日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

成果主義と非正規雇用の限界

2008-07-22 22:03:31 | ビジネス
毎日新聞のWEBサイトに、今日発表された「労働白書」の記事が掲載されている。
拙ブログでは、大分前から「成果主義の限界」というコトを指摘してきたつもりなのだが、やっと「労働白書」でも指摘されるようになってきたようだ。

「成果主義」といっても、総ての成果主義が悪いというわけではないと思う。
問題なのは、何でも数値化することで、数値化できないコト・モノを蔑ろにするという発想が問題なのだと思う。
そこには「個人の成績表=成果」というコトばかりが注目され、仕事をする仲間としての評価がなかったということもまた、問題だったように思うのだ。

ビジネスキャリアをそれなりに積んでいる方なら、よくお判りだと思うのだが「一人でできる仕事」などは限られており、むしろ「チーム(=個の集まり)によって、成果が生まれる」のである。
それを個人評価ばかりを対象としてしまったために、周囲の人たちを出し抜いてでも自分の成果を上げようとする輩が出てくるようになってしまうのである。
そして、その様な人物がいることでチームワークが取れなくなり、「仕事」としての成果が上がらなくなってしまうのである。

もうひとつ、この「白書」で指摘している「非正規雇用者」についても、これまでのような「企業にとって使い勝手の良い人手」では、意味がないということなのだ。
先日も経験したことなのだが、某大手企業の関連会社に電話をしたとき、電話に出た若い女性の対応に、「今後、この会社は当然のこと、この親会社の商品・サービスは一切購入しない!」と、決めたほど酷い対応だった。
電話での対応で、「もしかしたら、ジョブ・トレーニングを受けていないのかも?」とか「派遣社員の女性か?」とも思ったのだが、その企業の名前で電話に出て、対応をする限り、受け手である生活者=消費者には、その企業の社員なのだ。
ところが、バブル崩壊後から始まった「正規雇用者」から「非正規雇用者」への雇用形態変化は、その様なコトまで考えてはいなかったように思う。

私も派遣社員として仕事をした経験があり、派遣社員の立場というものも理解をしている。
しかし、今の派遣社員の多くはジョブ・トレーニングすら、まともに受けていない場合が多くなってきているのである。
以前の「派遣社員」というのは、「プロの職能者の派遣」という意味合いが強く、本当の意味での「アウトソーシング」だったように思う。
「企業の名前」の下で仕事をする限り、どんな場面であっても他者から見ればその企業の社員であるということになってしまう。
そのためのジョブ・トレーニングに投資することなく、使い勝手の良い人手として扱えば、当然のことながら、労働意欲は低下するだろうし、部外者である生活者から見れば「大手企業といっても、あんな社員を雇っているんだ・・・」という、イメージダウンは免れない。

それが「(企業にとって)都合の良い人手」となってしまった頃ぐらいから、おかしくなってきたように思うのだ。
企業側が低賃金で働かせたいと思えば、ジョブ・トレーニングなどにお金はかけられない。
それなりの職能を持っていないから、低賃金で甘んじるコトになり、収入が少ないため社会保障費などは当然のこと、日々の生活においても「爪の先に火をともす」ような質の低い生活となり、結果、日本の国内経済は縮小の一途をたどってしまうのである。
そんな「負の連鎖」を続けていると、本当に多くの企業がバタバタと倒れていく可能性が十分にあるのだ。

今回の「労働白書」は、今後の日本経済を考える上でも、重要なコトを指摘しているような気がする。

蜂蜜入り緑茶は、ヒットするか?

2008-07-22 10:23:30 | マーケティング
お昼、近所にあるコンビニに行ったら「「蜂蜜入り緑茶」という、新商品を発見した。

昨今の緑茶ペットボトル飲料の人気が、高いのはみなさんご存知のはず。
その様な緑茶人気を背景に、サントリーは「伊右衛門」を「IYEMON Cha」として、海外進出をし始めている。
海外での日本食ブームなどもあり、いわゆる「私たち日本人が飲む緑茶」が受け入れられるという考えがあってのことだろう。

