北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【日曜特集】百里基地航空祭二〇一二【14】スクランブル!緊急発進は首都防空の訓練展示(2012-10-20)

2022-09-25 20:17:04 | 航空自衛隊 装備名鑑
■ファントムスクランブル
 百里基地第七航空団の任務は首都防空、スクランブルの緊急発進展示はそのまま日本御首都防空を再現する訓練展示でもあるのです。

 F-4戦闘機は歴史の中に去りましたが、航空家遺体はF-4戦闘機にASM-2空対艦ミサイル運用能力を付与し、対艦攻撃の一翼を担う事で戦闘機としての運用寿命を延伸しました、レーダーも換装していまして、もっとも換装したAPG-66は2000年代には旧式でしたが。

 戦闘機の支援戦闘機への運用変更は、F-86戦闘機がF-104戦闘機により置換えられた際に実施していました、もちろんF-86に対艦ミサイルを搭載する様な無茶な事はせず、500ポンド爆弾を搭載し反跳爆撃にて対艦攻撃を行うという、一寸難しい運用変更でしたけれど。

 ASM-2空対艦ミサイルは射程が150km程度と長く、F-4戦闘機自体は旧式であってもASM-2を敵艦隊より遠方から投射する運用ならば、生存性と戦果を両立できるものでした。もう一つ、レーダーを乾燥してドイツのF-4戦闘機の様にAMRAAMを運用できればとも。

 航空自衛隊のF-4戦闘機、しかし思った以上に運用が継続しまして、この写真を撮影した2012年から実に十年近く現役に在った事は驚きなのですが、仮に防衛出動の際にF-4はどういった運用を想定していたのかが関心事でした、しかも最後の任務は首都防空なのです。

 首都防空、ファントムは南西方面の緊張増大と共に、長らく配備されていた沖縄の那覇基地と、南九州の新田原基地を置換えるべく、首都防空に当っていましたこの第7航空団からイーグルを送り出しファントムを引き取る事としていました、2012年はこの過渡期です。

 東京急行という、ロシア軍ミサイル爆撃機が北海道北部から三陸海岸沖に沿って高速で南下し東京に接近する運用、これを迎撃するのが百里基地第7航空団の任務なのですが、爆撃機ならばファントムからのスパロー空対空ミサイルでも迎撃できるのかもしれません。

 スクランブル発進に際しては、確かにそうなのですが、しかし有事の際を考えますとロシア軍ミサイル爆撃機の任務は長射程の空対地ミサイル投射であり、平時の防空識別圏内進入は単に示威行為でしかありません、するとスパローに巡航ミサイルを迎撃できるのか。

 AAM-4空対空ミサイル、三菱電機が開発した国産の空対空ミサイルであれば射程も長いですしAMRAAM以上に巡航ミサイル迎撃を想定した設計で、何故ならば元々は空対空ミサイルに加え艦対空ミサイルとして護衛艦に搭載し対艦ミサイルを迎撃する計画でしたから。

 航空自衛隊はこれ程ファントムを長く運用するつもりだったのだろうか、逆に考えてしまうのはF-4戦闘機後継機選定が本格化したのが小泉内閣時代であったということです、つまり2002年、いまから20年も前の話であり、この北大路機関さえ出来る前の話なのです。

 次期戦闘機選定は、浜田防衛大臣、現職の浜田防衛大臣が前に防衛大臣を務めた時代に遡るものでして、この頃は浜田防衛大臣が当時、F-22戦闘機の導入を望む、こう発言していました通り、現在航空自衛隊に配備されているF-35ではなくF-22の導入を目指していた。

 F-22戦闘機は、しかし覚悟が必要、こう云われたほどに機密の塊であると共に恐らく日本でのライセンス生産は不可能という、高度な機密の戦闘機でした。ただ、当時開発が進められていたF-35戦闘機はJSF計画と呼ばれた段階、中々に使い難さが予想されたもの。

 JSF計画当時のF-35戦闘機はSが打撃を意味し、実質は戦闘攻撃機といいますか戦域優位獲得の為の多目的戦闘機が優位獲得の一環として空対空戦闘を行うという認識であり、専守防衛の日本としてはF-22戦闘機のほうが防空戦闘に適した機体とも考えられています。

