北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】南鳥島地対艦ミサイル射撃場整備とポーランド軍AH-64Eアパッチ戦闘ヘリコプター96機,ノルウェーHIMARS高機動ロケットシステム導入

2025-01-14 20:11:22 | インポート
■防衛フォーラム
 本日は陸軍関連の話題です。

 防衛省は南鳥島へ地対艦ミサイル射撃場を整備する事を発表しました。再来年には運用開始を目指します。陸上自衛隊は88式地対艦誘導弾や12式地対艦誘導弾システムを装備していますが、射程が大きく日本国内では発射場を確保できていません。部分的には既に小笠原諸島に試験場はありますが、実戦部隊での射撃訓練は実施できない状況でした。

 南鳥島に射撃場を置くのは12式地対艦誘導弾システムの運用を目指しているといい、これは政府の反撃能力整備方針を受け近く射程を1000kmに延伸する計画があり、これらの試験なども想定されているとのこと。日本国内の試験場において開発を自己完結できるとともに、近年小笠原近海で行動を強化する中国艦船への抑止効果も期待できるでしょう。


 ノルウェー国防省はHIMARS高機動ロケットシステム導入を計画中です。アメリカ国家安全保障協力局によれば、ノルウェー政府はロッキードマーティン社製M-142-HIMARSに関する公式の調査及び導入打診を行っているということで、今回検討しているのはHIMARSを16両、そしてGMLRSなど関連弾薬や関連機材などとのこと。

 HIMARS高機動ロケットシステム16両とともに、GPS誘導方式のGMLRSポッド15基、そしてM-57-ATACMS陸軍戦術ミサイルシステム100発の導入を想定しているとのことで、射程70㎞のGMLRSよりもポッドとしては射程の大きなATACMSを想定している事がわかります。仮に導入の場合、契約規模は5億8000万ドル規模になるもよう。


 アメリカ陸軍は2025年より超高速砲弾の評価試験を開始するとのこと。これはアメリカ宇宙ミサイル防衛シンポジウムにおいて陸軍準則能力重要技術局のロバートラッシュ中将が発表した将来砲兵システム研究の一環で、主として従来ミサイルが用いられた目標への攻撃へ野砲を用いることでコストを大幅に削減する事が狙い。

 フォートシル陸軍火力センターが中心となって行われる評価試験ではM-777榴弾砲を用い、155mm砲弾規格の超高速砲弾の評価試験を行うという。具体的には超高速砲弾を用いた場合、腔圧を筆頭に砲弾にかかる物理的な圧力と、これに耐える改良の必要有無を含めて検証するという。またこれは将来の自動装填装置研究にも活かされるという。


 ポーランド軍はAH-64Eアパッチ戦闘ヘリコプター96機を取得します。8月13日、ポーランドのヴワディスワフカミシュ副首相兼国防相はアメリカ国防総省とボーイング社との調達契約調印式に臨み、ポーランド軍が配備するアパッチガーディアンの保有数はアメリカ軍に続き世界第二位の規模となる、とその導入の意義を強調しています。

 AH-64E戦闘ヘリコプター96機の取得費用は100億ドルとなっていて、併せてAGM-114R2ヘルファイア対戦車ミサイル1844発、AGM-179A空対地ミサイル460発、スティンガー空対空ミサイル508発を導入、ポーランド軍はこれにより旧式化したソ連製Mi-24ハインド攻撃ヘリコプターとMi-2多用途ヘリコプターを置き換える構想です。

 ポーランド軍は2022年のロシアウクライナ戦争開戦以来、パニックのような防衛力近代化を進めており、戦車や火砲とロケット砲に戦闘機などを一気に更新、既に国防費のGDP比は5%を超えており、これら装備の更新時期に憂慮が浮かぶ一方、NATO加盟国としてNATOではアメリカとトルコに並ぶ戦闘ヘリコプターと戦車保有国となるもよう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【防衛情報】航空自衛隊次期練習機T-6テキサンⅡ選定,韓国開発KF-21戦闘機ミーティアミサイル搭載試験成功

2025-01-13 20:22:56 | インポート
■防衛フォーラム
 今回は空軍関連について。

 航空自衛隊の次期練習機にT-6テキサンⅡが選定されました。T-6テキサンⅡ練習機の配備は2030年より開始するとのこと。その取得費用は1機あたり12億円とされています。そもそもこの練習機選定を左右したのは評価書によればコストが影響したとのことで、スバルとピタラスが提示した試案では大半の点で有利とされていましたが。

 スバルとピタラスが提示した試案では機体性能及び地上教育関連機材とメーカー支援において高い評価があったものの、コスト項目響いたとのこと。コスト面ではテキストロンアヴィエーションでは3Dゴーグルを用いた簡易地上教育機材としてシミュレータを開発しており、運用費用の低さを強調しています。

 ただ、このT-6テキサンⅡについてはエンジン出力が非常に大きく、一部の国では高等練習機として運用されている航空機です。航空自衛隊で初等練習機としていきなり初めての飛行機という練習生の搭乗に適しているかについては不安な要素が有り、練習機の為の練習機を運用している事例もあることから、運用には注意が必要なのかもしれません。


 ヴェトナム空軍はアメリカよりT-6テキサンⅡ練習機練習機の第一陣を受領しました。これはヴェトナム空軍の戦闘機要員養成のための航空機として2022年8月に導入が決定した機体で、T-6CテキサンⅡ-ITS練習機が採用されています。今回到着したものは導入契約を結んだ12機のうち、最初の5機で、パンテェット空軍基地に到着している。

 T-6練習機のうち、日本の自衛隊が採用したT-6Aについては従来型の練習機となっていますが、T-6Bおよび今回ヴェトナムが導入したT-6Cについてはヘッドアップディスプレイが標準装備されており、軽攻撃機として、COIN機として運用する事が可能です。T-6は高いエンジン出力を持ち良好な機動性などで知られている練習機です。


 韓国が開発するKF-21戦闘機にミーティアミサイルの搭載試験が成功したとのことです。これはMBDA社により発表されたもので、MBDA社はこの搭載によりKF-21戦闘機の視程外戦闘能力が大幅に向上すると誇示しています。ミーティアミサイルはドイツのMBDA社が開発したもので射程は100km以上を発揮するというミサイルです。

 KF-21戦闘機は韓国がインドネシアと共同開発を進めている第4.9世代戦闘機で、最新の第五世代戦闘機のような徹底したステルス性は目指さないものの、第4.5世代戦闘機を圧倒出来る一定程度のステルス性を付与させた機体で、数を揃えることを第一とした戦闘機です。初飛行と共に複座型の開発も順調に進み、各国から注目の航空機だ。


 アメリカ空軍はボーイング社よりF-7軽戦闘機の提案を受けました。これはアメリカ空軍に導入されるT-7A高等練習機の機体を基本設計として、戦闘機型としたもの。アメリカ空軍では近く、永らく運用していたF-16戦闘機の多くが耐用年数限界を迎える一方、F-35やF-15Eなど高水準の戦闘機が多く残り機数が不足すると懸念されていました。

 F-7戦闘機の利点としては、もともとの基本設計がスウェーデンのJAS-39戦闘機の円緒戦上にあり、また超音速飛行能力と共にT-7A練習機が置き換えるT-38練習機の戦闘機型であるF-5戦闘機の後継機という需要が世界規模で存在すると分析しているためで、あくまで提案ながらF-16の限定的な後継機としての需要を見込んでいるもようです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【防衛情報】GCAP日英伊共同戦闘機開発とイギリス労働党政権,グアムに配備された新レーダーAN/TPY-6,韓国版THAADのL-SAMミサイル

2025-01-07 20:21:40 | インポート
■防衛フォーラム
 今回は空軍関連の話題です。

 GCAP日英伊共同戦闘機開発とイギリス労働党政権について、イギリスのスターマー首相は11月9日までに開発を継続する方針を示した、こう関係者が明らかにしたことを共同通信などが報じました。保守党政権時代に開始されたGCAPグローバル戦闘機計画は、選挙敗北に伴う政権交代後、その去就が注目されていました。

 スターマー首相は、GCAPについて、イギリス全体では防衛戦略の見直しに着手したものの、この継続は日本とイタリアとの外交関係に直結しているものであるとともに、イギリス国内の雇用にも直結している事を総合的に判断し、外交防衛上重要な計画であると認識したかたち。GCAPはジョンソン政権時代に着手された国際共同開発です。

 イギリスはユーロファイタータイフーン戦闘機とF-35B戦闘機という比較的高い水準の航空戦力を維持していますが、イギリス空軍は本土から遠く離れた北大西洋上でのシーレーン防空など長距離飛行能力を有する戦闘機を伝統的に必要としており、F-35Bの航続距離には不満が伝えられています、GCAPはそのための重要な選択肢となります。


 韓国版THAADミサイルといわれるL-SAMミサイルの開発が完了しました。これは北朝鮮弾道ミサイル脅威が増大する中、従来は韓国に対しては短距離弾道弾の脅威が主体であり、これに対しては中距離地対空ミサイルにょり迎撃されると考えられていたものの、ロフテッド軌道による高高度からの脅威という状況に対応すべく開発されたもの。

 L-SAMは高度40㎞において弾道ミサイルを迎撃するものといい、そのミサイル迎撃技術は韓国とロシアの防衛協力が良好であった時代に、ロシアからのS-300V地対空ミサイルの9M82 迎撃ミサイル技術が応用されたと考えられています。開発には実に10年の時間を要しましたが、韓国国防省は改良型のL-SAMⅡの開発にも着手しています。


