北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】GMARSグローバルロケットシステムとCUT無人砲塔戦車コンセプトモデル,AMPV装甲車新型砲塔型

2024-09-17 20:21:34 | インポート
■防衛フォーラム
 CV-90がここまで発展できるという事はもう少し生産を継続していましたならば89式装甲戦闘車も伸びしろが在ったよう思うのです。

 イギリスのBAEシステムズ社はCV-90mkⅣを開発しました、ユーロサトリ2024国際装備展に展示するもので、スウェーデンヘルグラント社が開発し現在はBAEシステムズヘグランド社が製造するCV-90装甲戦闘車の最新改良型となっていて、こんごはチェコ陸軍とスロバキア陸軍へ配備が開始される最新型です。

 CV-90装甲戦闘車は開発当時40mm機関砲という、従来の装甲戦闘車が25mm機関砲などを標準としていた時代、日本の89式装甲戦闘車が初めて35mm機関砲を採用した時代に40mm機関砲を採用した装甲戦闘車となっていましたがCV-90mkⅣは敢えて新口径機関砲を採用しアクティヴ防護装置を備えるなど特色があります。
■防衛フォーラム
 自衛隊はMLRSを廃棄しているところで富士学校の特科教導隊もMLRSを廃止してしまいましたが射程はどんどん伸びて500kmに達する為に有用性が確認されている。

 ドイツのラインメタル社とアメリカのロッキードマーティン社は共同でGMARSを発表します。ユーロサトリ2024国際装備展において初公開されるもので、このGMARSとはグローバルモバイルアーティラリーロケットシステムの略称です、HIMARS高機動ロケット砲兵システムを凌駕する装輪式の機動ロケット砲システムとなるもよう。

 GMARSはMFOMことMLRS 弾薬体系の運用に対応するもので、HIMARSはMFOMコンテナを1基のみ搭載していましたが、これは2基を搭載するMLRSと比較し半分の火力でしかありませんでした、新開発のGMARSはこれを2基搭載する事が可能とのことで、装甲キャビンを備えたラインメタル社製8輪式大型トラックを用いています。
■防衛フォーラム
 87式自走高射機関砲のような専用装備ではなくトラック方式が無人機という徘徊式弾薬を除けば標的以外には敵意をみせない自爆攻撃対策に有用となりつつある。

 イギリスのBAEシステムズ社はトリドンMk2自走高射機関砲システムを発表しました。これはユーロサトリ2024国際兵器展において初公開されるもので、経空脅威の増大に対応するべくスウェーデンのボフォース社が90年間にわたり培っているボフォース40mm機関砲の知見が活かされた最新の防空システムとのこと。

 BAEシステムズボフォース社が中心となり開発されたもので、艦載兵器として既に完成しているトリドン40mm近接防空システムをそのままトラックに車載し、ボフォース3P調整型信管により航空機や巡航ミサイルと無人機攻撃に対応するというもの。同様の防空装備は各国が開発していますが、射程12kmという40mm機関砲が本装備の強み。
■防衛フォーラム
 予算確保で難渋しているようですがOH-1を放り出してしまった日本よりはやる気と切迫度はある印象です。

 イタリアのレオナルド社はAW-249戦闘ヘリコプター共同開発企業を模索しているもようです。これはユーロサトリ2024国際装備展にAW-249試作機2機を展示するにあたり提携企業を模索するというもの、これには現地生産に際しての協力は勿論、先進的な火器管制装置などを管制に向けるための共同開発企業を含むとのことです。

 AW-249はA-129マングスタ戦闘ヘリコプターの後継として開発が進められ、レオナルド社によれば西側で新規開発された唯一の機種という。AW-249はF-35戦闘機の大型ディスプレイやヘルメットマウントディスプレイを参考とした無人航空機管制装置など新技術を採用、東欧や中東とラテンアメリカ諸国の開発参加を期待しているもよう。
■防衛フォーラム
 欧州では防空建て直しに全力です。

 ノルウェーのコングスベルク社は新型のNOMADS防空システムを開発しました、このNOMADSとはナショナルマニューバエアディフェンスシステムの略称で、防御力の高い装甲車両に短射程地対空ミサイルと中射程地対空ミサイル運用能力を付与し、パッシヴシーカーとAESAレーダーを搭載した自己完結性の高い防空システムです。

 NOMADS防空システムのAESAレーダーは50km圏内の索敵能力を有しており、ネットワーク化されNATO防空システムと連接性を確保するとともに中射程ミサイルとしてはコングスベルク社が開発したNASAMSミサイルを採用、小型無人機の様な近接目標から巡航ミサイルまで多彩な脅威に対応できるとコングスベルク社は説明している。
■防衛フォーラム
 汎用車輛の新しい方向性か。

 ドイツのFFG社はNOMADS防空システム用装甲車両ACSV-G5を発表しました。今回発表されたのはユーロサトリ2024国際装備展、FFG社とはフレンスブルガーファーツツォウクバウゲゼルシャフト社の略称で、装甲戦闘支援車両 ACSV-G5はISOコンテナ規格を利用した新しい発想の支援車両で、コンテナモジュール方式を採用する。

 コンテナモジュール方式を採用することで各種装備を数時間で換装する事が可能であるとしています。車両の電子制御などはNGVA北大西洋条約機構汎用車両アーキテクチャを採用し迅速な整備なども可能となっている。ACSV-G5の汎用性はさっそくMICLIC地雷除去爆導索と排土板搭載の戦闘工兵車の発表により裏付けられています。
■防衛フォーラム
 MRAP耐爆車両の系譜という印象の車両だ。

 フランスのアルクス社はフォートレスMk2装輪装甲車を発表しました。さまざまな車両が発表されるユーロサトリ2024国際装備展において発表された装甲車の一つで、装甲展示なども実施しました。ボンネットトラック方式の広報に若干の傾斜装甲を備えている装甲トラック型のまたはMRAP耐爆車両型の装輪装甲車となっています。

 フォートレスMk2装輪装甲車についてアルクス社によれば兵員輸送の場合は10名の完全武装兵員を輸送できますが、このほかに装甲救急車や指揮通信車として使えるほか、ある程度の不整地突破能力はありますが警察特殊部隊用装甲車両としても有用であるとしています。アルクス社はホーネットRWS遠隔操作銃塔を開発、本車へ搭載も可能だ。
■防衛フォーラム
 これM-2ブラッドレイでいいのではないかと思ってしまう。

 イギリスのBAE社はAMPV装甲車新型砲塔型を発表しました、パリにおいて開催されたユーロサトリ2024国際装備展においてBAEシステムズ社はアメリカ陸軍がM-113装甲車の後継車両として大量採用する事が決定しているAMPV多目的装甲車の発展性を紹介するべくMCWS-30、30mm無人砲塔搭載型を展示しています。

 MCW-30とはアメリカ陸軍がストライカー装輪装甲車に搭載している30mm機関砲塔で、もともとAMPVはM-2ブラッドレイ装甲戦闘車の車体設計を応用しているため、もともとの25mm機関砲よりも強力な機関砲を搭載したこととなりますが、BAE社はこの遠隔操作銃塔を筆頭に30種類以上の砲塔が搭載可能と汎用性を強調しました。
■防衛フォーラム
 迫撃砲は軽量であればこそと自衛隊が96式自走迫撃砲を開発した際には一部自称識者にいろいろいわれたものですが、日本式が後追いされている。

 アメリカのジェネラルダイナミクス社はパンドゥール装甲車自走迫撃砲型を発表しました。発表したのはユーロサトリ2024国際装備展の会場においてであり、ジェネラルダイナミクス社の欧州現地企業であるジェネラルダイナミクスヨーロッパランドシステムズ社が開発、もともとはシュタイア社が開発したパンドゥール装甲車の改良型だ。

 パンドゥールEVO装甲車には砲塔式の120mm迫撃砲が搭載され、後填式を採用することで密閉砲塔からの関節照準射撃が可能、特筆すべきはこの自動迫撃砲は行進間射撃が可能である関節照準システムである点です。シュタイヤダイムラープフ社は防衛産業再編によりジェネラルダイナミクスヨーロッパランドシステムズ社傘下となっています。
■防衛フォーラム
 なにか悪い方向に向かっているようで前型が伝統的な主力戦車であった為に。やはり見た目は平凡でも技術を詰め込んだ10式戦車のような戦車を何処かつくらないものかと思う。

 ドイツのラインメタル社はCUT無人砲塔戦車コンセプトモデルを発表しました、ロシアウクライナ戦争を受けユーロサトリ2024国際装備展では世代交代として従来の戦車を圧倒出来現代戦場を生存可能という戦車が待たれていましたが、今回ラインメタル社はコンセプトアンクルードターレットCUT無人砲塔戦車を発表し応えた。

 CUT無人砲塔戦車コンセプトモデルは新型の51口径130mm戦車砲を搭載し、無人砲塔であるため当然自動装填装置を採用、自動装填装置は25発の砲弾を装填可能で、12発の弾薬庫を砲塔後部左右に各1基搭載し主砲装填分とあわせ25発となるもよう。また多銃身式のラインメタルRMG762遠隔操作銃塔を砲塔上に備えています。
■防衛フォーラム
 装備品の国産化と部品だけでも国産化という切望は世界的な流れ。

 ギリシャのレオパルト2戦車はASPIS-NG増加装甲を装着します。ユーロサトリ2024国際装備展においてEODH社とKNDS社が発表したもので、ASPIS-NG増加装甲はモジュール方式の増加装甲となっています。EODH社はギリシャの防衛企業であり、過去25年間に戦車の増加装甲を開発し続けてきました実績があります。

 EODH社は2023年の時点でギリシャ軍戦車改修契約を結んでいますが、予算の問題で遅れていました。ギリシャ軍が保有するレオパルト2戦車はレオパルト2A4戦車で、楔形装甲を有するA5戦車とことなり、砲塔の正面装甲に照準器が設けられ、此処が弱点部位となっていました。ASPIS-NGはここを空けたまま、全体の防御力を強化します。

 レオパルト2A4戦車はレオパルト2戦車のなかにあって近代化改修が遅れている戦車です、何故ならばA5はそのまま長砲身型のA6や生存性を強化したA7,A8と進んでいましたが、A4からA5への改修が砲塔の大規模改修となり費用が掛かり放置したままの国が多く、ASPIS-NGはこの分野において次の一石を投じる改修と言えるでしょう。
■防衛フォーラム
 92式地雷原処理車も転用すれば地雷敷設装置に使えないか。

 ドイツのKNDS社とダイナマイトノーベル社はスコーピオン2対機動システムを発表しました、ユーロサトリ2024国際装備展で異彩を放ったのは近年注目度が薄かったものの2023年ロシアウクライナ戦争ウクライナ夏季反転攻勢において示された時代の威力であり、防御用の地雷有用性再確認を受け、新型装備が展示されたかたち。

 スコーピオン2対機動システムは、ドイツ連邦軍などで採用されているAT-2対戦車地雷の自動散布装置とミルレムロボティクス社のRCV-X無人車両を向き合わせたもので、10分間に400発の対戦車地雷を敷設するもの、運用としては敵対勢力機甲部隊の機動に対抗してその進路上に2000mに渡る地雷原を急速敷設し、その進路を妨害すること。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【防衛情報】レオパルト2 A-RC3.0とM-10ブッカー機動砲,LRPM長距離精密兵器プログラム

2024-09-09 20:00:48 | インポート
■防衛フォーラム
 今回も時間が有りませんので記事の文章は兎も角写真はありもので代用です。

 スペインオーストリア共同開発のASCOD装甲戦闘車にアクティヴ防護装置が搭載されます。これはBSDA黒海航空宇宙防衛展2024においてゼネラルダイナミクスヨーロッパランドシステムズ社が出展したASCOD装甲戦闘車に関するもので、イスラエルのラファエル社製トロフィーアクティヴ防護システムがASCODに搭載されていました。

 ASCOD装甲戦闘車はオーストリアとスペインが第三世代戦車に随伴可能な装甲戦闘車の導入を期して共同開発したもので、エンジンや変速装置などで独自仕様を活かしやすい構造を採用しており、イギリスが重装甲型をエイジャックス装甲偵察車として、アメリカが機動砲型をM-10ブッカーとして、またフィリピン軍も軽戦車として採用した。

 BSDA黒海航空宇宙防衛展2024にASCODが展示された背景にはルーマニア軍は新しく33億ドルを投じて装甲戦闘車298両を導入する計画を進めており、ASCODがその売り込みを進めているため。このほか韓国がハンファAS-21レッドバック装甲戦闘車、ドイツがラインメタルKF-41リンクス装甲戦闘車を提案し、2024年内に決定する予定です。


 アメリカ陸軍にM-10ブッカー機動砲の納入が開始されました。ジェネラルダイナミクスランドシステムズ社によれば試作車以外として低量生産型のM-10ブッカー機動砲の納入が開始されたもので、低量生産では先ず96両が陸軍へ納入され、歩兵旅団戦闘団主体の師団へ3個中隊基幹の機動砲大隊が編成され、火力支援などに充てられるもの。

 M-10ブッカー機動砲は戦闘重量42tで105mm砲を搭載、その原型はスペインとオーストラリアが共同開発したASCOD装甲戦闘車であり、重量が大幅に増加していますが元々派生型の設計を想定していたASCODからグリフィンⅡ軽戦車が開発、これをアメリカ陸軍が軽戦車ではなく火力支援に充てる機動砲として2023年に制式採用したもの。