 専守防衛、しかしこれは今の日本も含めてみないようにしているだけで、戦域優位に戦闘機が制空権だけを考える時代はとうの昔に終わり、結局は策源地攻撃や防空制圧はじめ、つまり専守防衛の範疇でも敵の攻撃与点を爆撃し無力化する必要があるという現実が。

 ファントムは、こうした議論の末に結局思ったよりも長く使ってしまった戦闘機、という印象が拭えないのですね。他方で、政治はもう少し例えば、用兵側である航空自衛隊が機種選定を完了できないならば三菱重工のF-2戦闘機の製造を延長する、というような。

 F-2には制空戦闘任務偏重の航空自衛隊には一部懐疑的な意見があるといい、しかしそれでもこうした柔軟な選択肢でF-4をF-2に切替える努力をしてほしかったのですが、石破防衛庁長官時代の決定が響いていたのです。ここで日本の前例踏襲主義が響いたのではとも。

 納税者に説明できないという石破防衛著長官の決定がそのまま覆されずに堅持されてしまいまして、当時は130機の生産計画を96機に縮小してしまいます、これが逆に思うのは、1950年代設計のファントムを2010年代以降も使う事が納税者への説明か、ともおもう。

 F-2戦闘機を予定通り130機生産し、ファントムの耐用年数に併せて先ず一個飛行隊を置換え、まだ後継機が選定出来ないようならばFSX計画の時点での141機まで生産を戻し、そして二個飛行隊を中期防衛力整備計画で整備する、こうした選択肢はあってよかった。

 RF-2戦術偵察機、こうした上でF-4後継機がF-35でもF/A-18E/FでもF-16Vでもストライクイーグルでもいいのですが、決定した後には増強したF-2戦闘機は逆にRF-4戦術偵察機の後継機と改修、改修といっても偵察ポッドを搭載するだけですが、使い道は幅広い。

 ファントムをここまで長く運用する前提がもしあったならば、EJ改への改修に重ねて再度レーダーを換装しAPG-2のようなF-2と同等のレーダーに置換えるか、若しくはF-2のレーダー換装を急ぎ、降ろしたF-2のレーダーをファントムに積む選択肢はあったのでは。

 F-2戦闘機はAAM-4運用能力付与が遅れ、セミアクティヴレーダー誘導方式のミサイルではAAM-4やAMRAAMのようなアクティヴレーダー誘導方式のミサイルよりも運用成約が大きくなってしまいましたが、F-2とF-4,同じレーダーを使っていれば話は変ります。

 能力向上改修は、機種ごとに開発費用が決まりますので、開発費用を機数で割るならば機種当たりの保有数が多い方が有利です、すると、F-2とF-4が同じレーダー系統を使っていたならば、一つの改修プログラムで二機種を改修できる事になるのですね、費用を抑えて。

 AAM-4やAMRAAMのようなアクティヴレーダー誘導方式のミサイル運用能力付与も、レーダーを統合するか機種を統合していたならば早められたのではないか、こう考えられるのです。しかし事情が在った、F-22の導入案の他に、防衛費を増やせないという事情が。

 北朝鮮ミサイル開発が加速すると共に2006年には核実験を実施した事でミサイル防衛の優先度が高まり、しかし財政再建により防衛費を増やせない事で日本の防衛予算は新任務を前に非常に逼迫し、後周しさせる装備計画が多くなりました、ここに甘えたようにおもう。

 ファントムは良い戦闘機なのですが2020年代に相応しい戦闘機なのかと問われますと、無人機母機やミサイル運搬機ならば兎も角、戦闘機として使いにはEJ改の性能では限界を超えていたように思う、予算が無いという言い訳とはいえ、政治は反省すべき命題でしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】百里基地航空祭二〇一二【13】第501飛行隊RF-4戦術偵察機の偵察飛行展示(2012-10-20)

2022-09-11 20:03:39 | 航空自衛隊 装備名鑑
■偵察航空隊戦術偵察飛行
 戦術偵察機という単語も今や過去のものとなりましたが当時の貴重な展示飛行です。

 ファントム。航空自衛隊には144機が導入され、設計のマクダネルダグラス社から三菱重工においてライセンス生産が行われています。興味深いのですがマクダネルダグラス社はボーイングに合併、F-15などは同じマクダネルダグラス社製ですがボーイングF-15となる。