実は、海外特にアジアでは日本のような飲み方で、緑茶を楽しんでいるわけではない。
たっぷりのお砂糖を入れて、緑茶を飲んでいるのだ。
お砂糖をたっぷり入れて飲む紅茶も緑茶も、茶葉そのものは同じだと考えれば違和感は少ないのかも知れない。
だが、私の頭の中では「味の想像」が出来ても、「飲みたい」という気持ちにはならないのだ。
味覚というのは、育ってきた環境に左右されると言われるようだが、まさに私の中では「緑茶に砂糖(や蜂蜜)」というのは、ありえないのだ。

プレスリリースの中に、「抹茶など、お茶を使ったスィーツや抹茶ラテなどの人気があることを踏まえ」という内容の一文があるのだが、抹茶と私たちが普段飲む煎茶などとは、苦味や渋みといったものが、まったく違う。
抹茶に甘味が合うのは、抹茶独特の苦味があるからだ。
お茶席などでお薄を頂く時には、お菓子を先に頂きその甘味を消し去るようにお薄を頂くのだ。
単純に、お茶に甘味が合うというのではない。
その点で、この商品開発者が理解していたのか、疑問なトコロがある。

「アジアでは緑茶に砂糖などの甘味を入れて飲むから、商品化した」というのでは、難しいような気がするのだ。
それでなくとも、緑茶飲料がヒットした背景には「甘くない」という理由があったからだろう。
紅茶やコーヒーなどのペットボトルや缶入り飲料が、こぞって「無糖」を謳った商品を展開している理由も、そこにあるのだから。

私のような、既成概念というか固定観念の塊のような味覚の持ち主には、味の想像が出来ても、買いたい!という気持ちは起きない。
ただ、「コーラでお茶漬け」をするような若い世代の方たちには、受け入れられるのかも???



キットカット「すいか」味

2008-07-21 21:36:06 | アラカルト
先日、ドラッグストアーで「キットカットすいか」という新商品を見かけた。
チョッと買う勇気(?)が起きなかったのだが、シーズンごとに新商品を発売するキットカットも、遂にここまで・・・と、思ってしまった。

その直後、ご近所のスーパーですいかが、安く売られていた。
1玉600円弱。
そして、買い物にきていたオバサン達が「最近、すいかが体にイイらしいじゃない」と話ながら熱心に選んでいた。
オバサンの言っていた「すいかが体にイイ」というのは、最近話題になっている「シトルリン」が含まれているからだ。
以前から、すいかは、利尿作用があるといわれていたが、それ以外の健康的効果も科学的にも認められ、今年に入ってから次々と商品化され始めている。

まさかキットカットが、このような「シトルリン効果」を狙って商品化したとは思えないのだが、このタイミングでの発売ということもあり「キットカットも健康志向」になったのか?と、思ってしまった。

キットカットのパッケージを見ると、シルトリン効果というよりも「日本の夏」というイメージでの商品化だったようなのだが、もしかしたら現在発売されている「ベリー味」などももしや・・・と、思ってしまうのだ。

コレまでのお菓子は、「おやつ」というポジションでのモノだった。
しかし、生活の多様化によって「おやつ」に「健康」という機能も、加わるようになってきた。
新しく「健康」などの機能が加わることで、「オフィス・スィーツ(甘いお菓子だけでは無いのだが)」という新しい市場が生まれてきた。

上述の通り、キットカットがその様なコトを考えているとは思わないが、なんとなく気になる「すいか」味なのだ。


スポーツもオシャレじゃなきゃ

2008-07-20 23:23:31 | トレンド
最近、若い女性の間で「ゴルフ」が人気だという。
バブル期にも、若い女性の間でゴルフの人気が高まったコトがあったのだが、どうやら今回は違うようだ。
朝日新聞のWEBサイトにもゴルフ、脱「接待」 女性はおしゃれに・男性は健康作りという記事が掲載されているし、少し前の「スマステ」でも、「若い女性の間でゴルフが空前のブーム」(#296)という特集を組んでいた。

その背景にあるのは、プロゴルフの世界で活躍する若い女性ゴルファーの存在が大きいようだ。
彼女たちは、皆それぞれにオシャレでカッコイイ。
ピアスなどは当然、ウェアなどもそれまでの「ゴルフウェア」という感じではなく、「タウンウェア」のような、オシャレなカジュアルさがある。