 カナダ軍がJDAM誘導爆弾を導入計画についてアメリカ国務省が有償軍事供与許可を公表しました。今回導入されるものはJDAM誘導爆弾の誘導用に用いる尾部誘導キットとなっています。今回のJDAM導入規模は690発分の9640万ドル相当、ただカナダ議会では前回210発分を導入した際の1610万ドルとの費用の差が問題となったもよう。

 JDAMはGPS誘導方式の精密誘導爆弾で従来のレーザー誘導爆弾が悪天候などでレーザー反射光を検知できない状況では誘導できないのに対して、GPS電波はこうした影響を受けず、GPS妨害に対しても軍用GPS電波は妨害を民生用GPSほど受けず、高高度から投下した場合、28km先の目標に命中させられるとボーイング社は公表しています。


 ルーマニア軍が導入するAIM-9Xサイドワインダーミサイルの輸出がアメリカ国務省により承認されました。AIM-9Xはサイドワインダーブロック2と呼ばれる新世代の短距離空対空誘導弾です。ルーマニア空軍は冷戦時代のソ連製戦闘機後継としてF-16戦闘機を採用しており、このためのアメリカ製空対空ミサイルを必要としていました。

 AIM-9Xサイドワインダーブロック2ミサイルの導入はルーマニア政府が最大300発の導入を要請していまして、今回供給されるのは3億4080万ドル規模とのこと。サイドワインダーシリーズは改良を重ね既に11万発が製造されています。既に27か国で採用されておりスウェーデンではライセンス生産も実施、信頼性の高さで知られています。


 スウェーデンのBAEシステムズボフォース社は装甲キャビン型8×8トラック48両を導入します。これはスウェーデンのBAEシステムズボフォース社が製造するアーチャー装輪自走榴弾砲用の車体となるもので、納入はHX装甲キャブシャーシを備えたHX-8×8トラック、ドイツのラインメタル社が製造しているものです。

 アーチャー装輪自走榴弾砲はFH-77榴弾砲を基に自動装填装置を加えて52口径の長砲身に延伸した自走榴弾砲で、48両のトラック納入費用は7100万ドル、納入は2024年後半から2027年までに行われるとのこと。欧州ではイギリス軍の導入決定など装輪自走榴弾砲の需要が増大しており、装甲キャビンの採用により生存性を高める事がねらい。


 イスラエル国防軍は無人機対策に地上配備型M-61機関砲を検討しています。イスラエル北部国境地域での無人機攻撃増大に対応するための装備とされていて、M-61機関砲は20mm多銃身機銃でありF-15戦闘機やF-16戦闘機の標準的な装備であるとともにVADS防空システムとして日本でも航空自衛隊が2023年まで運用していました。

 イスラエルではM-113装甲車上にM-61機関砲を搭載し既に試験的にゴラン高原などの北部国境地域に配備しているとのイスラエル国内報道があります、ただ報道に対してイスラエル国防軍はこれを否定しています。イスラエル軍はVADSをM-113装甲車に搭載したM-163自走高射機関砲を装備していますが、報道がこれを示すのかは不明です。


 フランス政府はイスラエル企業のユーロサトリ2024参加を禁止しました。これはフランス政府によるイスラエル軍ガザ地区侵攻に対する明白な抗議であり、当初フランスは2023年10月7日に1000名以上の非戦闘員が死亡したハマスによるイスラエル攻撃を非難していましたが、イスラエルの反撃により3万5000名以上の死者が出ています。

 ラファでの難民キャンプ空爆などが決め手となり、フランス国防省はフランス政府の要請により出展予定のイスラエル企業に対し、2週間前の段階で出展停止通知をおくったとのこと。ユーロサトリは世界最大規模の防衛展であり、無人航空機やレーダーにミサイルなどの開発経験が豊富であるイスラエル防衛企業は70社以上が出展予定でした。


 オランダ軍は81mm迫撃砲を装甲戦闘車型の120mm自走迫撃砲に置き換える事を決定しました、オランダ陸軍には現在火砲と名の付くものは35門あるだけで、PzH-2000自走榴弾砲が35門、これでは2020年代のロシアウクライナ戦争などの脅威に対応できないとして45門へ増強を決定していますが、45門あればロシア軍に勝てる訳ではない。

 120mm自走迫撃砲はCV-90装甲戦闘車に搭載するミョルナー自走迫撃砲システムでCV-90近代化改修の一環として導入、2門を双連装備する自動装填装置付き迫撃砲は毎分32発の120mm迫撃砲弾を7kmから12km先に投射できるとのこと。C4Iシステムとの連接により射撃は遥かに精密で、L-16迫撃砲の射程5㎞などを圧倒出来るとのこと。


 ドイツフランス合弁のKNDS社はレオパルト2戦車無人砲塔型A-RC3.0を発表しました。レオパルト2 A-RC3.0は無人砲塔の採用と共に当然砲弾の装填も自動装填としているため、装填手を省き乗員は3名となっています、そして乗員は安全な車内の装甲カプセル内に収容され、あらゆる攻撃から乗員を防護するという触れ込みです。

 レオパルト2 A-RC3.0は複合装甲と爆発反応装甲にアクティヴ防護装置という三段構えの防護となっており、また自動装填装置は10秒間で3発の射撃が可能、主砲の後継は120mmと130mm及び140mmから選定可能で、迫撃砲を搭載しRWS遠隔操作銃塔には30mm機関砲を搭載、戦闘重量は60tにまとめられているとのこと。


 アメリカ陸軍は空中発射無人機を長距離精密兵器とする研究を進めています、これはUH-60多用途ヘリコプターなどから運用される徘徊式弾薬の有用性を基に、LRPM長距離精密兵器プログラムを進めているとのこと。陸軍は暫定的にAH-64E戦闘ヘリコプターへイスラエル製の射程の長いスパイクNLOSミサイルを搭載し試験中です。

 LRPM長距離精密兵器プログラムとしてのスパイクNLOSについて、光ファイバー誘導型で25kmとTV誘導型で50kmの射程を有していますが、最適解であるかは検討余地があり、当初2023年完了予定であった選定を延長しているとのこと。一方、ヘルファイアミサイル口径のJAGM統合空対地ミサイルは射程は不足しているとのこと。


 フィリピン軍はブラモス超音速対艦ミサイル発射訓練を計画中である、これはブラモスエアロスペース社関係者の発言によるもので年内にもフィリピン海兵隊はブラモスミサイルの発射訓練を実施する見込みという。この背景にはフィリピン軍防衛力強化へブラモスエアロスペース社とともにインド政府が尽力していることも背景に含まれるもよう。

 ブラモスミサイルは射程350km、もともとはロシアのヤホント超音速対艦ミサイルをインドと共に改良した装備となっています。超音速で射程も長く迎撃が難しいとされているミサイルで、インド政府はフィリピン軍のブラモスミサイル導入に際し空軍のC-17輸送機を派遣するなど、中国軍軍事力増強の抑止力にフィリピン軍支援を強化しています。


 イスラエル陸軍は16世紀以来となる投石機を国防軍に再就役させました。何を言っているか理解できないかもしれませんが、これはイスラエル北部国境においてほぼ16世紀以来前線では正規軍が使用する事の無かった投石機で岩石の様なものを薪で包んで燃やし投射している様子が撮影され、ふざけているのではなく真剣に運用していました。

 投石機、四月一日の写真ではなく最近撮影されたもので、イスラエル軍関係者によれば投石機は国境付近の枯れ草などに放火するために用いているとのこと。投石機は新設計のものとみられ、ゴムタイヤにより牽引が可能な車体上に搭載されています。射程は50mから60mに達し、この距離ならば焼夷手榴弾の方が早いように見える謎の兵器です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【防衛情報】CV-9035-mkⅢC,パトリア社野砲製造再開,マンティコア多用途戦術車

2024-08-26 20:01:16 | インポート
■防衛フォーラム
 チェコ軍導入のCV-90装甲戦闘車はCMS-1外部視察装置を採用します。

 チェコ軍導入のCV-90装甲戦闘車はCMS-1外部視察装置を採用します。このCMS-1外部視察装置とはEVPUディフェンス社が開発した全周囲視察装置で、RWS遠隔操作銃塔などさまざまな装備システムを運用するための電子光学装置となっていて、ズーム方式の通常光と赤外線およびレーザーレンジファインダーを備えているもの。

 EVPVディフェンス社は2001年に創業しましたチェコの防衛企業であり、チェコ共和国防衛安全保障産業協会に加盟しています。同社は光学監視装置や照準装置とRWS遠隔操作銃塔の製造や組立などで実績を積んでおり、CV-90はスウェーデン設計の防衛装備ではあるものの、搭載機材にチェコ製装備を加え濃くない防衛産業を育てるもよう。

 CMS-1は砲塔部分に固定され、車体振動からも安定した観測情報を維持することができるとともに、視察装置本体がNATO防弾規格レベル2水準の装甲防護板により保護されていて、CMS-1などが銃撃などにより損傷することを防いでいます。チェコ軍は22億ドル規模のCV-90を導入契約しており、性能を最大限活かすのが狙い。
■防衛フォーラム
指揮通信車などの用途にパトリア360も検討してはと思う。

 防衛省は日本製鋼とのあいだでパトリアAMVライセンス生産契約を締結しました。これはすでに2023年9月にパトリア社とのAMV装甲車ライセンス生産に関する協定が結ばれており、今回今年度防衛予算に基づく生産契約が正式に行われたことを示します。製造は2024年度が26両となっていまして、契約金額は100億円にのぼるとのこと。

 パトリアAMV装甲車はフィンランドのパトリア社が設計開発した多目的装甲車であり、高い防御力がアフガニスタンの戦場で証明されています。もともと自衛隊装甲車は小松製作所が国産開発する方針でしたが開発された装甲車の評価実験隊での評価は採用に至るものではなく、この結果、小松製作所は防衛産業からの撤退を発表しました。

 96式装輪装甲車の後継に当たる車両で96式装輪装甲車は道路運送車両法を意識し車幅を2.5m以下に抑えてきましたが、これにより車内容積と防御力に限界が生じており、今回大型の装甲車が採用された。一方、96式装輪装甲車は取得費用が1億円以下に抑えられていたため、パトリアAMV装甲車は実質約4倍という高価な装甲車ともなっている。
■防衛フォーラム
 日本の場合そろそろ近代化改修ではなく新型とともに戦車を保管する機動戦闘車の砲塔を備えた装軌式機動戦闘車と共に新型を開発すべきと思う装甲戦闘車だ。

 スウェーデン軍は新型のCV-90装甲戦闘車を取得します。CV-90はスウェーデンのヘルグラント社が開発したもので現在はBAEシステムズ社傘下となっていますヘルグラント社ですが、開発当時から40mm機関砲という大口径の機関砲を搭載し、1990年代の40mmAP弾は第二次大戦中の75mm戦車砲弾の威力に匹敵するものとなっていました。

 CV-9035-mkⅢC、今回スウェーデンがBAE社とのあいだで取得契約をむすんだのは40mm機関砲ではなく35mm機関砲を備えたもので、スウェーデン軍に広く配備されている40mm機関砲型とはことなり、オランダ軍などが導入したものとおなじものであり、火器管制装置などはオランダ軍仕様の中期近代化改修型と同水準のものを搭載します。

 40mm機関砲ではなく35mm機関砲型をスウェーデンが新たに導入する背景には、スウェーデン政府が進めるウクライナ軍支援の一環であり、今回新しく導入されるCV-90の一部はウクライナ軍へも供与されるものとのこと。スウェーデンのウクライナへのCV-90供与は既に実施されており、残念ながら一部の車両は破壊されてしまいました。
■防衛フォーラム
 日本の89式装甲戦闘車は35年間改修せずそのままなものですから。

 韓国のハンファディフェンス社は改良型レッドバック装甲戦闘車を発表しました。これはルーマニアのブカレストにおいて5月22日から5月24日にかけ開催されたBSDA黒海航空宇宙防衛博覧会においてハンファディフェンス社の出展ブースに並んだもの。ルーマニア軍は韓国製防衛装備の導入におおきな関心があるとされています。

 レッドバック装甲戦闘車はオーストラリア軍に採用されるなど実績を積んでいる装甲戦闘車であり、原型は韓国陸軍に採用されたK-21装甲戦闘車、40mm機関砲を備えている装甲戦闘車です。韓国製装備を大量配備した実例としてはNATOではポーランドがあげられ、現地生産などにより厳しい国防費の下でも採用国に経済的恩恵が。

 ルーマニア軍はいまだにT-55戦車現地生産型のTR-85戦車を運用するなど陸軍装備では厳しい財政的背景から大きな遅れを強いられていますが、NATOの一員としての義務を果たすべく戦車についてはアメリカ製M-1A2戦車を導入決定しました。このなかで新戦車と連携する装甲戦闘車が求められ、レッドバックが注目されています。
■防衛フォーラム
 考え直してみると82式指揮通信車の原型となった軽装甲車と派生型の87式偵察警戒車のコンセプトを現代化した様な。

 ルクセンブルク軍はジャガー装甲偵察車など導入を決定しました。26億ユーロ規模となるこのフランス製装甲車導入計画は、ジャガー装甲偵察車、グリフォン装甲輸送車、サーバル装甲車などフランスがスコーピオン計画として開発した装甲車ファミリーを導入し、ルクセンブルク軍の装甲車両を一気に近代化することがねらい。

 ルクセンブルクのユリコバックス国防大臣とスティーブトゥル参謀総長は5月8日、連名でこの装甲車導入計画を発表し、NATOの一員としてのルクセンブルク軍の義務を果たすとともに、フランスやベルギーで導入されているスコーピオンファミリーの調達は相互運用互換性や整備補給の面において大きな合理化が可能だと強調しました。