 F-4EJ,不思議に思う点はボーイングF-4ファントム、という名称ではなくマクダネルダグラスF-4ファントム、と最後まで呼称されていました。ファントムはボーイングとの経営統合前にアメリカ空軍では退役、故にボーイングによる能力向上が行われなかった為かな。

 C-1輸送機の地上展示、この航空祭から9年後には航空祭で主役を飾っていましたF-4ファントムが退役となりましたが、このC-1輸送機もそろそろC-2輸送機に置き換わろうとしています。当初は60機程度が生産される計画でしたが31機で終了、何かC-2と重なる。

 C-130H輸送機、お隣のC-1輸送機に続いてそろそろ老朽化が進む機体なのですが、後継機はどうなるのか、C-130シリーズの最新型であるC-130J-30などはC-2輸送機よりも高価な航空機となってしまい、それならばC-2輸送機に機種統一したほうが効率的に思える。

 P-3C哨戒機、海上自衛隊の機体です。C-130と並んでいますが不思議な共通点がありましてエンジンは同じアリソンT56、日本全体で考えますと海上自衛隊と航空自衛隊の違いはありますが、C-130とP-3Cのエンジンが同じという点は国内運用基盤の共通という意味が。

 RF-4戦術偵察機の離陸、ですが、やってしまった的な構図になりました、飛行展示の時間はパンフレットに記された通りを認識していたのですが、離陸の時間を考えずに地上展示航空機を撮影していたので、気づけばRF-4離陸、撮影のタイミングが微妙に遅れましたね。

 戦術偵察飛行展示、要するに実際に写真を撮影します。この偵察航空隊も2020年に廃止改編となりましたが、2022年にはRQ-4グローバルホーク無人偵察機の三沢基地配備を受けまして、同じ名前の偵察航空隊として復活しています。RF-4とRQ-4、名前も微妙に似る。

 ファントムの機動力で偵察、戦術偵察は敵防空圏内への強行偵察を担うもので、高高度をゆったり滞空するRQ-4では務まらない、敵戦闘機を低空から回避し地対空ミサイルを妨害装置全開で追去って写真偵察を行うというもの。アメリカではF-16やF/A-18Eなどが担う。

 F-2戦闘機あたりを後継機にしていれば、とも思うのですよね。一時期航空自衛隊はRF-15として初期の近代化改修に対応しないF-15を偵察機に改修する計画でしたが、偵察装置を経験ある三菱電機ではなく安価にやるという東芝に発注、開発失敗により有耶無耶に。

 偵察はフィルム式で連写しています、カメラは機首に搭載されていますから、この瞬間に撮影されていたのだろうなあ、と思います。後ほど格納庫に現像してはりだすということでしたから、みんなカッコイイポーズで迎えました、ジャンプしている人もいましたね。

 マーベリックのヤツ!というトップガンのような構図は管制塔と戦闘機が重なる瞬間にだれでも撮るものです、映画と違って2kmほど離れていましたけれども。しかしこの戦術偵察飛行展示、飛ぶだけではなく、これから着陸しフィルムを取り外し、現像する作業が。

 東日本大震災の翌年の航空祭ですから、震災の際に情報収集にがんばったという機体です。ただ、百里基地は茨城県の基地、被害は限られましたが、RF-4は撮影したフィルムがここでしか現像できませんので、福島第一原発事故が拡大していたら、と考えると、厳しい。

 MS-110という、現代ではF-16戦闘機などに搭載する偵察ポッドがレイセオンで開発されています、昨今は偵察ポッドを戦闘機に搭載し専従の偵察機はなかなか配備する国は減ってきました。東日本大震災でもアメリカはF/A-18EにTARPS偵察ポッドで撮影しました。

 二機のRF-4がこちらに飛来します、このRF-4はフィルム式なのですが、現代の偵察ポッドは画像データを電送する事が可能で、もし自衛隊がRF-4に、搭載するのは無理だけれども、国産開発に失敗した時点で海外製装備を採用していたならばと思うことも多いのです。

 RF-2,というのは冗談ですが偵察航空隊所要のF-2戦闘機を追加調達しておいて、MS-110を搭載運用する、偵察任務を行わない状況では対艦攻撃にも参加する、こうした運用はあって良かったのではないかと思います。2020年代には百里基地にF-2が配備されましたし。

