日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

災害時のテレビCM

2011-03-27 12:56:26 | CMウォッチ
「東日本大震災」以降、テレビCMが一斉にACジャパンのモノになり、いろいろな批判のようなモノも出てきた。
確かに、同じCMを繰り返し見させられるほうは、「たまったもんでは無い!」ということだろう。
私のように「趣味:テレビCM」という人は、圧倒的に少ない存在だと思っている。
 
そんなテレビCMだが、徐々に通常の内容が復活しはじめている。
その中に、興味のあるテレビCMがいくつかある。
一つは、グーグルやYahooなどのポータルサイトのCM。
ネット系のテレビCMとしてはミクシーも、つい最近登場した。
これらネット系のテレビCMは、被災地の情報や安否情報などを主に提供しているという内容を訴えるCM。
もう一つは、日本赤十字社の「ラブ・イン・アクション」という、献血を促すCMだ。
それらのCMに加え、NTTやAU、ソフトバンクなどの「災害用連絡掲示板」などのCMも目に付くようになってきている。

これらのテレビCMを見ながら思ったことは、なぜ震災発生当時からこれらのテレビCMが流れなかったのだろうか?というコトだ。
確かに、グーグルやYahoo、ミクシーなどは新しい情報ツールなので、このようなテレビCMを作るという発想は、なかったかも知れない。
むしろ被災状況が分るにつれ、これらの情報ツールの有効性の高さが分ったことで、テレビCM製作を考えたのかもしれない。

一方、日本赤十字社のテレビCMは、震災発生直後献血に駆けつけた人たちが多かったことなどで、そのような対応ができなかったのか?という考え方もできる。
むしろ、日本赤十字社としては長期的献血活動のためには、今がタイミングだと考えた可能性もある。
なぜなら、献血された血液が使用できる期間がとても短いため、一時に多くの人が献血しても、その大切な思いを使いきれない可能性があるからだ。

ただ今思うコトは、震災時の緊急CM=ACジャパンではなく、もっと柔軟なCM放送があっても良かったのでは無いだろうか?というコトだ。
緊急性の高いNTTやAU、ソフトバンクの「災害用連絡掲示板」などは、今よりも発生時から流された方が、効果は高いだろう。
それから、数日後にはグーグルやYahoo、ミクシーなどのネット系の安否確認情報や被災地情報と続けば、テレビを見ている側(=視聴者)の印象も変わっただろうし、多少なりとも安心感がでたのでは無いだろうか?

何よりこれらのテレビCMは、テレビCMであってテレビCMでは無い。
大切な情報を得るための情報なのだ。
ACジャパンのCMの間に、このような情報CMがあったのなら・・・今回の震災は、非常時のテレビCMの在り方も変えるかもしれない。

発言から見える本音?

2011-03-27 04:42:40 | 徒然
震災直後、石原都知事の発言した「震災天罰」発言は批判が集中した。
翌日には、石原さんとしては異例(?)な謝罪をしている。

もちろん「震災天罰」発言については、様々な受け止め方があった良いと思う。
ただ、個人的には石原さんの本音というか潜在意識のようなモノが、思わず出てしまったのでは?と感じている。
そしてその言葉を引き出した、記者さんもまた石原さんから引き出したかった言葉は、まったく違うモノだったのでは?という気もしている。
というのも、この「震災天罰」発言が飛び出したのは、蓮舫さんが、東京都に節電のお願いに行った直後の記者会見だったからだ。

一連の流れから考えると、石原さんは「東京が日本の中心なんだし、東京がなぜ節電なんかしなきゃならないんだ」という、感覚があったのだと思う。
事実、蓮舫さんが「東京都が東京電力の3割を使用しているので、是非節電のご協力・・・」と言いかけた言葉を遮り、「(政府が)政令化すべき」と言い放っている。
このとき、福島第一原子力発電所が東京電力のモノだという意識はなかったと思う。
それがわかるのが、昨日の「福島の方々が、東京のために犠牲になっている」という主旨の言葉だ(それでも、宮城・岩手などの被災地に向けての言葉がない)。
そして、直後の記者会見で「震災天罰」発言が飛び出したのだ。
この言葉を引き出した記者さんの質問は、「今回の震災で日本の行動は?」という主旨のものだったと記憶している。
この質問自体「・・・」という気がしないわけでは無いのだが、おそらく記者さんは「民力の高い日本人なら当然」と言った主旨の言葉を引き出したかったのでは無いだろうか?
というのも、このような主旨の言葉を石原さんは色々な所で発言しているからだ。
ところが、出てきたのは「震災天罰」発言だったのだ。

石原さんとすれば、本来であれば最注目されるはずのご自分の都知事選の話題が、震災で吹っ飛んでしまったのだから、心のどこかでは苦々しい思いがあったのでは無いだろうか?
本来であれば、ミネラルウォーターやガソリンなどの買占めに走る都民を落ち着かせるために「今は被災地優先で東京が動かなくては、日本がダメになる」くらいの発言をすべきだったのだ。例え本音は、別だとしても。

石原さんとは別に、この震災で思わず本音(?)を口にしてしまった方がいらっしゃるようだ。
経済評論家の勝間和代さんの「朝まで生テレビ!」での発言だろう。
この番組を見ていないので、実際のやり取りは分らない。
ご本人は、「言いたかった主旨が伝わっていない」とご自身のツイッターやブログで呟いたり、書いたりしていらっしゃるようだが、私が指摘したいのは「小児がんや甲状腺がんになる程度」という言葉だ。
彼女自身3人のお子さんの母親だということを考えると、そう簡単に口に出せる言葉では無いのでは?
少なくとも、一般的な母親は「小児がんになる程度」という感覚も発想も持っていないと思う。
だから、ミネラルウォーターを買いに走っているのだろう。
もしかしたら勝間さんは、「治療すればいいんじゃない」と考えられたのかも知れないが、「小児がん」の場合、成長期に抗がん剤治療を行うため「晩期後遺症」という抗がん剤の後遺症が現れることがあり、この後遺症にも小児がん患者とその家族の方々には心理的・経済的負担が大きく圧し掛かっている。
 
それが、口を突いて出てしまうということを考えると、彼女の中では「自分>子ども」なのでは?と、感じてしまうのだ。
いくら電力会社の原発推進CMに出演しているからといっても、母親というスタンスが彼女の中に少しでもあれば、このような言葉は出なかったのでは?
だから尚更「自分>子ども」という彼女の潜在意識のようなモノを見たような気がするのだ。
「子どもよりも、自分が大好き・大事」と取られられても仕方のない言葉だと思う。