その様な傾向はゴルフだけかと思っていたら、「ランスカ」なる商品があるコトを先日知った。
「ランスカって何?」と思われた方、大丈夫ですよ。
決して、流行に乗り遅れているわけではない!と思いますから。
「ランスカ」というのは、ランニング用スカートのことらしい。
実際ネットで検索してみると、いくつかのスポーツメーカーが製造・販売をしている。
ただし、「ランスカ」という名称は商標登録されているようなので、ある意味商品名だと考えた方が良さそうだ。

ジョギングなどをする女性向けのウェアというのは、ジャージやスパッツというのが定番だったのだが、「オシャレをしたい」女性にとって「(ウェアを)選べないのは、イヤ!」というコトで、このような商品が開発されたようだ。
スパッツとサイドスリットが大きく入ったミニ丈のスカートという組み合わせは、ありそうでなかった。
初めて「ランスカ」という名前を聞いたとき、私などは「ジャージ素材のフレアーキュロット(スカート)」だと思っていた。
おそらく、このスタイルでは走る時に不都合があるのだろう。
もしかしたら、テニスやグランドホッケー、ラクロスなどのウェア(スカート+アンダースコートやショートスパッツ)から、着想したスタイルなのかも知れない。
というのも、これらのスポーツウェアは可愛いらしく動きやすいからだ。

これからは、スポーツウェアといえども「オシャレで可愛く」という要素がなくては、スポーツそのものの競技人口が減ってしまうかも?と、思ってしまう。
このような市場が経済に与える影響は、大きくはない。
ただ、長期的な視点で見れば様々なトコロに影響するということもまた、事実なのだ。
スポーツとファッションは、仲が良い。
そして「ホノルルマラソン」のように、スポーツ目的の旅行なども人気が高い。
そのように考えれば、その影響力は想像できるはすだ。

読書感想文より絵日記を

2008-07-20 21:40:34 | アラカルト
お昼のYahooのトピックスニュースに「小学生の読書感想文も『コピペ病』」というのがあった。

昨日から、全国の多くの小中高学校は夏休みに入った。
そして小中学生の頃の夏休みの宿題で、頭痛の種の一つが「読書感想文」だろう。
実は、私も作文を書くことに苦痛を覚えたことがなくても、読書感想文だけは苦手だった。
というのも、学校の先生が期待するような感想文が書けなかったからだ。

大人になって、「読書感想文」を小学生に書かせること自体、間違っているのでは?と思うようになった。
というのも、「読書感想文」といいながら、先生たちが求めているのは「書評」だからだ。
小学生程度の知識や経験では、「面白かった」とか「つまらなかった」程度が精一杯。
それでなくとも「面白そうな作品」ではなく、何かしら「教訓的な作品」が「課題図書」に選ばれる傾向が強いのだ。
「○○に共感した」とか「××のした行動は、△△だと思った」などという「オトナが期待するような文章」が書けるほうが、おかしいと思うようになったからだ。

それだけではなく、作家の橋本治さんや佐藤愛子さんなども「ひとつの作品を読んでも、その時々で違う感想を持つのが当たり前」とエッセイなどで書いている。
もっと驚くのは、模擬試験などで橋本治さんや佐藤愛子さんの作品を出題されても、正解とされている解答は、作者からすれば不正解だというのだ。

その様なコトを考えると、「先生受けの良い読書感想文」を書くためには、このような「コピー&ペースト」で作ってしまったほうが、簡単だし失敗がないというコトになるのではないだろうか?
そんな読書感想文よりも、「絵日記」や「日記」と言ったコトのほうが、遥かに文章力が身につくと思うのだ。
「○○をしました。面白かったです」から始まったとしても、徐々に文章量を増やしていくような指導をしながら、「自分の考えをまとめ・表現する」という力を身につけさせることができるからだ。
むしろオトナが考えるような「絵日記」や「日記」では、一本調子で面白さがないということも分かるはずなのだ。

このような積み重ねが、大学生になった頃「コピペ論文」を書かずに済むだけの文章力や観察力といったものが身についているのだ(コレは、私自身の実感)。

親御さんの教育熱心なのは、よいことだと思う。
でもその中に「オトナ目線」のモノ・コトがあれば「オトナ受け」が良いだけで、本当の学力や知識力、観察力などが身についているとはいえないのではないだろうか?
小学生くらいなら、オトナ受けする読書感想文よりも、もっと総合力が必要となる絵日記や日記などを「夏休みの宿題」にした方が良いのではないだろうか?