 RF-4は悪い航空機ではないのですが、現像という手間で時代から置き去られていまして。そして時代はリアルタイムの映像伝送の時代にも維持されていました、大規模災害に際しては偵察に往復し百里で現像し入間基地まで輸送機で運びヘリコプターで首相官邸に運ぶ。

 UH-1多用途ヘリコプター、陸上自衛隊は映像伝送機を阪神大震災のころから導入、これは映像中継機など負担はあるのですがリアルタイムの情報を送ることができます、それはまだF-2戦闘機生産が続いていた時代でしたので、置き換えの機会はあったはずなのですね。

 ドラッグシュートを展開させ着陸するRF-4,もちろん誤解の無いように記しますと、RF-4の戦術偵察はUH-1では不可能です、災害派遣はあくまでRF-4がその技術を応用して実施しているもの、写真の画像も映像伝送機よりは高度で実際顔を判別できる程ではあった。

 偵察航空隊第501飛行隊、しかしこの部隊がそのままF-2戦闘機に機種転換していたら、とおもうのです。他方で、UH-1の映像伝送機についてもも、そろそろ8K画像を考えねばならないように思うのですよね。なにより映像情報、いつ来るか分らぬ大災害には必要だ。

 腕立て伏せでいつ来るかもわからない大災害や国籍不明機に備えて体を鍛えている、訳ではありません。一見して異様な風景ですけれども、まあ自衛隊の中の人以外からみれば航空祭は全て異様というか別世界、日常では中々ファントムは間近に見る事はありません。

 押すな、といわれると押したくなる例のボタンです。皆さんも非常ベルとか緊急停止ボタンとか自爆装置とか、小さいころに押したくなる、押したくなった、押したくて自作した、車に自爆ボタンスイッチのステッカーを貼った、ピンポンダッシュされた、方はいるはず。

 例のボタン、押したら大変な事になるというボタンは浪漫が有るものですが、このボタンも押したらな大変な事になります、どんな気分なのでしょうかね、またボタンの説明はどのように行われたのかも気になるところです、何より場所ば場所、後ろにイーグルが並ぶ。

 突如怪鳥の様なけたたましいベルが鳴る、蹴り飛ばされるように一斉に腕立て伏せの姿勢から走り出す操縦士と整備員たち、蹴り飛ばししたのは地球で、そのまま大空に飛び立つ為に蹴飛ばし走り出します、スクランブル!スクランブル!、緊急発進展示がはじまった。

 スクランブル!スクランブル!緊急発進展示の開始です。少年少女スイッチとともに駆けだしたそのさきはF-4ファントム、東京急行という北海道沖から三陸沖を経て東京に接近するロシア軍爆撃機に備える首都防衛の緊急発進展示が、いよいよ開始されたのですね。

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【日曜特集】百里基地航空祭二〇一二【12】F-2,F-15,F-4三機種とALE-45チャフフレアディスペンサー展示(2012-10-20)

2022-08-28 20:09:03 | 航空自衛隊 装備名鑑
■群青の大空背景に戦闘機
 本日は三年ぶりの松島基地航空祭が雨天と共に行われ午後から飛行展示が叶ったという朗報がありましたが、やはり航空祭は青空が似合う。

 F-2戦闘機にF-15戦闘機と奥のF-4戦闘機、一時代の百里基地を象徴するような情景ですが、2020年代の百里基地はF-2戦闘機の基地であり、考えてみますと未来をも見通したような情景、というのは言い過ぎでしょうか、云い過ぎですね。しかし順光で素晴らしい。

 戦闘機の機動性、これを最適化するという研究は次第に27tもの重量は必要なのか、という根本の問題に展開してゆきます。またF-15を最強の戦闘機と仕立て上げる背景にエンジンバイパス比の研究がようやく低バイパス比で合意に至ったというものがもうひとつ。

 バイパス比、なにをバイパスするかといいますとエンジンの燃焼室です。エンジンに入る空気の内で燃焼室に入る空気との比率です。燃焼室をバイパスする空気が多ければ大きいほど、なにしろエンジンは通るのだから、燃焼量を抑え燃費が向上する、するとどうか。

 高バイパス比のエンジンでは戦闘機の場合は航続距離が伸びるのです。当時はバイパス比が2.2程度が望ましいとされた。実際、旅客機などのエンジンではバイパス比は高い。しかし、戦闘機は航続距離も重要ですが先頭の際には加速する必要があります、すると逆に。

