日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

アイフォーンと携帯電話

2008-07-12 22:36:37 | アラカルト
今日の名古屋は暑かった!
熱中症で、倒れた人もいらっしゃったようだ。
その暑い中、より熱かった場所はソフトバンクショップだっただろう。
昨日発売された「アイフォーン」を買い求めるため、今日も長蛇の列ができていたようだ。
私といえば・・・落ち着いてから現物を見たいな~と、やや模様眺め状態。
というのも、ipodも持っていないし、現在ある携帯電話ですら、電話とメール程度しか使っていない状況にあるため、急がずともまぁ、いいんじゃないか?という気持ちなのだ。

「アイフォーン」の機能になくて、携帯電話にある機能というのがある。
それが「おさいふ機能」と「ワンセグ」だ。
今から8年ほど前、学生を対象とした調査で「カードと現金」という意識調査をしたことがある。
学生がカードを持てるような時代ではなかったのだが、その頃「デビットカード」が使われ始めた頃だったのだ。
今やすっかり忘れ去られた感のある「デビットカード」だが、当時の学生たちは「クレジットカードを持つようになっても、現金で買い物はしたい」という意見が多くあった。
そこが「名古屋(の学生)らしい」トコロかも知れないのだが、今や学生でも「おさいふ携帯」で、買い物ができる。
だが、本当のトコロどのくらいの人が「おさいふ携帯」を使っているのだろう?という、疑問が常々あった。
サラリーマンのお昼休み時間や帰宅時間に、コンビニに行かないことが多いためなのか?「おさいふ携帯」でお買い物をしている人を、殆ど観たことがないからだ。
テレビニュースなどで見かける、携帯電話をかざして電車の改札を通り抜けるというのも、名古屋では普及していないため見ることがない。
便利だと思うのだが、実際に利用している人はどのくらいいるのだろう?と、疑問に思っているのだ。

同様に「ワンセグ」携帯で、テレビを見ているという人も見たことがない。
そもそも、自宅のテレビは大画面なのに携帯の小さな画面でテレビを見て、面白いのだろうか?と、こちらも疑問に思うのだ。
確かに、とても気になるスポーツ中継などを見るのには、便利だとは思う。
だが、あの小さな画面でどれだけ楽しめるのだろうか?と、思ってしまうのである。

その代わりに「特化」しているのが、データ通信やデータファイルといった機能だ。
ある方が「携帯電話は電話機能に付加価値を付ける発想だが、アイフォーンはパソコンを最小化し付加価値を付ける発想だ」と、話をしていた。
まさに、この点が「アイフォーン」の魅力となっているのだろう。

そして思い出したことが、「初代ウォークマン」が発売された頃だ。
「初代ウォークマン」は、「最少・最軽量のカセットテープ再生機器」が、ウリだった。
当時は、大型ラジカセ全盛期という頃だ。
それを「再生」だけに特化して、売れるのか?という、疑問の声があったのも確かだった。
しかし、結果は大ヒットだった。
その大ヒットには「ウォークマンは最少・最軽量ですが、再生機能しかありません」と、ハッキリと言い切ってしまったことだといわれた。

今回の「アイフォーン」も、「携帯電話の機能は持っていますが、おさいふやワンセグなどの機能はありません。でも、パソコンのような快適さで音楽や写真編集が楽しめます」と、言い切ってしまっているトコロに、「買いたい・使いたい(=使用目的がハッキリしている)」という人をとらえているようのも思えるのだ。
もちろん、デザイン性が優れているというのも、忘れてはいけないことなのだが・・・。