北大路機関

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【日曜特集】小牧基地オープンベース2019【6】C-130HとKC-767続々着陸と次の展示(2019-11-09)

2023-06-18 20:00:19 | 航空自衛隊 装備名鑑
■大型機の飛行展示
 小牧基地オープンベース2019大型機の飛行展示が続きます。

 KC-767空中給油輸送機のタッチアンドゴー、迫力があります。そして名古屋空港を舞台に離陸してゆく様子、いまはかつての国際線が有りました名古屋空港も県営名古屋空港となり、かつてボーイング747さえ発着した滑走路は民間機では小型旅客機ばかりになる。

 伊吹山を背景に離陸するKC-767,この伊吹山は愛知県や岐阜県から眺めますと、堂々たる山容が美しく、かつて海軍が巡洋戦艦の艦名に冠した事を思い出させる美しさですが、琵琶湖の滋賀県側から見ますと山頂まで採土により汚され、無残な姿をしめしています。

 タッチアンドゴーを続ける次のKC-767空中給油輸送機、KC-767空中給油輸送機は編隊飛行とともにこうして展示を繰り返すのですけれども、こればかりは名古屋空港が国際線の運航されていた時代でもタッチアンドゴーなんてものはみられなかったでしょう、ねえ。

 県営名古屋空港、フジドリームエアのエンブラエルリージョナルジェットがターミナルに佇んでいる、そしてもう一つ奥に見える三菱重工小牧南工場は三菱MRJ,国産旅客機を開発しようと頑張り、アメリカでの連邦航空局型式証明が採れず中止された夢の跡が残る。

 MRJは、もう少しエンブラエルを見習った政府支援というものが必要だったように思います、エンブラエルは今でこそブラジル製旅客機というものを高品質な世界水準の航空機として知らしめた印象がありますが、その草創期の小型飛行機は酷いものばかりでした。

 KC-767空中給油輸送機とともに印すのはちょっとお門違いでしょうが、エンブラエルは国策企業として使える航空機が開発できるようになるまで、ブラジル政府は黙って購入し続け、独立した企業となって育つまで産業保護を続けてきました、長期的視点に基づき。

 日本の場合は、産業保護として、例えばMRJを航空自衛隊の飛行点検機や海上保安庁の海洋監視航空機に水産庁や国土交通省などに、これだけで15機程度の需要になりますから、買い揃えさせるべきだった、海上自衛隊の人員輸送機、航空自衛隊にも必要な機種です。

 公正さを形而的に追求するという今の制度では少々不可能ではないか、こう問われますと実のところその通りで、情報要求を出して特定の航空機を導入する意図の上で入札方式だけ公正を目指すならば、川崎重工UH-Xのように失敗し企業側に逮捕者がでるだけです。

 多用途人員輸送機として、P-1やC-2のような開発方式を用いれば、それは実現できたのかもしれない、その人員輸送機は旅客機に転用可能という機種としておけば、旅客機に転用できたのかもしれない、それは例えば川崎C-2輸送機が民間型で提案されたように、ね。

 伊吹山とC-130H輸送機、この構図を大事にしたい。そして滋賀県側の山頂まで削られ、山肌が無残な擦り傷の流血しているような様子を曝している景観に対して、情景というものを、美しい山だ、と思わせるような岐阜県愛知県側からの様子と比較してしまうのだ。

 滋賀県、伊吹山は滋賀県の山ということですが、あの削られ方はなあ、いっそ物凄い主柱豪雨や山岳崩壊を引き起して、人工の削られた様子を覆い隠してくれればよかったのに、ともおもう。しかし、岐阜県も赤坂山という美しい山を採土で真っ二つにしています。

 開発一つとって土は必要なのだ、といわれるかもしれませんが、あの自由の国アメリカでさえ土砂採取はかなり規制されている、コンクリートショックともいわれていますが。行き過ぎた環境負荷、というようなものを情景から感じるのは、とても悲しい事とおもう。

 KC-767空中給油輸送機が再度着陸経路にはいってきました、今度こそ着陸するようです。正面から見る角度というものも普段なかなか見ないものです、そしてC-130H輸送機の並びと共に着陸してくる様子、というのもまたなかなか見ない角度ではあるのですけれども。

 二機のKC-767空中給油輸送機が並んでこちらへ着陸してくる、そうぐうっと一周してきたのですね。旋回する空域は名古屋市内まではいっているのでしょうか、一方、気流が悪い日には滑走路を逆方向に、小牧城の方角から着陸する事もあり、お城が背景にはいる。

 C-130H輸送機の着陸、小牧山の方から小牧城を背景に着陸した、というわけではまったくなく、先に着陸したC-130H輸送機が滑走路から誘導路に入り、そのままゆっくりと海上の目の前にきただけなのですが、空港とC-130H輸送機の構図、小牧基地らしい情景だ。

 名駅摩天楼、こう呼ばれる名古屋空港から見える名古屋駅前高層ビル群の近代的な情景とともにKC-767空中給油輸送機が、今度こそおりてくる、しっかしろ減速していますのでもうタッチアンドゴーを行う事はない、着陸している。空港ビルとともに構図に収めた。

 空港ビル、この瞬間はレンズをどうするか迷てしまうのですよね、飛行展示の様に望遠レンズを執りつけたままでは巨大なKC-767空中給油輸送機はフレームに入りませんが、広角レンズではちょっと迫力がない、どうするか少しだけ考えて構図は望遠レンズのまま。

 UH-60J救難ヘリコプターが轟音と共に離陸してゆく、轟音という様な日々あせ方ではなく力強いエンジン音でそれ程響き渡る音ではないのですが、この瞬間を撮影するときに注意したいのは救難飛行展示がいよいよ始まる、という緊張感ですUH-60Jだけではない。

 救難飛行展示、緊張するのはこのUH-60J救難ヘリコプターの離陸とともにもう一機並行して滑走路で離陸滑走中なのです、U-125救難機が。理論上重なるはずだ、離陸の様子は迫力がある、さあ、とレンズに手を据えてカメラを構える最中にちからがこもってゆく。

 U-125救難機とUH-60J救難ヘリコプター、重なった。いや重なっているのだけれども、ちょっと予想外の重なり方だったなあ。そしてここ小牧基地には救難教育隊が展開していまして、全国航空祭の救難飛行展示の模範というべき飛行展示がいよいよはじまります。

 OH-6D観測ヘリコプター、こちらは展示飛行をしているのではなく、滑走路に進出して帰投の準備をしているのですが、KC-767空中給油輸送機とC-130H輸送機がタッチアンドゴーを実施しているうちは離陸できなかった、というところでいよいよ離陸しようとして。

 航空館BOONのあたりからOH-6D観測ヘリコプターと重なる、平日はこの当たりから撮影している、COVID-19の時代には空港ターミナルビル展望台よりも、こちらのほうが換え通しが良く駐車場もあるので、かなりの回数、毎月の様に撮影していた場所なのです。

 いいなこの構図、KC-767空中給油輸送機とC-130H輸送機の重なりの瞬間と共に伊吹山、ではないけれども雄大な、そこまででもないか、しかし自然の風景がしっかりと入っています。KC-767空中給油輸送機だけでもC-130H輸送機だけでもない、そうこのかさなり。

 NAGOYA,県営名古屋空港のターミナルビルとC-130H輸送機に、それから観衆までは行ってくれますと、なにか邦人救出任務、いやそんな緊張はありませんので、これこそ航空祭だ、という構図で仕上がってくれています、そして思う、この飛行展示は終了した、次が始まる、とね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】小牧基地オープンベース2019【5】C-130H輸送機とKC-767空中給油輸送機の着陸(2019-11-09)

2023-05-28 20:05:47 | 航空自衛隊 装備名鑑
■飛行展示ひと段落へ
 C-130H輸送機とKC-767空中給油輸送機の飛行展示はいよいよ終了するもよう。

 飛行展示を終えたC-130H輸送機2機がアプローチしてきました、C-139H輸送機は自衛隊では小牧基地に集中配備されているもので、それも国際協力任務や邦人救出任務へはC-2輸送機が配備開始されるまでほぼ唯一の選択肢と云える装備、こうやってみると多い。

 四発機の迫力、というのでしょうか、勿論飛行している様子も迫力があるのは確かなのですが、地上に在って数機が並んでいるだけでも、早い話5機のC-130Hが並んでいるとエンジンだけで20基あることになり、その翅の数も多いのですから、妙に賑やかです。

 C-130H輸送機は滑走路上空をローパスしてと、その先に漸く着陸態勢へと入ってゆきます。そのまま着陸すればいいじゃあないか、と思われるかもしれませんが、この編隊でローパスする様子一つとって飛行展示であったりします、民間の旅客機と戦術輸送機の違い。

 戦術輸送機、小牧基地は平和ですが、戦術輸送機は先日のスーダンのような危険な地域へ飛行しなければなりません、すると着陸するまで航空機が旋回し滑走路に接近する経路は決まっています、滑走路に向かうのだからその延長線上しか飛行経路は無いわけです。

 スーダンは幸い無事であり、また自衛隊機は過去に戦闘に巻き込まれて輸送機が撃墜されるような事は幸いありませんでしたが、編隊を組んで滑走路上を一回飛行し、そのまま編隊を説いて短時間で着陸するのは、部隊が相手の攻撃を受けかねない時間を限定する。

 イラク派遣、航空自衛隊の空輸支援は私などは開始されるところから終了するところまで、リアルタイムで見守っていた世代なのですが、考えるとイラク戦争開戦の頃、今の大学生の子たちはまだ生まれたばかりだったのか、と思うと少々衝撃を受けるところですが。

