日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

林業も第6次産業化できないか?

2009-04-22 20:00:00 | ビジネス
我が家に、通販の夏カタログが送られてくるようになった。
WEBサイトで買い物をするのだが、カタログのページをめくりながら、アレコレ考える時間は、とても楽しい(その意味で「カタログ」というツールは、重要だと思う)。

そのカタログ商品の中で、気になるモノがあった。
それは高知の池川木材工業と言う企業の「桧のジョイントマット」(注意:PDFファイル)と言う商品だった。
もちろん、ジョイントカーペットのような商品ではないのだが、これからのシーズン、ベランダなどに敷き詰めれば、素足に心地よさそうな気がする。
もしかしたら、太陽で熱くなるベランダが少しは涼しくなるかも知れない(と、期待してしまう)。

そしてこの商品を眺めながら、農業で進んでいる「第6産業化」が林業でもできないのか?と思ってしまった。
この池川木材工業さんなどは、実際伐採をしている山に製材所を持ち、そこでこのようなマットを作っているようだが、このような企業は日本全国でどのくらいあるのだろう?と、思ったのだ。

私のイメージの中では、「山から切り出し→町の木材問屋→町の製材所→町の加工場→工務店」という順番で、私たちのトコロへ来るような気がするのだ(小学校で勉強したような知識で申し訳ない)。
現実は違うのかも知れないのだが、住宅用木材だけではなく、間伐材などを使った「木材雑貨」的な商品こそ、「第6次産業化」すべきなのでは?と、思うのだ。
もちろん、日本全国にある伝統木工産業などは別だ。

「第6次産業」という限り、林業・森をキーワードにした「観光事業」というコトも含まれる。
単なる「森林浴」というのではなく、もっと積極的な「フットパス」的な地域全体を歩くと言うような提案だ。
昨今のウォーキングブームなどを考えれば、「森林浴+ウォーキング」が楽しめるような提案は、受け入れられやすいような気がするのだ。
それに「フットパス」と言うコトであれば、ある程度の道の整備は必要だが何も林道を舗装する必要はない。
むしろ、舗装されてない道を歩くことで見つけられる自然を楽しむことが大切だからだ。

土産物的木工製品ではなく、生活の中で使える雑貨を中心に置くことで「林業の第6次産業化」というコトもできるのではないだろうか?
そんなコトを考えながら、通販の夏カタログを眺めている。


政府も「集中と特化」的予算配分が必要なのでは?

2009-04-22 11:59:04 | ビジネス
先日から気になっている新聞の記事がある。
それが讀賣新聞のWEBサイトに掲載されていた、iPS細胞の研究競争激化、日本は米に「1勝10敗」と言う記事だ。

ご存知の通り、「iPS細胞」を発見したのは京都大学の先生だ。
この発見は、ノーベル賞に値すると言うほどの評価だと言われていた。
それほどの発見だったのにも関わらず、その後の研究・開発に関してはアメリカに遅れをとっていると言うのだ。
正しくは、昨年暮までは日本が優位だったのが、オバマ大統領の登場により、その状況が一変したと言うのだ。
言い換えれば、アメリカ政府をあげて「iPS細胞の研究・開発に取り組んでいる」というコトだ。

翻って日本はどうなのだろう?と、考えてしまうのだ。
景気対策として15兆円を超える、補正予算を組んで麻生さんは自信満々と言うトコロだが、この15兆円を超える予算については「バラマキ」という、指摘もイロイロなところでされている。
自動車産業や電機産業に対して、厚遇政策のようなトコロばかりが目立つような気がするのだが、もっと将来的で日本が世界の中で優位に立てる産業・事業分野に対して集中と特化的な予算配分という方法もあってのではないだろうか?

何も「iPS細胞」に限ったことではなく、触媒技術を使ったエネルギー研究(NHK「爆笑問題のニッポンの教養」より)など、全世界が注目している研究が、様々なトコロで(多くは大学)で行われている。
そんな将来性の高い研究・技術開発がされていながら、予算の問題で優位性が保てないとすれば、それは日本にとって大きな損失だと思うのだ。
このような「研究・技術開発は企業に任せて」と言うのではなく、「バラマかれる」予算の一部を、このようなトコロへ投資することで、新しい日本の産業が誕生する可能性が高いと思うのだ。
もちろん、そのような産業を支えるために作り出され無くてはいけないであろう、道具としての「機械・器具製造」などは、日本の町工場の得意分野でもあるはずだ。
とすれば、今は小さな研究室で行われているコトは、将来の大きく主となる産業になる可能性があるのではないだろうか?

そんな「将来への投資」という予算配分という、発想があっても良いのではないだろうか?
今の産業構造を維持するだけが、良いのではない。
むしろ、将来像と言うヴィジョンを掲げ、そのための投資予算によって新しい産業構造を創り上げるというコトもまた、日本を元気にさせる方法だと思うだ。