 グアムに配備された新レーダーAN/TPY-6について。先日グアムにおいて初のミサイル迎撃実験が実施され想定される中距離弾道弾の迎撃に成功しましたが、レドーム一基のみであることから、通常のイージスアショアミサイル防衛システムと異なり全周にわたる防空能力が付与されたものではなく、中国にのみ向けられている可能性があるという。

 AN/TPY-6という名称が、実験成功とともに発表されたものですが、ロッキードマーティン社製TPY-4レーダーのSPY-7仕様のものであると考えられ、これは同社が発表したものとして設置の時点で宇宙空間を想定し大幅に傾斜し角度を合わせているとしています。各装備は6基の40ftコンテナに収められ、レドームとともに配備されていました。


 ドイツ空軍はミーティア空対空ミサイルを増強します。ユーロファイタータイフーン戦闘機を運用するドイツ空軍は、同時にF-35戦闘機の導入計画を進めていますが、同時に既存のユーロファイター戦闘機の戦力維持も課題となっていました。これに対してドイツの連邦予算委員会がミーティアミサイルの増産予算を可決したとしています。

 ミーティアミサイルはドイツのMBDA社が開発したもので射程は100km以上、特筆すべきは強力な電子戦環境においても遠距離多目標への正確な誘導と命中能力を持つとしています。またユーロファイターの運用能力を強化するべくストライカーⅡヘッドマウントディスプレイの調達計画も了承されており、ユーロファイターは更なる強化を受ける。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【防衛情報】護衛艦かがF-35B戦闘機サンディエゴ沖認証試験完了,P-1哨戒機能力向上型初飛行

2025-01-06 20:22:09 | インポート
■防衛フォーラム
 2025年最初の防衛フォーラムはインポート記事にて今回は自衛隊関連の話題をお伝えしましょう。

 護衛艦かがF-35B戦闘機認証試験が完了しました。海上自衛隊は11月7日、カリフォルニア州サンディエゴ沖においてF-35B戦闘機発着試験の様子を報道陣に初公開、またこの11月7日にF-35B戦闘機運用認証試験が完了した事も併せて発表しています。艦上でのF-35Bは発着自動誘導装置により極めて高い精度で自動発着ができるという。

 かが報道公開、海上自衛隊は2021年に岩国沖においてヘリコプター搭載護衛艦いずも艦上でのF-35B発着試験をアメリカ海兵隊支援とともに実施し甲板強度の認証を行っていますが、この時には報道公開は行われていません。なお、いずも改修として自動発着支援装置の追加などを行うべく入渠が始まっている、今後同様の試験が行われるでしょう。

 F-35B戦闘機は年度内に新田原基地へ臨時F-35B飛行隊の新設が発表されています。問題はF-35B戦闘機が年度内に納入されるかということですが、自動着艦能力の高いF-35Bは従来の空母艦載機が抱えていた厳しい発着艦資格という問題はある程度解決してくれることとなるでしょう、あとは海上自衛隊と航空自衛隊の運用調整が課題です。


 海上自衛隊のP-1哨戒機能力向上型が初飛行を迎えたとのこと。P-1哨戒機は情報融合能力を有した戦闘指揮システムの搭載とレーダーや光学及び音響センサーの信号処理技術の改良により探知識別能力や飛行性能及び情報処理能力が向上したとのこと。改良型の開発は2013年より防衛装備庁により開始され2016年に所内試験を完了しました。

 P-1哨戒機改良型は36号機以降の機体で、川崎重工岐阜工場において製造されていた36号機が11月初旬から飛行試験を開始しています。防衛装備庁ではこのほか、次期電子情報収集機の情報収集システムの研究、としてEP-3電子情報収集機やOP-3C画像情報収集機後継機にP-1哨戒機の派生型を充てる構想があり、研究開発が継続されています。

 36号機、P-1哨戒機の量産はもともと70機の製造が想定されていましたので、36号機の初飛行はその量産が広範段階に入ったことを示します。海上自衛隊ではP-3C哨戒機80機を70機のP-1哨戒機で置き換える構想ですが、併せて上記のEP-3やOP-3C後継機の製造によりP-1は各種派生型で80機が製造され、続くP-Xへ置き換えられます。


 潜水艦たいげい型9番艦は一部設計が変更される、これは従来の潜水艦たいげい型と比して操舵機器や監視機器の統合による自動化が進められ、乗員を10名分省力化する事が出来たとのことです。少子高齢化に伴う慢性的な人員不足と、潜水艦という適正が求められる任務において、人員10名を省力化することの意味は非常に大きいといえる。

 たいげい型の省力化は、通常動力潜水艦として第一に必要な酸素の量が乗員と共に減るために潜水中の時間を延伸でき、また10名少なくなるという事は艦内容積や食料の搭載などについても余裕が生まれるとともに、従来の潜水艦6隻の要員で7隻の潜水艦を運用できることとなり、たいげい型後期艦と位置付けられることとなるのかもしれません。


 海上自衛隊最後のUH-60J救難ヘリコプターが退役しました。除籍行事は79号機に対して行われ、12月10日に除籍式がおこなわれました。自衛隊の救難ヘリコプターは航空自衛隊と海上自衛隊が従来分担していましたが、救難ヘリコプターには機内容積を活かしての空輸能力なども期待されていたものの、任務増大の負担が課題となっていた。

 UH-60J救難ヘリコプターは退役しましたが、海上自衛隊ではSH-60哨戒ヘリコプターの任務に一部救難任務が含まれており、例えば外洋において発生した航空遭難事案に対しては、US-2救難飛行艇とともにヘリコプターを捜索救難に対応させることは可能です、が専門部隊としての救難ヘリコプター運用が終了した事は、一つの節目と言えるでしょう。

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【防衛情報】航空自衛隊T-4練習機後継機RFI情報提案書,アメリカ空軍オールビン参謀長軽戦闘機コンセプト構想発表

2024-12-24 20:20:27 | インポート
■防衛フォーラム
 今回は空軍関連の話題です。

 アメリカ空軍のオールビン参謀長は軽戦闘機コンセプトという画期的な構想を発表しました、しかし過去に幾度も同様の失敗を重ねている構想でもあります。ベビットオールビン空軍参謀長はイギリスで行われたRAeSイギリス航空協会の講演会において登壇、変化の大きな航空戦闘に対応するには長期的視野は最早見通せない、と発言しました。

 軽戦闘機コンセプトとは、長期間の運用を前提とした戦闘機に様々な装備を搭載するのではなく、現在の脅威に対応する能力が将来の戦闘に対応する確証はない不確かな時代には耐久性や機体強度を犠牲にしてでも順応性を重視すべきとして、機体寿命の短い安価な機体を短期間で設計しその時々の戦闘に対応して設計すべきだ、と発言しました。■

 航空自衛隊のF-2戦闘機がシンガポールを訪問しました。これは8月27日、インドにおいて実施されるタランシャクティ演習へ参加する途中にシンガポールを経由したもので、F-2戦闘機2機がシンガポール空軍のパヤレバー空軍基地を短期間ですが訪問する事となりました。シンガポールにF-2戦闘機が短時間とはいえ着陸するのは初となる。

 インドにおいて実施されるタランシャクティ演習はタミルナドゥ州のスルール空軍基地において8月29日から9月14日まで実施され、これにはインド空軍と航空自衛隊のほか、フランス空軍、スペイン空軍、ドイツ空軍、イギリス空軍、オーストラリア空軍、ギリシャ空軍、アメリカ空軍、アラブ首長国連邦空軍などが参加しています。■

 イギリスのBAEシステムズ社はキャプチャーE-ECRS-Mk2レーダー搭載機の初飛行に成功しました。これはイタリアのレオナルド社が設計したユーロファイター戦闘機用に開発されていたAESA方式の次世代レーダーで、レオナルドUK社が製造したものをBAEシステムズ社がユーロファイター戦闘機用にシステム統合したものです。

 ユーロファイターが従来搭載しているキャプチャーレーダーは、遅れていたAESA方式のレーダーとして一定の完成度を有するところとはなりましたが、改良型のキャプチャーE-ECRS-Mk2レーダーは高度な電子戦能力も付与されることとなり、敵対勢力の脅威圏外においての任務遂行能力向上を意味します。今後は試験を経て実戦配備へ進む。■

 航空自衛隊T-4練習機後継機に関するRFI情報提案書を防衛装備庁が募集開始しました。募集開始は10月4日、T-4練習機は航空自衛隊の基本操縦課程全てを担う航空機と位置付けられており、また今回の募集にはT-4練習機後継機と共に座学や模擬飛行訓練と飛行計画作成の訓練に用いる地上訓練装置なども含めた募集となっています。

 防衛装備庁が募集するのは国産開発計画の募集であり、また国産開発を主としながら同時に代替機となり得る輸入企業についても募集する方針です。T-4練習機は練習機としての本来用途とともに航空団司令部や航空方面隊司令部と航空幕僚監部に在籍する要員でウイングマークを有する要員の年間技量維持飛行や連絡飛行などにも用いられます。■

 ルーマニア空軍はF-35A戦闘機に関する72億ドル規模の有償供与承認をアメリカ国務省より受けました。72億ドルの契約はF-35A戦闘機32機とその関連機材に関するもので、アメリカ国務省はルーマニアがNATO加盟国であるとともに黒海地域に面しており、地域安定化への空軍力近代化の必要性の大きさから有償供与を許可したとしています。