 バクダッドへの輸送支援では、携帯地対空ミサイルを何処からか入手したテロリストにより旅客機転用の貨物輸送機等が破壊される事件が相次いでいました、ここに自衛隊も物資を運ぶ必要があり、小牧基地のC-130Hが派遣されていた、無論準備はしていました。

 硫黄島で模擬地対空ミサイルを用いて実際に輸送機へ発射、この熱源に対してIRフレアーを発射してミサイルをかく乱すると共に回避軌道をとる、という訓練も行われていた、現在の機動飛行のようなものはその前からやっていましたが、その基礎があってこそ。

 レーザー機体自衛装置など、しかしIRフレアーだけでは危険を排除できない時代ですので新しく開発されている装備があります、アメリカ空軍が横田基地へ配備しているC-130J輸送機は、そうしたものを機体の各所に装備していまして、自衛隊も必要な改修だとおもう。

 KC-767空中給油輸送機のローパス、なのだ、けれど、も、ねえ。やってしまったと思われるかもしれません、その通り、直前のC-130Hの編隊を追う為にレンズを望遠レンズにしていましたので、二機で迫るKC-767のうち、かたほう一機しかフレームに入らない。

 二機編隊で飛行しているのだから、ちょっと残念に思った。いや、EOS-7Dmark2とともに予備のEOS-7Dの方も担ぎ出して広角レンズ用と望遠レンズ用で二台もちにしていれば、とも思うのですし、実際昔やっていたのでしたけれども、この日は一台体制でした。

 28-300mmという便利なズームレンズがありまして、これをEOS-7Dmark2に装着していれば一台でもなんとかなった。けれどもKC-767は編隊を開いていましたので、28mm広角で映らなかったのです、15-85mm広角レンズにしていれば、と失敗してしまった。

 C-130の着陸が始まる、時間帯は間もなく航空祭の幕間、というところか。航空祭で忘れてはならないのは、お祭りという事ですので飲食屋台が意外に頑張っているという事で、飛行展示の合間を縫って美味しいものを食べるところでもありますし、その時間が近づく。

 補給というか食事は重要なのですが、そしてもう一つ忘れてはならないのは水分補給できる場所と、もうひとつはお手洗いという。水分補給、いちおうミネラルウォーターなんかは持って行くのですが、晴天ですと極度に乾燥していますし水分がどんどん抜けてゆく。

 脱水症状にならないように木を点けねばならないのだけれども、この航空祭を撮影している時に撮影位置の周りには基本飲料水を売っているところなんてものはありません、格納庫の裏側とか、遠い場所まで転進しなければならない、一人で撮影すると不便ですよね。

 美保基地航空祭でしたか、飲食販売スペースとは別に、土産物販売スペースしか無く、ええい何かあるだろう、とおもって駆け込んでみると、大山の水、でしたか、あとは梨の飲み物が土産用に、なぜか冷やして、売られていまして三本衝動買いしたことがありました。

 大山の水、美味しかったです。干天の慈雨という言葉が有りますが、慈雨という以上に元々美味しいお水を、そういう時に頂いたのだ、蟹も鮨も美味しかったですが、水も美味しかったですね。いや、ノドグロの刺身も美味しかったんですよ。でもあの時の水は、ね。

 名古屋飯、というんですか名古屋の大衆料理、小牧基地航空祭では見かけないものが多い。皆さん発汗して塩分が不足しているでしょうから、味噌煮込みうどんとか、模擬店で販売してくれればなあ、と想ったりするのです。あとは味噌カツでしょうか、これはあるか。

 きしめん。思えば航空祭ではおうどんはあってもきしめんを視ないような気がします、名古屋駅のきしめんは名古屋の玄関口というのですが、ホームごとにきしめん屋さんが有り、例外なく美味しかったですね。小牧基地でも県営名古屋空港に隣接、名古屋の文化圏だ。

 味噌煮込みうどん、航空祭で売られていないのは、やはりこぼしたときのダメージなのでしょうか、それとも使い捨て容器では熱すぎるのでしょうか、それでも噛み応えのある麺と滋味というか塩分と出汁の利いた味噌煮込みうどんは、食べてみるとおいしかったなあ。

 モーニング、航空祭では見かけないのですが、例えばアイスコーヒーと小倉トーストのセットを売店で売ってほしいなあ、と思ったりもする。岐阜県と愛知県の喫茶店では、コーヒー一杯を注文すると午前中の時間ではトーストやおぎぎりや、鮨がつくサービスが。

 小倉トーストは、小倉餡をバタートーストの上に載せたもので、カロリーの爆弾のようなものですが、モーニングで供されるトーストは半分にカットされており、まあ、カロリーが半分ということか、甘くておいしい。鮨のつくモーニングは、実際食べた事がある。

 鉄板ナポリタンは、流石に無理ですよね。マウンテンという名古屋の喫茶店では、あんかけパスタという、小倉餡をスパゲティに掛けたとんでもないメニューがあり、これを仮に航空祭で出してみたら、話題になるのかなあ、美味しいには美味しいという話も聞く。

 航空祭はお祭りなのだから、らしさ、というものを食べ物でも味わいたいものだと思いつつ、結局は手堅くヤキソバとかタコヤキとかを食べる、もっとも小牧基地では焼き牡蠣が売られていた事もあり、それからホタテもあった、これはもうトクベツな美味しさでした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】小牧基地オープンベース2019【4】KC-767空中給油展示とOH-6のはやい帰投(2019-11-09)

2023-05-14 20:21:35 | 航空自衛隊 装備名鑑
■KC-767空中給油輸送機
 初号機の岐阜基地到着を見上げたものですからKC-767はある意味で特別な機種といえるかもしれません。

 KC-767空中給油輸送機とF-2戦闘機による給油展示、小牧基地航空祭の一つの名物です。いや実際に給油している訳ではないのですが、こう密集して編隊を組んで飛行してくれますと、空中給油機の配備されている基地なのだ、という実感がわく。他の基地でもやるが。

 F-2戦闘機などは北大路機関創設当時は支援戦闘機、という呼称が残っていましたが、もともとF-86戦闘機がF-104戦闘機の配備開始により陳腐化した際に、500ポンド爆弾を搭載して反跳爆撃を行い日本に接近する敵艦隊を叩く装備として、支援戦闘機区分が生まれた。

 ソ連のミサイル巡洋艦に500ポンド爆弾片手に亜音速のF-86戦闘機で戦うのは恰も台湾沖航空戦やマリアナ沖海戦のような状況になりそうですが、ロプチャー型戦車揚陸艦位が相手ならばなんとかなるのか、いやならない、としてF-1支援戦闘機が開発されています。

 F-1支援戦闘機は、限界がいろいろある航空機で、まず超音速練習機が基本型であるので重量のある対艦ミサイルを二発搭載すると機動性がかなり厳しい、基本設計が1960年代なので中距離空対空ミサイルが搭載出来ない、まともな電子戦装備を搭載していない、など。

 ASM-1空対艦誘導弾、ただ射程40kmのミサイルを搭載しているので攻撃が成功する可能性は十分あった、そしてF-1を置換えるF-2戦闘機は射程を150km以上に伸ばしたASM-2空対艦ミサイルを4発搭載、中距離空対空ミサイルも搭載でき、区分が戦闘機となる。

 KC-767空中給油輸送機とC-130輸送機の空中給油展示、恐らく、なのだけれども先月実施したスーダン政情不安邦人輸送任務で、このKC-767空中給油輸送機とC-130H輸送機の空中給油を、実任務で行っている。これにより現地への移動時間を半分以下に短縮した。

 C-130H輸送機は、これでも導入当時は“航続距離が長い!周辺国に脅威を与える”とか“外国を侵略するつもりだろう”とか、いや内局や大蔵省の官僚からも“俺の目の黒いうちはC-130は導入させない”と反対論が在った機体ですが、性能を見ればフツーの輸送機です。

 戦略輸送機・戦域間輸送機・戦術輸送機、輸送機というものは旅客機を転用した人員輸送機や連絡機を除けばこの三種類に区分でき、戦車はじめ重装備を積んで世界中にどこでも行けるが長大な滑走路が必要な戦略輸送機、An-124輸送機やC-5B輸送機などがこれ。

 戦域間輸送機は、世界中ではないがかなり遠くまで飛行でき戦車程度や装甲車ならば搭載出来るとともに野戦飛行場でも充分発着できるという装備、C-17輸送機と共に生まれた定義で、Y-20輸送機とIl-76輸送機にA-400M輸送機とC-2輸送機が含まれるものです。

 C-130H輸送機はその一つ下の戦術輸送機で、戦域といういわば一つの戦闘地域内で運用するというものです。過去自衛隊が初めてモザンビークへPKO部隊を派遣した当時は五日間掛けて現地まで飛行しました、飛べる距離が短いので何度も着陸する必要があるのです。

 アフリカへ日本からC-130輸送機で向かうのは、所用時間的に普通列車だけで快速に乗らず鹿児島から北海道の稚内まで行くようなものです、行けない距離ではないのですが、普通はテレビ番組や学生や好事家の電車に乗る為の旅行以外では、やらない選択肢ですよね。

 スーダンへは空中給油機を使う事で経由地に着陸する事無く移動したのだと思う、現地までの到着は28時間くらいでしたので、これはまあ、語弊はあるが寝台特急なは、寝台特急トワイライトエクスプレスを乗り継いで鹿児島から札幌まで移動する様な所要時間という。