 高バイパス比エンジンは、アフターバーナーを点火する場合に空気流量が燃焼室よりも大きいために一挙に燃費が悪化し、極端な話ですが、時計の秒針のように燃料計の針がフルからエンプティに傾く。バイパス比については極論で0、となるとどうなのでしょう。

 バイパス比0とはエンジンに入る空気がすべて燃焼室を通る場合は、しかしエンジン負荷が大きく、なにより高温に曝され続けることでエンジン耐用が悪く、一回限のミサイルではなく繰り返し飛行する戦闘機には整備間隔が短くなると稼働率を下げ逆に非効率という。

 こうしていったんはバイパス比を1.5として議論を重ね、いったん0.6とした。そして検証したうえで、現在の0.7に収斂してゆきました。FXは、この時点で航続距離よりも運動性能という視点が加味されたため、戦闘機らしい戦闘機を目指すことが既定方針となります。

 さて戦闘機の話題の最中ですが装備品展示、ALE-45チャフフレアディスペンサーが展示されていました、戦闘機がミサイルに追われた瞬間に高熱源体を発して赤外線誘導ミサイルを欺瞞し、プラスティックコーティングされた金属片を撒いてレーダー誘導を妨害します。

 ALE-45チャフフレアディスペンサー、展示されるのは中々無いなあ、と思っていましたら、ダミーではあるのですがチャフ弾とフレアーの中身を抜き出してくれまして、ちょっと大きめの羊羹やチョコレートというところでしょうか、面白い展示だったと記憶するのです。

 F-4戦闘機の油圧機動展示、戦闘機は油圧で動きます、その為の油圧用作動油の管理は不純物が僅かでも混合すれば即座に致命的な事故に繋がる為に定期的な全点検を行っています、そして操縦桿をラダーペダルをどう操作すると如何に作動するかの展示をおこなっている。

 一眼レフで撮影しているのですが、こういうときばかりは動画で撮影しないと作動展示は伝えられない、こう思う一方で動画とカメラを二つ同時に操作しますと共に隔靴掻痒となり、カメラに戻ってこれないか動画を手放すか、となってしまうものでして、なかなかね。

 格納庫での撮影は、しかし注意して撮影時間を確認しなければ飛行展示の際に天井が在って何も見えません、なんていう事にもなります。音に注意していても、しかし油圧動作展示というものも中々の興味深さ、どちらを撮るか、さてさてここでも迷ってしまいますね。

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【日曜特集】百里基地航空祭二〇一二【11】第305飛行隊機動飛行の完了と格納庫装備品展示(2012-10-20)

2022-08-14 20:03:00 | 航空自衛隊 装備名鑑
■筑波山とイーグル
 進路筑波山へと予科練生徒が目指した筑波山を背景に繰り広げられたイーグル機動飛行もいよいよ終盤へ。

 F-15戦闘機は科学的な戦闘機である、その科学とは設計哲学と一種職人芸的な技術者の設計論理を数時により説明した運用者の要求に裏打ちされたもので、その設計が多くの運用者、つまり操縦者に支持されたことがF-15,イーグルの長い寿命に繋がったといえます。

 ジョンボイド少佐、空中攻撃研究、1958年にこの理論は"空中攻撃研究"として論文化し、旋回により失われるエネルギーを機動と対抗機動の垂直エネルギーと平面外三次元エネルギーの相関関係から理論化し、不利な状況から40秒間で立て直す理論を構築しました。

 空中攻撃研究、そのボイド少佐は1968年、ヴェトナム戦争の北爆をめぐる航空優勢確保が激化するなか、FX研究開発の評価を命じられます。当初は鈍重なF-105が軽量なMiG-21に間合いを詰められた際に"空中攻撃研究"の理論が応用されていたのですが、注目がここ。

 ゲイブリルディソスウェイ空軍大将は、ジョンボイド少佐へ、理論に戦闘機を逢わせるのではなく、理論を最適化する戦闘機を開発しろ、という命令です。ここから戦闘機至上主義の、俗に“戦闘機マフィア”と呼ばれる一団が、戦闘機開発へ邁進してゆく事となる。

 トムクリスティー技師、エグリン空軍基地でのコンピュータ主任であったクリスティー技師は、理論を検証するにはコンピュータの計算が最適としボイド少佐との協力関係が生まれ、形状は、重さは、出力は、武装は、こうして理想的な可変翼戦闘機が開発されてゆく。