 F-35戦闘機32機とともに72億ドルの内訳は、プラットアンドホイットニーF135-PW-100エンジン33基を含み弾薬なども調達される見通し。ルーマニア空軍は最終的に48機のF-35A戦闘機を導入する計画で、第二段階の16機については後年調達する。ルーマニア空軍は冷戦時代にMiG-23,冷戦後MiG-29を取得しましたが2004年までに退役している。

 MiG-21戦闘機近代化改修型をルーマニア空軍は運用していますが、NATO加盟国としては古すぎ性能も不足することから、ノルウェー空軍が運用していた中古のF-16AM戦闘機26機の導入計画を進めているもののF-16AMでは性能も老朽化の度合いも問題であることから、ルーマニア空軍は長期間にわたり運用が可能である第五世代機F-35Aを選定しました。

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【防衛情報】26型フリゲイトとアドミラルゴルシコフ級フリゲイト,218SG型潜水艦とフレガット級フリゲイト

2024-11-18 20:11:40 | インポート
■防衛フォーラム
 アメリカ国内では何故か護衛艦もがみ型と比較される事が多くなった沿海域戦闘艦のわだいから。

 アメリカ海軍は沿海域戦闘艦ナンタケットを受領しました。フリーダム級沿海域戦闘艦14番艦であるナンタケットはロッキードマーティン社が主契約企業となり、ウィスコンシン州マリネットのフィンカンティエリマリネットマリン造船所で建造が進められてきました。ナンタケットはフロリダ州のメイポート海軍基地へ配備される予定です。

 フリーダム級沿海域戦闘艦14番艦、しかし設計時の計画は現在のような大規模海上戦闘の抑止と対応というものではなく海洋安全保障全般を念頭に軽武装と高速という設計思想に基づき画定されたため、運用が現状に合わず、フリーダム級は2008年より竣工が始まった新しい水上戦闘艦であるものの、既に5隻が除籍されています。
■防衛フォーラム
 哨戒ヘリの在り方を変え得る話題だ。

 アメリカのジェネラルアトミックスエアロノーティカルシステムズ社がMQ-9Bをリムパックに初参加させています。MQ-9Bシーガーディアン無人航空機はISR情報監視偵察任務や動画のリアルタイム伝送により偵察任務に当たったほか、新型のSDSソノブイ ディスペンシングシステム を搭載し、対潜訓練に無人航空機を参加させています。

 SDSソノブイ ディスペンシングシステムは最大10基のソノブイを搭載し、シーガーディアンには最大4基のSDSソノブイ ディスペンシングシステムを搭載できるため、40基のソノブイにより継続的な大戦飛行任務が可能、またレイセオン社製SeaVue多目的レーダーを搭載し、自己完結型の対潜戦闘システムを無人機として運用できる性能を誇示した。

 MQ-9Bシーガーディアン無人航空機の任務飛行は100時間を超えることもあり、海上戦闘における無人機の有用性をしめすとともに、また訓練へ参加した後に、ハワイ州からカリフォルニア州エルミラージュのジェネラルアトミックスエアロノーティカルシステムズ社拠点基地であるデザートホライズン飛行運用施設へ自力で帰還したとのことです。
■防衛フォーラム
 経済制裁が効いているのかそうではないのか。

 ロシア海軍アドミラルゴルシコフ級フリゲイト四番艦建造状況について。ロシア海軍はソ連時代の駆逐艦などの老朽化を受け予算不足からコルベットを代替に当てていましたが、外洋航行能力であまりに無理がある選択でした。このため漸くまともな規模の艦を建造できているのがアドミラルゴルコフ級フリゲイト、満載排水量は5400tとなっています。

 アドミラルフロータソヴィエツカヴァソユーザイサコフ、4番艦はかなり長い艦名となっていますがセヴェルナヤ北方造船所において建造中で、これが9月までに船台をはなれ浮きドックに移動していることが確認されました。これは進水式が近い可能性を示しています。なお、4番艦の起工式は2013年で建造開始から既に十年以上を経ています。

 4番艦建造遅延の背景にはもともとエンジンを輸入部品に頼っていたところを2014年のクリミア併合により経済制裁の対象となった背景があり、実質11年間建造が停止した状況でした。今回の浮きドック移動はロシア製部品によりエンジンの目処が立った可能性があります。ゴルシコフ級は8隻が建造されますが、5番艦以降の建造目処は立っていません。
■防衛フォーラム
 23型フリゲイトよりもかなり大型となり横須賀に来訪した場合はアーレイバーク級と並んで遜色が無くなる規模だ。

 イギリス海軍の新型フリゲイトカーディフが進水式を迎えました。進水式はBAE システムズのゴバン造船所から浮きドックに載せられ出航しスコットランド沖にて数時間をかけ進水式を実施したとのこと。カーディフはイギリス海軍がGCSグローバルコンバットシップ計画として8隻の建造が計画される26型フリゲイト2番艦となっています。

 26型フリゲイトは老朽化が進む23型フリゲイトの後継として建造されているもので、しかし23型フリゲイトは満載排水量4200tという規模であったのに対し、世界規模でのパワープロジェクションを想定した26型フリゲイトは当初計画5400tの高僧が必要な装備を盛り込むとともに徐々に大型化し、満載排水量は8000tと大型化しています。
■防衛フォーラム
 哨戒艦というと本邦のものもきになるところ。

 オーストラリア海軍はアラフラ級外洋哨戒艦の公試を開始しました。8月26日に初の公試に臨んだアラフラは2021年12月16日に進水式を迎え、COVID-19新型コロナウィルス感染症の最中艤装工事を継続していましたが、この時点では12隻が建造有れる計画であったものが、2024年に入り国防計画の変更から6隻へ建造が半減しています。

 アラフラ級外洋哨戒艦は満載排水量1640tで全長80m、ディーゼルエンジン2基により最高速力22ノットを発揮します。乗員は40名で当初計画では40mm機関砲1門と25mm機関砲を備える計画でしたが、40mm機関砲については搭載が取りやめられています。中国海軍の脅威が増大する中、中途半端な性能とされ建造計画が削減されました。
■防衛フォーラム
 これも横須賀に前方展開する事が中々出会わない。

 アメリカ海軍の新沿海域戦闘艦キングスビルが竣工しました。キングスビルはインディペンデンス級沿海域戦闘艦、竣工式典は8 月 24 日にソロモン P.オルティス センターにおいて挙行されました。キングスビルは市町村名であり、式典にはキングスビル市サムフゲイト市長、コーパスクリスティ市のポーレットグアジャルド市長が参加した。

 インディペンデンス級沿海域戦闘艦は軽金属製船体の三胴構造を採用した高速航行能力を重視した水上戦闘艦です。初期の艦艇はウォータージェットエンジンを採用したためによる想像以上の海水腐食とアルミニウム合金の熱伝導性による艦内温度上昇や膨張による船体負荷による不具合に悩まされ、また武装の少なさも任務遂行を妨げました。

 キングスビルの地名は海軍航空基地の置かれているテキサス州キングスビルに由来し、アメリカ海軍艦艇にこの名前が冠せられるのは史上初めてとなります。また海軍航空基地の所在という所縁から就役式典には海軍航空隊のT-45Cゴスホーク艦上練習機が祝賀飛行を実施しています。キングスビルは新しい母港、サンディエゴへと出航しました。
■防衛フォーラム
 哨戒艦に何を求めるか。

 デンマーク海軍は次期哨戒艦の武装強化を模索しています。デンマーク海軍向け哨戒艦を建造するダンスケパトルジェスキベ社は8月21日のバラールップ産業記念展において哨戒艦に言及、デンマーク海軍から任務環境の変化を理由に哨戒艦の当初計画の76mm艦砲と機関砲のみの武装に加えて、VLS垂直発射装置の要望があったと語った。

 次期哨戒艦は6隻の建造が計画され、当初は海洋汚染防止と漁業資源保護や密輸防止という任務が想定されていましたが、此処に船団護衛や対水上戦闘という水上戦闘艦としての任務が加えられた構図です。VLSは8セル程度が前甲板の76㎜艦砲の後方に設置され、それはバラールップ産業記念展に出展された哨戒艦の模型にも反映されていました。
■防衛フォーラム
 陸上自衛隊の輸送船と重なるところが。

 アメリカ海軍の新高速輸送船ポイントロマが進水式を迎えました。2024年9月3日、アラバマ州モービルのオースタルUSA社造船所において行われた進水式ではSPMT自走モジュールトランスポータにより海上に展開したポイントロマが大型クレーンにより約1メートル持ち上げられ、そのまま海上に降ろされる独特の進水式を行いました。

 ポイントロマはスピアヘッド級遠征高速輸送船の15番船、重装備を積載し35ノットから最大で45ノットという高速を発揮し輸送します。乗員居住性は高く、船内には1900平方メートルもの車両甲板があり、最大100tまでの車両を乗降させるランプとともに600tまでの車両を車両甲板に搭載、最大312名の兵員を4日間収容することも可能です。
■防衛フォーラム
 戦艦や空母と同じ凄い名前だ。

 シンガポール海軍は新潜水艦インヴィンシブルを受領しました。8月27日、シンガポールのチャンギ海軍基地においてドイツのキール造船所において建造されていた潜水艦インヴィンシブルが貨物船ロールドックスターからシンガポール海軍へ引き渡されました。インヴィンシブルは218SG型潜水艦として建造されていたものです。