 1980年代の“航続距離が長い!周辺国に脅威を与える”とか“外国を侵略するつもりだろう”と云っていた方々は、こういう状況ならば、非戦闘員は平和憲法を守るために自決せよ、とでもいうのだろうか、飛んでくる銃弾にケンポーキュージョで落とせとでもいうか。

 邦人輸送任務は、課題はあった、今回はスーダンの首都ハルツームから輸送拠点となったジッダまで700kmを避難民がチャーター車両で自走して移動する事が出来たのですが、もし戦闘地域がもっと広範囲広がっていた場合は陸上輸送も自衛隊が検討する必要があった。

 輸送防護車というオーストラリア製ブッシュマスター耐爆車両を陸上自衛隊は8両程度装備していますが、今後のこうした状況を考えると、ブッシュマスターと同程度の車両を普通科連隊の高機動車の後継車両として大量配備し、派遣する体制も必要ではないかと思う。

 C-130H輸送機、そしてこれは良い輸送機なのだけれども、老朽化がかなり進んできています、なにしろ自衛隊が導入して40年を経た。後継機が必要だ。数が必要な輸送機だからC-130J-30を15機揃える選択肢と、少数のC-2輸送機で置換える、どちらになるのだろう。

 小牧基地からは美しい山が一つ見えます、岐阜県の伊吹山です。そしてこの岐阜県には岐阜基地があり、その岐阜基地に隣接して川崎重工岐阜工場が、ジェット練習機と輸送ヘリコプターに観測ヘリコプター、哨戒機とそして輸送機の製造を担当している。C-2もね。

 UH-60救難ヘリコプターが離陸準備を開始します。この離陸準備の様子をかなり後ろの方から撮影したのだけれども、やはり基地というのは水はけを考えて航空機格納庫は一段高い位置に建設されているのですね。最前列の方が飛行機が見やすいのが分るのだけれど。

 発着の様子を格好よくカメラで写真に収める、という航空祭の醍醐味はあるのですが、しかし純粋に発着ならば、平日に何とか休みを確保するならば日常訓練を公園や県営名古屋空港から撮影出来ない事はない、すると航空祭らしい撮影位置は、と考えてしまうのだ。

 C-130H輸送機の機動飛行が行われます。C-130H輸送機というのはアメリカのロッキードマーティンが製造、いや開発当時はロッキード社でしたが、戦術輸送機の決定版というべき装備でした、そのひとつ前の決定版という輸送機はC-46輸送機で、良い輸送機でしたが。

 C-46輸送機、よい輸送機じゃないか、とKC-46空中給油輸送機を見上げながら云わない様に、別物です、KC-46空中給油輸送機はボーイング767が原型機ですがC-46輸送機は民間ではDC-3という旅客機が基本で、まあ2tの貨物を搭載出来る使いやすい輸送機です。

 戦術輸送機、C-46の難点は貨物扉が側面にあるためジープなどを輸送できない事でした。いやいまでこそ胴体の後部にカーゴハッチを配置する選択肢が輸送機の基本ですが、その為の主翼の配置など、C-130輸送機が開発されるまではかなり右往左往していたのですよ。

 C-123輸送機の開発当たりでアメリカは覚悟を決めたのですが、それまでは真剣に旅客機型の輸送機で重装備を運ぶ、DC-6輸送機などが検討されていた、要するに旅客機型の機体に統一して機種を整理したいという考えが在ったのでしょうが、体系として二分化してゆく。

 C-130輸送機の凄い点はC-130Eなど初期の機体から自衛隊が運用するC-130H輸送機、そして最新鋭輸送機として自衛隊に採用が期待された1990年代のC-130J輸送機、その胴体を更に延伸して嵩の在る装備を搭載出来るC-130J-30など、進化を続けた点があげられる。

 野戦飛行場は勿論草地のような場所でも発着できるよう着陸装置が兎に角頑丈で、逆に言えば完成系の航空機である為に、改良は出来ても置換える後継機の開発に苦労している、いやアメリカでも無尾翼化するとか、一定角度まで主翼を可動させ短距離型などを考えた。

 しかし、完成した形のものを別の形にするのは難しいです、例えばノートパソコンとか、新機種は出ても液晶を固定化するとかキーボードをマウス入力だけにするとか、そういう改造は出ませんしタブレットPCもノートパソコンを置き換えるには至らない、それと同じ。

 OH-6D観測ヘリコプターが、飛行展示とは無関係に離陸を開始しました。まだC-130H輸送機は飛行を継続している、いや機動飛行の後には編隊飛行をもう一回行いそうな飛行経路でしたので、慌てて航空祭プログラムを見るが、航空祭プログラムを視ましても、ない。

 航空祭プログラムは入場の際に手荷物検査を終えた少し先などで配っているのですが、こういう時の為に入手しておくと即座に確認できます、そしてカメラバッグに仕舞ったままにしておいて、奥の方や底の方に五年前渡河のプログラムが出てくるとか、多いですがね。

 OH-6D観測ヘリコプター、もしかして帰投フライトなのかもしれない。そしてこの2019年というのはOH-6D観測ヘリコプターが全機用途廃止される年度ですので、これは撮影しておきたいものです。いや、だから早めに帰投フライトを済ませるのかもしれないけれど。

 帰投フライトは航空祭を行う基地の側としてはかなり難しいもので、外来機で珍しい機体や退役が迫る機体や米軍機が来ていると、かなりの来場者がその離陸を撮ってから帰ろうとする、しかし基地側としてははやく後片付けを終えてしまいたい、難しい状況になる。

 OH-6D観測ヘリコプターは早めに帰る事としたのでしょう。そして、このOH-6D観測ヘリコプターは、自衛隊に必要な航空機なのですが後継機が選定される事無く廃止されてしまいました。無人機でも対応できるという言い分はありますが、無人機では後継は無理だ。

 着弾観測だけならば無人機で行えるのでしょうが、陸上自衛隊が二人乗りのOH-55観測ヘリコプターの後継にOH-6D観測ヘリコプターを導入したのはもう少し幅広い運用を考えて。その次にOH-1観測ヘリコプターを導入したのは敵戦闘ヘリコプターの迎撃に備えて。

 OH-1観測ヘリコプターが開発され、もっとも当初計画の250機大量生産は難しいのではないか、とは思ったのですが130機くらいは量産されると考えていました、また技術研究本部と川崎重工はデータリンク能力付与を実験していましたし、改良型も提案していました。

 斥候にしても情報収集にしても、結局は人間が視た印象、敵が居そうか、どの程度準備をしているのか、こうしたものはまだ、特に光学情報だけでは把握できません、無人機が不要だとは云わないのですが、同じくらい有人の情報収集手段も重要だ、と考えるのです。

 MQ-8ファイアスカウトのような無人機を本気で導入するならば、まあそんな手もあるよね、と書くところではある。MQ-8ならばOH-6と同程度の行動半径がありますし、連絡機野球間輸送には対応しませんが、物資輸送能力と、そして対戦車戦闘能力が若干ありますし。

 OH-6D観測ヘリコプター、しかしこれは“官僚は間違いを犯さず”の原則からOH-1観測ヘリコプターの調達失敗を文面から受け入れられず、まあ困るのは内局じゃないし、と区分ごと廃止するよう行政的に決定し、現場に押しつけたようにも思えてならないのですね。

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【日曜特集】小牧基地オープンベース2019【3】C-130H輸送機と南西方面将来戦場の想定(2019-11-09)

2023-04-16 20:21:43 | 航空自衛隊 装備名鑑
■南西防衛と輸送機任務
 ヒコーキを純粋に見上げて楽しめた時代と防衛政策という段階まで考えるようになって見上げる航空機は、不思議と違ったもののように見える。

 輸送機、自衛隊の南西防衛を考える場合、この位置づけをどのように考えるかという部分が意外と重要になります、こう言いますのも、恐らく遠くない将来に自衛隊が想定しなければならない南西有事の戦場は、世界で最も過酷な戦場となる可能性が高い為です。

 厳しい戦場となる、その背景は2000年代には想定できず2010年代にもそれ程想定しなかったほどに中国軍の近代合が進み、最早張子の虎などというように考えるのは、日本経済が中国経済を凌駕する程に難しくなっている、という厳しい現実の裏返しとなるのです。

 日中戦争の頃とは比較にならない中国軍がそこには存在していまして、言い換えれば海上自衛隊はミッドウェー海戦やマリアナ沖海戦の頃に世界に有していたポテンシャルから大きく変っているほどに、あの頃の時代と現代とは世界と装備体系が変わってきている。

 那覇基地は、中国本土からの長射程地対空ミサイルの射程内に入るため、南西有事の第一線となるであろう先島諸島へ輸送機による強行輸送を考える前に、まず本土から沖縄本島までの輸送をどのように展開するのか、という段階まで遡らなければならない状況です。

 強行輸送は、恐らく第二次大戦中の義烈空挺隊のような、厳しい損耗を強いられる事となるのでしょうが、忘れてはならないのは自衛隊の輸送機があの頃とは比較にならない程に数が少なく貴重なものとなっていて、損耗を前提とした輸送作戦などは立てられません。

 長射程地対空ミサイルや広域防空艦による南西諸島封鎖、潜水艦と空母艦載機の脅威というようなものを、勿論航空自衛隊はある程度想定はしているのでしょうが、例えば輸送機を母機とした電子作戦機、EC-2を既に開発していますが、この重要性は今以上にたかい。

 EC-2のような航空機が、輸送機の編隊にはかららず随伴して電子妨害を行い地対空ミサイルからの防衛を担う、これがある意味輸送機を運用する最低限度の条件となるのかもしれません、こうした高僧はスタンドオフ電子戦機という構想で既に検討は、されている。