 可変翼!、と驚かれるかもしれませんが当時のイメージ図もFXは可変翼が多い。F-111が可変翼戦闘機であり、またF-4ファントムでさえ可変翼型が研究されていました、可変翼戦闘機は夢の技術、翼面荷重に最適化した角度を構成できるという意味で優位性が在った。

 F-111は失敗作でも可変翼理論は失敗作ではないとばかりに、FXも可変翼機となる計画でしたが、計算を続ける際にボイド少佐は、なぜ可変翼なのかという根本疑問に達します。そしてコンピュータを用いて固定翼と可変翼の比較を実施した結果、そこに意外な結果が。

 固定翼か可変翼か。機動性を追求した場合、翼面荷重の急激な変化に対して可変翼は最適解ではないという視座にたどり着きました。F-15はこの時点ではF-111のように巨大で、F-111のように可変翼という、機体となる展望でしたが、ここが一新してゆくのですね。

 要するにF-111を並列複座から単座としたうえで垂直尾翼を一本増やしたような概念でFX研究が進められていました。固定翼へ、これは可変翼は整備煩雑化とともに構造寿命が構造複雑化により短縮してしまいますので、短命だったのかもしれません、そうF-14の様に。

 F-14トムキャット、実は製造メーカーであるノースロップグラマンのうちノースロップ社は長く可変翼に懐疑的であったのは皮肉ですが、AIM-54フェニックス空対空ミサイルと管制能力で、非常に優れた艦隊防空戦闘機であるものの、2005年に用途廃止となっています。

 飛行展示がひと段落したようなので格納庫に移動します。航空祭は格納庫の展示御重要です、いやいや飛行展示だろうと超望遠レンズにテレコンを幾つも取り付け戦闘機を空に追う方々には反論されるかもしれませんが、いや、それは予行でも撮影できる構図とおもう。

 ASM-1空対艦ミサイルに500ポンド爆弾、訓練弾で爆発しないものなのですが並んでいる。ASM-1は80式空対艦誘導弾で日本が初めて制式化した空対艦ミサイル、射程40kmでF-1支援戦闘機に搭載し航空阻止任務に充てるもの、F-4に搭載することで運用幅を広げました。

 イーグルとトムキャット、F-14はAWG-9レーダーと操縦士に加えレーダー管制士官が搭乗し165kmの距離で敵を落とす高い迎撃能力があるも、機体も運用費用も高かった。主翼形状はF-15が2020年代まで残る傑作機となる要諦の変更の一つだったのかも知れません。

 ジョンボイド少佐、もっともF-15の出来に満足していたのかと云われますと、試作機をみて、なんてことだこれは重すぎる、と落胆したともいわれまして。これは理想はあっても現実の要求を内部化すると、最適解から離れてゆく、という証左ともいえるのでしょうか。

 イーグルは巨大すぎましたが、ジョンボイド少佐はもともとレーダーも搭載しないドッグファイト専用戦闘機を構想していたといい、これはミサイルの機動性が限定されていた時代には機動力でミサイルを振り切るという発想も成立ったのかもしれないが、今日的には。

 ドッグファイト専用機というものを目指していたジョンボイド少佐、続いて開発されるF-16戦闘機などは良い線を行っていたのかもしれませんが、もう一つ感じるのはイーグルの設計開発とともに戦闘機の開発は巨大化するという、経験が蓄積されたという視点で。

 プロジェクトマネジメント、日本の戦闘機開発始め装備開発で最も苦手とされる分野だと思うのですが、アメリカはイーグルの開発で、巨大な計画は一人の責任者の手におえるものではなく独り歩きを始め、理想から離れてゆく事を学んだのではないか、と感じますが。

 プロジェクトマネジメントの重要性、イーグルの開発を契機に学んだ部分が、続く戦闘機開発、F-22戦闘機やF-35戦闘機開発におけるプロジェクトマネジメント、全体計画の共有というものに繋がったのではないか、こう考えるのです。ジョンボイド少佐の失敗から。

 イーグル、しかしドッグファイト専用機とはなりませんでしたが、レーダーはじめ必要な装備品を搭載しチタン合金さえ多用した頑丈な機体とともに世界最強のエンジン双発で無理矢理機動性を確保するイーグルは、失敗作とは真逆の成功した戦闘機といえるものです。

