日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

さよなら「おしゃれエコ」-消費のパラダイムシフトが始まる?-

2011-03-25 14:44:26 | ビジネス
「東日本大震災」以降、日本人の生活スタイルが大きく変わろうとしている。
もちろん、被災地の復興は最優先されるべきコトではあるが、と同時に被災地以外でも「生活の見直し」が一気に進むような気がする。
一言で言えば、「さようなら、おしゃれエコ」というコトかもしれない。

ここ数年、頻繁に聞く言葉の一つが「エコ」もしくは「環境」だろう。
それは、このところ批判されているACジャパンのCMの量よりも、はるかに多いはずだ。
だが「計画停電」などの実施で、「本当にエコな生活とは」というコトを考えざるえない状況になってきた。
というのも「これまでのエコ」は、あくまでも「便利な生活の上にあるエコ」だったからだ。
それが一転、あらゆる生活の見直しを余儀なくされている。

首都圏では、身近な野菜ですら遠い地域から来ているというコトを、改めて知ったのではないだろうか?
福島第一原子力発電の事故では、「自分たちの電力の一部は、自分たちの生活圏外から来ている」ということを思い知らされただろう(=大都市部の多くは同じ問題を抱えている)。
原子力発電所については、今後のエネルギー政策にも大きく関わってくるが、その論議の前に「電力を使わない生活」というコトを生活者自身が考えなくてはならない。
「大都市の便利な生活は、地方の協力なしでは成り立っていない」というコトになるかも知れない。
だから都知事候補の人たちが「東京が元気でなくては、日本経済はダメになる」というコトバが、私には虚しく都市のエゴに聞こえてしまう。

だからと言って、単なる「身を縮ませる消費」では、日本の経済は立ち行かなくなる。
「消費のシフト」で、新しい市場を創っていくということが大切な気がする。
「エコ」と言っても、数年前話題になった有名デザイナーのエコバッグを購入するために、大行列を作るような「上っ面エコ」ではなく、本当に必要なモノ・コトを見極め、チョッと不便なことに違う価値を見出す・・・例えば、節電に協力する代わりに、天体観測を趣味にするというような、消費スタイルが生まれてくるのでは無いだろうか?
それは、住宅などの「一生の買い物」にも反映されてくるような気がする。

過去何度も言われてきた「物質型消費」から「心充実型消費」という、提案がこれからの企業に求められるのではないか?