 ラピッドドラゴン構想のように、輸送機そのものをスタンドオフミサイルの発射母機として運用する、つまり有事に際しては相手が攻撃に着手した後では輸送機はとても飛行させられない為に、脅威対象から1000kmの離隔距離をとり戦うという検討も必要でしょう。

 スタンドオフミサイル、射程1000kmを超えれば、中国の地対空ミサイル射程は500kmほどですので辛うじてその脅威圏外に展開できます、ただ、広域防空艦が排他的経済水域の日中中間線付近まで進出した場合には、本格的に沖縄本島がその脅威圏内にはいります。

 ラピッドドラゴン構想は、輸送機の機内にコンテナ方式のミサイル発射装置を搭載し、空中投下する形で機体の外に展開させた後で発射する方式で、C-130輸送機からも6発を投射する研究をアメリカが進めています、これによりF-15並の打撃力を持つ事となります。

 沖縄本島への強行輸送、しかし同時に有事の際に沖縄を見捨ててよいのか、いやまたしても見捨てる、と1945年沖縄戦の反省と共に、沖縄を守れない政府では、今度こそ沖縄県の民意が日本という共同体から離れてゆく事となりかねません、検討しなければならない。

 義烈空挺隊のような危険な輸送、特攻作戦のような輸送は論外ですが、本土からの防衛部隊展開と本土への疎開希望者輸送、こうしたものを校区自衛隊輸送機は取り組まねばなりません。すると、現在の輸送機部隊はその必要数を満たしているのか、非常に疑問である。

 防衛費GDP2%,こうした決断を岸田政権は示しまして、2022年安全保障関連三文書にも明示しました、ただ、金額が先行していて、何が不足している防衛力なのか、という部分と共に、中身への政治の議論が不充分であり、政治はどう防衛を考えているのか、と。

 中国軍の戦力は強大となりましたが、自衛隊の2010年ごろまでの防衛力であれば当時の中国軍の軍事圧力をなんとか跳ね返す水準が有りました、問題は2010年代から2020年代に向けて、防衛費が不足している状況を看過し日中の防衛力格差が開いた事にあるのでは。

 輸送機はその一つの視点であり、個人的にはC-130輸送機の後継機にC-2輸送機を充てるべきと考える、そしてC-2輸送機の飛行隊は飛行隊定数を削減していますがC-1輸送機時代の15機前後を定数とするべきだと考える、それはそれだけ輸送需要が拡大したため。

 即応機動連隊のように自衛隊は空輸支援を受ける前提での緊急展開部隊を整備しています、しかし、空輸しなければならないものが増大したのに肝心の輸送機を減らされてしまっては、どうやって運ぶのか、緊急展開出来ないではないか、という問題が放置されたまま。

 EC-2のような航空機に電子防護を受けミサイル脅威を回避しつつ輸送機を展開させるという方法は、中国軍のミサイル脅威を考えれば当然必要であると共に、EA-18G電子攻撃機の様な機体を用いて相手のミサイル陣地を直接たたく防衛力整備よりは中国を刺激しない。

 疑問としてもつのは、アメリカ国防総省などは“議会報告中国の軍事力”というものを毎年作成し、その上で中国に対抗する為の防衛力整備の指針を示しています。手の内を見せないとして秘密主義に走るわが国と違い、手の内を示し相手に抑止力を突き付けています。

 議会報告中国の軍事力、Webで公開されていますので頑張って英文を、最近は昔では考えられない程機械翻訳の支援が役立つ時代、これを読んだ上で陸軍2030計画や海兵隊将来構想2030などを読み比べますと、なんとかなる、という希望のようなものが見えるのだが。

 日本の防衛力整備は、脅威をどのように認識したうえで防衛装備品の取捨選択、という論理が飛ばされています。この当たり、秘密主義として手の内を見せない事としているのかもしれませんが、どうしても公開されるのは民主国家故の毎年の予算と調達情報です。

 予算と調達情報を見れば、これで中国軍は台湾海峡で事を越そうとしても自衛隊が何とかできる、とはとても思う事は出来ず、そもそも即応機動師団でさえ中国の中型合成旅団に対抗できるかが怪しい、即応機動連隊の能力と火力に限界を感じざるを得ない状況が。

 福島第一原発事故の再来となるのではないか、いや原発が攻撃されるという近視眼的な発想ではなく、あの事故が発生するまで、電力会社には原発事故を起こさせないし発生した場合にも管理する技術が有ると信じていたが、実際にはそんなものは無かった事が在った。

 安全神話、というべきものでしょうか、福島第一原発事故が起こるまで原発は管理されているという一種の安全神話が在ったように、防衛力についても自衛隊の防衛力で国土と国民の生活は守られるという安全神話を、国民の多くは信じていないか、検証もせずに。

 防衛力を見るにしても金額が先行で中身も、そもそも中国軍事力とロシア軍の軍事力を具体的に検討し研究しなければ対策は立てられないはずなのですが、此処を無視し金額の議論だけが独り歩きしている様に危惧します。防衛力はもっと比較され検討されるべきです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】小牧基地オープンベース2019【2】C-130H輸送機とC-1輸送機大空の共演(2019-11-09)

2023-03-26 20:03:00 | 航空自衛隊 装備名鑑
■ニッポンの輸送機事情
 小牧基地航空祭特集も前回の掲載からちょっと間が空いてしまいましたが体制を建て直して連載を再開です、こうした写真を掲載用に加工する事で防衛情報などの記事に役立つ。

 C-130H輸送機、航空自衛隊に加えて海上自衛隊も同系統の輸送機を採用している、世界中で採用されている傑作輸送機となっています。しかし現在生産されているのはC-130J-30輸送機でC-130Hは相応に旧式化と老朽化が進んでおり、今後の去就が注目されます。

 C-1輸送機、飛んできました。入間基地第402飛行隊のC-1輸送機で、これは嬉しい誤算と云えるところです。C-1輸送機は1970年代の輸送機ですので撮影の時点でも順調にC-2輸送機へ置き換えが始っている航空機ですが、小型であるものの使いやすい輸送機です。

 入間基地はC-2輸送機へ機種転換を、その前に航空祭へ2020年にでも、と思ていたのは今は昔で、その航空祭の翌年にCOVID-19新型コロナウィルス感染症が襲来するとはとても想像もできませんでしたので、撮影できる機会をこのとき逃さなかったとふりかえる。

 8tしか搭載出来ない輸送機ですが、速度が非常に速く24時間当たりの輸送力をかなり高く維持する事で、輸送力を補う、そして非常に運動性の高い輸送機であり、勿論この機体規模で運べないものは多いのですが、生産数も多く、日本の航空史上では成功した機体だ。

 C-130H輸送機、今後は水色の迷彩に置き換わりが始まる、とは2023年の航空祭における紹介でした、しかし水色の迷彩は元々航空自衛隊が2003年のイラク戦争を契機にイラク復興人道支援への空輸支援を実施する際、採用された迷彩ですのである種回帰といえます。

 空色のC-130は、日本独自の塗装という事で海外の航空愛好家には注目されたといい、確かに一時期県営名古屋空港付近でも海外のお客様が見えました。一方で、航空自衛隊は給油ポッドの追加を行い、C-130H輸送機の一部をKC-130H空中給油輸送機へ改造しました。

 U-125捜索救難機廃止、唐突に昨年政府が発表した方針を唐突に此処で提示してみるのですが、もしかするとC-130HをKC-130Hとすることで救難ヘリコプターへの給油能力を強化すると共に、捜索救難機としての用途をU-125からC-130へ移管するのか、とも考える。

 KC-130,世界で海上における捜索救難を支援するのはC-130規模の輸送機であり、これには救難員の降下など、U-125では難しかったヘリコプターに先行しての捜索救難も可能となっています。そして捜索救難は今後自衛隊でも戦闘捜索救難の段階に進むのでは、と。

 戦闘捜索救難というのは、有事における救難で要するに貴重な航空搭乗員を救難する際に敵対勢力が妨害行動や攻撃を加えてくるという状況を排除して、救助するという任務です。これまでのように、平時の事故から操縦士を救うというよりも進んだ状況の想定という。

 U-125は、必要な航空機であると考えます、いや航空自衛隊の航空救難任務にほんとうに不要ならば情報収集能力が高いものですから、陸上自衛隊に移管してLR-2連絡偵察機の後継に充てては、と考える程の性能を有しています。ただ、特殊作戦機たるか、というと。

 C-130H、他方で全て航空救難に充当できる程航空自衛隊に余裕が無い、という問題もあります、その背景にはC-2輸送機の稼働率の問題があります、つまり稼働率が低いものの、更に飛行隊定数を削減してしまった為に即応機を日施輸送と別に用意できない状態が。

 C-2輸送機の欠陥というような問題ではなく、これは要するに“一眼レフを十台持っているが交換レンズは全部で八台しかない”、“交換レンズの中で広角レンズと望遠レンズとズームレンズのどれかは整備中”、“全部のレンズを揃えて撮影に行けるのは僅か”という。

 維持費用と予備部品、防衛予算を削り続けた為に、飛行隊定数は少なく削減され、これで充分だという政治的な文書が用意され、実態はたりていないものの帳簿上はたりている事となっている、故に緊急事態に即応する為に数日間を要する、というような状況がある。

 予算を増やせ、とは言い続けているところですが、昨年政府は防衛予算を増やす決断をしました、しかし、その予算でたりていないものを調達するのではなく、新しい“反撃能力”をかなりの予算を割いて調達する為に、当面やはり予算不足は続く、ということなのです。

