日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ブランドを守る-三河一色産うなぎと偽装-

2008-07-03 21:16:26 | マーケティング
中国産うなぎを三河一色産うなぎと偽装していた事件は、いよいよ核心へと迫ってきているようだ。
今日は、輸入し偽装していたうなぎから、禁止されている抗菌剤が見つかった
中国産うなぎから禁止されている薬物が見つかり、大騒ぎになったのは昨年のことだ。
この偽装が計画されていたのが、今年だとすると中国では禁止薬物をそのまま使いつづけていたということにもなる。

その偽装された「三河一色産うなぎ」だが、産地である一色町から不安の声があがっている。
それは長い間作り上げてきた「三河一色産うなぎ」という、ブランドだ。
東海エリアでは、「三河一色産うなぎ」というのは一般的だった。
おそらく、東海エリアのうなぎの格付けは、
浜名湖産>三河一色産>その他国内産>輸入という順位のような気がする。
そのためだろうか?市中のうなぎ屋さんのお手ごろ価格のうなぎというのは、「三河一色産」というコトが多い。

日本一の出荷量を誇るといっても、最近では鹿児島や宮崎などの九州勢におされ気味のようだが、浜名湖産うなぎの出荷量が減りつづけていることもあり、三河一色産は東京や関西でも浜名湖産に代わるモノとして、人気が上がってきていたようだ。
そこへ突然起きた偽装うなぎ事件、折角育ってきたブランドが大きく傷つけられたと、心配するのは無理もないだろう。

そして今回、これまで「地域ブランド育成」に有効とされていた、地域ブランドのステッカーの使用を中止を決めた。
「地域ブランドステッカー」というのは、地域の特産品のブランド育成化にとって有効な方法だとされてきたし、ひとつの「お墨付き」として生活者の信頼も上がってきたところだったのだ。
先日の「飛騨牛」の偽装事件なども、この地域ブランド育成を逆手に取ったモノだった。

むしろ、その悪用が今後問題になってくるだろうし、偽装と摘発というイタチゴッコ状態になる可能性もある。
さて、生活者にとってひとつの目印となる「地域ブランドステッカー」が、なくなって何を見れば分かるのか?
そこが、ポイントになってくるのかもしれない。