日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

個性が見えない

2009-04-02 11:42:55 | アラカルト
昨日、企業の入社式の模様をテレビのニュースなどでご覧になられた方は、多かったのではないだろうか?
思わず、「自分の頃は・・・」と懐かしい気持ちになりそうになったのだが、それよりも気になったことがあった。
それは、新入社員たちの服装だ。

以前エントリしたような記憶があるのだが、それも大分前のコトなので再度・・・と言うコトなのだ。
テレビのニュースなどで取り上げられる企業と言うのは、いわゆる「大手」と呼ばれる企業で、入社式に集まる新人たちも多い。
人数が少なくてもニュースに取り上げられるのは、国家公務員や話題の自治体など。
そのような企業や大手に就職する若者たちは、何故か皆「お行儀が良い」。
コメント一つとってみても、実に期待通りのコトを言う。
そして、服装は決まってダークスーツに白いシャツ、男性ならブルー系のネクタイ、女性なら白いシャツの衿をスーツ外に出している。
まるで「金太郎飴」のように、どの企業もどの自治体の新人も同じような服装だった。

ただ、20年以上前に社会人になった私としては「面白みに欠ける」と、感じてしまうのだ。
今年新入社員として社会に出た若者たちは、子供の頃「個性を大切に」と言われて育ってきた世代だと思う。
ところが、この不景気もあってなのか?「安定志向」と言うのか?「右へならへ」と言わんばかり。
まるで「制服」のようだった。

おそらく彼ら・彼女たちが高校生の頃は「校則通りの制服なんて、ダサイ!!」と、実に個性的なアレンジをして制服を着ていたのではないだろうか?
それが入社式となると、私服が制服化してしまうというのは、面白い現象だろう。
むしろ、「制服」と言う制約が無いからこそ「制服化」してしまうのかもしれない。
ただ、社会人というのは従順に上司の言うことをすれば、大丈夫と言うわけではない。
まして今のような社会状況であれば、そのような新入社員では、他の社員で十分足りると言う話になってしまう。

「服装が個性的=発想が豊か」とはいえないが、ココまで制服化した服装で入社式に臨む姿を見てみると、「もっと、自分らしさを表現した服装」があっても良いのではないか?と、言いたくなってしまうのだ。
もちろんTPOを十分理解した上での「個性」と言うコトになるのだが、「みんなと同じ」は「安心」ではなく、「自己が無い」と見られるのもまた社会なのだ。
特に、「没個性度」が顕著だった女性陣たちには、春らしい軽やかで優しい色のコーディネートをして、入社式に臨んでもらいたかった・・・・と、男女雇用機会均等法以前に社会人になった、私などは思ってしまったのだ。