日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

撤退する勇気

2008-07-19 16:08:18 | マーケティング
昨日の午前中に降った雨が、今年最後の梅雨の雨だったようだ。
雨が上がった後は、すっかり夏空となり「夏休みの暑さ」だった。
こんな日の夜は、冷たいビールで一杯が定番という方も少なくないだろう。
実は、昨夜友人と冷たいビールと共に、おいしい焼肉を食べてきたのだ(それで、エントリが出来なかった?)。
久々の焼肉はとても美味しかった(さすがに自宅で「一人焼肉」はできない)。
そして、冷たいビールもまたとても美味しかった。
まさにこれからのシーズン、ビールや発泡酒、第3のビールなどが美味しい季節だ。
そんな中、サントリー、「糖質ゼロ」発泡酒の生産中止というニュースが、新聞各紙を賑わしている(参考は日経新聞)。

サントリーは、ビール・発泡酒や第3のビールの分野で、苦節50年近くたってこの分野で初めて3位という好成績となっている。
その好調なビール類の中で、売上が伸び悩んでいる発泡酒「糖質ゼロ」の撤退を決めたというのだ。

毎年のように、ビールだけではなくソフトドリンク類の新製品が登場し、その多くが消え去っていく。
それでも1シーズンは、状況見という感じで販売されるのだが、この時期に生産中止を決めるというのは、やや早過ぎるような気がしないわけではない。
というのも、お中元などのギフトシーズンはほぼ終了したとしても、これからがビールの本格的なシーズン。
余りにもダイレクトな内容のテレビCMだったが、それだけ購買層をハッキリ考えていたとも言えるのだ。

もちろん、中心購買層が「発泡酒<第3のビール」という購買意欲だとしても、発泡酒の市場はある程度ある。
味という点で、問題があったということだろうか?
分からない点もいくつかあるのだが、ただ、早い時点で生産中止を決めたことはある意味「勇気ある撤退」だとも言えそうだ。

「事業の撤退」・・・今回の場合は新商品の生産中止という撤退なのだが、事業として動き出したモノを見直して、撤退を決めるというのはなかなか出来ないコトだからだ。
それまでの投資(生産技術、市場調査、広告宣伝など)を考えると、事業の中心となった人たちはその思い入れもあり、なかなか「撤退」とはいえないからだ。
当人たちが撤退といわなくても、社内で撤退という雰囲気が出始めた時点で、事業継続のための理由付けに躍起になるコトが多く、結果撤退時期を逃してしまうということが多い。
それは、公共事業などを見れば良く分かるだろう。
公共事業と一般企業のひとつの事業を同じだと考えるべきではない!と、言う方もいるだろうが、根本となる「事業への思い入れ」は同じだ。

「事業撤退」といっても、その事業展開をしていく中で学んだことがいくつもあったはずだ。
それを、今後の事業に生かしていくということもまた大切なことだということは、言うまでもない。

あぁぁぁ~、それにしても、暑い1日だ・・・。