「男の日傘」は一般的になるのか?

2008-07-20 14:40:48 | ライフスタイル
今日も、うだるような暑さだ。
そんな中、どうしても避けられない用事があり出かけてきた。
その帰りチョッと風変わりな人を見た(最近、用事や買い物帰りに「風変わりな格好の男性を見る」のは偶然だと思うのだが・・・)。
風変わりといっては大変失礼なのだが、中年の男性が日傘を差して歩いていたのである。
「日傘」といっても、ゴルフなどで見かけるような大きな傘ではなく、女性用の日傘である。
そしてその人は、日傘だけではなく数年前に話題になった「ファン付き空調ブルゾン」まで着込んでいた。
「ファン付き空調ブルゾン」


その人の気持ちは、よく分かる・・・分かるのだが「そこまで!」という気持ちの方が、先だった。
実際、平日の昼間噴出す汗を拭いながらスーツ姿で営業に歩いているサラリーマンは、数多くいる。
しかし、日傘を差したりしては歩いてはいない。
やはり「日傘=女性のもの」という、既成概念があるからだろう。

実は、ここ2、3年「男性の日傘」というのを、数回ほど見たことがある。
昨日も、一見「女性?」と思われるようなファッションの男性が、傘を指して歩いていたのを見かけた。
私が過去数回見た「男性の日傘」というのは、雨傘を日傘代わりにしていただけで、女性が当たり前のように持って歩いている「UVカット90%以上」などの表示がされている「日傘」ではなかった。
だからだろうか?余り違和感なく、周囲が見ていたのは。
ところが、今日見た男性が差していたのは紛れもない「UVカット90%以上・アルミコーティング・晴雨兼用」という謳い文句の「日傘」だったのだ(何故分かったのか?といえば、昨年購入を検討した日傘だったからだ)。

実は、日傘を使うとほんの気持ちだけかも知れないのだが、涼しい。
アスファルトなどの照り返しは確かに暑いのだが、日光からの直接的な暑さは凌げる。
女性が日傘を使う最大の目的である「日焼け防止」という効果ではなく、「直射日光による暑さ対策」という意味での効果は、それなりに期待できるのだ。

これほどまでに、暑くなると「暑さ対策のための男性日傘」というのは、アリかも知れない。
熱中症で倒れた方がいたのだろうか?先ほど、救急車が我が家の近くで停車したようだった。
「暑くても、相手に失礼がないように」と、背広で頑張る必要はないのかも知れない。
なぜなら、「相手に失礼」という前に、自分が熱中症などで倒れたら何もならないからだ。





撤退する勇気

2008-07-19 16:08:18 | マーケティング
昨日の午前中に降った雨が、今年最後の梅雨の雨だったようだ。
雨が上がった後は、すっかり夏空となり「夏休みの暑さ」だった。
こんな日の夜は、冷たいビールで一杯が定番という方も少なくないだろう。
実は、昨夜友人と冷たいビールと共に、おいしい焼肉を食べてきたのだ(それで、エントリが出来なかった?)。
久々の焼肉はとても美味しかった(さすがに自宅で「一人焼肉」はできない)。
そして、冷たいビールもまたとても美味しかった。
まさにこれからのシーズン、ビールや発泡酒、第3のビールなどが美味しい季節だ。
そんな中、サントリー、「糖質ゼロ」発泡酒の生産中止というニュースが、新聞各紙を賑わしている(参考は日経新聞)。

サントリーは、ビール・発泡酒や第3のビールの分野で、苦節50年近くたってこの分野で初めて3位という好成績となっている。
その好調なビール類の中で、売上が伸び悩んでいる発泡酒「糖質ゼロ」の撤退を決めたというのだ。

毎年のように、ビールだけではなくソフトドリンク類の新製品が登場し、その多くが消え去っていく。
それでも1シーズンは、状況見という感じで販売されるのだが、この時期に生産中止を決めるというのは、やや早過ぎるような気がしないわけではない。
というのも、お中元などのギフトシーズンはほぼ終了したとしても、これからがビールの本格的なシーズン。
余りにもダイレクトな内容のテレビCMだったが、それだけ購買層をハッキリ考えていたとも言えるのだ。

