日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

彼を追い詰めたモノは、なんだったのだろう?

2011-03-04 12:22:38 | 徒然
京大の入試問題、投稿事件(?)は、昨日受験した予備校生が逮捕されたことで、一応次ぎの段階へと進む。
彼のやったことは、反社会的行為だし、決して許されることでは無い。
だが、一つ考えたいのは「何故、そこまで彼を追い詰められたのか?」という点だ。

報道では、(お父様が亡くなられ為に)家計のことを考え、どうしても国立大学へ進学したかった、センター試験の結果(自己採点?)が良くなく、自信がなかった、等などが伝えられている。
それら一つ一つには、犯行動機の理由としては分る。
分るのだが、周囲の大人も含め、もう少しゆとりのあるアドバイスが出来なかったのだろうか?

何となく「大学に入ることが人生のゴール」のような捉え方をし、「何としてでも京大に合格しなくては!」という、強い過ぎる思い込みのようなモノが犯行へと突き進んでいったような気がしてならない。

30年以上も前の受験生としては、その「切羽詰まった感は分るけど、大学が人生のゴールでは無いんだよ」と、声を掛けてあげたいのだ。
むしろ、大学を卒業し社会に出てから(≠就職)が人生の本番、理不尽とも思える辛いコト、悔しいことが沢山待ち構えている。
もちろん、それらの辛いコト、悔しいことを乗り越えた後には、人として大きく成長している。
だから、そんなに視野を狭めて、思い込まずに考えて欲しいのだ。

「家計のことを考えて」というなら、東北大学や地元の山形大学だって選択肢としてあっても良かったのでは?
予備校では「京大文系コース」に在籍しているから、何が何でも京大に進学しなくてはいけないわけでは無い。
確かに、予備校側としては「京大文系コース」の京大合格は、実績にもなるし、良い宣伝にもなる。
だからと言って、予備校にあわせる必要などは無い。
何より、京大と東北大学で学べるコトは遜色が無いはずだ。
というより、学ぶ気持ち次第で学生生活は大きく変わるのだ。

彼の「京大へ進学」というプライドが、他の選択肢を見えないモノとしていたとすれば、逆に周囲の大人が「違うんじゃないか?」と、アドバイスするコトも大切だったのでは? 
予備校側としても、最終的には受講生の合格率が高い方が、世間で言う「良い予備校」というコトになると思うのだが・・・今は違うのだろうか?
それだけではなく、「何を学ぶためにどこに行くのか?」という指導をして欲しい・・・と思うのだ。