 26億ユーロで取得するのは、ERBCジャガー装甲偵察車38両、VBMRグリフォン装甲輸送車16両、VBMR-Lサーバル装甲車5両となっていて、特にジャガーは40mmCTA機関砲と対戦車ミサイルを搭載していることから、戦車を持たないルクセンブルク軍には重要な対戦車装備となる見通し。これら装甲車はフランス軍のほかベルギー軍も装備する。
■防衛フォーラム
 パジェロとハーケイの間くらいの車両ですね。

 オランダ軍はマンティコア多用途戦術車100号車を受領しました。マンティコアはイタリアのイヴェコ社傘下にあるIDV社が製造するもので2019年にオランダ国防省は1185両のマンティコア多用途戦術車調達契約を結んでおり、一号車納入式典は2023年11月24日に実施、納入は順調で2024年5月に100号車納入を迎えたということ。

 マンティコア多用途車両は四輪駆動の汎用装甲車両であり、オランダ陸軍、海軍、空軍、海兵隊、憲兵、すべてに導入される計画となっています。汎用型では乗員2名と兵員4名を輸送し輸送型では兵員輸送能力が6名に拡大、装甲救急車として運用する場合には担架2床と衛生兵2名を輸送可能、RWS遠隔操作銃塔も搭載可能です。
■防衛フォーラム
 自衛隊では消えゆく装備ですが空中打撃力というのはかなり使い勝手が良い装備に思えるのです。

 フィリピン陸軍は遅延していたT-129戦闘ヘリコプター受領を完了しました。TAIトルコ航空宇宙産業とフィリピン軍は2億6900万ドル規模の6機のT-129戦闘ヘリコプター調達計画を進めていましたが、最後の2機について元々は2023年前半が納期となっていたところ大幅に遅延し、2024年5月17日に5号機と6号機がフィリピンへ到着した。

 T-129納入は初号機の時点で納入が2023年11月29日と遅れており、フィリピン空軍での運用試験前にフィリピン国内でのTAIトルコ航空宇宙産業支援企業による点検が行われており、フィリピン空軍での運用試験は2024年5月に入り漸く開始されたという。T-129はフィリピン軍の離島防衛において要諦を為す装備の一つと期待されています。
■防衛フォーラム
 日本の場合は多数受注が予定されて急に中断するなど事例が有りましたので製造ラインを拡大する事は大きな決断が必要なのですが需要が有るならば別です。

 エストニアのミルレムロボティクス社は製造施設拡張を発表しました。自律操縦システムを搭載したUGV無人地上車両開発で知られるミルレムロボティクス社は企業としては新興企業ではあるもののUGV無人地上車両開発ではその草創期から実績を重ねていてTHeMIS無人車両は既に18カ国の陸軍などに採用実績を伸ばしています。

 THeMIS無人車両について、ミルレムロボティクス社は年産500両の量産が可能となっていますが、近年の各国陸軍におけるUGV需要の高まりからこの年産500両という水準はあまりにこれを満たしておらず、エストニアのタリンにある同社工場を大幅に拡張し、さらに100名を新規雇用することで年産2500両体制を目指すとしました。
■防衛フォーラム
 ミニガンを積むべきなのかレーザーの方がいいのかミサイルなのか自衛隊にもすぐにでも装備化を急がなければ。

 アメリカ海兵隊は対無人機戦闘車両の開発を急いでいます。小型の偵察用はもとより迫撃砲弾などを正確に車両や陣地へ突入させる簡易無人機の存在は明白な脅威ですが対策は世界各国でも手探りで進められている段階です。アメリカ海兵隊はARV偵察車に近接目標検知用レーダーと機関砲搭載のRWS遠隔操作銃塔を搭載し問題へ臨む。

 MuDRaCEマルチドメインレーダーシステムファミリーという陸軍の太平洋地域を想定したレーダーシステム開発研究を海兵隊は応用する計画を進めており、TPS-80対砲レーダ装置など秘匿性の高い探知装置により無人航空機を探知し、機関砲をそなえたARVにより対応するのが海兵隊の構想で18ヶ月以内に実用試験開始を目指しています。
■防衛フォーラム
 火砲の国産基盤は製造技術が残っていても工員や施設を再度軌道に乗せるのは簡単ではありません。

  フィンランドのパトリア社は野砲製造再開の準備を進めています。これは2022年から続くロシアウクライナ戦争において砲兵の重要性が再認識されたことからパトリア社は榴弾砲の製造再開を模索している一連の流れに基づくもので、パトリア社はその前身となるタンペラ社とバンマス社の火砲製造部門要員を再結集させています。

  155K98というフィンランド軍用にパトリア社は1998年に独自設計の155mm榴弾砲を開発していますが、これは1990年代においてフィンランドが冷戦時代に取得した122mm口径榴弾砲が射程などの面で陳腐化したことを受けて開発したもので、APU補助動力装置を搭載し短距離の自走が可能、56門が製造されフィンランド軍に納入された。

  パトリア社では火砲の製造は2005年に終了しており実に19年間という空白期間がありますが、定期整備などを通じ技術者を維持、今回155GH52という、155K98榴弾砲の砲身を52口径とすることで射程を40kmにまで延伸した改良型を開発していて、パトリア社では155K98からの砲身換装に併せて榴弾砲の製造能力を再開する見通しです。


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【防衛情報】イージスシステムとペトリオットの結合,海上自衛隊新護衛艦やはぎ竣工式,中国海軍055型駆逐艦10番艦進水式

2024-08-20 20:24:36 | インポート
■防衛フォーラム
 日本もコンテナモジュール式ミサイル発射装置の護衛艦統裁を研究し始めたところです。

 アメリカのロッキードマーティン社はイージスシステムとペトリオットの結合に成功しました。もとよりペトリオットミサイルシステムとイージスシステムをSPY-1レーダーやSPY-6レーダーとともに連接させる試験は既に行われていましたが、今回はMk70コンテナモジュールに搭載されたペトリオットPAC-3-MSEを試験しています。

 Mk70コンテナモジュールは陸軍のマルチドメインドクトリンにあわせて中距離ミサイルなどを収容する、C-17輸送機などで輸送可能というミサイルシステムとして開発されトレーラー方式で牽引し海軍のMk41VLSのような機能を起立式機動発射装置として実現したものですが、艦載装備として艦上に設置することも可能となっている。

 イージスシステムとの連接試験では、たとえばLCS沿海域戦闘艦などにこのMk70を搭載することでペトリオットPAC-3-MSEの防空能力をいち早く艦上に展開させることが可能となりました。これは紅海ミサイル防衛などで顕在化している多数ミサイル攻撃に対応するためのミサイル不足などを解決する一助となるのかもしれません。
■防衛フォーラム
 今原潜って建造費高騰で護衛艦いずも型の8倍もするのですね。

 アメリカ下院軍事委員会は2025会計年度の攻撃型原潜建造追加方針を示しました。もともとの2025会計年度予算では攻撃型原潜の建造計画は1隻となっていましが、これによりヴァージニア級攻撃型原潜は原材料費増大と人件費増大とともに建造効率低下により1隻あたりの建造費用が邦貨換算で驚くことに1兆円にものぼってしまっていました。

 ヴァージニア級攻撃型原潜は2011会計年度以来年間2隻を量産しており、これはCOVID-19新型コロナウィルス感染症により建造の遅れこそ生じているものの、1隻に半減させることで造船能力そのものに影響を及ぶことが危惧されていて、下院軍事委員会は2隻目の潜水艦を部分的にでも資金を認める事により流れを回避させようとしています。
■防衛フォーラム
 自衛隊のロクマルも対艦型のヘルファイアは運用できるのですが実戦は未だなのですよね。

 ドイツ海軍は哨戒ヘリコプターによる水上無人機撃破に成功しました。これは3月、紅海海上において船舶無差別攻撃を行うイエメンのフーシ派武装勢力に対してドイツ海軍のフリゲイトヘッセンの艦載機であるシーリンクス哨戒ヘリコプターが実施したもの。ヘッセンにはシーリンクス哨戒ヘリコプター2機が艦載機として搭載されています。

 シーリンクス哨戒ヘリコプターは、もともとイギリス海軍の軽魚雷運搬ヘリコプターの後継機として導入されたもので、対潜哨戒器材については限界があるものの機体が小型であり、比較的中型のフリゲイトにも2機を搭載することが可能となっています。今回撃沈された無人艇は曳航中の浮ドックと曳船を攻撃中のところを阻止された構図という。

 ドイツ海軍のフリゲイトによる警戒監視任務はEU欧州連合主体の有志連合によるもので、欧州とインド太平洋地域を結ぶ紅海シーレーンの事実上の海上封鎖という状況に対応しているものです。しかしこの任務は過去の例えばアデン湾などで実施された海賊対処任務以上に厳しく、派遣艦艇は数週間以内に実弾を用いた戦闘が必至となっています。
■防衛フォーラム
 F-2やF-15の近代化は本来こちらの方を向くべきと思うのだけれど。

 アメリカ海軍はBAE社製DBDデュアルバンドデコイを導入します。現在海軍が運用しているデコイはAN/ALE-55でBAE社が製造しています、これは航空機から曳航する方式の囮装置となっていて、主としてF/A-18E/F戦闘攻撃機に搭載し光ファイバーにより曳航、レーダー誘導ミサイルなどに対して有効な妨害が可能となっています。

 DBDデュアルバンドデコイはこのAN/ALE-55の能力向上型となる見込み。改良によりレーダー誘導ミサイル攻撃をうけた際の電子妨害および欺瞞信号発信へのタイムラグ短縮や脅威情報標定能力の工場が見込まれるという。既存のAN/ALE-55からの改修が見込まれていて改修はニューハンプシャー州のBAE社施設において行われる見通し。
■防衛フォーラム
 日本では退役の道を辿るP-3Cだ。

 ブラジル空軍はP-3AM哨戒機近代化改修を推進中です。これは現在運用するP-3哨戒機延命改修として進められているもので、ブラジル空軍が保有するP-3哨戒機9機のうち、先ず3機のP-3について胴体上部の交換と主翼換装を中心とした大規模な延命改修をおこなうことで運用期間を大幅に延長するのがねらい。

 P-3延命改修はブラジルの防衛企業であるアカエル社が担当し、2018年に契約が成立していました。今回、ブラジル空軍はこの改修が完了した最初の機体が5月2日に飛行試験を開始したことを発表、2024年10月までの残る2機も試験飛行を開始すると発表しました。ただ、ほかの6機を延命改修するかについては、具体的発表はありません。
■防衛フォーラム
 フランスはこれが有るから日本のような国産戦闘機への妥協が出来ないのですよね。

 フランス国防省は新型のASMPA-R空対地核ミサイル発射試験を成功させました。ASMPミサイルは元々ミラージュ2000N戦闘機用に開発された超音速ミサイルであり射程は350km、改良型のASMPAが500km、ミラージュ2000Nは開発当時、核攻撃専用機という位置づけであり潜水艦発射弾道弾と並ぶフランス核抑止力を構成しています。

 デュランダル作戦として準備されましたASMPA-R空対地核ミサイル発射試験は5月22日に実施、空軍のラファールB戦闘機から発射されました、弾頭部分発覚弾頭ではなく模擬弾頭を装備しています。ASMPA-RはASMPAの改良型という位置づけで、空軍のA-330空中給油輸送機が支援に当たり、空軍の仮設敵部隊の妨害対応訓練も実施された。

 ASMPA-RミサイルはMBDA社製、弾頭部分が改良型核弾頭を搭載するものとなっていて、その威力は300kt、戦略核兵器使用前の全面核戦争を回避する最後の段階で使用されるものとなっています。ASMPシリーズは当面改良型が運用継続されますが、2035年には次世代型のASN4G核ミサイル配備が開始され、退役が始まることとなるでしょう。
■防衛フォーラム
 日本も無関係でない。

 アメリカ空軍はJDAM誘導爆弾用誘導装置に関する75億ドルの契約をボーイング社との間で結びました。75億ドルの契約は空軍がボーイング社との間で2030年までの固定価格契約を結んでいるために空軍の契約という形とはなっていますが、空軍に納入されるJDAMはアメリカ海軍と、そして国務省を通じて同盟国友好国へ有償供与分を含む。

 JDAMの75億ドル契約の内2億2820万ドルは同盟国友好国などの至近とされています。JDAMは従来のレーザー誘導爆弾と異なりレーザー反射を確認できない悪天候においても命中させることが可能で、500ポンドから2000ポンドまでの爆弾に誘導装置を装着します、その費用は量産規模により変動するもので25000ドルから84000ドルとのこと。
■防衛フォーラム
 イタリアの場合はパオロタオンディレヴェル級哨戒艦が日本の護衛艦もがみ型という位置づけ。

 イタリア海軍は新フリゲイトエミリオビアンキの進水式を挙行しました。フィンカンティエリ社のリヴァトリゴゾ造船所において5月25日、イタリア海軍とフランス海軍が共同開発共同生産していた欧州多目的フリゲイトFREMMの最終艦として10番艦が進水式に臨み、この際に艦名がエミリオビアンキと命名されています。

 エミリオビアンキは進水式の後にラスペツイアのムッジャーノ造船所において艤装工事と公試に臨み2025年に竣工を計画しています。FREMMとして建造されたエミリオビアンキはカルロベルガミーニ級とも称され満載排水量6700t、イタリア海軍では旧式化したルポ級フリゲイトやマエストラーレ級フリゲイトを置き換えることとなります。
■防衛フォーラム
 設計図が完成しないまま起工式を始めたので遅れているという話を聞きますと日本の護衛艦建造のまっとうさを安堵する。

