日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

言葉・説明の難しさ

2011-03-19 14:37:42 | 徒然
「東日本大震災」発生以来、テレビでは様々な言葉が飛び交っている。
特に、東京電力の「福島第一原子力発電所」の外側の建物が爆発して以来、難しい言葉が飛び交っている。

これらの一連のニュースを見ていて感じることの一つに、「説明の難しさ」がある。
例えば、「放射線量が通常の○倍が、観測された」と聞くと、ビックリし「被爆するのでは!」と、浮き足立ってしまう。
しかし、その単位というと「シーベルト」など、普段聞きなれない単位だ。

もちろん、物質ごとに大きさを測る単位の言葉は違って当然なのだが、余りにも聞きなれない言葉であるが故に、「放射能=被爆」というイメージに「通常の○倍」と言う情報だけで、「危険な状態にある」と思い込んでしまう。
いくら枝野さんが「健康被害がないレベルです。安心してください」と言ったところで、不安がよぎるのはある部分では、仕方のないことなのかも知れない。

ただ、説明をよくよく聞くとテレビで報じられている数字はあくまでも「1時間あたり」という数値。
それも「マイクロミリシーベルト」という、「小さい」とイメージさせる「マイクロ」と「ミリ」という単位が2つもついている。
とすれば、説明をする時に「通常の○倍」という前に、「健康被害を及ぼすコトの無い、××マイクロミリシーベルト/時間が観測され、通常の○倍です」と言うほうが、「安心感を与える」のではないだろうか?

もう一つ感じていることは、今回の大震災で破壊された「防潮堤」だ。
一部ではまるで機能しなかったかのような言われ方をしているが、「もし防潮堤がなかったら」という視点で、語られることはほとんどない。
その点を地震学者の方々は、訴えられているようだが、そのコトバは伝わってはこない。
扇情的なメディアに、かき消されているようにも感じる。

「防潮堤」のことを取り上げた理由は、これから先の「防災対策」の問題の中でとても重要なポイントとなっていくと感じてているからだ。
今回のような津波に耐えられるような「防潮堤を造る」という考えもあるかも知れない。
むしろ、そのような考えをする方のほうが多いかも知れない。
しかし、それでは「観光地・三陸海岸」のイメージを著しく悪くさせてしまう。
とすれば、地震学者さんたちが言っているように、被災地域の高台などに「避難やぐら」を造るほうが現実的な気がする。
そのようなことを含め、多くの生活者が不安に感じ、動揺している時だからこそ、平易な言葉で説明をして欲しいと感じている。

何もこのような震災に限ったことでは無いのだが・・・。