日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

モノを買って、社会貢献

2009-04-01 19:03:35 | ビジネス
今週の初めに、カシオがWWF(世界自然保護基金)を支援する腕時計発売と言うプレスリリースが、新聞のWEBサイトに掲載されていた。
ご覧になられた方も、多いかも知れない。

そして今日、夕方テレビニュースを見ていたら「1チョコfor1スマイル」と言う、森永のテレビCMを見た。
チョコを買うと、そのいくらかが途上国の子供たちへの教育や食糧支援となるという内容だ。

これらのプレスリリースやテレビCMを見ていて、フッと思い出したことがあった。
それは、ここ2、3年でこのような「○○を買って、社会貢献」という企業が増えてきた事だ。
例えば、ヴォルビックの「1Lfor10Lプログラム」などは、夏に向けて定着しつつあるキャンペーンとなりつつある。
以前、拙ブログでも紹介させていただいた、建機メーカーコマツとミニカーなどおもちゃ製造・販売をしているタカラトミーの共同キャンペーン
「コマツ対人地雷除去機D85MS」販売が、昨年あった。

カシオとWWFとの共同キャンペーン商品は、気軽に購入できる価格のモノではないのだが、ヴォルビックや森永、コマツ・タカラトミーの共同キャンペーンプログラムなどは、どれもが気軽に生活者が参加できる内容のものだ。

ヴォルビックの水、森永のチョコレート(お菓子)、コマツ・タカラトミーの「ミニカー」など、企業に共通していることは、企業の柱となる商品とキャンペーンプログラム内容が、とても近いと言うコトにある。
だから、企業側も無理をせず、生活者に参加を呼びかけることができるし、呼びかけられた生活者も自然に受け入れる事ができるのだ。
他にも、ワコールやエイボンなどが「ピンクリボン・キャンペーン」に参加をしているのは、「女性」をキーワードとしているからだ。

そして最近、企業がこのような「社会貢献」に積極的なのは、生活者の意識変化もあるからだろう。
同じ(目的の)商品を購入するなら、環境や子供の教育・生活支援など社会意識の高い企業からモノを買いたい、と言う意識が顕著になってきているからだ。

この不況下で、生活者の意識は「低価格」へと移っている、と言う事実は確かにある。
反面、オーガニック野菜や生産者の顔が見えるモノを購入する意識も高まっている。
「安心・安全・おいしい」コト・モノに対して、少々高くても購入すると言う生活者も確実に増えているのだ。
そのような生活者の意識変化に対する一つのアプローチが、このような「○○を買って、社会貢献」だとも言える。
それが、最終的に「社会責任意識が高い企業」と言う、イメージを作り、企業ブランドを作る一つとなっているのだ。

「ハッピーエンド、始まる」-新人たちに・・・-

2009-04-01 12:50:33 | アラカルト
昨日、土屋耕一さんについてエントリをさせていただいた。
そして、今日のエントリタイトルである「ハッピーエンド、始まる」というのは、その土屋さんと長い間一緒にお仕事をされていたと言われる眞木準さんの作品だ。

今から20年ほど前、伊勢丹の夏キャンペーンのコピーが「ハッピーエント、始まる」だった(夏キャンペーンだったと思うのだが、もしかしたら春だったかも?)。
私自身、今でも大好きなコピーの一つなのだが、多くの人に紹介すると「どうしてエンド=終わりが、始まるの?」と聞かれてしまう。
確かに「エンド=終わりが始まる」というのは、おかしなコピーだろう。
その意味で、糸井重里さんの「おいしい生活」と似ているかも知れない。
いや、もっと変な印象なのかも知れない。

「一種のレトリック的な、コピーライティングの技法」と言うコトになるのかも知れないのだが、そんな難しいコトよりも、(受け手が)聞いた瞬間ハッとし、印象に残ると言う意味で、優れたコピーだと思う。
だが、私がこのコピーが好きな理由は「未来に向かうエンド=終わり」だからだ。
「エンド=終わり」ではなく、「ハッピーエンドになるための始まり」という意味が込められているように感じがするのだ。

今日新社会人だけではなく、一部大学では入学式が行われ、新しい世界に歩き出した人たちがたくさんいることだろう。
残念ながら、「明るい未来」とは言いがたい社会・経済状況となっている。
だが、いつまでも100年に一度の大不況が、永久に続くわけではない。
だからこそ、新しいスタートは「ハッピーエンドになるための始まり」であって欲しいと思うのだ。

そのためにも、諦めず、チャレンジするための努力と(偏差値で計れない)勉強を続けて欲しいと思う。
新しく出会う人たちから「あなたと出会えてよかった!」と言われるために。