 インヴィンシブルはインヴィンシブル級潜水艦一番艦と位置付けられており、2019年にドイツのティッセンクルップマリン社キール造船所にて進水式を迎えたのち、若干時間を要しましたが艤装工事を実施していました。シンガポール海軍は2番艦イラストリアス、3番艦イニミダブルを2025年に受領する計画、なにかイギリス軽空母の艦名のよう。

 218SG型潜水艦はドイツが既に各国へ供給している212型潜水艦と214型潜水艦の技術、更に216型潜水艦の設計思想を応用、シンガポール海軍は2013年に潜水艦2隻と教育訓練に関する13億6000万ドルの契約を成立、その後2017年に入り、2隻の追加が決定し4番艦インペッカブルの建造を含め、18億ドルの追加契約を結んでいます。
■防衛フォーラム
 大型化の流れは此処でも。

 オランダ海軍はベルギー海軍とともに対潜フリゲイトを導入します。オランダ海軍はこれまでカレルドールマン級フリゲイトを対潜用にあててきました、このカレルドールマン級は満載排水量3200tとぎりぎり外洋航行能力を付与していますが、ヘリコプターの運用能力をもつとともに対潜対空対水上戦闘能力を有するバランスのよい艦ですが。

 カレルドールマン級フリゲイトは1991年より8隻が建造されています、しかし情勢変化におり2004年から2隻がチリ海軍に、2006年に2隻がベルギー海軍に、2008年から2隻がポルトガル海軍に売却されていて、ファンスペイクなど2隻がオランダ海軍に残るだけであるとともに、竣工から29年を経ており、そろそろ後継艦が必要とされていました。

 フレガット級フリゲイト、新しい水上戦闘艦はオランダ海軍向けの一番艦がフレガットとなる見通しで、建造はオランダのダーメン社が担当する見通し。計画ではフレガット級にあわせて、USV-ASM無人駆潜艇が開発されており、フリゲイトの対潜任務を無人艇が支援する計画、また艦載機としてNH-90ヘリコプターの搭載も計画されています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【防衛情報】アメリカ国防総省三沢基地へF-35戦闘機48機前方展開決定と嘉手納基地F-15C戦闘機後継にF-15FX戦闘爆撃機前方展開

2024-10-29 20:01:31 | インポート
■防衛フォーラム
 今回は先ず在日米軍の話題から。

 アメリカ国防総省は三沢基地へF-35戦闘機48機の前方展開を決定しました。インド太平洋地域でのF-35A戦闘機前方展開は初の事となり、在日米軍航空戦力近代化の一環とされています。増強ではなく、現在三沢基地第35戦術航空団に配備されているF-16戦闘機2個飛行隊の代替と位置付けられ、これにより日本のF-16飛行隊はなくなります。

 三沢基地は航空自衛隊が約40機のF-35戦闘機を配備しているため、アメリカ空軍のF-35戦闘機と併せて約80機のF-35戦闘機が揃う事となります。これはF-2戦闘機と現行のF-16戦闘機と併せて、F-16っぽい形状の戦闘機が80機揃っていた時代とともに、E-2C早期警戒機、E-2D早期警戒機配備を加えれば北東アジア最大規模の戦略拠点となる。

 北部航空方面隊司令部も置かれている基地ですので、有事の際には最大規模の高付加活目標となり、今後日米は三沢基地へペトリオットミサイルなどの弾薬増強に加え、アメリカ陸軍THAADミサイル部隊展開を含めた防空能力強化や三沢基地周辺の代替滑走路建設といった三沢基地の防衛強化を課題としてゆく必要があるのかもしれません。■

 アメリカ国防総省は嘉手納基地のF-15C戦闘機後継にF-15FX戦闘爆撃機の前方展開を決定しました。アメリカ国防総省の発表ではF-15C戦闘機48機の後継にF-15FX戦闘爆撃機を36機配備するとしています。ただ既にF-15Cは老朽化のために2022年より順次アメリカ本土に移動し用途廃止になっているため、現在はローテーション配備という。

 F-15EX戦闘爆撃機36機の配備について、これは2022年以降バイデン政権が進めた、沖縄に常駐戦闘機を置かないローテーション配備方式として、嘉手納の第18航空団を事実上フォースユーザー方式とし、状況次第では戦闘機部隊が皆無となる危険な状態から、第18航空団隷下に飛行隊を常時配備するトランプ政権時代まで戻すということ。

 F-15C戦闘機の本土撤収後は一時的にF-22戦闘機が前方展開しポテンシャルを強化場合もあればローテーション配備部隊がF-16戦闘機と従来よりも制空能力が低下する場合もありました。なお、48機から36機というのは飛行隊定数が24機から18機となるもので、配備される飛行隊定数は2005年の3個飛行隊から2個となって以降変わりません。■

 アメリカのノースロップグラマン社は日本の三菱電機との間でMOU包括協力覚書に署名しました。両社の関係は海上自衛隊がグラマンアベンジャー対潜哨戒機を導入した際の技術協力から始まり、S-2トラッカー対潜哨戒機の導入により協力は一段階広がるとともに、航空自衛隊がE-2C早期警戒機を導入すると一層その協力は強化された。

 ノースロップグラマン社は陸上自衛隊のロングボウアパッチ用ロングボウレーダーや海上自衛隊のMCH-101掃海輸送ヘリコプター用ALMDS-AQS-24Aレーザー機雷探知システム機雷探知ソナー、航空自衛隊F-35戦闘機主要部分とE-2Dアドバンスドホークアイ早期警戒機などを担当しており、これらの分野での協力やていけいなどをめざします。■

 サウジアラビア空軍はA-330-MRTT空中給油輸送機4機を増強します。サウジアラビアのGAMIサウジアラビア軍事産業総局は2024年1月にエアバス社との間でIP産業参画契約を締結しており、サウジアラビア地域の産業開発支援をエアバス社が支援する方針を画定していて、今回のA-330-MRTT空中給油輸送機導入はその一環という。

 A-330-MRTT空中給油輸送機はエアバスA-330型旅客機を原型とし、その高い稼働率と旅客機どかわらない運用費用などから2024年7月1日までに60機が各国軍隊に採用され、納入待ちの機体を含めると世界15か国が採用しています。これはアメリカ製空中給油機を除けば最も人く採用されている空中給油輸送機となっています。■

 イタリア空軍はECRC-Mk2レーダー搭載ユーロファイター戦闘機を増強します、イタリア空軍はこのユーロファイターをF-2000戦闘機と命名しており、今回新たに24機を増強することとなりました。イタリア空軍はユーロファイター戦闘機国際共同開発に参加していますが、今回は老朽化した初期のトランシェ1を置き換えることとなる。

 ユーロファイター戦闘機とユーロファイター戦闘機で置き換えるというのは不思議な印象ですが、クロゼット国防大臣のイタリア議会提出書簡によりその計画が明らかとなりました。AESA方式のキャプチャーMk2レーダーを搭載するとともにミッションコンピュータも新型に改良、またコックピット部分もLAD大型ディスプレイとなっています。■

 アメリカのロッキードマーティン社は戦闘機用AI人工知能開発契約を獲得しました、今回の契約金額は460万ドル研究はアメリカ国防総省のDARPA国防高等研究計画局が発注したもので、空中任務における人工知能開発は機械学習によるBVR視程外戦闘や海洋監視任務などにおける複数情報包括処理などに寄与するとされています。

 F-35戦闘機を筆頭に現在の戦闘機はほぼすべて単座型戦闘機となっていますが、無人僚機など戦闘機操縦士の必要な装備運用などは複雑化する過程にあり、かつて1950年代後半のように一人の操縦士には手に負えないものが形成されつつあります、今回は複座型戦闘機を開発するのではなく、AIにより操縦士を支援するのが今回の目的です。■

 イスラエル政府は最大規模のストライクイーグル取得計画を認可された、アメリカ政府へ要請していたF-15IAストライクイーグル50機の調達について、アメリカ国務省国防安全保障協力局がその有償供与を認可したと発表しました、今回の契約規模は188億2000万ドルという膨大な規模であり、苦境にあえぐボーイング社としては干天の慈雨といえる。

 F-15IAストライクイーグル50機のほか、既存のF-15IストライクイーグルのミッドライフアップグレードMLU改修キット25機分、またF-110-GE-129エンジン120基とLAU-128Aミサイル発射架320基が188億2000万ドルの主要な内訳とのこと。ボーイング社によればF-15IAは改修ではなく新造機となり、機体の納入は2029年からとのこと。

 ボーイング社はボーイング737最新型の不具合による連続墜落事故発生と、アメリカ航空運輸当局の型式証明取り消しにより大幅な赤字に陥っており、新造機製造停止とともに各国に輸出した機体の長期運用不能により旅客機市場でエアバスに需要を明け渡す構図となっていますが、買収したマクダネスダグラス社のF-15が会社を救った構図です。■

 セルビア空軍は次期戦闘機としてフランスのラファール戦闘機採用を正式に決定しました。今回導入されるのは12機で単座型9機と複座型3機を導入するという、計画では2029年までに納入を完了するとのこと。1997年のコソボ空爆という歴史はありましたが、セルビアへのラファール採用はセルビアの民主化と空軍の抜本強化を意味するでしょう。

 ラファール戦闘機は2023年と2024年に宮崎県の新田原基地と茨城県の百里基地へ展開し日仏共同訓練を実施したことで知られていますが、近年採用国が増加していることも注目すべき点で、フランス空軍と海軍に192機、クロアチアやエジプトとギリシャやインド、インドネシアにカタールとアラブ首長国連邦へ261機の輸出が成立しています。■

