日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日本の農業は、競争力がないのだろうか?

2011-03-09 20:05:32 | ビジネス
今日、「社団法人中央酪農会議」の意見広告が、新聞に掲載されていた(朝日新聞のみ)。
そのキャッチコピーを見ながら「日本の農業って、競争力がないのだろうか?」と、考えてしまったのだ。

この意見広告は、TPP参加に対する反対を示す広告だということは、すぐに分る。
何よりもキャッチコピーそのものがややセンセーショナルで「安全まで『開国』してしまって、良いのだろうか?」という、日本へ乳製品を輸出しようと考えている諸外国の農業担当者からすれば、不快感を持つような内容だからだ。
あくまでも日本国内向けだとは分っているのだが、本当に今の日本の酪農製品はTPP締結後壊滅的打撃を受けるのだろうか?と、考えているようにしか思えないのだ。

果たして、本当に壊滅的な打撃を日本の酪農家は受けるのだろうか?
というのも、おそらく世界の中でも一番「わがままで、安全・安心に対するコストを支払うことに抵抗感がない生活者」は、日本人だと思う。
その証拠という訳では無いが、相当量の食品廃棄物が毎日出る国というのは、日本くらいなのでは?
それも「消費期限」ではなく「賞味期限」で、食べ物を安易に捨てる(=言い換えれば、それだけ食品に対する衛生・安全意識が高い)コトに、抵抗感がなくなってきている社会が、今の日本なのような気がする。

「安易に食べ物を捨てる」コトを奨励するわけでは無い。
食べ物は、美味しく期限内に食べることが、生産者への礼儀だと思っている。
だから必要な分だけ必要な時に購入する、とか冷凍保存や干し野菜などにして、美味しく頂くような努力をするコトは大切だと思う。
でもそのようなことができるのは、その素材そのものが美味しいだけではなく、安心・安全が確保された農作物だからだ。

話がそれてしまったが、個人的には日本の農作物も酪農製品も丹精込めて作られた、とても美味しく厳しい基準をクリアした安心・安全が確保された日本の農作物や酪農製品は、世界でも充分競争できるモノだと思っている。
とすれば、日本の農業団体は余りにも自分たちが作っているモノを低く見ているような気がするのだ。

10年ほど前、築地に来たフランス人シェフはこぞって砥石と日本の包丁を買って帰っていったといわれる。
それが、今では昆布や鰹節などを争うように買って帰るという。
それだけ、日本の味が世界から注目されているのだ。
当然、食材にしても「日本製」が求められているのでは?

もっと日本の農家さんは、ご自分たちが作らる農作物に自信を持ってよいと思うのだ。