 ストライクイーグルにイーグルⅡ、イーグルは今なお生産を続けていまして、正直なところ自衛隊も国産戦闘機開発よりは、今難航しているイーグルの近代化改修、アメリカのボーイング社の見積もりが四倍に高騰しているものは諦めて、新造機を買えば、とおもう。

 イーグルが成功作と云えて傑作機であると確信する背景には、運用当事者、操縦士から整備員に指揮官まで信頼しているからこそ、これを土台に新しい運用や改良型により運用幅を増やすという施策が執られる為で、こうした寿命の長い戦闘機は世界に中々ありません。

 ステルス性の低さは、ある。しかし、イーグルは搭載力も非常に大きく、ストライクイーグルという戦闘爆撃機型が開発されており、これをもとにイーグルⅡが開発され、アメリカ空軍に採用された、恐らく2050年代まで運用が続き、初飛行から90年続く可能性が。

 機上集塵器2型こと放射能集塵装置。さて、装備品展示もここまで歩いてきましたが、この写真は2012年というあの東日本大震災から翌年という、福島第一原子力発電所事故の記憶が生々しい時期での撮影です。この装備はチェルノブイリ原発事故始め活用されている。

 2022年の視点から見ますと原発事故は過去の、こう願いたかったものですがいまの時点でウクライナに侵攻したロシア軍は欧州最大のザポリージャ原発を占領し要塞化するとともに原発を起点に周辺部を攻撃している、またこの装備を使わず済むよう、祈りたいですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】百里基地航空祭二〇一二【10】白梅は百里の大空に咲く!イーグル機動飛行(2012-10-20)

2022-07-24 20:10:17 | 航空自衛隊 装備名鑑
■第305飛行隊機動飛行
 機動飛行は編隊飛行と並ぶ航空祭の華といえるのですが特別塗装機の機動飛行となれば更に迫力は増す。

 第305飛行隊の機動飛行が開始されました、百里といえば昔の世代の方にはファントム発祥の地、わたしの世代からするとイーグルの基地、少し後の世代の方はファントム養老園、今の世代の方から見ればF-2の基地、大昔の世代からしますと海軍飛行場、という基地だ。

 白梅が百里の大空に咲く、イーグルの機動飛行ですがこの2012年の航空祭ではファントム飛行隊とイーグル飛行隊に偵察航空隊という時代です。この白梅のイーグルは食玩の模型になっているほどに有名な特別塗装の機体ですが、どんどん機動飛行で攻めてゆくのです。

 F-15戦闘機は素晴らしい戦闘機です、なにより航空自衛隊での信頼が深いものでして、航空自衛隊は今後イギリスとの間でF-2戦闘機後継機にテンペスト戦闘機を共同開発する方針を示しているのですが、新型機開発よりは防衛航空産業の再生を先ず考えて欲しい。

 F-15もイーグルⅡというストライクイーグルの最新型がアメリカ空軍向けに生産開始となっているのですから、いっそのこと無理に自衛隊も現行のF-15Jを近代化改修するよりはイーグルⅡを三菱でライセンス生産し、2060年代まで使ってみては、と思うのですよね。

 イーグル誕生、ただ歴史を遡りますと単純に生まれた戦闘機ではありません、戦闘機はミサイルキャリア、つまりミサイル輸送機であるとも認識が、1950年代末から1960年代のミサイル万能説時代に合せて考えられていまして、戦闘機は単純に大型化していた時代が。

 アードバーグと愛称を持つF-111戦闘機などは爆撃機並に、実際爆撃機として活躍しましたが、そんな戦闘機がF-15の前の前に開発されていまして、結局F-15が生まれた背景には戦闘機と空中戦に関する確たるビジョンというものがあったから、といえるものでした。

 F-111が巨大化した背景にはSAC戦略空軍とTAC戦術空軍という組織の縦割りと無関係ではありません。官僚主義というのは簡単ですが予算はSAC戦略空軍とTAC戦術空軍という空軍の中に二つの空軍が置かれる状態で、予算合戦が大変な事になっていたといえる。

 TACは戦術戦闘機を運用する組織ですが、核兵器を搭載して戦略爆撃の一端を担うことができる戦闘機はTAC、ウルトラマンエースの地球防衛組織のような名称、TACの予算の一部をSAC,攻殻機動隊みたいだ、SACより確保する選択肢であり当然と考えられていました。