 アメリカ海軍はコンステレーション級フリゲイト2隻を発注しました。これは5月24日にイタリアのフィンカンティエリ社との間で結んだ契約によるもので、2隻は5番艦と6番艦となります。契約金額はフィンカンティエリ社との間では10億ドル、2020年にフィンカンティエリ社と結んだ9隻の建造費と関連費用55億ドルの一環として行われる。

 コンステレーション級フリゲイトは従来の沿海域戦闘艦では任務遂行が難しい海域での運用を想定した従来型の重武装フリゲイトであり、建造はウィスコンシン州の五大湖に面したフィンカンティエリベイシップビルディング社とフィンカンティエリエースマリン社が行う事となっています。期待の新型艦ですが、建造の遅れも問題となっています。
■防衛フォーラム
 舞鶴になかなかいけない。

 海上自衛隊新護衛艦やはぎ竣工式が5月21日、長崎市の三菱重工長崎造船所において執り行われました。やはぎ竣工は2024年3月とされていましたが、レーダー関連の半導体不足などを受け2ヶ月遅れたのち竣工しています。やはぎ、護衛艦もがみ型の5番艦で2022年6月23日に進水式を果たし軽巡洋艦矢矧の艦名を継承し命名されています。

 やはぎ配備は舞鶴基地の第14護衛隊で、舞鶴基地には初の護衛艦もがみ型配備となります。満載排水量は5500t、あさぎり型護衛艦とほぼ同じ。海上自衛隊では護衛艦もがみ型を22隻建造する計画でしたが、建造は12隻で後期型に移行、もがみ型に艦隊防空能力を追加した拡大型を12隻建造し、派生型と合わせ24隻体制を構築することとなっています。
■防衛フォーラム
 055型駆逐艦も一度見てみたいものです。

 中国海軍は055型駆逐艦10番艦の進水式を挙行しました。これは大連造船所において行われた進水式で判明したもので、大連造船所では同時に多数の水上戦闘艦が建造中となっていて、同時期に052D型駆逐艦6番艦の進水式も行われたもよう。興味深いのは055型と052D型が同じ船台で建造された点で、大型船用船台を流用していること。

 大連造船所の建造状況について、従来大連造船所では大連湾の東側に造船施設を置いていましたが、今回055型が建造されたのは新しく造成された大古山山麓の、ミサイル駆逐艦を量産していた従来の施設とは大連湾を挟んで向かい側にて建造されたことで、この新しい施設により中国海軍の艦艇建造がさらに加速する可能性があります。

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【防衛情報】海上自衛隊ASEVイージスシステム搭載艦用SPY-7レーダー評価試験

2024-07-30 20:24:34 | インポート
■防衛フォーラム
 今回は海軍関連の話題なのですが写真は時間が無く観艦式のもので手早く流用して仕上げました。まや型に続いてミサイル防衛を重点的に想定する新しいイージス艦の進捗について。

 海上自衛隊ASEVイージスシステム搭載艦用SPY-7レーダーが評価試験に成功しました。これは3月28日にアメリカのMDAミサイル防衛庁が実施したもので、ニュージャージー州ムーアズタウンのロッキードマーティン社施設において宇宙空間の目標に対しAN/PSPY-7(V)-1レーダーによる実目標追尾に関する実証実験を実施しています。

 SPY-7そのものはLRDR長距離識別レーダーとしてアラスカ州クリア基地に配備され実績を積んでいますが、艦艇用センサーとしては開発段階であり、アメリカ海軍は既にSPY-6レーダーのイージス艦搭載を開始しています。ただ、日本はもともと地上配備型ミサイル迎撃システムを想定し、SPY-6とは別のレーダーシステムを採用しました。 

 ASEVイージスシステム搭載艦は、イージスアショア陸上配備型ミサイル防衛システムが兵撃ミサイルのブースター切り離し時に敷地外へ落下するとの懸念から中止となり、この代替として陸上配備用のものを水上戦闘艦に搭載するという方法が用いられ、2隻を建造し2028年と2029年に就役させる方針、その為のセンサー開発が実施中です。
■防衛フォーラム
 アメリカ軍はサンタクロースを追いかけた後はレッドオクトーバーを追うのだ。

 アメリカ海軍がエイプリルフールに挑戦しました、アメリカ海軍は四月一日に磁気流体科学を利用し海水ポンプ式の推進装置を構成するキャタピラーシステムを攻撃型原潜モンタナに搭載し世界初の無音水中航行を実施したと発表しました。これは小説“レッドオクトーバーを追え”にて架空のソ連戦略ミサイル原潜が採用したものとして有名だ。

 キャタピラー磁気流体力学推進装置はDARPA(国防高等研究計画局 によるPUMP プログラムとして長年研究されていたもの、としていてアメリカ海軍は攻撃型原潜モンタナをコネチカット州グロトンの施設で改良を極秘裏に行ったと発表、したのですがその当日中にこれはエイプリルフールのジョークであると白状し、世界を二度も驚かせました。
■防衛フォーラム
 横須賀にも時折水中排水量18000tのオハイオ級が来ていますね。

 アメリカ海軍が2年後から4年後にかけオハイオ級巡航ミサイル原潜を全廃します。海軍が2024年に発表した今後30年間の艦艇建造計画には巡航ミサイル原潜の新規建造計画は無く、4年後には現在保有する巡航ミサイル原潜全てを退役することとなります。現在保有しているオハイオ級巡航ミサイル原潜は4隻限り、代替艦はありません。

 オハイオ級巡航ミサイル原潜は戦略ミサイル原潜をトマホーク巡航ミサイル発射用に転用、1隻に154発ものトマホークを搭載し長期間任務にあたることが可能ですが、2026年にオハイオとフロリダ、続いてミシガンが退役し2028年には最後の一隻であるジョージアが退役すると完全退役となり、戦略ミサイル原潜転用など代替艦計画も、ありません。
■防衛フォーラム
 ポンゲミサイルなど通常のミサイル攻撃では北朝鮮に迎撃される懸念があるということか。

 韓国が新型艦対地弾道弾開発開始を発表しました。韓国海軍では既に弾道ミサイル潜水艦を建造し玄武艦対地型弾道ミサイルを搭載、巡航ミサイル以上に迎撃が難しい水上からの打撃力を北朝鮮からの核攻撃脅威への抑止力として維持していますが、今回ADD韓国国防開発庁が3月22日の防衛計画推進委員会で示したものはその発展型だ。

 新型艦対地弾道弾は水上戦闘艦への配備を計画、韓国海軍は併せて統合攻撃艦という、アメリカ海軍は1990年代から2000年代に構想したアーセナルシップの様なミサイル搭載に特化した水上戦闘艦を計画しており、既存の計画されている水上戦闘艦にも搭載するとともに、この統合攻撃艦にも多数の弾道ミサイルを搭載する方針です。
■防衛フォーラム
 生産ライン維持という。

 アメリカ海軍は13億ドルでスーパーホーネット17機を調達します。これは3月19日に発表したもので、アメリカ海軍は空母艦載機の不足を認識し、既に実績のあるF/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘攻撃機を追加調達することとしました。海軍航空計画を所管するジョンレモン少将は2040年代までの重要な戦闘能力であるとしています、が。

 F/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘攻撃機は製造修了が追加調達により伸ばされており、この背景にはF/A-XX次期戦闘攻撃機開発計画が予算削減により一定程度遅延することが見込まれ、海軍としてはF/A-XX戦闘攻撃機の開発遅延により空母航空団が2040年代以降定数を割り込むことを憂慮している、その反映としての追加と解釈もできます。

 ボーイング社はこの17機について2026年から2027年に掛け納入を行うと発表、しかしこれは当時に閉鎖予定であったボーイング社のF/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘攻撃機の製造ラインの延命であることも確かです、この延長期間に新たな新規調達国が現れた場合には製造もうをもう少し拡大する余地があるともいえるでしょう。
■防衛フォーラム
 いまどき海軍は居住性を重視しなければ人が来ない。

 スウェーデン海軍は新造情報収集艦アルテミスの命名式を挙行しました。4月3日に執り行われた命名式はカール洲クローナ海軍基地において実施され、前任の情報収集艦オリオンの後継艦として2隻が岸壁に並び式典に臨んでいます。オリオンは満載排水量1400tで蒲鉾型構造物を通常型船体上に配置した特徴的な外見でも知られていました。

 アルテミスは満載排水量3000t、船体が大幅に大型化するとともに、オリオンよりも40年新しい新造艦は長期航海に併せ乗員区画の居住性を大幅に向上させました。スウェーデン海軍は沿岸海軍といて知られ、過去3000t以上の大型水上戦闘艦は1950年代に建造したハッランド級駆逐艦の3400t以来といい、久々の大型艦新造となりました。
■防衛フォーラム
 これで実際に潜水艦を見つけられるのでしょうか。

 アメリカ海軍航空システム司令部は対潜無人機運用試験を実施しました。無人航空機としては海軍のみならず空軍などで実績を積んでいるゼネラルアトミクスエアロノーティカルシステムズ社製MQ-9Bシーガーディアン無人機が運用され、南カリフォルニア州の海軍W-291試験場においてソノブイ散布試験を実施したとのこと。

 SDSソノブイディスペイシングシステムとしてゼネラルアトミクスエアロノーティカルシステムズ社が開発しているものの試験で、一定間隔に置いて洋上に散布し対潜情報を収集するとのこと。従来対潜戦闘は有人航空機に所掌でしたが、近年は戦闘機に対し鈍重な哨戒機の第一線運用へのリスクが高まり、無人機は補完用に期待されている装備です。
■防衛フォーラム
 潜水艦の性能には表れにくいものの重要な。

 アメリカ海軍は潜水艦の情報戦分野での能力強化を進めている、メリーランド州において4月8日に開催された海空宇宙会議においてアメリカ海軍情報部隊のケリーエシュバッハ中将が潜水艦の新しい作戦能力について強調しました。アメリカ海軍では2022年より東海岸の潜水艦部隊へ試験的に情報専門官と暗号技術者を配置したとのこと。

 情報専門官と暗号技術者の同乗試験は2隻の潜水艦において実施され、通信や暗号と電子戦などにより得た情報を基に防御や情報共有などを行い、全般運用における状況認識と指揮統制へ寄与させたとのこと。またこれらの成果は紅海におけるフーシ派船舶攻撃事案や中東地域での作戦計画全般にも影響を及ぼすことができたとしています。
■防衛フォーラム
 イスラエル軍は殺し過ぎていますね。

 イタリア海軍はイスラエルから導入予定の無人潜水艇導入計画を中断しました。これはエルタシステムズ社製水中プラットフォームを原型としたイタリア海軍の無人潜水艇計画に関するもので、イスラエルからの兵器導入に関する世論の影響、イスラエルガザ戦争の状況などを受け、イタリア国防省が世論に配慮したとも解釈できるでしょう。

 イタリア海軍では、しかし原則として、すでにイタリア国内に整備されている潜水艦技術などを応用することでイスラエル寄り装備を調達せずとも能力構築が可能であると判断したといい、またイタリア国内の防衛産業養成というような側面もあるとしています。無人潜水艇は対潜作戦や機雷掃討、情報収集などを任務として想定しています。
■防衛フォーラム
 日本がC-2輸送機をもとにP-1哨戒機とできないか模索していた頃を思い出すのですが。

 ブラジル軍はP-3C哨戒機後継に既存航空機の哨戒機転用を計画しているとのこと。P-3C哨戒機は対潜哨戒及び海洋哨戒任務と情報収集任務にあたる航空機でブラジルでは空軍が運用しています。今回の開発計画は4月9日から14日までチリのサンチャゴで行われたFIDAE航空ショーにおいてブラジルのエンブラエル社が発表したものです。

 エンブラエル社の発表に際してはブラジル空軍のマルセロカニッツダマセーノ大将も臨席し、エンブラエルディフェンスのジョアンボスココスタジュニアCEOも並んでいます。空軍のP-3Cは2031年には用途廃止となるため後継機を必要としていますが、エンブラエル社は同時にKC-390輸送機の多用途型を構想、これが充てられるのでしょう。
■防衛フォーラム
 大型水上戦闘艦を中堅国でも普通に保有するのが2020年代だ。

 インドネシアPPAフリゲイト計画の進捗について、イタリアのフィンカンティエリ社が概況の中間報告を行いました。インドネシア政府は3月28日、長らく検討中であったPPAフリゲイトについて正式の契約を交わし、これによれば11億8000万ユーロにて2隻を納入すると発表しています。そしてこの契約にはイタリア国防省が立ち会うという。

 PPAフリゲイトはイタリア海軍で既に運用実績を積んでいるタオンディレベル級外洋哨戒艦の設計が応用されるといい、具体的にはタオンディレベル級の重武装型をそのままフリゲイトとしてインドネシア海軍が導入するもの。タオンディレベル級は2023年にフランチェスコモロジーニが海上自衛隊横須賀基地を親善訪問した事でしられています。

 タオンディレベル級について、今回11億8000万ユーロ規模の大きな契約となりましたが、一方で元々イタリア海軍は本型を16隻建造する計画を7隻に縮小した事情があり、イタリア海軍向けのルッジーロディラウリアとマルカントニオコロンナをインドネシア海軍に引き渡す方針ともされています。これにより迅速な引き渡しが可能となりましょう。

