日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

そろそろ元気になるCMが見たい

2011-03-23 11:43:59 | CMウォッチ
「東日本大震災」以降、しばらくはテレビ番組が消え、テレビCMも消えた。
数日後、ボツボツとレギラー番組が戻りはじめると同時に、テレビCMも見れるようになってきた。
ところが、多くの企業がテレビCMを自粛していることもあり、目にするテレビCMは「ACジャパン(旧公共広告機構)」のものがほとんど。
個人的には、パチンコのテレビCMを見ないコトは少し嬉しいのだが、一般的なテレビCMがほとんど見られないというのは、心寂しい。
ちなみに「ACジャパン」は、決して政府広告だけを流しているわけでは無い。
それぞれにスポンサーがいて、「子宮頸がん・乳がん検診」のCMは「公益社団法人・日本対がん協会」、以前エントリした「国境なき医師団」や「国際高等弁務官事務所」などがある。

その「AC」のテレビCMでも、災害をテーマとしたとても素敵なCMがあった。
丁度16年前、「阪神淡路大震災」が起きた直後に流れた、「水、水出てるよ、もっててや。でも生で飲んだらいかんよ、ポンポン(お腹)壊すさかい」や「ボランティアを募る」という、被災地で実際に撮影されたCMだ。
この時の共通テーマは、「人を救うのは、人しかいない」。
いずれも、被災地の臨場感というものがダイレクトに伝わってくる、秀逸なCMだった。
それに比べると、現在のACのCMはチョッとお行儀が良すぎて、煩わしさを感じさせるのかも知れない。

そんなお行儀の良いACのテレビCMばかりを見ていると、そろそろ元気が出そうな企業CMが見たくなってくる。
日頃、「CMなんか見ない!」という方であっても、昼夜問わず震災関連の番組ばかりでは、テレビCMはチョッとした息抜きになるように思う。

私が個人的に、見てみたい!と思うCMは・・・。
今年のお正月に流れた、サントリーBOSS・レインボーマウンテンの「とある老人篇」だ。
昭和から平成へと年号が変わるのにあわせ、その時々の世相が映し出される。
まさに、日本の復興期からバブル期、そして現在と映し出される映像に流れる曲は、坂本九さんの「上を向いて歩こう」。
本当は、スカイツリーを見上げているのだが、でも下を向いてばかりでは前には進まない。
だから上を向こう!という、メッセージも少し入っている。

被災地の人たちが、本当に立ち上がるまでには多くの時間が必要だろう。
でも、それをサポートする被災地以外の私たちまで、暗く沈んでいては何にもならない。
被災地の人たちを支えるためにも、上を向こうよ!そんな、気がするからだ。