 タイ空軍のT-50高等練習機導入計画が完了しました。タイ空軍はF-16A/B戦闘機50機とスウェーデン製JAS-39戦闘機11機、そしてかなり旧式化が進んでいますがF-5E/F軽戦闘機34機を空軍の主力としています。これらの操縦士を養成し、かつ有事の際の支援戦闘機としてタイは韓国からT-50高等練習機14機にかんする導入契約を結んでいました。

 T-50練習機のなかでタイ空軍が導入したものはT-50THとよばれており、その納入は2018年に最初の4機が引き渡されています、今回最後となる13号機と14号機が引き渡され納入計画は完了しています。タイ空軍ではF-5軽戦闘機とともにF-16A戦闘機も初期型で老朽化が進んでおりJAS-39戦闘機増強が模索されていますが、FA-50も候補となるでしょう。■

 アメリカ空軍はクイックシンク対艦爆撃訓練を実施しました。戦闘機に搭載した爆弾による対艦攻撃は第二次大戦的な発想ですが低コストとして再注目されている。空軍の打撃力強化の一環としてその能力構築が進められていましたが、今回実施されたのはリムパック環太平洋合同演習において、退役した強襲揚陸艦タラワがその標的となっています。

 タラワに対して投射されたのは2000ポンド爆弾、戦闘機に搭載される通常爆弾としては最大規模のものですが、舷側付近に着弾した爆弾はそのまま艦底付近で遅発信管が作動、爆発し船体に致命的な威力を与え撃沈に至ったとのこと。タラワは満載排水量32000t規模の強襲揚陸艦で、この威力は075型強襲揚陸艦程度ならば撃沈できることを証明しました。■

 インド軍は滑空爆弾の開発に成功したもよう。インド国営放送が報じたところによれば、戦闘爆撃機から投射するインド国産滑空爆弾の評価試験に成功したとのことで、試験にはインド空軍のSu-30戦闘機が参加、滑空爆弾は弾体上部に折りたたみ翼を装着した重量1tというもので、高高度から投射され100kmを滑空し目標に命中したとしています。

 滑空爆弾はJSOW/GPS誘導爆弾のような付随被害を局限する小型のものが元来主流でしたが、ロシアウクライナ戦争ではロシア空軍がウクライナにおいて重量3tの滑空爆弾を陣地攻撃に多用し大きな戦果を上げています。付随被害の極限よりも、一発で陣地を大規模な破壊により無力化させるという有効性が確認され、滑空爆弾の大型化が進んでいる。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【防衛情報】F-22戦闘機飛行50万時間とB-2戦略爆撃機近代化改修,E-11A空中通信中継機

2024-10-22 20:24:30 | インポート
■防衛フォーラム
ポーランドの装備爆買いはもはや名物的な領域となっていますが予算面で大丈夫なのか装備の費用を知っている身としては気になります。

 ポーランド空軍は新たにF-15EX戦闘爆撃機2個飛行隊分の取得を検討しています。これはMSPO2023国際防衛博覧会の際にポーランド政府の一つのオプションとして示された戦闘機導入構想の具体化であり、ポーランドへのF-35戦闘機売却決定により停止したと思われていた計画がボーイング社とのあいだで再度具体化しているかたち。

 F-15EX戦闘爆撃機についてポーランドは32機の導入を計画しているとのこと。なおポーランド向けのF-35A戦闘機初号機にあたるフザルツの組立がロッキードマーティン社のフォートワース工場において開始され2025年夏頃に納入できる見通しとのロッキードマーティン発表直後にF-15EX交渉中という発表がなされ、業界を驚かせました。
■防衛フォーラム
 見たいと思うものの日本国内に居ますと機会が無い機種ではある。

 アメリカ空軍はB-2戦略爆撃機近代化改修を行います。今回の契約はB-2戦略爆撃機を製造したノースロップグラマン社とのあいだで取り交わされ、その契約規模は70億ドルに達するとされています。近代化改修はオハイオ州のライトパターソン空軍基地に所在する空軍整備補給処とノースロップグラマン社のパームデール工場で行う。

 B-2戦略爆撃機の近代化改修は2029年までの運用継続費用を含めたもので、ソフトウェアアップデートを中心に機体部分の延命改修などをふくめるとのこと。B-83熱核爆弾16発やJDAM精密誘導爆弾80発という巨大な打撃力を有するとともに先進的なステルス設計をいちはやく取り入れたB-2爆撃機は後継機開発まで第一線を維持します。
■防衛フォーラム
 政治的にF-35にアクセスできないがアメリカが共産圏の戦闘機にアクセスさせたくない国に対しては有力な選択肢になり得るのだろうか。

 韓国空軍はKF-21戦闘機第一期発注を行いました、KF-21戦闘機は韓国とインドネシアが共同開発しているもので、愛称は“ボラメ”、現在は改廃中ですがミーティアミサイルなど海外製ミサイルの適合試験なども順調に進み、開発は既に80%が完了しているもようで、今回の第一期発注は開発が80%にたっしたことを受けて実施されたとのこと。

 KF-21戦闘機第一期発注は20機が生産契約を結んだとのこと。この20機の調達費用は1兆9600億ウォン、米貨換算で14億1000万ドル、邦貨換算では2277億円相当で、開発国の韓国でも1機当たりの調達費用は邦貨換算で100億円を超えることとなってしまいましたが、2026年から2027年に掛け納入という、極めて短期間で戦力化が叶います。
■防衛フォーラム
 本邦配備のものも遅れている。

 デンマーク空軍はF-35戦闘機能力向上型開発遅延を受け改修を一時断念しました、具体的には、デンマーク空軍は未だF-35戦闘機を受領していませんが、F-35戦闘機の能力向上型プログラムの開発計画が予想以上に遅延しており、デンマーク空軍向けのF-35戦闘機を受領できる見通しが立たなくなりました、しかしF-16後継機は必要です。

 デンマーク空軍は苦肉の策として、現在アリゾナ州においてデンマーク空軍がアメリカ空軍のF-35A戦闘機6機を借用して操縦要員養成を行っていますが、こちらはTR-2という型式であり能力向上型ではありませんが、当面この機体をデンマーク空軍がデンマークに持ち込む方向で調整しているとのこと。デンマークは14機を調達予定です。
■防衛フォーラム
この分野の抑止力だけはアメリカに依存せざるを得ない。

アメリカ空軍はB-52H戦略爆撃機への核兵器運用能力再整備を検討しています。具体的にはこれはアメリカ議会が調整を進めているもので、これはロシアの戦略核兵器削減条約離脱を受け、この条約成立により核兵器運用能力を外して通常兵器運用専用に改修されていたB-52戦略爆撃機を文字通り戦略爆撃機に戻すための調整を始めたもよう。

B-52Hストラトフォートレスは現在30機が通常兵器運用専用機として維持されていますが、2025年度上下両院防衛政策法案にこの核兵器運用能力を戻す内容を盛り込む方針です。ロシアの戦略核兵器削減条約離脱によりこの条約は2026年2月に失効し、続く新戦略核兵器削減条約交渉もロシアが離脱したため、アメリカも抑止力を強化します。
■防衛フォーラム
 本邦も無理にF-15Jへ大金を積んで改修するのではなくF-15EXを108機程度ライセンス生産してはと思う。

 アメリカ空軍は州兵空軍へのF-15EXイーグルⅡ戦闘爆撃機の配備を開始しました。F-15EXイーグルⅡ戦闘爆撃機はF-15Eストライクイーグルを増強する改良型の戦闘機、戦闘爆撃機でF-15イーグルシリーズでは現在唯一生産されているものです。空軍には順次配備が開始されていますが、州兵空軍へ配備されたのは今回が初めて。

 F-15EX戦闘爆撃機が配備されたのはポートランド基地のオレゴン空軍州兵第142航空団、到着式は6月6日に行われました。オレゴン空軍では旧式のF-15C戦闘機の置き換えを予定しています。今回納入されたF-15EXは、今後一年間で続いて導入される13機の鏑矢となる機体であり、数年内に更に4機を受領、18機で飛行隊を充足させる見通し。
■防衛フォーラム
 本邦のC-1輸送機くらいの大きさ。

 アゼルバイジャン空軍はC-27J輸送機を初公開しました、C-27JスパルタンNG輸送機はイタリアのレオナルド社が開発したもので最近納入されたものですが、6月26日のアゼルバイジャン軍創設106周年記念行事に併せ初公開されたもので、旧ソ連製装備を主体に各国装備により近代化を進めるアゼルバイジャン軍の象徴的な新装備という。

 C-27J輸送機初公開はアリエフ国際空港において実施されまして、式典にはアゼルバイジャンのアリエフ大統領、イタリアのクロセット国防相という要人が臨席しました。C-27J輸送機は双発ターボプロップ型輸送機で11.3tまでの装備を輸送可能で航続距離は1700㎞、最高速度は670km/hと使いやすい大きさと低い費用の戦術輸送機です。
■防衛フォーラム
 我が国もE-767の後継を検討せざるを得ない年代に。

 アメリカ空軍はオーストラリア空軍に早期警戒機に関する空軍兵器学校分校を設置しました。これはアメリカ空軍は進めるE-7Aウェッジテイル早期警戒機導入計画の一環で、現在運用しているE-3セントリー早期警戒管制機老朽化を受け、後継機に選定されたE-7A運用に素早く習熟するためにローンチカスタマーの協力を仰いだかたち。

