日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

aicezuki君が提議したコト

2011-03-05 13:40:02 | 徒然
「京都大学入試事件」で、イロイロなことを知った。
実は、余り携帯電話を使う生活をしていなかったこともあり、携帯電話の便利機能というモノは、まったくと言って良いほど知らない。
aicezuki君は実際にはやっていなかったが、新聞などを撮影するとテキストとして登録できるなどという便利機能があるというのは、初めて知ったのだった。
実際は、監督官の目をかすめるように股に挟んで入力していたようだ。
それにしても、相当緊張感がある中で高速(?)打ち込みができるaicezuki君は、もっと他のことでその能力を発揮して欲しかった。

一方では京大への様々な批判が起きている。
一つは、「監督の不行き届きが、このような行為を招いたのではないか」という、指摘だ。
事実、aicezuki君は「京大はやりやすかった」と話しているようだ。
もう一つは、「カンニングで、逮捕するというのは行き過ぎではないか」という点だ。
おそらく、これまでも「カンニング」で合格してきた学生がいなかったとは思わない。
極々わずかであっても(と、信じたい)そのような輩はいるだろう。
むしろ今回の事件は「携帯電話」という、大学側が予想もしていなかった方法で、不正行為をした、ということが問題なのだと思う。
その意味で、aicezuki君が起こしたことは、「今」という時代を感じさせ、大学や大人に対する警告だったのかも知れない。

その中で、考えるコトがある。
それは、「日本の入試の在り方」だ。
現在は、センター試験と各大学の入試試験の結果で合否が決定する。
ある意味では「試験の結果だけで、決まってしまう」のが、日本の入試システムだといえる。
その「結果」を求めるために、aicezuki君が追い詰められていたとすれば、日本の入試システムそのものも、問題なのでは?

もちろん、私が受験生だった頃から「推薦入学」という方法があり、その後「AO入試」と呼ばれる、学力試験ではない入試方法もある。
ただこれまでの、入試のあり方を見直したといわれる「AO入試」だが、昨年あたりから、入学した学生の学力不足なども指摘されているようだ。
でも、折角厳しい受験勉強を乗り越えたことで「燃え尽きてしまう」学生も少なくない。
「大学で何を学ぶのか?」ではなく、「大学に入ること」が目的となってしまっている、という指摘は再三されてきたにも関わらず、改善されているという情況では無い。
何故そのようなことが起きてしまうのか?
やはり、「大学入試」そのものの在り方を大きく変えなくては、難しいのかも知れない。
少なくとも、「センター試験」が学力到達を図るものであるのであれば、個々の大学入試は「何故、この大学へ進学したいのか?そして、何を学びたいのか?」という、レポートを提出を前提とするくらいの変革が必要なのかも知れない。
その意味で、欧米の大学入試は参考になるのでは?

そして、昨年話題になったハーバード大のサンデル教授のような、白熱する授業が活発に行われることで、「レジャーランド化した大学」から本来の大学へと戻っていくのでは無いだろうか?