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【防衛情報】VeCToRオスプレイ操縦装置技術更新研究とV-280可動翼機2031会計年度配備開始

2024-07-22 20:22:48 | インポート
■防衛フォーラム
 自衛隊のオスプレイも長期間運用できるのでしょうか。

 アメリカ海兵隊はV-22オスプレイの2070年代までの延命を検討中です。これは海兵隊V-22共同計画局の責任者であるブライアンテイラー海兵隊大佐がワシントンDCで行われたモダンデイマリーン会議において発言したもので、2026年にもV-22の延命改修に関する研究開発が開始される見通しとのこと。具体的には主翼換装などが検討中という。

 VeCToRオスプレイ操縦装置技術更新研究として、現在すでに2032年から2042年にかけてV-22のコックピット部分を新型に置き換え、レーダーなどを新設する研究は既に進められていますが、海兵隊では現在のところ2060年代にはV-22の耐用年数を迎える為、耐用年数の延伸も研究しているとのこと。その一環として主翼更新が挙げられています。

 海兵隊ではアメリカ以外にこのティルトローター機を運用していない、厳密には陸上自衛隊が装備していますが、こうした状況に対して機体の堅牢性と柔軟性は高く評価されており、特に胴体部分の維持に重点を置くために主翼と可動翼機構を更新することが選択肢としえありえるとのこと、胴体部分の寿命は大きく延命の価値も大きいとしています。
■V-280可動翼機
 世界はと云いますか少なくともアメリカは着実にティルトローター方式の可動翼機へと歩み始めている。

 アメリカ陸軍はV-280可動翼機を2031会計年度より配備開始します、これはもともと2030年に配備開始となる計画でしたがベルテキストロン社とロッキードマーティン社との間の係争により一年間遅れたことを意味します。今回採用されたのはティルトローターの可動翼機方式を採用したV-280が採用されましたが、競合機種が存在しています。

 SB-1デファイアントXというボーイング社とシコルスキー社が共同開発した複合ヘリコプターが競合機となっていましたが、陸軍はこのSB-1デファイアントXを不採用とし、この為にシコルスキーの親会社であるロッキードマーティン社が抗議したことで一年間の配備遅延となったもよう、ただGAO会計検査院はこの選定を妥当と判断しました。

 FLRAAとして開発されているV-280はアメリカ陸軍にとり、今後大幅に広域化する太平洋正面での戦域において既存のUH-60多用途ヘリコプターのような航空機では進出距離も巡航速度も不足するとみており、優先度の高い航空機開発計画として進められていて、ベルテキストロン社は今後2年以内にシミュレーターを提供し訓練を開始するとのこと。
■BlueUAS認証
 安いのはいいがバックドアは困る。

 アメリカ国防省はBlueUAS認証の商用小型無人機調達改革を検討しています。BlueUASとはアメリカ国防省が認証した中国製部品や中国製制御システムを採用していない情報脆弱性の低さが確認されたものを示し、また商用小型無人機とは重量が55ポンド以下の広範な航空機であるとしています、これらは近年軍事利用の有用性が拡大しているもの。

 BlueUAS認証の商用小型無人機調達改革を検討というのは具体的には調達に関して審査プロセスを簡素化することで迅速に採用させることを目的としていて、4月23日にはアメリカの無人航空機製造業界団体による国防総省への簡素化を求める請願なども行われていました。現代の小型無人機は弾薬のように短期間で大量消耗される装備でもあります。
■エサル装輪自走榴弾砲
 生産能力限界と現地生産で工業力を強化したいところの双方の一致というところでしょうか。

 マレーシア軍向けカエサル装輪自走榴弾砲のノックダウン生産が検討中となっているようです。これはフランスのKNDSフランス社がマレーシア政府との間で検討しているもので、KNDSフランス社とマレーシア軍の関係は2018年のLG-1-Mk3-105mm榴弾砲18門のマレーシア軍採用を背景に一部の砲架組み立てがマレーシアで行われたこと。

 マレーシアにはADSアドバンスドディフェンスシステムズ社が装備品組み立て能力を有しており、今回カエサル装輪自走榴弾砲がマレーシア軍へ採用される見通しが立ったことから同社のジョホール州セガマット工場での組み立てが検討されているかたち。カエサル装輪自走榴弾砲は現在フル生産でも追いつかない状況が背景にあると考えられます。
■無人機の好奇心欠如
 いきなりアパッチでもいいのではとも思うのですが。

 アメリカ陸軍は無人機の好奇心欠如を問題としている、これはアメリカ南方軍のローラリチャードソン司令官がFARA将来攻撃偵察ヘリコプター中止を受け陸軍航空協会年次総会の場において発言したものです。好奇心とは抽象的な発言ですがAI人工知能などの問題ではなく、経験を積んだ操縦士の勘のようなものが無い、としめすもの。

 FARA将来攻撃偵察ヘリコプターはAH-64Eアパッチガーディアンのような戦闘ヘリコプターをいきなり投入するにはリスクが大きく、陸軍は無人航空機によりこれらの観測ヘリコプターが果たした任務を補えるとしていますが、リチャードソン司令官はヘリコプター操縦士でもあり、この論調には十分な目標を発見できない可能性を指摘する。

 スカウト任務にあたるヘリコプターには相応の危険が生じるため、これは同時に無人航空機と異なり人的損耗、操縦士本人の生命にも危険が及ぶことを示しています、このため様々な兆候にたいする好奇心が、というよりも警戒感や第六感に近いものが多くの場合に成果を上げるということで無人機への統合に危機感をはなしています。
■機関銃に338口径を構想
 中国は携帯式の12.7mm機銃を開発しましたが。

 アメリカ合衆国特殊作戦司令部は機関銃に338口径を構想しています。338といいますと大型獣に対応する大口径猟銃ようの338ラプアマグナム弾を思い浮かべられるかもしれませんが特殊部隊が想定しているのは338ノーマグナム弾です。もともとLWMMG軽量中型機関銃計画としまして既存の軽機関銃よりも強力なものを求めていた。

 338口径弾薬を想定するのは特殊部隊に50口径の重機関銃に匹敵する火力投射手段を付与させるという構想でもともと2017年よりLWMMG計画は推進されていました。現在候補となっているのは、オハイオオーディナンスREAPR,シグUSAのMG-338など。現在のM-240軽機関銃では射程は1500mで、機関銃の射程を2000mまで延ばすのが狙い。

 中国人民解放軍ではすでに個人携行が可能である軽量の12.7mm重機関銃を配備していますが、アメリカ陸軍では12.7mm重機関銃は本体を軽量とした場合でも弾薬重量が大きくなることを懸念しているとのこと。しかし30口径機関銃の射程不足は2001年のアフガニスタン空爆以来指摘され、2021年より狙撃銃では338口径弾を使用しています。
■MLRS近代化改修
 本邦では廃止予定というMLRSだ。

 アメリカ陸軍はロッキードマーティン社とのあいだでMLRS近代化改修二関する契約を結びました、MLRSの愛称で知られるM-270多連装ロケットシステムは冷戦時代にソ連軍戦車軍団を大量の対戦車クラスター弾薬により一気に無力化する装備として知られていますが、近年は射程の長い精密誘導ロケットを運用する打撃装備として有名に。

 M-270MLRSですが、しかし製造は冷戦時代のものが多く老朽化が進んでおり、このほどアメリカ陸軍は既存のM-270をM-270A2への近代化改修することとしました。契約金額は4億5100万ドルとなっていまして、装甲キャビンの防御力強化やエンジンの交換、そしてMFOM共通弾薬の能力向上に対応する新型CFCS共通火器管制システムを積む。

 MLRSは開発当時に採用されていたM-26弾薬はクラスター弾薬で射程は30km程度となっていましたが、非戦闘員被害を生むクラスター弾規制の機運を受け徐々に射程の長いGMLRS精密弾薬を運用するようになり、M31GMLRSは射程が70kmに遠心、また中距離核戦力全廃条約失効をうけ通常弾頭ではありますが射程499kmに延ばす弾薬も開発中だ。
■イギリス陸軍T4-EOD
 米軍さんの小型ロボットは良いなあと思う事も多い。

 イギリス陸軍はT4-EOD爆発処理ロボットを採用しました。市街地などで戦闘の際に問題となるのは簡易爆発物などによる待ち伏せ攻撃であり、イギリス陸軍は小型ロボットによる支援を研究していました、今回採用されたT4-EODはアメリカのL3ハリステクノロジーズ社製、イギリス軍は最大50台を1800万ドルで調達するみこみ。

 T4-EODはバックポッド無人車両のように人員による傾向も可能というもので警察などでは爆発物処理に用いられるなど実績があるほか、T4-EODそのものはオーストラリア軍がランド154計画として評価試験を経て採用しているほか、アメリカ空軍にも納入されている装備です。原型のT-7などは各国に100両以上が供給され全て稼働中という。
■マレーシア軍次期ロケット砲
 韓国のK-239はありきたりな122mmロケットから新型まで発射できる点が中小国には理想なのかもしれませんえ。

 マレーシア軍次期ロケット砲計画にハンファディフェンス社が入札します。これは5月6日から四日間にわたりマレーシアのクアラルンプールにおいて開催されたDSA防衛展示会においてハンファディフェンス社が発表したもの。ハンファディフェンス社は系列のハンファエアロスペース社がK-239ロケットシステムを製造している。

 マレーシア軍は現在ブラジル製アスロトズⅡロケット砲を36両装備していますが、これらの老朽化を受け後継装備についての検討を開始しています。K-239はトラック方式でありアメリカのHIMARS高機動ロケットシステムの韓国版とされ、HIMARSよりも短い納期で納入が可能で中東などで採用、ポーランドが大量取得し話題となりました。
■ピラーニャⅢC
 長く使う時代だ。

 スペイン海兵隊はピラーニャⅢC装甲車近代化改修型を受領しました。これはジェネラルダイナミクルランドシステムズ社により中期アップグレードメンテナンス計画として進められていたもので、5月6日に改修を完了した最初の3両がセビリアのアルカラデグアダイラに所在するGDLS社施設においてロールアウト式典を実施しています。

 ピラーニャⅢCはスペイン海兵隊において長らく運用されている車両で今回の改修は長期にわたる運用による老朽箇所の新規部品への交換を行うとともに、操行装置の新型への更新と、なにより近年脅威度を増す対戦車兵器に対応するべく防御力を強化する改修が施されています。スペイン海兵隊は順次21両のピラーニャⅢCを改修します。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【防衛情報】マーリン早期警戒ヘリコプターとルレオ級コルベット,極地砕氷哨戒艦ウィリアムホール、

2024-07-15 20:01:50 | インポート
■防衛フォーラム
 今週は海軍関連の話題ですが最初にちょっともったいないなあと感じるイギリスの話題から紹介しましょう。

 イギリス海軍は来年初度作戦能力付与のマーリン早期警戒ヘリコプターを2029年に全廃する方針を発表しました。マーリン早期警戒ヘリコプターは空母クイーンエリザベス艦載機としてAW-101ヘリコプターへ空中警戒装置を搭載したもので、早期警戒ヘリコプターという装備自体は先行してシーキングAEW早期警戒ヘリコプターがありました。

 ジェームズカートリッジ防衛調達担当大臣がイギリス議会下院への所管として明らかにしたもので、マーリン早期警戒ヘリコプターは空母打撃群に不可欠の艦載早期警戒機として整備が進められ2023年には航空機そのものの初度運用能力を獲得し、2025年には艦上配備が開始されることとなっていましたが、配備期間は僅か4年間となります。

 クロウズネスト早期警戒システムなどマーリン早期警戒ヘリコプターの担った空中警戒任務そのものは代替手段を確保し空母部隊を丸裸にするというかんがえではないものの、無人機を早期警戒機とする案などが検討されているもよう。なおこのマーリン早期警戒ヘリコプター開発にはあと一年を要し更に4億2570万ポンドが投じられるとのことでした。
■NATO艦隊
 パリからNATO本部を追い出したのが遠い昔話である事を改めて実感しますがF-35搭載のイギリスやイタリア空母とのギャップを実感する様に。

 フランス海軍は原子力空母シャルルドゴールをNATO艦隊へ編入します。シャルルドゴールは2023年いっぱいにかけて行われた定期整備を終え4月22日からの任務に復帰しますが、シャルルドゴール空母打撃部隊指揮艦であるフランス海軍のジャックマラール提督によれば今回の任務復帰はNATO艦隊の旗艦としての復帰となるとのこと。

 シャルルドゴール空母打撃群にはラファール戦闘機18機とE-2C早期警戒機2機、フランス海軍は防空フリゲイト及び多目的フリゲイトと攻撃型原潜を護衛につけるとともに、アメリカ海軍やスペイン海軍とイタリア海軍にギリシャ海軍とポルトガル海軍が護衛艦艇を派遣します。シャルルドゴールのNATO艦隊編入は最長で6週間となります。
■PBAT共通巡視船自律試験
 日本も哨戒艦を無人運用する検討をすすめているところ。

 オーストラリア海軍はアーミデール級哨戒艇自律航行試験に成功しました。PBAT共通巡視船自律試験として実施された今回の試験は造船大手オースタル社がグリーンルームロボティクス社により開発されたGAMAソフトウェアとを搭載し実施したもので、試験には少数のプロジェクトメンバーとIMS国際海事サービス職員のみが乗艦しました。

 PBAT共通巡視船自律試験に用いられたアーミデール級哨戒艇はセンチネルといい、これはもともと2022年にオーストラリア海軍が退役させたメイトランドを管理替えしたもの、その全長は57mに達し、自律航行可能の艦艇としては最大規模となります。本研究は完全無人艇ではなく乗員を介在させず長期間航行するシステムを目指しているもよう。
■空母シャルルドゴール
個艦防空能力ならば護衛艦ひゅうが型の設計は先進的だったのか。