 E-7Aウェッジテイル早期警戒機はボーイング社がボーイング737の機体を原型として独自開発したもので、当初アメリカはE-10多目的警戒管制機を開発中であり興味を示しませんでしたが、ブッシュ政権時代にE-10開発中止となり、E-3を延命改修していたものの限界が来たため、後継機としてリスクが比較的少ないE-7Aを採用しました。
■防衛フォーラム
 空軍は今後F-22をどうするのだろう。

 アメリカ空軍はF-22戦闘機飛行50万時間を達成しました。F-22戦闘機はラプターの愛称とともにアメリカが世界で初めて完成させた第五世代戦闘機となっています。F-15C戦闘機の後継機として開発がすすめられたF-22は1997年9月7日にジョージア州にあるロッキードマーティン社のマリエッタ工場にて初飛行を果たした戦闘機です。

 F-22戦闘機は、ステルス性と超音速巡航性能から敵対戦闘機に気づかれることなくその無力化を果たすことができる戦闘機として、制空戦闘機よりも一歩進んだ、航空支配戦闘機、と呼ばれていましたが、当初計画ではF-15を置き換える事が求められたものの、冷戦後の軍縮機運により製造数が大幅に削減され、183機に留まることとなりました。
■防衛フォーラム
 小口ではあるがA-400M運用国が増えた。

 カザフスタン空軍向けエアバスA-400M輸送機が初飛行に成功しました、カザフスタン空軍は空輸展開能力強化の一環としてロシア製航空機ではなくエアバスA-400M輸送機の導入を決定、2021年に2機の調達に関してエアバス社と正式契約が結ばれています。これを受けエアバス社はスペインのセビリア工場において製造を進めていました。

 エアバスA-400M輸送機が選定された背景には、その輸送能力とともに少数の期待でも最低稼働率を維持することができるというエアバス社の強調した点が高く評価された為といわれていて、エアバス社によれば2024年内に初号機を、残る1機については2025年に納入する方針としています。今回の初飛行は試験飛行、19分半にわたり飛行しました。
■防衛フォーラム
 本邦の選択は正解だったと信じたい。

 アメリカ空軍のKC-46空中給油輸送機が45時間世界一周に成功しました。プロジェクトマゼランという空中給油機での短期間での地球一周飛行という挑戦はカンザス州のマコーネル空軍基地第22航空団の所属航空機が実施し、飛行にはトス司令官が航空医学に基づき、就寝時間を正午起床となるよう睡眠時間を調整して臨んだとのこと。

 試験は6月29日にマコーネル空軍基地を離陸し7月1日にカンザス空軍基地へ地球を一周して着陸したといい、機長と抗体操縦士3名にクルーチーフ2名と乗員2名及び航空移管1名が参加、インド太平洋地域での長期任務に対応する能力を実証しました。この飛行は2022年に実施、航空医学上の研究が完了したことで概要が開示されました。
■防衛フォーラム
 この種の装備は日本にも必要だ。

 アメリカ空軍は空のWifiことE-11A空中通信中継機の実戦運用を実施中です。E-11Aはノースロップグラマン社が開発したBACN戦域空中通信ノードをボンバルディア社製ビジネスジェットに搭載したもので、当初はアフガニスタンでの線上通信に用いる計画でしたがアメリカ軍のアフガニスタン撤退によりその機会がありませんでした。

 E-11A空中通信中継機が実戦初参加となりましたのはイスラエルガザ戦争勃発後の人道支援のための物資空中投下支援であり、第430遠征電子戦飛行隊のE-11Aが参加、40回にわたる各国の空中投下支援を行っています。一度の飛行時間は10時間、天候情報や投下予定地域の状況など、地上に支援要員を展開できない状況で投下を支援しました。
■防衛フォーラム
 有人機の無人化はアメリカではUH-60などが無人の輸送用に改修試験をおこなっていたりするのです。

 フランスのエアバスヘリコプターズ社は無人機ラボ実験を実施中です。MUM-T友人無人連携研究を進めているエアバス社ではH-145M軽ヘリコプターに無人航空機管制装置を搭載する改修を実施していて、この実験のために民間型のH-145Mヘリコプターの副操縦席を再設計し、17インチディスプレイが新設されることとなりました。

 ラボ実験では、数種類の無人航空機を副操縦席から飛行管理する運用が為されていますが、エアバス社では最終的に現在実証実験を継続しているALE空中発射無人航空機をヘリコプターから発進させ、これを操縦する構想で進められています。エアバス社では提携する無人機メーカーを探すことと空中無人機操縦者の養成を次の課題としています。

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【防衛情報】ロールスロイス社戦車用ハイブリッドエンジンと島嶼防衛用高速滑空弾事前発射試験

2024-10-15 20:15:05 | インポート
■防衛フォーラム
 10式戦車は優れた戦車だとは思うのですがハイブリット方式の電動戦車がかりに技術的に可能であるならば、それは世代交代で1世代前の戦車となってしまうのかもしれない。

 イギリスのロールスロイス社は戦車用ハイブリッドエンジンを発表しました。ユーロサトリ2024において発表されたエンジンはコンセプトモデルで、1100kwの出力を有しており、その基幹部分はドイツのMTU社製SERIES199エンジンを原型としたものです。既にハイブリッドエンジンは特殊部隊用車両として広く採用されています。

 1100kw級ハイブリッドエンジンは最大70t級の戦車用動力として運用可能で、ロールスロイス社によれば、待ち伏せなど静粛性が求められる状況では事前充電した電源が赤外線放出を含め敵に暴露する事を回避し、またデータリンクシステムなど停車時に大量の電力を必要とする現状で、アイドリング防止は燃料消費や整備間隔を効率化します。

 MTU-SERIES199エンジンの原型となる通常型はASCOD装甲戦闘車共通プラットフォームから開発されたエイジャックス装甲偵察車やM-10ブッカー装甲機動砲に採用されていて、新鋭装甲車両に採用される背景にはモジュール設計方式を採用しコンパクトであるとともに既存設計車両の機関部区画への適合性の高さが影響しているようです。
■セントリー対戦車地雷システム
 自分で敷いた地雷原ならば友軍部隊が通過する瞬間だけ管制操作で不活性化して飢えを踏んで通過できる、ものなのかなあ心理的に。

 フィンランドのフォーシットディフェンス社はセントリー対戦車地雷システムを発表しました。ユーザー2024の会場に展示された地雷は一見して従来型の対戦車地雷と違いがありませんが、最大の相違点は地雷本体ではなく、その隣に置かれた防水タブレット型端末と並べられていたことでしょう。そして地雷そのものが通信能力を持つ。

 セントリー対戦車地雷システムは地雷敷設により暗号通信を用いてどの地域にどの地雷が敷設されたかを通信し、地図上に地雷原を表示可能、地雷原に戦車などの移動に伴う振動が伝わると、これらデータも送信され、また友軍が通行する場合には遠隔操作により起爆装置を解除し、通過終了後敵が接近する状況で起爆装置を再設定できます。
■空地共同型ロボット
 MUM運用ではなくUM運用だけを目指す。

 アメリカのテレダインフリアー社は空地共同型ロボットを発表しました。ユーロサトリ2024国際装備展では無人機はユーロサトリでの典型的な未来戦闘技術の提案となっていましたが、テレダインフリアー社が発表したのは携帯型ドローンを運搬する無人車両という、これまで携帯型ドローンは人員が携行する常識に一石を投じたもの。

 テレダインフリアー社は超小型無人機ブラックホーネットを開発していますが、今回提示されたのはブラックホーネット4を搭載したSUGV-325というUGV無人戦闘車両でした。ただ、この無人車両そのものが可搬性を持つもので、車体規模と無人機の規模から、建物内での戦闘で階段を上る前などに無人機を偵察に充てる構想のもよう。
■中国製小銃搭載型ロボット犬
 能登半島地震では使い物にならなかっただけに最前線まで運ぶのはクワッドドローンでも無ければたどり着けないようにも思うが警備用とか防御陣地の逆襲部隊用ならば使い道はあるのか。

 中国製小銃搭載型ロボット犬の脅威について、アメリカ議会下院年次防衛権限法案検討会は国防総省にその脅威度の強化を求める文書を採択しました。CCTV中国中央テレビでは5月25日の放送にカンボジアでの軍事演習において猛士高機動車から展開するロボット犬が小銃を携行し射撃しつつ前進する様子などが紹介されていました。

 アメリカ軍ではロボットの軍事利用をかなり前から進めていますが、歩兵と協同する用途では主として武器運搬などに用いており、戦闘用ロボットは限られた研究段階のものとなっていますが、ブルパップ式小銃を背中に載せた中国製犬型ロボットはこれまでにない発想で、今後アメリカ軍の海外展開への脅威度を調査するよう危機感があったもよう。
■PULS精密ロケットシステム
 HIMARS用の弾薬も使えるというメーカー主張を信じて調達してGMLRS弾薬メーカーからいや無理ですよと言われてしまった装備だ。

 デンマーク軍はPULS精密ロケットシステムの初射撃試験を実施しました。PULSはイスラエルのエルビットシステムズ社製のトラック式ロケット砲で様々な口径のロケット弾に対応していて、ロシアウクライナ戦争を受け砲兵能力近代化の切迫性を痛感したデンマーク軍が、比較的短期間で納入可能というイスラエル製PULSを採用したかたち。