 C-130H輸送機、海上自衛隊がかなり安価に中古のC-130R輸送機を導入しまして、この選択肢があるのか、と一瞬考えさせられましたが、一方で世界の中小国で予算に余裕の無い諸国は何故中古機を導入しないのかを考えますと、維持費と稼働率の悪さが挙げられます。

 防衛費を増やすものの新しい装備ではなく装備体系ごと新規に構築するというのは、住宅ローンに苦しみながら共働きにして余裕が出たので住宅とは別に御所西にマンションを買う、というようなもの。先ず必要なものを揃えた五年後に反撃能力を整備しては、と思う。

 KC-767空中給油輸送機の編隊飛行とともに、このKC-767は、航空自衛隊にかく事の出来ない装備体系の一つを構築したといえます、それはKC-767空中給油輸送機とE-767早期警戒管制機とC-2輸送機、エンジンを共通化出来た、という点なのですが、重要です。

 E-2C早期警戒機とC-130H輸送機とP-3C哨戒機、エンジン系統を統合出来た事例が過去にありますが、この共通運用基盤の構築には大きな意味がある。他方で惜しむべくは予算不足でKC-767を充分に揃える前に生産終了となり、KC-46A導入、二機種となったこと。

 KC-46A空中給油輸送機はKC-767と同じボーイング767系列の派生型航空機となっていますが、細部はそもそも767系列というだけで相違点があります。もっとも、機体自衛装置や遠隔操作給油装置などの追加、KC-767の頃とは導入された技術も大幅に違うのだが。

 空中給油機、導入開始から、初号機の到着を岐阜基地で撮影した事を懐かしく思い出すのですが、情勢は大幅に異なる厳しい状況となり、特にその運用先進国であるアメリカでは、鈍重で大型の空中給油機が将来の長射程ミサイルが飛び交う戦場で使えるのか議論がある。

 台湾海峡有事や南西諸島有事では、中国空軍戦闘機から運用される空対空ミサイルの射程が数百km台まで延伸している事から、空中給油機はもちろん早期警戒管制機でも危険であるとして、E-3早期警戒管制機を、小型のE-7A早期警戒機に置換える動きさえあります。

 安全保障環境はどうしても動いている、動き続けているものなのですが、アメリカでは暫定的な解決策に、操縦士一人で運用し給油作業は地上から遠隔操作、これにより撃墜された場合の被害を局限化する、というかなり厳しい運用を想定しているとのことでした。

 しかし、自衛隊の様に時間を掛けて防衛力を整備するという現状は、果たして将来の脅威に対応できるのか、それは専守防衛故に国土が戦場となるため、想定を見誤ればたくさんの同胞が戦場に巻き込まれ住宅を含め生命財産を失う事に直結しているというのですね。

 そして、この現状はもう少し国民の関心事として挙げられて良いように思うのですが、結局のところ、昨年の安保三文書改訂で最大の議論となったのは予算、税金の部分だけであり、中身などを知ろうとする努力は他人事か、ちょっと不安となる要素が増えたのです。

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【日曜特集】小牧基地オープンベース2019【1】航空祭再開前に前回の航空祭総覧(2019-11-09)

2023-02-19 20:00:58 | 航空自衛隊 装備名鑑
■小牧基地航空祭2019
 来たる来月五日に小牧基地航空祭が開催されるとの事で皆様こころの準備は如何でしょうか。今回から前回の航空祭の様子を紹介しましょう。

 小牧基地航空祭の朝ほど気持ちのよい航空祭はありません、いや厳密にはあるのかもしれませんが格別なのです、なぜならば小牧基地の正門は太陽を背に位置していますから、もう晴れていればこれもかというほど順光なのですね、航空祭いよいよ始まる機運みなぎる。

 いよいよ来月、小牧基地航空祭が執り行われます、延期に延期を重ね2022年度内、しかしCOVID-19新型コロナウィルス感染症もようやく落ち着きました。そこで前回行われました小牧基地航空祭の模様を今回から数回に分けて日曜特集としてお伝えしたいと思います。

 ファントム、当時の貴重なカラー写真、こう大袈裟に表現するつもりはないのですが、2019年航空祭の次に2020年航空祭が行われて2021年のそして次の、というように航空祭が毎年行われるというのは当たり前以前の日常風景の様に考えていました。これまでそうでしたから、ね。

 前回の小牧基地航空祭、こう紹介しますのはCOVID-19新型コロナウィルス感染症により航空祭が全く行えない期間が続いていまして、2020年代は驚くべきことにまだ一度も航空祭は行われていません、来たるべき航空祭再開に向けて、前回の航空祭をみてみましょう。

 C-130輸送機とKC-767空中給油輸送機、そして救難教育隊の基地である小牧基地、飛行展示は多種多様でなかなかに迫力ある展示と、なにより米軍のぞけばC-130が配備されている基地は、ここ、だ、けと、まあ厳密には海上自衛隊も厚木基地に配備はしているのだが。

 C-130H輸送機に対して厚木基地は騒音問題の関係もありますから航空祭での派手な飛行展示が望めない、という事情もありまして、なかなかの迫力がある航空祭とおもう、けれども来場者がそれほど多くないというのも不思議でして、ちょっとおもしろいのですよね。

 名古屋から地下鉄で一本、いや二本か、小牧基地は交通の利便性が高いのです。名古屋と云えば大都市、新幹線のぞみ号も停車しますし駅前から繁華街の栄に大須を筆頭にホテルなども多く、名古屋城の城下町ということもあり散策していますとなかなかにたのしい。

 地下鉄で一本というのは、これは上飯田連絡線という名鉄線と地下鉄線を連絡する路線が整備されたためなのですけれども、環状線となっている地下鉄名城線に名鉄小牧線がリンクしている、つまり乗り換え一本ということです。ただ名古屋駅から若干時間はかかる。

 名古屋で働く友人は小牧線沿線に家を建てたという方がいまして、また、岐阜と名古屋と勤務地が定期的に変わる友人も沿線にマンションを購入したという。名古屋駅まででなくとも仕事場が各務原線沿線ですと逆にこちらのほうが便利、ということなのかもしれない。

 牛山駅は最寄り駅です、間違えて牛浜駅のほうにいかぬように、Cー130輸送機が配備されている基地へ行きたいのですが牛浜駅はどちらでしょうか、と聞きますと確実に第374飛行隊の展開する在日米軍横田基地の最寄り駅である牛浜駅の乗り換えを案内されてしまう。

 祇園精舎というのはどこでしょう、京都観光の話題で定番の笑い話ですが、ええと京都駅でですね特急はるか号に乗っていただき関西空港へ、そこからエアインディアの直行便かバンコック経由便でまずデリーまで行っていただけると、となりますので注意が必要です。

 牛浜駅ですか、そおですねえ先ず名古屋駅で東海道新幹線のぞみ号に乗っていただいて東京に行ってですねえ、そこから中央線の青梅路快速に乗り換えていただくか八王子まで中央特快に乗っていただいてそこからそこから、となってしまう。牛山、間違えられぬよう。

 基地正門は開門待ちの行列ですが、小牧基地航空祭、撮影位置は、まず航空祭なのだから最前列を押さえる、というのもよいにはよいのですが、さてどうするか慎重に考えたい。こう考えている最中にオープニングフライトが頭上を飛行してゆく、航空祭の始まり。

 KC-767にC-130H輸送機、オープニングフライトが開門待機列の上空を鮮やかにここは名古屋空港に隣接している日本屈指の、航空祭のほかの日でも撮影しやすい基地なのですから、航空機発着は日常のそういう際に撮影する選択肢もあります。そして今日は航空祭だ。

 オープニングフライトが頭上を飛行しまして、やはり航空祭プログラムを見た時点で、合い門と同時に飛行展示が行われる時間帯でしたから、このオープニングフライトが間に合うように基地に入るのはどだい無理だったのだなあ、と考えさせられるとことでした。

 撮影位置はしかし開門と共に列が動き始めましたのでどうするか、丹念に計画しても何が起こるかはその日までわからないのが航空祭ですのでちょっとは考えるのです。やはり滑走路間近の撮影位置となると最前列かあ、それでもはずしたくはない選択肢ともいえる。

 最前列にはやはり航空祭の様子がよくみれる、具体的には、日常に発着をみれるとはいっても、これは県営名古屋空港の展望デッキや航空館BOONといった、基地からは滑走路の向こう側で撮影するのですから、午前中は逆光ともなる、すると発着を最前列でとりたい。

 誘導路、C-130H輸送機の基地である小牧基地なのですから、主役はC-130H輸送機です、もちろんKC-767を運用している要員のかたに、そんなこというなら航空祭で飛ばないぞ、と怒られてしまうかもしれませんが、まあ、長年親しんでいるのはC-130Hのほうです。

 C-130H輸送機は編隊飛行しますので、誘導路を一本になって、つまり単縦陣という、こう重なるように進む様子は、おお航空祭の飛行展示で撮影したのだよなあ、という気概をみなぎらせてくれる情景として撮影できるのかもしれません、迫力がある構図となろう。

 エレファントウォークのような迫力の構図、飛行展示を終えて会場に戻る様子を撮影するには誘導路の位置を考えて最前列をとるという選択肢が考えられます。C-130H輸送機の編隊飛行は迫力があります、四発機ですので四機編隊ではエンジンは16基もあるのだから。

 編隊飛行、するとたとえば地上展示の、たとえばそろそろ先が見えているC-1輸送機の前とか、いややはり地元でC-130Hの飛行展示はC-130Hとともに、とC-130H輸送機の前で撮影してみるのもなかなかよいかもしれません。ここからは技量よりも工夫の世界です。