 フランス海軍は原子力空母シャルルドゴールからのミサイル試験を実施しました。今回行われたのはフランス海軍の実任務への空母打撃群派遣を前に実施されたもので、アスター15艦対空ミサイルとアスター30艦対空ミサイルの射撃試験が実施、また空母護衛に当たるシュヴァリエポールも同様の艦対空ミサイル射撃試験を実施しています。

 シャルルドゴールは原子力空母ですが艦隊防空が突破された場合に備えアスター15艦対空ミサイルをVLS垂直発射装置方式で搭載しています。またシュヴァリエポールはミサイルフリゲイトであり、射程の長いアスター30ミサイルを搭載、今回の試験はDGAフランス軍需総局が最近の無人機や巡航ミサイル攻撃を再現する想定で実施しました。
■原子力潜水艦アガメムノン
 イギリスの建造期間はかなり長くなっている印象で日本のように短期間で量産する事の方が不思議なのかもしれない。

 イギリス海軍は原子力潜水艦アガメムノンの命名式を挙行しました。アガメムノンはアスチュート級攻撃型原潜の6番艦、水中排水量は7000tに達し、誘導魚雷では世界最速というスピアフィッシュ魚雷を搭載し対潜戦闘や対水上戦闘に当たるほか、トマホーク巡航ミサイルを搭載していることから強力な対地攻撃能力を有しています。

 アガメムノン建造は長期間を要しており、今回の命名式は進水式ではありませんが、BAEシステムズ社がスチールカット式を実施したのが2013年ですので、命名式まで実に11年間を要した事となります。アガメムノンはイギリス軍官としては6代目となり、初代アガメムノンがイギリス海軍に竣工したのは1781年まで遡るとのことでした。
■T-45Cゴスホーク
 日本でもT-4の飛行停止の際には訓練計画に大きな穴が開きましたね。

 アメリカ海軍はT-45Cゴスホーク艦上練習機の運用を全面的に停止しているとのこと。この背景には4月12日に発生した第1訓練航空団T-45Cの飛行中におけるエンジン故障事故を受けてのもので、アメリカ海軍の全ての空母艦上練習機が停止していることとなります。なお当該事故機はミシシッピ州ヘスラーノーブル飛行場に着陸成功しました。

 T-45Cの呼称は過去にも発生しており2022年4月にエンジンタービンブレードが破損してエンジンそのものを破壊するという事故が発生していました、海軍のアンオーエンズ報道官によれば安全が確認されるまで飛行訓練を再開しないとしていまして、原因は現在調査中とのこと。なおヘスラーノーブル飛行場への着陸では負傷者は出ていません。
■CB-90襲撃艇の無人化
 無人化は一つの潮流なのかもしれませんが安普請の沈んでも困らない無人艇とある程度使い勝手の良い艦艇の無人化は分けて考えるべきなのやも。

 スウェーデンのサーブ社はCB-90襲撃艇の無人化を検討中です。CB-90襲撃艇は1991年にスウェーデン海軍に完全手動の装備として就役、スキャパ計画としてサーブ社のアメリカ法人がアメリカ海兵隊とともに検討しているのは、新しく開発したエンフォーサー3偵察監視システムを搭載した無人艇の母船にこのCB-90襲撃艇をもちいるという。

 CB-90襲撃艇はスウェーデンでは沿岸砲兵部隊、現在の水陸両用戦軍団において沿岸部の歩兵部隊強行輸送用に用いられており、また120mm自動迫撃砲搭載などにより哨戒艇としての運用も模索されていました。しかしアメリカ海兵隊では今後、島嶼部作戦における情報収集手段としてこの小型の装備を応用できないかを模索しているのです。
■コルベットカールスルーエ
 バルト海で運用する場合は大き過ぎても困るのかもしれませんが近年の地対艦ミサイル射程延伸を考えますと狭い海域での小型水上戦闘艦運用は厳しい現実を突き付けられるようで。

 ドイツ海軍は新コルベットカールスルーエの命名式を挙行しました。カールスルーエはK-130型コルベット、ブラウンシュヴァイク級コルベットバッチ2の3番艦としてティッセンクルップマリン社により建造されていたもので、2020年に起工式を迎えたものの技術的問題により建造が遅延していた拝啓がありますが無事進水式を迎えた。

 ブラウンシュヴァイク級コルベットはドイツ海軍が西ドイツ時代に大量建造したゲパルト級ミサイル艇の後継艦、満載排水量は1840tとミサイル艇と比較した場合大幅に大型化しており、艦砲とRAM簡易防空ミサイル及び無人航空機用甲板を有しており、対艦ミサイルとしてはスウェーデン製RBS-15対艦ミサイルを4発搭載しています。
■中国海軍のステルスコルベット
 056型のような大量建造が行われて日本など比較的防衛力に余裕のある地域に対して突き付けられると平時の警戒監視は苦労する事になるのかもしれない。

 中国海軍のステルスコルベット実験艦が洋上試験を開始したもよう。中国海軍は8年間という短期間で72隻を量産した056型コルベットを運用しているのですが、その056型コルベットを建造した大連の遼南造船所において昨年11月ごろステルス設計の新型艦らしき艦艇建造の様子が不鮮明ながら中国国内SNSなどに投稿されていました。

 ステルスコルベット、5月にはいり新型ステルスコルベットが中国国内SNSなどにより公試、もしくは海上試験を開始したことが確実となりました。新型艦はSNS情報等の写真を見る限りスウェーデンのヴィズヴィ級ステルスコルベットを思わせる外見であり、主砲はステルスシールドに、またVLS垂直発射装置を搭載していることを伺わせる。

 外洋を航行する画像にはしかし船体は簡易防空ミサイルシステムなど既存兵器の搭載により大きさが類推できるのですが、ヴィズヴィ級よりもかなり大型であることが推測でき、また航行保安上か、もしくはRCSレーダー反射面積を秘匿するためか、膨張式のレーダー反射板が複数設置されることも確認でき、興味深い新型艦とおもわれています。
■ルレオ級コルベット
 スウェーデンも小型艦至上主義からある程度の大きさの艦艇の方へ向かうという。

 スウェーデン海軍のルレオ級コルベット建造にバブコック社が協力を発表しました。スウェーデンにはヴィズヴィ級コルベット以来となる新型水上戦闘艦の建造はスウェーデンのサーブ社が担当することとなっていますがバブコック社はエンジニアリングサポート、とくに船体基本設計段階でプロジェクト管理を担うこととしているもよう。

 ルレオ級コルベットはもともとヴィズヴィ級コルベットの改良型として2021年に建造が構想されたものですが、2022年のロシア軍ウクライナ侵攻とこれに伴うスウェーデンの重武装中立政策終了とNATO加盟により水上戦闘艦に関してヴィズヴィ級コルベット改良型では想定される脅威に対応できない事が判明し、新しく構想されたものです。

 2030年までに2隻を建造し2035年までに更に2隻という4隻の建造を目指す新型艦は、全長が100m以上となる見通しでヴィズヴィ級コルベットの72mより大型化し、水上戦闘能力は勿論、荒天時の外洋航行能力を確保するとされ、また艦対空ミサイルの搭載などヴィズヴィ級コルベットでは見送られた高い戦闘能力を標準装備させる計画です。
■極地砕氷哨戒艦ウィリアムホール
 武装した砕氷艦が必要な時代に。

 カナダ海軍は極地砕氷哨戒艦ウィリアムホールの就役式を挙行しました。5月17日、ニューサウスウェールズ州ハリファックス基地において行われた竣工式では真新しい軍艦旗の受領とともにペナント掲揚式がおこなわれ、カナダ海軍にとり4隻目となります新型極地砕氷哨戒艦の就役を祝いました。今後は海軍が各種試験を行うとのこと。

 ウィリアムホールはハリーデウルフ級の4番艦で、近年の気候変動により冬季以外は船舶航行が可能となった北極海が新しい最前線と認識されたことからロシア海軍などの北極圏軍事行動増大を受け北極海沿岸諸国が進める警戒監視能力強化の一環としてカナダが導入したもの。満載排水量は6615tで25mm機関砲やCH-148ヘリコプター等を積む。

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【防衛情報】イギリス空軍オーストラリア空軍F-35運用連携強化とスウェーデン次期戦闘機白紙撤回

2024-07-01 20:23:31 | インポート
■防衛フォーラム
 今回は空軍関連の話題を重点的に集めました。

 イギリス空軍とオーストラリア空軍はF-35運用で連携強化します。ミッションデータパートナーシップ協定としてイギリス空軍とオーストラリア空軍は、フロリダ州エグリン空軍基地において、ともにイギリス空軍第80飛行隊とオーストラリア空軍第80飛行隊の再活性化式典を実施しました、両国は今後ACURLという機構を通じ情報連携する。

 ACURL共同軍事データセンターはF-35戦闘機が運用と同時に飛行情報等を集約するMDFSミッションデータファイルセットのデータ情報を共有し、整備情報や作戦運用に関する情報共有を行う。計画ではカナダ空軍が2026年にF-35の導入を開始するため、第80飛行隊を新設したうえでミッションデータパートナーシップ協定を結ぶ予定です。
■スナイパーポッド
 自衛隊もF-2に搭載しています。

 アメリカのロッキードマーティン社はイギリスでスナイパーポッドの製造を強化します。AN/AAQ-33スナイパー先進照準ポッドは現在、イギリスベッドフォードシャー州のロッキードマーティンアンプトヒル工場に新しい生産施設を構築中です。特にアンプトヒル工場では電子装備品関連の配線製造を担当しているとのこと。

 AN/AAQ-33スナイパー先進照準ポッドは航空自衛隊のF-2戦闘機にも搭載されるもので、アメリカ空軍ではF-16,F-15,B-1,海兵隊のAV-8などに搭載されているほかトーネード攻撃機などにも搭載、従来広く採用されたLANTIRNポッドの五倍の制度で目標を識別し追尾したうえでGPS座標情報などを精査し、精密攻撃を支援するものです。
■クロアチアラファール
 はたからみていると無料中古機譲渡の話からあれよあれよというまに流されているなあと見えているものでしたけれども。

 クロアチア空軍は待望のラファール戦闘機受領を開始しました、4月25日、クロアチア空軍はフランスからのラファール戦闘機到着をヴェリカゴリチア空軍基地において歓迎式にて迎え、老朽化とともに性能の陳腐化が進み過ぎていたMiG-21戦闘機の後継機を入手しました。到着したのは導入する12機の内の6機、単座型4機と複座型2機です。

 ラファール戦闘機はクロアチア空軍第91航空団第191戦闘飛行隊へ配備されることとなります。クロアチアはいままでMiG-21戦闘機を装備、超音速飛行は可能ですが中距離空対空ミサイルの運用能力はなく現代の航空戦では生存さえ難しいのが実情です。しかし2009年にNATO加盟を果たしたクロアチアは欧州各国との防衛協力を許可しました。

MiG-21戦闘機の後継はこうした中、F-16V戦闘機やJAS-39戦闘機等を模索した中予算面の折り合いがつかずイスラエルF-16C中古機などを検討した結果、2020年にラファールF3Rの中古機を導入が決定、2025年中に残る6機が引き渡される予定となっています。この歓迎式典にはクロアチア議会のゴルダンヤンドロコヴィ議長も出席しました。
■グリペン後継
 スウェーデンの防衛政策大転換が。

 スウェーデン空軍はJAS-39戦闘機後継機計画を白紙撤回するもようです。JAS-39戦闘機は重武装中立政策を進めるスウェーデンが独自の防空戦力を構築するべく短距離離着陸性能や単機単位での分散運表を念頭とした補給体系に適合する、しかし制空戦闘から対艦対地戦闘に偵察任務にも対応し、厳しい電子戦環境での運用能力を持つ戦闘機です。

 JAS-39戦闘機国産能力は、同時に重武装中立政策を堅持するスウェーデンだからこそ、周辺国の安全保障環境から独立して戦闘機を国産席る能力を堅持していましたが、同時にJAS-39戦闘機は第4.5世代戦闘機であるものの、現在の第五世代戦闘機や続いて開発される第六世代戦闘機については開発費が大幅に高騰する問題がスウェーデンの悩み。

 NATO加盟がスウェーデンの戦闘機国産計画に影響を及ぼすもようで、これは2022年の時点で欧州にはGCAP戦闘機計画として日本とイギリスにイタリアが参加する戦闘機計画とドイツとフランスのFCAS次世代戦闘機計画があり、こちらとの連携を模索していました。今回、NATO加盟を機に独自の次期戦闘機計画を見直すこととしたもよう。
■MH-139価格高騰
 UH-2をすすめたくなる気もしますがUH-1Jの後継にUH-139というのが在っても良かったのかと思ったりします。

 アメリカ空軍のMH-139A調達数削減がコスト超過を発生させました、MH-139Aグレイウルフヘリコプターはアメリカ空軍が戦略空軍の大陸間弾道ミサイル基地警備などに空軍特殊部隊の緊急輸送用に調達している多用途ヘリコプターですが、アメリカ空軍はすべての航空機に関する調達計画を見直し、その一環としてMH-139Aも削減されている。

 MH-139AはUH-1N多用途ヘリコプターの後継機として80機が調達される計画でしたが、予算不足から2026会計年度以降の調達計画を見直し、42機で調達を終了するとともに状態の良いUH-1Nの一部をワシントン州のフェアチャイルド基地やニューメキシコ州のカートランド基地、フロリダ州のデュークフィールド基地で運用継続する計画という。

