、文科省、農水省を含め最終確認をいたしまして、本年1月4日に告示を公布をいたした経緯でございます。 森ゆうこ自由党議員「この国はいつから人治国家になったんですか。 そういう国家戦略特区における具体的な様々な決め事については、それぞれの会議で議論して決めなきゃいけないんじゃないんですか。 平成30年に開設する、つまり来年の4月1日に開校する、これが極めて重要な要件ですよ。こういう、すぐ1年もたたないうちに、学生を(十分に)募集するだけの学校もなきゃいけない、教授もいなきゃいけない、そういう準備ができるという(できるかどうかも分からない)このむちゃぶりな条件を、きちんとした会議、議事録の載っている会議に何も残さずに大臣が決めるんですか。大臣が決めていいんですか。勝手に国家戦略担当大臣がそんな重要な事項を会議に諮らずに決めていいんですか」 |
要するに正式な議論の場で正式な議論を行って決めた「平成30年開学」ではなかった。
この参議院での農水省副大臣の松本洋平の発言がそのまま上記政府答弁書の内容となっている。
「平成30年度開設」の理由を「いち早く具体的な事業を実現させ、効果を検証することが重要であるとの観点から、効果が発現することとなる開設の時期を共同告示に規定し、早期開設を制度上担保しようとしたものであります」としているが、諮問会議で獣医学部の新設を決めて、その事業の早期着手、事業の早期完成(=早期開学)の成果を検証するための制度上の担保として「平成30年度開設」を決めたと、役人が作った原稿を単に読み上げただけなのだろう、明らかに役人言葉でしかないこじつけを披露しているに過ぎない。
と言うことは、獣医学教育の充実ある成果を勘案して決めた「平成30年度開設」では決してない。このことは京都市が戦略特区に指定されて、そこでの獣医学部の新設を目指した京都産業大学の2017年7月14日の記者会見での撤退の理由を見れば一目瞭然である。
記者「獣医学部断念の理由は」
黒坂光副学長「獣医学部は京都府が申請主体だったが、国家戦略特区の実施主体として私どもは申請した。構想はいい準備ができたが、今年(2017年)1月4日の告示で「平成30年4月の設置」になり、それに向けては準備期間が足りなかった。
その後、(学校法人)加計学園が申請することとなり、(京都産業大獣医学部も含めて)も2校目、3校目となると、獣医学部を持っている大学は少なく、教員も限られているので、国際水準の獣医学教育に足る十分な経験、質の高い教員を必要な人数確保するのは困難と判断した」
要するに「平成30年4月開学」と期限を切ることは事業の早期着手・事業の早期完成(=早期開学)の成果を上げるためには効果はあるが、「国際水準の獣医学教育に足る十分な経験、質の高い教員を必要な人数確保」には逆行する措置だと言っていることになる。
この逆行だけではない。前者にどのような合理的な理由が存在するだろうか。ハコモノの完成を優先させた期限にしか見えない。
大体が「効果を検証」と言っているが、大学の教育効果は開学時期で検証できるわけではない。検証できるのは建物や設備に幾らカネをかけたかぐらいのものである。
京都産業大学を締め出すために期限を切ったという疑惑が持ち上がっているが、合理的な理由を見出すことができない開学時期から見ると、疑惑は限りなく事実に近づく。
平成29年1月4日に内閣府地方創生推進事務局と文部科学省高等教育局がパブリックコメントで募集した意見をPDF記事で公表している。2016年11月18日の意見公募時から締切の2016年12月17日までに「広域的に獣医師系養成大学の存在しない地域に限定する要件や平成30年度開設に限定する要件は不要ではないか」とする意見が47件寄せられている。
対して〈「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」(平成28年11月9日国家戦略特別区域諮問会議決定)の趣旨を踏まえ、新たに取り組むべき分野に対応する獣医師の育成は重要かつ喫緊の課題であり、実際の獣医学部の立ち上げを急ぐ必要があるとされていることから、本告示は平成30年度としたもの。〉と回答を寄せたのみで、どのような正式な議論の場に諮って、開学時期を決めたとおりにすることにしたとはせずに平成29年1月4日の日付を以って公布日としている。
優秀な獣医師の育成=優秀な獣医学教育をベースに据えた場合、〈新たに取り組むべき分野に対応する獣医師の育成は重要かつ喫緊の課題〉であることと、〈実際の獣医学部の立ち上げを急ぐ必要〉との間にどのような合理的な関連性があるというのだろうか。
政府はこのような合理的な関連性のみならず、疑惑を持たれている全てに亘って、なぜ正式な議論場を経ずに様々な決定が為されたのかの誰もが納得のできる合理的な説明責任を国民に対して負う。
合理的な説明ができたとき、安倍晋三はそのときこそ、政治的関与の疑惑から解き放たれる。萩生田光一が安倍晋三の「総理のご意向」を汲んで先頭に立って動いていたとされている疑惑も解消させることができる。