 広角レンズで手前の輸送機が入るように地上展示航空機と編隊飛行を、できるだけカメラを低い位置として撮影するのも、かっこういい写真を構図として仕上げられるのですね。しかし、これはほかの基地もそうなのですけれども、1歩引いた方がいい写真に出会える。

 格納庫の入り口あたりが少し標高がたかい。格納庫付近で撮影しますと、これは手前に最前列を確保している愛好家や家族連れを構図に入れるのですけれども、航空機と大勢の入場者という、ここは航空祭当日に撮影したのだ、という構図で仕上げることもできるのだ。

 格納庫周辺というのは、あと後ろの方が一般論として混雑していない。航空祭らしい風景を撮影するのですからたくさんの見学者と航空愛好家が集まってざわざわがやがやしていた方が、説得力といいますか、行事らしさ、というものが醸し出せるのかもしれません。

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【防衛情報】エアバスA-400M輸送機,消防航空機改良キットと空中無人機母機やSAF代替燃料試験と異機種協同

2022-11-29 20:11:41 | 航空自衛隊 装備名鑑
■世界の防衛最新論点
 先日C-2輸送機のライバルであるKC-390を特集しましたが今回はもう一つのライバルであるA-400Mの最新情報です。

 フランスのエアバス社はA-400M輸送機を消防航空機とする特殊器材試験を実施しました。欧州地域では乾燥した時期に頻発している大規模な山林火災を背景に消防航空機の需要が高まっています、しかし水上飛行機や小型機など消防用航空機にも散られる機体は概して小型であり、輸送ヘリコプターと比較しても、その空中放水能力は限られていました。

 A-400M輸送機からの放水試験は時速210km/hの低速で20tの放水を10秒間で行うというもので、この試験にはスペイン空軍第43航空隊とEU欧州連合MITECOなどが支援に当っています。消火システムは機内内蔵方式を採用しており、この消防用水槽は既存のA-400M輸送機すべてに追加式で装着でき、取り外しなども迅速に行えるとのことです。

 消防航空機としては、貨物室に固定タンクを搭載し、貨物扉に延長させた二つのパイプから導水する方式を採ります、これは一挙に貨物室から短時間で放水した場合に重心へ影響する為と考えられます。A-400M輸送機は元々空挺作戦用に低空飛行能力を高く設計されており、これによりおおよそ600mの区域にわたって大量の放水を行う事が可能となります。
■ウェットシルク演習
 A-400M輸送機とC-130J輸送機の共同訓練が行われましてなにか2020年の空挺降下訓練始めを思い出します。

 アメリカ陸軍第173空挺旅団は7月29日、ドイツ連邦軍第26降下猟兵旅団とのウェットシルク演習を実施しました、なお、この演習はアメリカ空軍のC-130J輸送機とドイツ空軍のA-400M輸送機が参加し、二機種の輸送機が同じ空挺作戦を同時に実施できるという能力の確認にもあたっています。この訓練の特色はその演習降下地域が挙げられます。

 ウェットシルク演習はその名の通り、ウェットなドイツのコンスタンツ湖、ボーデン湖において実施され、湖に空挺降下させるという演習です。アメリカ陸軍第173空挺旅団から2機のC-130J輸送機に分乗した75名、そしてドイツ連邦軍はA-400M輸送機1機に搭乗した第26降下猟兵旅団からは75名が参加しました。A-400M輸送機の輸送力の大きさだ。

 A-400M輸送機とC-130J輸送機は、しかし演習当日が悪天候に見舞われ、降下できたのはアメリカ陸軍が68名、ドイツ連邦軍が10名のみとなっています。NATOでは水上効果能力の強化を進めており、水上への硬化と着水、降下直後に落下傘から離隔を採るべく25mを急いで泳ぎ、そのまま10分間ボートまたは湖岸に向かって泳ぐ三段階から構成されます。
■A-400M無人機母機
 小型無人航空機の空中空母に輸送機と云うものの輸送能力は有用な選択肢となります。

 フランスのエアバス社はA-400M輸送機からのDo-DT25無人機による空中無人機発進試験を成功させました。これは2022年に入り実施されたもので、将来航空戦闘システムの要諦となるMUM-T有人無人協同運用に関する重要な一歩です、今回はドイツ北部上空において発進試験を実施し、その後無人機は発進直後に落下傘により地上に着陸しています。

 A-400M輸送機を用いたMUM-T有人無人協同運用とは、将来の戦闘で高密度の地対空ミサイル等で防衛された地域での作戦にいきなり第五世代戦闘機や第六世代戦闘機を導入しての損耗を回避する為、先ず戦闘機部隊後方から無人機を展開させ、戦闘機部隊を超越前進し情報収集や必要ならば囮として有人戦闘機を損耗から守る運用などが考えられている。

 Do-DT25無人機は今回、発進直後に落下傘を開き飛行時間は限られていましたが、地上までの間にデータ伝送実験に成功しています。またこのDo-DT25無人機は2021年にドイツ空軍が実施したティンバーエクスプレス演習においてユーロファイター戦闘機への情報伝送実験に成功、更にエアバスはDo-DT25を5機同時管制する試験にも、成功しています。
■SAF代替燃料
 SAF代替燃料は民間航空機等で進められている温室効果ガス排出抑制対策です。

 フランスのエアバス社は2022年夏よりA-400M輸送機についてSAF代替燃料による評価試験を開始しました、SAF代替燃料とは従来の化石燃料に代わる再生可能エネルギーであり、バイオエタノールなど生成に際し光合成過程を通じて二酸化炭素を吸収した原料を用いる、全体として温室効果ガスを排出しない環境負荷を考慮した次世代燃料を示します。

 グリズリー 4、今回の試験は四基あるエンジンの内一基をSAF代替燃料により稼働させる事となり、食用油や廃棄野菜廃棄脂肪分などから精製した燃料で作動させました。廃棄食用油燃料は第三回気候変動枠組み条約締約国会議が京都で開かれた頃から京都市バスなどでも用いられていますが、SAF燃料は航空燃料と同じ特性を持ちそのまま利用できます。

 A-400M輸送機による試験では、一基のみSAF燃料を用いている為、全体で見れば25%をSAF燃料で飛行させたことになります、そして同時にエンジン停止リスクにも対応すると共に他の通常航空燃料によるエンジンとの比較も実施できたとのことです。SAF燃料は気候変動対策と航空輸送を両立させる切り札であり、エアバスはこの点を強調していました。

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【日曜特集】百里基地航空祭二〇一二【17】ファントムとイーグルと大空の航空祭は大団円迎える(2012-10-20)

2022-11-06 20:01:13 | 航空自衛隊 装備名鑑
■機動飛行!白梅のイーグル
 2022年の百里基地航空祭は12月4日に行われます。今回の百里基地航空祭の様子が撮影に歩み進められる方の参考となれば幸い。

 F-15イーグルの機動飛行、丸一日百里基地航空祭を堪能しましたが此処がいよいよの大団円と云うと寂しい、しかし撮影をするうちに確かに日が傾いていまして、一日のおわりと共に航空祭の終盤を感じさせるものですが、いやあ、撮影したものですこの航空祭を。

 白梅のイーグルは百里基地、水戸黄門の西山荘もこの百里基地から指呼のというほどではないものの常磐線でそう遠くは無い距離にあるのですが、いまは転地し南西防空強化へ展開しているものの、この百里基地で見上げる白梅は、なにか遠くに来た満足感に繋がる。

 水戸市、百里基地の方は宴会といえば水戸市、というような距離感と云うのですけれども、ちょっと交通が不便な基地という印象があるのですよね。いまは空の駅らら、という少女漫画雑誌のような名前の商業施設があるようですが、あとは県道144号線沿いに少し。

 百里基地航空祭、いまでは自衛隊も相当工夫していまして協力会社による協力体制も凄いことになっていまして、東京の毎年行っている友人曰く、ああコロナ禍下では航空祭は無いのですけれども、シャトルバスが大洗海水浴場から便利に運行されているとのこと。

 路線バス、協力会社というのは関東バスを筆頭に関東一円から集まるバス軍団、考えると赤字路線バスの収益改善に、こうした航空祭輸送の助っ人輸送というのはそれなりに活躍しているのでしょうか。なにしろ航空祭、輸送旅客はあの富士総合火力演習よりも多い。

 渋滞航空祭、百里基地航空祭といえば渋滞が名物でした、いや迷物といったほうが良いかもしれない、少なくとも歓迎されていないことは確か。これは百里基地周辺が航空祭の際に限られた駐車場、その駐車場を結ぶ一車線道路により延々と渋滞し、それが名物に。

 隔離基地という、北大路機関が創設される少し前まで地平線が見えたとか、首都圏の基地なのに牛の放牧がみられたとか、それはもう人口密集地とはとてもいえないような田舎の基地、そこに航空祭となりますと五万とか七万とか押し寄せますので渋滞してしまう。

 鹿島鉄道、それでも2005年までは百里基地の近傍まで鉄道線が運行されていまして、これもローカル線ですので輸送力は知れていたのですが、それでも線路上は渋滞しませんので、輸送力が重宝されていた、のですけれどもこれが廃線であるのは過去形で示したとおり。

 基地輸送の燃料輸送列車と港湾への貨物輸送がそれなりに収益を支えて、そしてそのついでではないけれども旅客輸送をおこなっていたような会社で、燃料輸送が廃止となったあたりで、存続できなくなったのでしょう、しかし、航空祭は移動が困るようになります。