 80機から42機への調達縮小により、現在の費用見積もりよりも少なくとも25%から50%程度MH-139Aの調達費用が増大すると判明しており、これが重大な契約違反であるとアメリカ議会上院などで指摘されています。ただ、空軍は価格高騰は技術的問題ではなく議会がMH-139Aの調達数を元に戻せば解決するという反論を行っています。
■三菱でF-16整備
 日本飛行機での整備支援を拡大してゆくということなのか。

 アメリカ空軍は在日米軍戦闘機の定期整備を三菱重工に委託する方向で調整に入りました。これは日経新聞が5月14日に報道したもので、航空自衛隊戦闘機の整備実績がある三菱重工とIHIなどとのあいだで日本政府が仲介となる形でアメリカ空軍戦闘機定期整備に関する打診を行っているとのこと。空軍は三沢と嘉手納に戦闘機を置く。

 アメリカ軍の航空機ではすでにF/A-18やF-35戦闘機が神奈川県の厚木基地にりんせつした日本飛行機の施設において定期整備を行っていますが、今回名前が挙がった三菱重工の施設は愛知県の小牧基地に隣接しており、自衛隊のF-15やF-2.F-35を整備していて、今後愛知県でのアメリカ軍戦闘機の定期整備が開始される可能性がでてきました。
■F-22退役に反対
 今年久々に横田で公開されたF-22はかなり傷んでいたという。

 アメリカ議会下院一部にF-22退役反対の動きがあるとのこと。具体的にはアメリカ国防総省は空軍の20億ドル節約計画の一環として2025会計年度に250機の戦闘機を退役させるとしており、この退役させる戦闘機の中にF-22戦闘機ブロック20の比較的新しい機体が32機含まれています。下院ではこの穴埋めの方が費用面で問題だ、と。

 F-22戦闘機32機を退役するなどして20億ドルを節約した場合でも空軍にF-22を32機補うだけのF-35などを取得する費用の方が大きいという批判であり、また下院では空軍がF-15EX戦闘爆撃機調達計画を削減したことにも反対があり、更に1年間ボーイング社での製造を延長し当初計画通りのイーグルⅡを導入すべきと主張しています。
■ボラメから長射程AAM
 5世代でも6世代でもなく4.9世代ということですが日本がFSX計画独自案の際に到達できなかった水準に韓国が30年遅れとはいえ夢を実現させたところは凄いとおもう。

 韓国が開発するKF-21戦闘機が初の長距離空対空ミサイル試験に成功しました。KF-21戦闘機はボラメ戦闘機として韓国政府とインドネシア政府およびKAI韓国航空産業が出資し独自開発する戦闘機で、敢えて第五世代戦闘機をねらわないがある程度のステルス製を有し第4.5世代戦闘機を越える第4.9世代戦闘機として開発がすすむ。

 ミーティア空対空ミサイルが今回の試験において発射されたとのこと。ミーティアミサイルはイギリスドイツフランスのMBDA社により開発された空対空ミサイルでもともとはユーロファイター戦闘機やラファール戦闘機に搭載を想定したもの、射程が200kmと長い。韓国空軍は2032年までにボラメ戦闘機120機を配備し旧式機を置き換える。
■F-15EXサプライチェーン
 イーグル2は開発されたのが遅すぎたともいえる。

 アメリカ空軍が導入を進めるF-15EXについてサプライチェーンの問題が発生しているとのこと。具体的にはF-15EX戦闘爆撃機を製造するボーイング社に部品を供給しているGKNエアロスペース社がアメリカでの複合素材製部品製造終了を計画しているため。ボーイング社は2001年以降複合素材部品の供給を同社に依存しています。

 GKNグループはイギリスのゲストキーンアンドネトルホールズ、もともとGKNエアロスペースはボルボエアロとしてスウェーデンのボルボ社系列となっていましたが2012年にGKNグループに吸収合併されたという歴史があります。同社はミズーリ州ヘーゼルウッドに自社工場をおいていますが、その工場が2025年に閉鎖される見込み。

 ボーイング社ではアメリカ空軍向けのF-15EXにくわえて海軍と海兵隊が運用するF/A-18E/F戦闘攻撃機を製造しており、こちらもGKNエアロスペースの複合素材部品が使用、アメリカ政府は戦闘機の主要部品をアメリカ国内で製造する約款のもと戦闘機製造を発注しているため、代わりとなる業者をボーイングは探さなければなりません。
■F/A-50単座型
 日本のF-1支援戦闘機と同じ流れ。

 韓国政府はF/A-50軽戦闘機の単座型開発を推進します。これはMOTIE韓国通商産業エネルギー省が発表したもので、もともとT-50超音速練習機として開発されているF/A-50軽戦闘機は複座型のみとなっていますが、戦闘機としての運用に特化した単座型を開発することにより世界の戦闘機市場において有利に運用できると考えたもの。

 F/A-50軽戦闘機単座型の開発について、韓国政府はKAI韓国航空産業と共同で494億ウォン、米貨換算で3640万ドルを投入し、またGCAS自動地表衝突防止システムの追加などもこの改良型開発費用に含めるとのこと。また単座型とすることで後部コックピット周辺を燃料タンクに転用できることとなり最大30%の戦闘行動半径拡大を見込む。

 戦闘機市場においてF/A-50は有用な選択肢となりつつあり、この背景には初期型のブロック10こそ簡易のエルタEL/M-2032レーダーを搭載していましたがブロック20よりレイセオン社製AESAレーダーを搭載し、AMRAAM空対空ミサイルなどの運用能力を持ち、しかし取得費用はF-16Vの半額、スウェーデンのJAS-39よりも35%安価となっている。

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【防衛情報】X-62A-VISTA無人戦闘機,E-4B国家指揮機後継機とEPAWSS電子戦システム搭載F-15E

2024-06-24 20:01:15 | インポート
■防衛フォーラム
 今回は航空関連の話題なのですが航空自衛隊の写真で適当に代用していますのでどうか多忙という点をご理解いただければ、と。

 イタリア空軍はAMX-A11ジブリ攻撃機の運用を終了しました。1988年にイタリアとブラジルが共同開発した軽攻撃機であるAMXは両国合わせて208機が生産され、製造費用を抑えるために亜音速機とし、電子装備も省略した攻撃機として完成しましたが、低空侵攻能力の高さと短距離離着陸能力など、高い生存性と打撃力を兼ね備えていました。

 AMX-A11攻撃機は132機がイタリア空軍に配備されましたが4月5日、ピアチェンツア分屯基地において最後の飛行を終え、現役として維持されていた最後の4機が退役しています。この4機は第51航空団第132戦闘爆撃偵察飛行隊の所属で、今回の退役と共に民間空港の片隅に配置されていたピアチェンツア分屯基地も閉鎖されています。

 AMX攻撃機はイタリア空軍には短距離離着陸能力を持つ重要な航空機との位置づけであり、特に地中海の対岸であるアフリカ地域での緊張がそのままイタリアへ影響を及ぼすことから、イタリア空軍は短距離離着陸能力の高いC-130J輸送機とAMX攻撃機からなる遠征部隊を編成していました、今後AMXの任務はF-35B戦闘機が引き継ぎます。■

 防衛省は宇宙領域把握整備へ低軌道光学衛星を打ち上げます。これはキャノン電子との契約を結び漸く具現化するもので、低軌道から静止衛星軌道までの宇宙領域把握には、地上のレーダー設備や光学監視設備などでは限界があるため、直接宇宙空間に関し手段を置くという構図です。現在運用される情報収集衛星は地上観測用のものでした。

 低軌道光学衛星は衛星の動きを検知する実証事業として打ち上げられるもので、実証研究の結果次第で今後の自衛隊宇宙衛星網整備体系が構築されることとなります。政府は国家防衛戦略に航空自衛隊の宇宙航空自衛隊への改編を明記していますが、その前提段階として自ら運用できる独自の人工衛星を打ち上げる必要が指摘されていました。■

 ブラジル軍はKC-390輸送機のISR機への改修研究を開始しました。エンブラエル社が製造するKC-390輸送機はC-130J輸送機と同程度の搭載能力とボーイング737旅客機に匹敵する高速巡航能力を持つジェット輸送機として採用国が徐々に増加していますが、今回更なる能力拡張に情報・監視・偵察用のISR機への転用の研究を開始するとのこと。

 KC-390の改修案はFIDAEチリ国際宇宙展においてエンブラエル社がブラジル軍と発表したもので、例えばハープーンミサイルなどを搭載し洋上哨戒機として用いる提案などはすでになされていますが、胴体部分の収容能力と共に何より比較的滞空時間が長く、また巡航速度も大きいことからISR機としては潜在的適性があるとされてきました。■

 インド国防省はテジャス戦闘機97機一括取得を計画しているもよう。テジャス戦闘機は開発期間が異常に長く戦闘機界のサクラダファミリアと呼ばれたほどに完成しない戦闘機でしたが2020年代に入り開発が一気に進捗し、秀でた性能は無いものの第四世代戦闘機として手堅い完成度を誇ることでインド空軍に順調に配備が進んでいます。

 テジャス戦闘機について、インド国営のヒンディスタンエアロノーティクスリミテッド社は現在インド国防省との間で一気に97機の一括調達を計画、この背景には長らくインド空軍に君臨したMiG-21戦闘機が退役加速により、インド空軍の戦闘機飛行隊定数42個飛行隊体制が維持できなくなり、現在31個飛行隊まで縮小している実情があるもよう。

 97機のテジャス戦闘機導入はこの問題を解決する一つの選択肢ではあるものの、その製造費は6500億ルピー、ドル換算では78億ドルもの巨費を必要としているため調整中とのこと。ただ、現在テジャスは年産16機体制で量産されていますが、10月には新しい製造ラインが完成し年産24機体制となる見通しで、これを見越した調整が進んでいます。■

 アメリカ空軍は自律型無人戦闘機X-62A-VISTAの戦闘実験を実施しました。戦闘実験は操縦士が搭乗したF-16戦闘機とX-62A-VISTA無人戦闘機の間で執り行われたとのこと。この実験にはDARPA国防高等研究計画局が主導し空軍テストパイロット学校が協力、自律飛行無人戦闘機との空中戦は実験とはいえ世界初のものとなりました。

 X-62A-VISTAはF-16D戦闘機を基に無人飛行が可能となるよう改造した航空機で、これは無人僚機のような戦闘機を支援する自律飛行航空機開発への大きな一歩となるもよう。自律飛行システム開発は、既にF-35戦闘機が自動地表回避システムとして進められていますが、戦闘機を自律飛行させたものとしてはX-62A-VISTAが世界初という。

 F-16戦闘機とX-62A-VISTA無人戦闘機は対戦と共にもう一つ、F-16戦闘機の支援やF-16戦闘機の護衛とF-16戦闘機の航空作戦を補佐する僚機としての飛行も実施、その際には600ftの近距離を超音速飛行するなどの試験が含まれ、実権は二週間にわたり実施されたとのこと。ただ、VISTAというとMicrosoftのWindowsを思い出してしまう。■

 アルゼンチンはF-16がフォークランド紛争後初の戦闘機購入となるもよう。イギリスのフォークランド諸島に侵攻した1982年のフォークランド紛争では一時フォークランド諸島全域を占領したもののイギリス軍の反撃によりフォークランド諸島が奪還されたのちにも、イギリスの外交圧力によりアルゼンチンは軍事的な制約を受けてきました。

 戦闘機調達はその最も大きな制約で、イギリスは自国のマーチンベーカー社製射出座席がアメリカ製から中国製まで多くの戦闘機に採用されていることから、この射出座席を採用した戦闘機の輸出に制限を加えていました、今回はデンマーク空軍がF-35戦闘機の導入により余剰となったF-16戦闘機24機の導入を交渉し合意に達したとのこと。

 A-4攻撃機12機とアルゼンチン製パンパ軽攻撃機12機がアルゼンチン空軍の現用戦闘機であり、純粋な戦闘機ではありませんがフォークランド紛争時代に現役のミラージュⅢ戦闘機は既に退役しており、COIN機であるプカラも退役、ジェット機であれば貴重な戦力でした。しかし1982年以来のイギリス外交圧力には驚かされるばかりでしょう。■

 アメリカ空軍はEPAWSS電子戦システム搭載のF-15Eストライクイーグルを導入します。導入は2024年夏ごろになるとのこと。EPAWSSとはイーグルパッシヴアクティヴウォーニングサバイバリティシステムの略称で、現在F-15Eへの改修作業がテキサス州サンアントニオのボーイング社工場において実施中となっています。

 EPAWSS電子戦システム搭載のF-15Eストライクイーグルは現在8機が改修作業中となっていて、EPAWSS電子戦システムそのものはイギリスのBAEシステムズ社が開発したもので、新造されるF-15EXイーグルⅡには標準装備の電子戦装備ですが、生存性向上のために既存のストライクイーグルにも追加が行われることとなりました。

 F-15Eストライクイーグル戦闘爆撃機はアメリカ空軍に218機が配備され運用中、制空戦闘機であるF-15C戦闘機は近く完全退役する方針ですがF-15Eは同じく戦闘爆撃機であるF-15EXとともに運用が継続することとなっており、2022年までに二度に分けてF-15E用のEPAWSS電子戦システム43機分の搭載改修がBAE社と契約されています。■