 PULSの発射試験はデンマークの北海沿岸にあるオクスボル射撃試験場にて実施され、ロケット弾は弾頭を搭載せず射撃のみ実施、ロケット弾は10km先の北海に無事着弾しました。今回の試験は発射時にトラック部分を含めデンマーク国内法に基づく環境基準に騒音レベルや排気ガス排気基準が合致しているかを確認したかたちです。
■TAM中戦車近代化
 74式戦車は最後まで抜本改造はされず。

 アルゼンチン軍のTAM中戦車近代化改修計画が更なる遅延に見舞われているもよう。TAM-2CA2戦車として改修が進められている戦車は2010年より近代化改修計画が始まり、既に14年が経過しているものの未だ一両も改修が完了できておらず、一応2027年までに現有のTAM戦車200両のうち74両を近代化改修する事となっています。

 TAM中戦車はドイツのマルダー装甲戦闘車に105mm砲塔を搭載したもので、アルゼンチン国内の防衛企業が主体として当初近代化改修を行う計画でしたが手に負えずイスラエルのエルビットシステムズ社が参加しています、予定では9月に改修完了1号車を納入する予定ですが、第602武器大隊で行われた改修完了車は未だ試験を開始していません。
■アクティヴ防御装置
 遠隔操作式銃塔に自動散弾銃を仕込めれば最適と思う。

 アラブ首長国連邦のビンヒラルエンタープライズ社はトップアタック攻撃への防御装置開発に関して、アメリカのアルティス社との間で合弁企業を設立しました。近年、装甲戦闘車量全般は自爆用無人機による車体上部を狙うトップアタック攻撃に対して防御能力強化を迫られています。両社はユーロサトリ会場にて合弁会社設立に署名した。

 アルティス社はアイアンカーテンという車体上部への攻撃から戦車などを防護するアクティヴ防御装置を2024年1月に発表、この性能は既にウェストヴァージニア州の試験場において実証実験を完了しています。ビンヒラルエンタープライズ社は、この装備を自国に普及させるとともに国内防衛産業基盤強化に貢献する狙いがあるのでしょう。
■スタウト近距離防空システム
 タネ車となる車体が大量にあるとこういう96式装輪装甲車では実現しなかった運用が可能となるのだ。

 アメリカ陸軍はストライカー装甲車防空型の名称をスタウト近距離防空システムと命名しました。スタウトとはアメリカ陸軍のミッチェルウィリアムスタウト軍曹が名前の由来であり、スタウト軍曹はヴェトナム戦争中の1970年3月12日、投げ込まれた敵の手榴弾から戦友たちを守るべく自分の体を使って手榴弾の爆発を防ぎ戦死したという。

 スタウト軍曹はこの勇気ある行為により議会名誉勲章を叙勲、軍曹は陸軍防空砲兵隊に所属していたことから、防空砲兵では過去唯一名誉勲章を叙勲した英雄です。スタウト近距離防空システムはストライカー装甲車にレーダーと30mm機関砲及びスティンガーミサイル4連装発射装置、地上発射型ヘルファイアミサイル2発を搭載したものです。
■RBS-15Mk2地対艦誘導弾
 日本も宇都宮などから減らしはしましたSSMですが保管しておけばいまここまで右往左往せず済んだ。

 スウェーデン国防軍はRBS-15Mk2地対艦誘導弾を受領しました。もともとはスウェーデン沿岸砲兵隊に配備されていた装備ですが2000年の沿岸砲兵隊廃止により、スウェーデン水陸両用千軍団が創設されたものの、この軍団隷下には1個連隊があるのみであり、その生産は僅か1基に留められていました、一時廃止されるも2016年に再生する。

 RBS-15Mk2地対艦誘導弾は射程200㎞、配備されていたものの大半がRBS-15地対艦誘導弾であったものの、Mk2までは必要とされないとの判断であったようですが、今回、バルト海沿岸の安全保障情勢緊迫化を背景に再生される事となりました。スウェーデン軍では既存のMk2を最新型のMk4に近代化改修する計画も検討されています。
■H-145Mヘリコプター
 ドイツはこれで日本はUH-2をガンシップ化して対戦車攻撃に充てるそうですが防弾が無かったゼロ戦が散々な目にあったとNHKなどで特集して何も学ばないのかと怒りさえ感じる。

 ベルギー軍はH-145Mヘリコプター15機を導入します。計画では陸軍が15機を導入するとともに国家警察も2機を導入するというもので、ベルギー国防軍近代化を進めるSTAR計画の一環として進められます。H-145Mヘリコプターはエアバスヘリコプターズ社製、MBB/川崎BK-117C1軽ヘリコプターの拡大改良型となっています。

 H-145Mヘリコプターは兵員9名を輸送可能で、ベルギー軍では練習機や口腔衛生機及び偵察と軽攻撃任務にも用いる構想、またこの航空機は武装キットを搭載することでスパイク対戦車ミサイルの運用能力を付与する事が可能となっていて、例えばドイツ連邦軍はPAH-2戦闘ヘリコプターの後継機にこの攻撃キットの搭載型を導入する計画です。
■K-9自走榴弾砲
 日本も方面特科連隊に装備するならば99HSPのような大柄だが堅固な防御力をもつ装備に集約すべきだったのではと思う。

 ルーマニア軍は韓国製K-9自走榴弾砲54門を導入します、ルーマニア政府は韓国のハンファディフェンス社との間で7月10日、K-9自走榴弾砲調達に関する10億ドル規模の正式契約を成立させました、この契約には自走榴弾砲本体と共にK-10弾薬補給車36両の調達費用も含まれており、これにより陸軍砲兵火力の大規模近代化を目指します。

 K-9自走榴弾砲は現在世界で最も量産されている自走榴弾砲で、韓国軍に大量採用されたことで量産体制が整い短期間で納入できるのが強み、K-9採用国は10か国となりK-10弾薬補給車採用も3か国目、NATO加盟国の採用も、トルコ、ポーランド、ノルウェー、フィンランド、エストニアに続く採用でルーマニアは2027年より導入します。
■島嶼防衛用高速滑空弾
 自衛隊の次世代装備だ。

 防衛省防衛装備庁は島嶼防衛用高速滑空弾の事前発射試験を実施しました。これは地対艦ミサイルを補完する次世代の装備品であり、いったん宇宙空間まで上昇し極超音速で滑空、敵対勢力の迎撃システムを速度で突破し命中破壊するもの。今回の情報開示は7月に入ってからのものですが、試験そのものは2024年3月23日に実施したもの。

 島嶼防衛用高速滑空弾の事前発射試験は試験用単発架台より発射し、主としてミサイル本体の性能よりも計測装置の試験が主眼であったもよう。初期型はblock1であり射程は数百km、概ね900km程度とされていますが、block2では極超音速飛行時の衝撃はによる圧縮空気を用い滑空するウェブライダー方式により極超音速関空を行う。

 自衛隊ではblock2を射程2000km前後とし、更にblock2Bとして射程を3000kmにまで延伸する構想で、これはとてつもなく敵対勢力の後方策源地を叩けることを意味しますが、極超音速滑空は距離に準じて飛翔速度の減衰が必至であることから最大射程での速度は不明です。なお防衛装備庁は同様の試験を4月7日にも実施したとのこと。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【防衛情報】ポーランド次期潜水艦選定とフランスバラクーダ級原潜トゥールーヴィル,カナダ海軍CPSP計画潜水艦12隻体制

2024-09-23 20:01:23 | インポート
■防衛フォーラム
 今回は海軍関係の話題なのですが潜水艦の話題が多い印象と手持ちの写真でも案外無関係ではない海軍の話題なども。

 ポーランド次期潜水艦選定売り込みに韓国ハンファオーシャン社が最新案を提示しました。潜水艦売り込みにあたってハンファオーシャン社は5月21日、ポーランドの海岸都市グダニスクのグダニスク技術センターにてインダストリーデイを開催、韓国海軍向けに建造された島山安昌浩級ことKSS-Ⅲ型潜水艦ポーランド仕様を提案したかたち。

 島山安昌浩級ことKSS-Ⅲ型潜水艦は水中排水量3800tと、おやしお型潜水艦の3500tよりも大型で、4200tの潜水艦そうりゅう型に迫る大型艦です。推進方式はディーゼルエレクトリック方式と燃料電池AIP併用方式、50日間の連続航行が可能で、特筆すべきは後部に玄武4-4型潜水艦発射弾道ミサイル用VLS8セルを有する点が特色です。
■防衛フォーラム
 VLSが護衛艦むらさめ型と同じMk56でしたが今度日本で公開される際には変わっているという事か。

 カナダ海軍はハリファクス級フリゲイトにESSMblock2を搭載完了しました。これはポイントディフェンスアップグレード改修として進められていましたESSM発展型シースパローミサイル搭載計画の官僚であり、カナダ海軍は6月までに搭載艦艇のESSMblock2発射試験を完了し、IOC初度作戦能力を付与したとのことです。

 ポイントディフェンスアップグレード改修はESSMミサイルを運用する12か国が連携して実施する能力向上改修であり、ESSMミサイルは射程が50㎞と従来のシースパローミサイルの15㎞よりも射程が大幅に延伸しアクティヴホーミングシーカー搭載、この搭載によりハリファクス級は僚艦防空能力を付与されることとなりました。
■防衛フォーラム
 もがみ型はどんどん増えるのですがこれCOVID-19の感染拡大の時点ではまだ一番艦が進水式を迎える前だったというと装備化の早さに驚く。