 石岡駅、百里基地の最寄り駅はJR常磐線の石岡駅です。ただ、最寄り駅はと基地の方に聞きますと、こまったような顔をされますのは、最寄りというのは余りに距離が離れているというものでして、16kmもあるという。西舞鶴駅から舞鶴基地までよりも、距離は遠い。

 舞鶴を一例としましたが、出町柳から鞍馬までよりも遠いものですし、京都駅から金閣寺まで、岐阜駅から岐阜基地、藤沢駅から横須賀基地、ハウステンボスから佐世保駅、ともかく歩いてゆくことができないわけではないのですが、四時間は見ておく必要がある。

 シャトルバスの渋滞、始発か次発のシャトルバスを利用しますと、渋滞にはまっても二時間くらいでつきますので、ようするに直線距離16kmの移動というのは渋滞に巻き込まれると時間がかかることを念頭に、ほんとうに余裕を持って行動する必要がある、航空祭だ。

 200台くらい追い抜いた、名神高速の隣を270km/hで追い抜いた際と百里航空祭を徒歩で移動した際の感想です、警察も追いつけない新幹線のぞみ号を使えば名神高速の木曽川付近の高架では簡単にできますし、百里基地の航空祭当日の渋滞の横を移動するとできます。

 グリッドロックという、完全に動かない渋滞、災害時の渋滞をこう表現するそうですが、百里基地航空祭のもそれに近い。その背景には限られた駐車場と、行けばどうにかなるだろうという方の渋滞、人気も高いが敷居も高いのは航空祭、渋滞という印象でした。

 2010年代後半の百里基地航空祭は、この抜本的解決に乗り出しました、駐車場を大洗海水浴場、25km先に設定したのですね。横浜のイベントに横須賀の駐車場を使って路線バスの移動とするような方式に近い。25kmはかなり無謀に思えたのですが、これが成功している。

 大洗海水浴場は首都圏最大の海水浴場といいまして、二万台くらいは収容できます、そして航空祭は十月から十二月、海水浴のオフシーズンですので、あんこう祭りとか行うとき以外は閑散としている。ここに航空祭の駐車場を確保し、ここからシャトルバスで結ぶ。

 大洗の鹿島臨海鐵道とは別会社の鹿島鉄道という路線が石岡駅と鉾田駅まで27kmの路線が昔ありまして、一時間に一本運行されていました、鉄道はバスよりいいと思うのは線路が維持されていれば定時制が高く、渋滞に巻き込まれない、お金に代えられない利点が。

 鹿島鉄道も、基地近傍まで路線があった時代に、例えば急行列車で石岡から基地まで直通列車を急行料金込みで運行し、ぼっているのではなく鉄道を来年まで存続させるためにご理解とご協力を、と運行していたならば、収益を維持できたのか、とおもったりする。

 シャトルバスは時間帯ごとに、駐車場時間帯利用中線が行われていて、事前応募製という。早いバスは夜明け前から運行していて、早い時間帯の駐車券を確保しますと、非常にスムーズに基地へ移動できる、そして茨城県警の交通統制もあって、最近は渋滞が短いとも。

 BRTバスレイルトレインシステムという、廃線後の線路を撤去してバス専用通路を設定する鹿島鉄道のバス路線開通も、じつはちょっとだけ道路区間の渋滞がダイヤを乱すのですが、これも基地、ではないが、基地と滑走路を共用する茨城空港への移動を便利とした。

 茨城空港は、旅客機の運行本数がそれほど多くはないのですけれども、この空港から百里基地を一望できますので、そちらのバスによる旅客輸送需要というものはそれなりにあるのでしょうか。茨城空港にもわずかながら飲食店がありますので、ここからも撮影できる。

 ローカル空港、神戸空港と同じくらいといいたいところですが、フードコートは神戸空港の方が若干広いのかもしれないのですが、この茨城空港に隣接して、ショッピングモールでもできて小さなビジネスホテルでもできたら、航空祭以外の日に利用したい、とも。

 土浦にこの日は宿泊したものですが、ちょっと駅から遠い、そして交通が不便、これこそ百里基地の印象でした。千歳基地や那覇基地、距離としてはこちらのほうが遠いのですけれども、所要時間と移動に関する疲労困憊度合いで、百里基地は遠い。そんな印象で。

 航空祭は、だからこそ事前に移動経路などをしっかりと調査し、疲れないように、航空機の撮影に集中できるような体制で下調べするという大切さを、感じたものです。しかし航空祭は素晴らしい写真を撮れた、十年単位で思い出となる十年前の航空祭の写真です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】百里基地航空祭二〇一二【16】J/TSC-701移動管制塔とイーグル機動飛行(2012-10-20)

2022-10-23 20:11:38 | 航空自衛隊 装備名鑑
■飛行展示最終段階
 茨城県の百里基地は遠い基地と素晴らしい飛行展示のプログラム故に撮影にも力が入ってしまうものです。

 百里基地航空祭もいよいよ大詰めとなってきました。救難飛行展示、その先に行う戦闘機機動飛行でいよいよ大団円です。この航空祭、百里基地は遠い、この印象がありましたのでなかなかに歩み進める機会がなく、ようするに初めての百里基地、だったわけですね。

 救難以降展示はUH-60J救難ヘリコプターからの航空救難員の降下とともに開始されヘリコプターを現場まで誘導したU-125救難機が上空を旋回するとともに展示を進めてゆきます。この様子はかなり遠景からみることができますから、この間にいろいろと歩いてみた。

 UH-60J救難ヘリコプターは後継機として同じUH-60J救難ヘリコプターが三菱重厚にてライセンス生産が行われることとなっていまして、小牧には一時期、退役したUH-60が並んだ、これを再生機として多用途ヘリコプターへ転用できたらなあ、とは思ったものです。

 ファントムとブラックホーク、今考えれば貴重な一こまですが、隣にJ/TSC-701移動管制塔がみえていましたので、そちらを優先して撮影します。有事の際に野戦飛行場で航空管制を行うべくUHFとVHF対空無線機や多重無線装置とともに管制システムを展開します。

 J/TSC-701移動管制塔はすべての航空祭で展示されるものではなく移動管制隊にしか装備されていない貴重な装備ですので、百里基地以外では逆に中々みることができない装備ともなっています。移動管制隊は前年の東日本大震災にも松島基地へ前進、任務に当たった。

 VADS高射機関砲などは、後継装備の議論こそありましたが、こんなにはやく廃止されるとは思わず、もう少し撮影しておけば良かった、と考えるものです。ただ、ミサイルや誘導爆弾全盛の時代にあっても、無人機攻撃などから基地を防護するには必須の装備と思う。

 航空祭を撮影するには、なにしろ行くことが主な目的ではなく航空祭を撮影することが目的なのです、よい撮影位置を確保したいものですが、飛行展示に注力しすぎて戦闘機の写真ばかり撮影しますと、柵のまわりで予行でも撮ったのか、といわれてしまうでしょう。

 最前列で撮影したいものだけれども、最前列だけでよいのか、適宜移動しつつ、これだけは最前列を確保して撮影したいものだよね、という状況とを併せてプログラムと撮影位置を並べて検討、しかし歩き回って撮影する時間帯、抑えておくべき被写体とを考えて撮る。

 航空祭といいますと、京都からみた場合で一番近い基地は戦闘機部隊で小松基地、評価試験部隊で岐阜基地、ヘリコプター部隊だと八尾駐屯地、こう広がっています。ただ、小松基地ですと特急サンダーバード始発でも航空祭に当日朝展開するのは少々厳しい立地です。

 航空祭の空白期間がCOVID-19新型コロナウィルス感染症の感染拡大抑止施策により三年間にもおよんだために、ちょっと航空祭の展開計画のあり方というものを考えてゆかなければなりません。全国旅行支援という政府施策が行われているのですが、その後どうなる。

 COVID-19の初期の感染抑制は失敗しましたので世界中を蹂躙することとなり、すくなくとも600万ほど世界中でなくなったという事ですが、統計をしっかり取っていない地域もあるために実際の被害はもっと大きく、これは今後の疫学研究者の研究を見守りたい。

 疾病云々というものはあるのですが、結論だけいうならば2020年初頭に二本へ上陸したCOVID-19は2022年、致命的な変異株こそでていませんが、まだまだ留意すべきリスクという段階ではある、故に旅行というようなものは一種特別な認識をもたなければ、という。

 F-15戦闘機の離陸、いよいよこの百里航空祭最後の飛行展示である戦闘機の機動飛行が開始されました、先程のF-4戦闘機よりもエンジン出力も遥かに高い、世代の一つ現代に近づいた戦闘機の機動飛行、イーグルは猛禽の名を冠するに相応しい機動飛行が開始される。

 イーグルの上昇性能はファントムよりも、とは考えるのですが、航空祭ではむしろ機動飛行の際にヴェイパーという空気中の水分が一瞬にして雲の様に曳く瞬間という構図が、もちろんファントムでも起こるのですが、このあたりが機動力の違いを見せつけるという。

 機動飛行は航空祭の一つの醍醐味なのですが、なにしろこれは平時に基地ではなく海上の訓練空域で広がる情景の一部を再現している、航空祭というものは、いいものですよね。本日は浜松基地でエアフェスタはままつ2022が3年ぶりに挙行されているところですが。

 航空祭、困るのは少なくないホテルが廃業していますし、路線バスは三年間にわたる移動自粛と移動の抑制により影響を、いや鉄道事業者さえ影響は多大という状況です。航空祭に向かうには、始発で十分間に合うのか、無理ならば基地近くに宿泊を、となるのだ。

