日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

仕事と性差

2008-07-29 21:32:21 | アラカルト
日経新聞のWEBサイトに掲載されているコラムに、面白い内容のものがあった。
それが、「2年目女子ですが、いいですか? 『女性らしさを生かして』ってヘンじゃないですか。」というコラムだ。

このコラムを書いているのは、入社2年目の若い女性編集者だ。
彼女の「女性らしさを生かして」という指摘は、女性が仕事をしていく中でぶち当たる壁のようなものだろう。
私がマーケティングという仕事をはじめた頃、このコラムにあるように「女性の感性を生かした商品開発」ということばが盛んに使われ始めた頃だった。
私の場合は、そんな期待されるような社員ではなかったので、お気楽ナンチャッてマーケターだったような気がする。
元々、まったく注目されるような部署ではなかったので、細々とチマチマとやっていたのだ。
しかし、同じ女子社員の中には「期待される女性商品開発社員」もいた。
ある意味、彼女たちの姿はまぶしいほどに輝いて見えた。
そんな中で仕事をしていく中で、私が感じたことは「男性も女性も関係ないのでは?」というコトだった。
そしてまぶしいほどに輝いていた女子社員は、「女だから、男だから」という言葉を口にすることはなかったように思う。

確かに、当時は女性マーケターという存在自体が珍しく、社外セミナーなどに参加しても30人中女性1名(=私だけ)という場面は度々あった。
男女雇用機会均等法が施行される前の話である。
しかし今は、そんな時代ではない。
「女性の能力を生かす」といっても、どんな能力なのかすぐには思い浮かばない。
日用品や服飾という分野では、女性の感性や能力が発揮されやすいか?といわれると、必ずしもそうだとはいえない。
むしろ、自分がどの分野に興味や好奇心があるか?というコトのほうが、自分の能力を発揮しやすいと言える。

就職試験などで「女性の能力を発揮できる」という言葉は、適切ではないのかもしれない。
もうひとつ付け加えるなら、往々にして「自分の思ったような仕事に就くことは難しい」というコトだ。
でも、様々な経験をすることは「自分の引き出しを増やす」コトにもなる。
大切なことは、「生活者が豊かになるモノ・コトを提供する」という、当たり前のコトを性別関係なく協力しあい、時にはライバルとなってやっていくことが大切なのでは?

企業側にお願いしたいのは「女性を、男性のように働かせる」のは、やめて欲しい。
「男性のように働かせる」というコトバは、適切ではないかもしれないが、「女性のライフサイクル」に男性も合わせるような働き方を、企業も考えて欲しいのだ。
社員は企業の召使ではない、大切なステークホルダーなのだから。

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明日から、実家の父の看病といいますか、家事サポートとお盆準備のためしばらくお休みをさせていただきます。
再開はお盆明けを予定していますが、それ以前に再開できれば・・・と願っています。
遠距離老親の生活支援の現実です。