 海上自衛隊は護衛艦もがみ型である令和4年度計画護衛艦の命名式と進水式を実施します。実施は6月24日月曜日で実施場所は建造が進められてまいりました三菱重工長崎造船所、式典には佐世保地方総監俵千城海将が執行者として参加します。行事実施発表は6月14日で、艦名については命名式と進水式終了と同時に公表するとのこと。

 もがみ型護衛艦の9番艦に当たる護衛艦となっていて、令和4年度計画護衛艦として建造されるもう一隻の護衛艦、10番艦の起工は9番艦と同じく2023年7月6日となっていますが、進水式を迎えるには早いものの、ある程度上部構造物や船体の建造進捗は見られるため、恐らく数か月以内に進水式を迎えるものと考えられます。

 もがみ型護衛艦は当初22隻が建造される計画でしたが、掃海艇や小型護衛艦と比較する場合に大幅な武装強化ステルス設計などが実現したものの、近い将来生じるであろう南西諸島での中国海軍への対応能力を考えた場合不十分であるとされ、建造を12隻に留め、武装を大幅に強化し艦隊防空能力を付与した拡大改良型が建造されます。
■防衛フォーラム
 自衛隊のような掃海艇と云いますか機雷掃討艇は今後減ってゆくのか大型過ぎる母艦というのは逆に普及しないのか、さてさて。

 ベルギー海軍向けMCM機雷戦艦トゥルネーが進水式を挙行しました。2024年7月2日、コンカルノー造船所において挙行された進水式では、名前の由来となったトゥルネー市のドゥラノワ市長とベルギーのデドンダー国防相臨席のもとで執り行われました。MCM機雷戦艦としては4隻目で、ベルギー海軍向け艦艇としては2番艦となっている。

 MCM機雷戦艦はオランダとベルギーが協同し開発している次世代の機雷戦艦で、両国が協同し12隻のMCM機雷戦艦を導入、この12隻は100基の水中無人機母艦となり、1隻で多数の水中無人機や18t級水上無人艇を運用し広範囲の機雷を掃討するもの。このため満載排水量は2800tと、従来の掃海艇よりも格段に大型となっています。
■防衛フォーラム
 自衛隊ではHSS-2として親しまれていた。

 インド海軍はシーキング輸送ヘリコプターの退役式典を実施しました。第350飛行隊はインド海軍における最後のシーキング輸送ヘリコプター部隊となっていましたが6月28日、退役式典を行いました。インド海軍におけるシーキング輸送ヘリコプターの歴史は比較的新しく、アメリカ海軍よりオースティン級ドック型揚陸艦を取得したさいのもの。

 揚陸艦トレントンを受領しインド海軍においてジャラシュワと改名した2007年に、シーキング輸送ヘリコプターを導入しUH-3Hとして運用を開始し、2011年のリビア騒擾ではインド海軍が自国民救出にシーキングを運用しています。ただ、インド海軍歩兵部隊が海軍とは別にシーキングMk42Cを運用しており、こちらの運用は継続されます。
■防衛フォーラム
 巡洋艦は過去のものになるのか。

 アメリカ海軍から巡洋艦ピッツバーグとカウペンスの今夏除籍が発表、巡洋艦が全廃されようとしています、海軍は巡洋艦近代化改修プログラムを進めていますが、ピッツバーグとカウペンスは近代化改修費用の増大を受け連邦議会から予算打ち切りを宣言されたために陳腐化が進み、2024年夏、6月と8月に退役が発表されています。

 タイコンデロガ級巡洋艦は2027年までにすべて退役しますが、2024年秋までに2隻を残して退役するとのことで、ピッツバーグとカウペンスについては超過した近代化改修費用が2隻あわせて10億ドルと、アーレイバーク級新造費に迫る超過となりました。秋にはアンティータム、レイテガルフが退役し、2隻のみが2027年まで運用されます。
■防衛フォーラム
 ホバート級イージス艦と並ぶ大型艦だ。

 オーストラリア海軍向けハンター級フリゲイトの起工式が挙行されました。船体を構成する最初の鋼材を切断するスチールカット式は南オーストラリア州オズボーンにあるオズボーン海軍造船所のBAEシステムズオーストラリア社が実施したもので、左舷プロペラシャフトブレーキシステムの構造材がスチールカット式にて切断されました。

 ハンター級フリゲイトの一番艦は2032年に海軍に引き渡され、2034年に作戦運用体制にはいる計画です。ハンター級フリゲイトはSEA-5000計画として2009年のラッド政権時代から開始されたアンザック級フリゲイトの後継艦で、その大きさや任務は二転三転し、一時はホバート級ミサイル駆逐艦の派生型となる構想もありましたが。

 ハンター級フリゲイトは満載排水量8800t、Mk41VLSを32セル有しているほか、127mm艦砲や30mm機関砲と20mmCIWS近接防護牡蠣、対艦ミサイル発射筒に加えてMH-60R哨戒ヘリコプターを1機搭載する計画です。ただ、当初は9隻を量産する計画でしたが、これを6隻に削減し、浮いた費用でたすうの中型フリゲイトを整備する計画だ。
■防衛フォーラム
 従来型のドック型揚陸艦では無く経験の無い所に依頼している故の問題も。

 アメリカ海兵隊用輸送揚陸艇の建造は非常に厳しい状況にあるもよう。フォースデザイン2030としてアメリカ海兵隊は上陸作戦の主導という運用から島嶼部防衛に大きくその能力を転換しつつありますが、この為には強襲揚陸艦のような自己完結能力を持つ揚陸艦よりも、多数の車両や装備を輸送する今までにない両用戦艦が必要となります。

 しかし、アメリカ会計検査院が6月17日に発表した報告書によれば、現状では輸送揚陸艦の建造は計画よりもすでに2年間遅れているとともに建造費も物価高騰や工員不足の影響を受けることで当初見積もりの3倍にまで高騰している状況です。既に輸送される側の海兵沿岸連隊は続々と編成されていますが、開閉を運ぶ肝心のフネがないのです。

 現在は民間フェリーで代用していますが輸送揚陸艦は現在の計画では66mから130m、喫水は3.7m、50名の海兵隊員と650tの貨物化車両を輸送可能で車両甲板は8000平方メートル、ヘリコプターの発着甲板を有していて3500浬の航行能力と14ノットの速力を発揮し、30mm機関砲や機関銃を自衛用に搭載、耐用年数を20年と見積もっています。
■防衛フォーラム
 海兵隊のMV-22とはことなる海軍のCMV-22の配備という話題だ。

 アメリカ海軍はCMV-22オスプレイの岩国基地配備計画を発表しました。これは7月11日付NHK報道によるもので、現在すでに日本には沖縄県の海兵隊普天間航空基地へ海兵隊仕様のMV-22オスプレイが、また東京都のアメリカ空軍横田基地へ空軍仕様のCV-22オスプレイが配備されていますが、岩国へは海軍仕様のCMV-22が配備される。

 CMV-22オスプレイは2021年12月に初度作戦能力付与の認定が行われたもので、2022年からは原子力空母カールビンソンに展開するパタクセントリバーの第2空母航空団へ配備されています。海兵隊向けのMV-22と比較した場合、CMV-22は燃料搭載量が50%増大しており、これにより6000ポンドの貨物を1150マイル先まで輸送可能という。

 海軍は空母航空団に前方展開させることで、F-35C戦闘機など戦闘行動半径の増大している作戦機の行動に随伴する能力を付与し、またE-2D早期警戒機などとの連携と共にアメリカ海軍の全世界規模での作戦能力を支えるものになるという。岩国基地には横須賀の空母艦載機となる空母航空団が前方展開しており、その所属機となります。
■防衛フォーラム
 日本の潜水艦にもいちおう注目という。

 カナダ海軍はCPSP計画として潜水艦12隻体制を目指す計画とのこと。CPSP計画とかカナダ紹介潜水艦プロジェクトであり、ほとんど稼働状態に無いイギリスから導入したアップホルダー級潜水艦4隻が装備されていますが、一番艦アップホルダーは1990年にイギリスで竣工し1993年に退役しカナダに売却されたものの再就役に11年を要した。

 CPSP計画では稼働率維持に苦労し岸壁の女王とまでいわれたアップホルダー級を2030年代に近代化改修するとともに異なる潜水艦を2024年内にRFI情報提供依頼書を発行する計画で、カナダ海軍は太平洋と大西洋に加えて北極海の防衛を行うためには12隻の潜水艦が必要であるとし、各方面に稼働潜水艦1隻を確保するべく、検討中とのこと。
■防衛フォーラム
 オーストラリアに通常動力型を提示して急きょキャンセルされ政治問題化した事は記憶に新しい。

 フランス海軍はバラクーダ級原潜トゥールーヴィルの公試を開始しました。シュフラン級攻撃型原潜とも呼ばれるフランス海軍最新型の攻撃型原潜でトゥールーヴィルは三番艦、一番艦シュフランは2022年に竣工しており、二番艦のデュゲイトルーアンは2024年4月に竣工したばかり、フランス海軍は2030年までに6隻を建造する計画です。

 バラクーダ級攻撃型原潜は水中排水量5300t、前型にあたるリュビ級攻撃型原潜が通常動力型潜水艦設計を原子力推進としたために水中排水量は2600tと小型でしたが、ルトリオンファン級戦略ミサイル原潜に採用されたポンプジェット推進装置を採用し、前型にあたるリュビ級攻撃型原潜よりも大幅に近代化した潜水艦となっています。

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