 予算は上限がありますので、やたら高級なホテルは避けたいところですし、旅客機を利用しなければならない状況では割引のきく旅割などがどの程度現実的に確保できるのか、旅客機が安価でもホテルがすごい値段となっていては、という、均衡をつけるのは難しい。

 航空祭一つに行くとしましても、無制限に毎週九州だ北海道や東北と沖縄だ、と計画することは難しいものですから、なにを撮影の主題とするのか、最新鋭の装備なのか廃止まもなくという装備があるのか、部隊改編なのか基地の建物なのか、ここを軸点としたいもの。

 予行を土曜日に行うならばその撮影を考えたいものですが、そもそも利用する宿泊先と基地の移動、またできるならば別の観光で知見を広げたいと思うものですし、どう行った美味しいものがあるのか、ということも考えておく必要がある、が、なにより当日の行動だ。

 航空祭は基地から撮影するときにすべて逆光で飛行機は真っ黒、というものではいかにも不甲斐ないものです、しかし、そういった場合には滑走路の反対側へ行けばよい、けれども、滑走路の反対側が原生林の羆注意とか、東シナ海の鮫注意では、撮影できません。

 順光の撮影位置を確保するには、基地から移動できるのか、それとも別の経路があるのか、路線バスやタクシーにもちろんシャトルバスから徒歩まで、すべて選択肢に含めて調べる必要があります、こんなものは何度もその基地の航空祭へ通えば自然とわかるのだが。

 地図や航空専門誌はじめいろいろと当日の計画を形作るというてもありますし、しかし慣れてしまえば当日に直感で、よし今日の行動計画は、と臨機応変に切り替えられるようにもなるのですが。これこそは勘ですか、ある程度経験というものが必要となるものです。

 2020年と2021年と2022年、もちろん2020年は1月までは自衛隊行事がおこなわれていましたし2022年も4月から行事再開は本格化しているのですが、しかしこの航空祭も展示訓練も師団祭もない空白期間は短いとはいえないのだよなあ、こうも考えてしまうのです。

 百里基地も変りました、いやこの航空祭の後にF-15飛行隊が南西防空強化へ新田原基地のF-4EJ改と交代し、2020年末にはファントムが退役、F-2戦闘機の百里基地となっています、さてさて、話題は兎も角、また機動飛行の最中のイーグルが戻ってくるようですね。

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【日曜特集】百里基地航空祭二〇一二【15】ファントム華麗な機動と万一備える救難飛行展示(2012-10-20)

2022-10-09 20:01:14 | 航空自衛隊 装備名鑑
■技術がものいう航空祭
 航空祭の再開が徐々に事前応募制や抽選という形で本格化するところですが同時に撮影の技巧というものを考えなければならないところですね。

 ファントム緊急発進展示、J-79エンジン双発のファントムは古い戦闘機ではあるのですが力強い飛行展示を誇示してくれました。もっとも逆光の時間帯となりましたので、飛行している角度と望遠レンズの400mmズームを目一杯使って工夫して撮影するのですがね。

 百里基地、航空祭に展開する際には地図で基地の滑走路の方向と一般公開される区域を調べまして、午前中と午後、どの時間帯が逆光なのかという点と一般公開区画が逆行の場合の撮影位置などを調べます、そして持って行くカメラ器材を選定するというのが準備です。

 航空祭を撮影する機材というものは年々進化しているのですが、この百里基地航空祭を撮影した十年前はSIGMA120-400mmを愛用していました。SIGMA-120-400mmは友人になぜ150-500mmにしなかったのかと問われることも多かったのですが、実のところ事情が。

 このレンズは予算的にCANONのEF-100-400mmISを調達するにはちょっと高いかな、と思った頃の暫定的なレンズでしたので、500mmになれてしまうとCANONの500mmは急に価格帯が凄いことになるから、という認識があったため、まず入手できるものから。

 400mmで、120-400mmで慣れておけば100-400mmに乗り換えた際混乱もないだろう、という機種選定になったのですね。多くの友人がSIGMAの50-500mmを愛用しているところをみますと、CANON純正というのは発想として古いのかな、と思ったところでも。

 バズーカと呼ぶには少々大きさが足りないと思われるかもしれませんが、単焦点の方を先に揃えておこうという気持ちになりまして、その後になぜか300mmF2.8とかいう重いレンズに手を出しまして、さて。大きいレンズで、カメラに装着すると重さは64式小銃なみ。

 300mmF2.8使ってみますと、描写力が凄いが一瞬焦点を間違えれば誤差が一瞬で写真に仕上がる程に、つまり技術相応の結果が出るという程の性能で、やはり純正だよね、と28-300mmや、そして念願の、購入してから数ヶ月後にCOVID-19がやってきたのですが。

 EF100-400mmIS2をそんな撮影出来なくなる日々が近いとも知らずに導入したのでした。白レンズ、まじめに撮影している方にはEF100-400mmISとEF100-400mmIS2とを比較しますと、2のほうの性能向上は凄いもので一部は単焦点レンズ並、というお話を頂く。

 戦闘機や展示訓練など遠いう被写体と使い分けよう、そこでいまは300mmF2.8は明るいレンズということで、ならば多少暗くなっても良いはずという意味不明の認識から2倍のテレコンバータを装着して実質600mmレンズとして戦闘機等へ活用しているところです。

 CANON70-300mm、ここ最近は温故知新、というわけではないのですが航空祭が全くない時節に一つ変なレンズに手を出してみました。いや思い返せば70-300という焦点距離はおなじみといいますか、多くの方に75-300mmか70-300mm、この望遠は馴染みでしょう。

 もちろんこの70-300mmはもともともっているものなのですけれども、いわゆるふつうの70-300mmというものではなくDOレンズ、Diffractive Opticsレンズという、CANONが一時期注力していたレンズです、色収差をおさえるという特性があるそうなのですが。

 DOレンズ、なによりも注目するのは小型という。要するに超小型の望遠レンズです。カメラレンズには便利ズームと呼ばれる焦点距離の倍率が凄いものがあまた開発されているのですが、望遠ができる広角レンズで素早い戦闘機を撮影しますと限界があるのでしょう。

 戦闘機が急に飛来してきたという様な場合に使うと、まあそれでも昔岩国でそれなりに撮影出来たものですから感動したものですけれども、一般論として限界があるという。広角も可能な望遠レンズで撮影しましても、やはり広角側では限界、こういう視点があります。

 日常出撮影するにはやはり広角レンズのほうが使用頻度が高いものですから主力は広角を持ち歩くのですけれども、望遠が必要、こういう際に威力を発揮するのが、普段でも持ち歩くことができるコンパクトな望遠レンズです、いろいろいわれるDOレンズではある。

 逆光の環境では緑色のゴーストがでてしまう、という点が筆頭なのですけれども、しかし、持ち歩ける望遠レンズが手元にあって普段使いしているのと、逆に望遠レンズ、例えば高性能請け合いのEF100-400mmをカメラバックに収めていることで重さが疲労感に繋がる。

 撮影に際して疲労というものは無理をしても後で、無理しないようしますと高度ぷ計画に影響します、この分水嶺を考えて選択するもの。70-300mmDOレンズ、これは手元に置きますと18-200mmISレンズよりも小型というのは認識していましたが吃驚というところ。

 15-85mmISレンズくらいの大きさでして、カメラバックの本来ならばコンパクトデジタルカメラを収容していたポケットにそのまま入ったのですね、これまでは一応ねんのために望遠レンズももってゆこう、という状況で用いるカメラバックは大きなものとなっていた。

 この70-300mmDOならば、小型カメラバッグにすべて収まるのです、いや、これは革新的といえるかもしれない。DOレンズのコンパクトさ、そして望遠レンズ、広角レンズが望遠の焦点距離に対応しているというものではなくれっきとした望遠レンズですので、強い。

 航空機の機動に対しても十分追随するのです、そしてコンパクトというのはもう一つの利点を生むという、それは旅行の際の、です。旅行も日帰りならば気楽というものですが、一泊二泊となると当然着替えその他の荷物をカメラバッグに詰め込まなければなりません。

 するとカメラバックは大きく、そして大きなカメラバッグは重くなる、その中で散策する地元を巡る、となりますと一部の荷物をホテルに預けるか駅のコインロッカーに、となります、これはいわずもがな荷物を回収にホテルに戻るか朝一番目に利用した駅まで戻るか。

 荷物に縛られる状況が生まれてくるのですね、これがDOレンズを使いますと、要するに着替えを望遠レンズの収容区画に収めても、残った余剰の空間に70-300mmを収容できる、ということ。この70-300mmという焦点距離も、他のレンズと競合しないともいえる。

 70-300mm、考えてみれば18-200mmでも15-85mmでも、焦点距離に間隙のないカバーが可能となっています。このDOレンズの70-300mmはそれほど新しいものではないのですけれども、遅ればせながら使ってみて威力と性能に驚いた、というところでしょうかね。

 自衛隊関連行事は徐々に再開されていまして、春の千僧駐屯地第3師団祭、初夏の大久保駐屯地第4施設団祭、先日行われた秋の伊丹駐屯地中部方面隊創設記念行事、自由に入場できる行事でした。ただ、再開されますと撮影技術や準備など、確認する事が実に多い。

 航空祭は部分的に再開、まだまだ入場制限という航空祭ばかりですが、技術的なものや会場の位置確保に撮影機材の選定と防水準備など、これは撮影が毎週あった際の慣熟が続いては居ないという事に気付かされると共に、努力と研究は継続が必要だ、と感じるのです。

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