 マレーシア空軍はLPM12Y改修を完了したF/A-18Dを受領しました。LPM12Yとは12箇年現地保守計画を示し、マレーシア空軍に置いて長年運用されているF/A-18Dレガシーホーネットの更なる長期運用を念頭とした延命改修であり、この改修作業はローズバンクエンジニアリング社が作業を担当しています。LPM12Yは今回が二度目という。

 F/A-18DレガシーホーネットのLPM12Y改修完了の機体納入は今回2機目、この実現のために機体寿命に関する徹底的な検査と損傷評価が行われ、その上で構造補強などが実施されています。マレーシア空軍のF/A-18D戦闘機は8機が運用され、1997年に導入、最初のLPM12Y改修から更に12年を経て二度目のLPM12Y改修となりました。■

 アメリカ空軍はE-4国家指揮機後継機に関する130億ドルの契約をむすびました。契約はSNCシエラネバダ社、現在アメリカ空軍には4機のE-4B国家指揮機が運用されていまずがいずれも老朽化が進んでおり2036年までに後継機を完成させ配備を完了するとのこと。契約を獲得したSNCシエラネバダ社はE-4後継機を主要事業に格上げました。

 E-4B国家指揮機、これは世界最後の日を意味するドゥームズデイプレインとされ、全面核戦争が勃発し地上の指揮所では核攻撃を受け核ミサイル発射を指揮する決定者が核攻撃により絶命しないよう空中退避するもので、国防長官が搭乗するものとされています。トランプ政権時代にはマティス国防長官が搭乗し横田基地へ来日、有名となりました。■

 オランダ空軍のAGM-88G AARGM-ERミサイル265発導入計画がアメリカ国務省の有償供与承認を受け調達へと前進しました。AGM-88G AARGM-ERミサイルは対レーダーミサイルであり、従来はHARM対レーダーミサイルが用いられていましたが、AGM-88G AARGM-ERは射程が抜本的に延伸し300㎞とも伝えられるもの。

 AGM-88G AARGM-ER対レーダーミサイルはノースロップグラマン社が製造を担当、ミサイル本体が265発と誘導装置8基と管制装置8基及び訓練装置や初期支援と教範等を含むもので調達費用は7億ドルに上るもよう。F-35Bには搭載できませんがオランダ空軍のF-35Aには搭載可能で、F-16戦闘機などのほかP-8A哨戒機に搭載が可能です。

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【防衛情報】M-1299自走榴弾砲計画の中止とM-10ブッカー装甲火力支援車受領を開始,陸上自衛隊輸送船が起工式

2024-06-17 20:24:41 | インポート
■防衛フォーラム
 今回は陸軍関連の話題です。

 アメリカ陸軍はM-1299自走榴弾砲計画の中止を発表しました。1950年代に開発されたM-109自走榴弾砲は改良を続け配備されてきましたが、流石に39口径155mm榴弾砲では性能の限界にあるとして、58口径の極めて長い方針を有する拡張射程型榴弾砲を搭載する自走榴弾砲を開発してきましたが、2025会計年度に開発費が認められなかった。

 ERCA拡張射程型榴弾砲としてM-1299自走榴弾砲は既に20両が製造され、18両から成る試験大隊が編成されているものの、陸軍システム開発では開発目標を達成できず、ここに開発予算の追加が認められなかったことが開発中止の背景にあります。具体的には数発の射撃後、砲身に過度な摩耗が認められたため、改善法を研究していました。
■防衛フォーラム
 装備品の国産化をめざす流れはもはや世界的潮流というところでして逆に先進国の方が昨今国産装備への徹底的なこだわりが消えている感じ。

 イラク軍はイラク生産型ノリンコVN-22装輪装甲車の調達を開始します。これは防衛装備品の国内製造基盤構築を目指すイラク政府がDICIイラク国防産業委員会を通じてライセンス生産を開始したもの。VN-22は2021年に中国のノリンコが珠海航空ショーにおいて初公開したもので砲塔を搭載可能である六輪式の装輪装甲車です。

 VN-22は装輪装甲車ながら正面装甲は25mm機関砲弾への耐弾性能を持ち、側面部分も14.5mm機銃弾に耐えるなど重装甲を誇り、ノリンコによれば人民解放軍が運用する08式装輪装甲戦闘車よりも高い防御性能を持つとしています。イラクはライセンス生産を選択しましたが、既にコートジボワール軍などで運用実績のある装備品です。
■防衛フォーラム
 機動砲というのはアメリカ軍にとりマルチドメイン戦略における緊急展開手段として重視されていますので日本としても関心を持つべきですね。

 アメリカ陸軍はM-10ブッカー装甲火力支援車の受領を開始しました。M-10ブッカーは実質的な軽戦車で、スペインとオーストリアが共同開発したASCOD装甲戦闘車の車体を大幅に防御力強化を行ったうえで105mm戦車砲を搭載した砲塔を載せたもの、ただ陸軍は軽戦車というくぶんはないものであり装甲機動砲として制式化したとしています。

 4月18日、アバディーン兵器試験場において納入式典を行い、3両の配備を開始しました。元々車両そのものは2月18日にアニストン陸軍補給処に納入されていますが、納入車両に陸軍が独自の検査を行ったもの。今回納入された車両は今後数か月間にわたり第82空挺師団において評価試験を受け、2025年より歩兵旅団戦闘団配備が開始されるという。

 MPF装甲機動砲として開発されたM-10ブッカー、もともと原型のASCOD装甲戦闘車は軽戦車型を提案しており、これは南アフリカのデネル社製105mm砲塔搭載型が1996年に試作されていますが、M-10は新開発のM-35型砲を搭載した全くの新設計です。M-10は師団に機動砲大隊として配備され中隊単位で歩兵旅団戦闘団を支援するとのこと。
■防衛フォーラム
 リンクスも安いのですよね。

 ブラジル陸軍はイヴェコLMV-BR軽装甲機動車を大量調達します。イタリアのイヴェコLMV-BR軽装甲機動車はイタリア陸軍ではリンクス軽装甲機動車として採用されており、四輪駆動式の車体を採用、軽量多目的装甲車として活用されているもの。そしてブラジル軍は48両を先行採用しており、その評価の高さから大量配備に踏み切りました。

 イヴェコLMV-BR軽装甲機動車、戦闘重量は8.1tで八段式自動変速機により普通のSUVのような操縦感覚といい、小銃や機銃弾に対する防御力を有しますがC-130J輸送機には2両を搭載できるという戦略機動性の高さを有しています。イタリアのイヴェコ社製装甲車はブラジル軍にいくつかの種類が採用され、一部はライセンス生産されています。
■防衛フォーラム
 90式戦車の量産予算を考えると邦貨換算10億円以上かけて近代化改修するチャレンジャーがスコシフシギに思えるのだ。

 イギリス陸軍向けチャレンジャー3主力戦車がまもなくロールアウト式を迎えます、チャレンジャー2主力戦車を大幅に近代化改修し開発が進んでいるチャレンジャー3主力戦車は、改修を担当しているラインメタルBAEランドシステムズ社によれば4月18日、8両のチャレンジャー3戦車が生産ラインを離れ工場内の試験場へ移動しているとのこと。

 チャレンジャー3主力戦車はイギリス陸軍にとり、エイジャックス装甲偵察車やボクサー装輪装甲車と並び、今後改編により誕生する陸軍装甲旅団戦闘団の主力車両となる計画で、チーフテン主力戦車以来採用されてきた120mmライフル砲に代わり、NATO標準の120mm滑腔砲を搭載、アクティヴ防護装置なども搭載する最新設計となります。

 チャレンジャー2主力戦車の改良という位置づけのチャレンジャー3戦車ですが、この背景には分離弾薬方式という特殊な砲弾を採用したチャレンジャー2は主砲団の製造が既に終了しており、一方別の戦車開発計画もなくイギリスでは戦車を維持するか廃止かという決断を迫られ、戦車は依然として必要であるとし、近代化改修に踏み切りました。
■防衛フォーラム
 戦車回収車にドローン母艦の役割を担わせてはと最近思うのですよね。

 フランス軍はDCLRルクレルク戦車回収車改良型の受領を開始しました。戦車回収車は戦闘により損傷した主力戦車を迅速に回収し広報の整備施設に搬入することで素早い戦力回復を支えるのに不可欠の装備ですが、フランス軍では戦車回収車そのものの戦闘能力が不足している点を陸上戦闘において重要な脆弱性と認識していたとのこと。

 DCLRルクレルク戦車回収車改良型は新たに12.7mm重機関銃RWS遠隔操作式銃塔を搭載、戦車が撃破される戦場では戦車回収車も同様に標的となり且つ、戦車回収車は戦車よりも稀少であることから高付加価値目標となることを想定し、戦車回収への妨害攻撃を撃退する目的で戦闘能力を付与したとのこと。改修はKNDS社が担当しています。

 フランスではルクレルク主力戦車のルクレルクXLRへの近代化改修が進められており、AZUR市街戦防護走行やFNはーすたる社製7.62mm遠隔操作機銃の搭載など2029年までに200両のルクレルクがルクレルクXLRへ改修される計画で、今回のDCLRルクレルク戦車回収車改良型はこれに併せて戦車回収車も近代化改修を行ったかたちです。
■防衛フォーラム
 運べるものなんだなあと。

 アメリカ海兵隊はCH-53でのF-35C空輸試験を実施しました。この試験はレイクハースト海軍航空戦センターが中心となり実施されたもので、4月24日、パタクセントリバー海兵航空基地からマクガイアディックルレイクハースト基地までの距離を飛行、CH-53Kキングスタリオン重輸送ヘリコプターの輸送能力を検証したかたち。

 F-35Cは空母艦載機であり、今回の空輸試験はVMX-1第1海洋試験評価飛行隊が進める緊急復旧システムの試験が目的とのこと。アメリカ海兵隊は250億ドルを投じてCH-53Kを200機調達する方針で2018年より海兵隊に引き渡しが開始されています、最大離陸重量は39.9tと非常に大きく、F-35C空輸はその能力の一端を示しました。
■防衛フォーラム
 99式を売り込みたいものですが改良が続いて韓国軍配備のものさえ陳腐化させているK-9をみていると。

 ヴェトナム軍は韓国製K-9自走榴弾砲の調達交渉を開始します。これは4月23日の第11回韓国ヴェトナム国防戦略対話においてホアンスアンシエン国防次官が韓国側へK-9自走榴弾砲の売却を要請した事で正式な調達交渉が開始されることとなりました。国防戦略対話は2012年から開始されています。K-9は現在世界で最も量産されている火砲だ。

 K-9自走榴弾砲の導入について、ヴェトナム軍には2S3自走榴弾砲や2S1自走榴弾砲、またASU-85突撃砲まで現役となっており、旧ソ連製の旧式火砲更新は重要な課題となっているもよう。一部報道ではヴェトナム軍は108門のK-9自走榴弾砲を希望しているとの憶測報道も、射程が長く機動性も非常に高いK-9の販路はさらに拡大が見込まれる。
■防衛フォーラム
 フィリピンにこの種の装備配備が進むと地対艦型のハープーンだけという台湾が防衛空白地帯とならないかが心配です。

 フィリピン軍が導入するブラモス超音速ミサイルの納入が開始されました。ブラモスミサイルはインドがソ連時代に開発されたP-800超音速対艦ミサイルを基に開発した対艦ミサイルで、P-800ミサイルは大型弾頭を用いて航空母艦などの高付加価値目標を標的としているものであり、水上戦闘艦や地対艦型など幅広い用途に用いられています。

 ブラモス超音速対艦ミサイルの導入はフィリピンにとり緊張度合いを増す南シナ海情勢に対応するもので、射程は輸出型でも350㎞以上あることからフィリピン軍は本土の三カ所程度に配備するだけで周辺海域への対応が可能となります。今回のブラモス引き渡しにはインド空軍がC-17輸送機を用いて直接フィリピンへ納入する方式をとりました。
■防衛フォーラム
 砲弾の増産に向かう。

 アメリカ陸軍は英韓防衛企業の協力を受け弾薬生産加速を模索しています。これはロシアウクライナ戦争を契機とした世界的な弾薬不足と共にウクライナ軍事支援による米軍予備弾薬の枯渇を背景に急遽行われたもので、喫緊の施策として選ばれたのは第二次世界大戦中に設営されたラドフォード陸軍弾薬工廠を再稼働させるというもの。

 ラドフォード陸軍弾薬工廠の再活性化にはイギリスのBAEシステムズ社と韓国ハンファディフェンス社の現地法人であるハンファディフェンスUSA社が当たるとの事で、韓国軍は北朝鮮軍が有する世界最大規模の砲兵部隊に対応すべく巨大な砲兵戦力を有しており、ハンファディフェンスの韓国国内工場拡張の手法をアメリカで再現するもよう。
■防衛フォーラム
 海上輸送への次の一歩です。

 陸上自衛隊が導入する輸送船が起工式を迎えました。4月23日、広島県尾道市の内海造船瀬戸田工場において陸上自衛隊海上輸送部隊の船舶の起工式が行われ、今回建造開始となった船舶は、令和6年度末に新編される海上輸送群に配備される2隻の輸送船です、従来陸上自衛隊の輸送は海上自衛隊の作戦輸送の一環として行われていました。

 陸上自衛隊輸送船は、作戦輸送としての上陸作戦など水陸両用作戦に正面からあたるのではなく、独自の業務輸送能力を有することが目的であるとし、平時若しくはグレーゾーン事態において島嶼部等への部隊機動展開等において重要な役割を担わせるのが狙いで、これまでは民間輸送船などに依存していた輸送任務の見直しの一環です。

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