もちろん、中心購買層が「発泡酒<第3のビール」という購買意欲だとしても、発泡酒の市場はある程度ある。
味という点で、問題があったということだろうか?
分からない点もいくつかあるのだが、ただ、早い時点で生産中止を決めたことはある意味「勇気ある撤退」だとも言えそうだ。

「事業の撤退」・・・今回の場合は新商品の生産中止という撤退なのだが、事業として動き出したモノを見直して、撤退を決めるというのはなかなか出来ないコトだからだ。
それまでの投資(生産技術、市場調査、広告宣伝など)を考えると、事業の中心となった人たちはその思い入れもあり、なかなか「撤退」とはいえないからだ。
当人たちが撤退といわなくても、社内で撤退という雰囲気が出始めた時点で、事業継続のための理由付けに躍起になるコトが多く、結果撤退時期を逃してしまうということが多い。
それは、公共事業などを見れば良く分かるだろう。
公共事業と一般企業のひとつの事業を同じだと考えるべきではない!と、言う方もいるだろうが、根本となる「事業への思い入れ」は同じだ。

「事業撤退」といっても、その事業展開をしていく中で学んだことがいくつもあったはずだ。
それを、今後の事業に生かしていくということもまた大切なことだということは、言うまでもない。

あぁぁぁ~、それにしても、暑い1日だ・・・。

先駆者の引退

2008-07-17 21:27:13 | スポーツ
新聞各紙のWEBサイトに、ほぼトップ扱いとして野茂投手引退を取り上げている(紹介記事は、毎日新聞)。

私自身は、野球よりもサッカーの方が遥かに好きなのだが、それでも野茂投手の存在は、大きい意味があった。
というのも、メジャーリーグという舞台で「日本人投手は、活躍できない・できっこない」といわれた時代に、単身渡米し、期待以上の活躍と実績を残したからだ。
その活躍は、その後の日本人選手の意識を大きく変え、メジャー指向へと導いたように思う。

もうひとつ思うコトは、野茂投手のメジャー移籍するまでの経過だ。
当時の所属チームである近鉄は、「メジャーに行くなら、日本での野球選手を引退してから行け」と言われ、野茂投手はその通りに日本での野球選手を「引退」している。
当時は、そこまでしなくてはメジャーに移籍するなどということは、できなかったのだ。
それこそ「背水の陣」のような気持ちでの、メジャー挑戦だったのかも知れない。
だからだろう、この春自由契約となった野茂投手獲得に動く日本の球団があったようなのだが、それが現実とならなかったのは。
今では、当たり前となった日本人選手のメジャー挑戦で、メジャーから日本の球団復帰ということも、すんなりと受け入れられている。
野茂投手という、逸材の活躍の場を逃してしまったことからの反省だったのだろう(?)

一部では、野茂投手自身は当時のような日本型管理野球が、合わなかったのではないか?という、指摘もあるようだ。
野茂投手のトレードマークである「トルネード」は、あの特徴的な投げ方から生まれているという指摘もあった(その真意は、わからない)。
確かに、野茂投手の投球フォームというのは一種独特なモノがある。
その独特な投球フォームを、新人の頃矯正させられそうになった、という話があるのだ。
あの投球フォームがあるから、「トルネード」が生まれたのだろうが、その当時のピッチングコーチは、「フォームがおかしいから直しなさい」と、厳しく言ったようだ。
それだけではなく、シーズンオフなどのトレーニング方法などでも、監督やコーチの考えるようなモノではないため、意見の相違が相当あったといわれている。
もちろん、シーズンオフのトレーニングというのは、野茂投手が個人でトレーナーを雇い、トレーナーと一緒にトレーニングを行っていたのだが、そのこと自体が気に入らなかったというコトも言われていた。

これらの話は、スポーツ雑誌などで書かれた内容ばかりなので、ご存知の方も多いだろう。
そうやって考えてみると、野茂投手という選手は日本よりもメジャーリーグ向きの選手だったのかっも知れない。

野茂投手について、忘れてはいけないことがある。
それは、野茂投手自身が日本で社会人野球のチームを持っているということだ。
日本のプロ野球とは、距離をおいていたような印象のある野茂投手だが、純粋に野球というスポーツが大好きなのだろう。
そして、多くの企業が野球部を廃止していく中で何とか「社会人野球」を残し、プロを諦めても、野球が大好きなプレーヤーを育成したい!という思いの強さを感じる。
今後、野茂投手がどのような場所で活躍されるのか分からない。
だが、野球に対する真摯なまでの思いは、これから後に続く多くの人を励ましていくような気がする。

それにしても・・・日本のプロ野球は、逸材を逃してしまったような気がする・・・。

メタボ対策系冷し麺市場はあるか?

2008-07-17 12:49:58 | マーケティング
今だにテレビCMでは、「メタボ対策」を謳った内容の食品が目立つ。
そのひとつが「春雨ヌードル」だ。
しかしこの暑い季節に、熱い春雨ヌードルは食べたくない。
春雨ヌードルのCMを見ながら、ローカロリーでおいしい春雨麺料理って???と、考えていると、思い出した料理があった。

高校の家庭科で習った「涼バン麺(りゃんばんめん)」だ。
といっても、料理名については怪しい・・・イマイチ自信が無いのだ。
韓国の冷麺とは違い、春雨を使ったごまダレの冷やし中華のような感じだ。
検索をしてみると、今でも中華料理店で食べられるメニューのようだ。
と言っても、このようなオシャレな感じではなく、本当に中華麺の代わりに春雨を使っているというお料理だったように記憶している。

ところが、コンビニなどでもこの「涼バン麺」を見ることが無い。
何故なのだろう?と、思うのだ。
私が高校生だった頃は、春雨といっても今のような「緑豆春雨」ではなく日本の春雨だった。
日本の春雨と中華料理などで使われる緑豆春雨は、春雨といっても大分その性質は違う。
緑豆春雨は、スープなどに入れて煮込んでも伸びて、ブチブチと切れたりしない。
普通の麺類と同じようなツルツル感があり、それなりの歯ごたえも楽しめる。
そのため最近流行っている「スープ春雨」で使われているのは、緑豆はるさめだ。
そして今スーパーなどで見かける春雨の多くは、緑豆春雨だ。

そのローカロリーで、比較的使いやすい春雨の冷麺が料理としてあるのに、何故コンビニなどのメニューとしてないのだろう?と、思ったわけだ。
カップヌードルのような形態は揃える具材などの関係もあり、難しいと思う。
だが、コンビニメニュ-としては十分可能性があると思うのだ。

これから本格的な暑さに向かい、このようなメタボ対策冷し麺メニューがあっても良いのではないだろうか?

焦りを感じるトヨタの戦略

2008-07-16 20:45:02 | ビジネス
今日、エントリした「トヨタの広告車」について、もうひとつ思い出したことがある。
それが、大分前にエントリした「CMに騙されるな」の「エコ替え」だ。

「エコ替え」のCMを見てみると、一見「地球に優しいCO2排出量の少ないクルマに買い替えるのが、エコな生活・生活者」という、「エコライフ推進CM」のように思える。
だが、よくよく見ると何のことは無い、「クルマの買い替え推進CM」なのだ。

そして、今回の奇妙奇天烈な販促策。
日本のクルマの市場どころか、世界のクルマ市場のトップを走るトヨタの、焦りのようにも見えてくる。
トップを走る企業の宿命なのだろうか?その地位を守るために、積極的な策に売って出たことが、裏目に出ているというか・・・。
自社の市場確保のために様々な策を練った上で、最悪とまで言われたdocomoの「反撃してもイイですか?2.0キャンペーン」を連想させる。

docomoの「反撃キャンペーン」のときにも感じたことなのだが、自分たちの市場ポジションを守ろうとする余り、生活者というか利用者、ステークホルダーのことを見るような余裕すら失ってしまっているように感じるコトだ。
CMや販促策を見る限り、自己満足で終わってしまっているように思えるという点では、docomoも今回のトヨタの「エコ替え」や「広告自動車」も、同じような気がしてならないのだ。

クルマの市場と携帯電話の市場は、まったく違う。
それだけではなく、携帯電話市場には「想定外」なコトが次々と起こった。
クルマの市場で、それと同じようなコトが起きるとは思えないし、思わない。
だが、手を変え品を変え次々と打ち出してくる生活者感とはかけ離れたトヨタの戦略には、一種の焦りを感じてしまうのだ。