 そして時代はミサイル万能時代、空軍のF-102がファルコン空対空ミサイルを射撃するだけで空戦機動などは不要と考えられていましたし、空軍に採用されるまえの海軍のF-4ファントムも、F-4Bなど当時はファントムⅡと呼ばれていた、機体はミサイル時代のもの。

 ファントムも当初、ミサイルのみを搭載し機関砲は積まないミサイル万能時代の申し子の一人でした、もっとも運用の変化と機関砲の追加、そしてJ-79エンジンの高性能を背景に真価を発揮してゆくこととなるのですが。一方でF-105戦闘機も戦闘機ではあったのだ。

 F-105、得手不得手の問題で、空中戦には向いていないとはいわれても、戦闘機が航空阻止であれ戦闘爆撃であれ進出中に敵戦闘機と遭遇した際に打つ手なしというわけには参りません、実際戦闘機乗り、戦闘機操縦に長けた要員は、その気質が空中戦を志向しています。

 戦闘機操縦士は、F-105だろうとF-4だろうと乗っているものは戦闘機だという自負がありますし、ミサイルも機関砲もあれば当然空中戦、という発想になります。戦闘機でなくともヴェトナムでは攻撃機であり空対空ミサイルさえ搭載しない機体でも挑まれれば戦う。

 A-4攻撃機、ヴェトナム戦争では海軍のA-4攻撃機でさえ、対地攻撃用のズーニーロケット弾を敵戦闘機にたたき込み撃墜した事例があるのですから。すると空戦の理論化、F-105やF-106により激しい航空戦闘に勝利するにはどのように対応すればよいのか、問題に。

 F-105やF-106で航空戦闘に勝利するには。これは軽量な、しかし無駄がない故に発展に限界があるとして低評価に終わったF-104スターファイターを含め、こうした戦闘機でもどのように勝利するかの理論化が進みます。F-104や海軍のF-8クルセイダー、があった。

 高等練習機のT-38コンバットタロンとその海外供与用というべきF-5フリーダムファイター、軽量な戦闘機というものはこの当時、アメリカでも開発されていたものでして、しかしこれらの航空機は性能上、中距離地対空ミサイルを搭載できない難点があったのですね。

 軽戦闘機、そして致命的な点はアメリカ空軍が想定するような長距離作戦能力を持たないという部分で、必要な性能を備えているとは言い難いものでした、すると手持ちの機材でどのように対応するのか、少なくともF-105などは航続距離に関しては十分なのですから。

 ゲイブリルディソスウェイ空軍大将は、TAC司令官に着任しますと、次期戦闘機FXの開発を方針として示します。FXは戦闘爆撃機から戦闘機への回帰を示すもので、TAC本来の任務を再確認するものとなります。時すでに1965年、ミサイル神話が在ったのも重要です。

 ミサイル神話、空中戦は起きずミサイルですべて対応できるという神話があったのですが現実の厳しさは実戦で突き付けられます、彼我混合の状態で超音速機同士が戦闘しますと、敵味方確認の間に双方マッハ2で飛行すると毎秒1.3kmずつ接近し間合いは直ぐ詰まる。

 ヴェトナム上空で当たらないミサイルと近すぎる敵戦闘機へ打つ手無い、いや機関砲を積まないのでミサイル最低射程距離まで寄られると撃つ手なしの状況が問題視されている状況です。AFSC空軍システムコマンドは、ディソスウェイ大将の指示を受け開発に当る。

 AFSC空軍システムコマンドはこうしてFXの設計を開始しました。すると誕生したのは27tもある巨大な可変翼をもつ戦闘機を示します、話を聞いていても理解していなかったのですね。そこである戦闘機乗りの理論家に白羽の矢が、ここからF-15は誕生へ舵を切る。

 ジョンボイド少佐。生粋の戦闘機乗りでありながら学生時代はアイオワ大学で経済学を専攻、ROTC戦略将校予備課程を経て空軍に任官します。そして戦闘機部隊の教官を経て、高級士官への必要とされジョージア工科大学への入学を命じられます、1955年のおはなし。

 ジョンボイド、空中戦はどのようにして勝利するのかは、結局は個人技術に依拠するもので、訓練訓練また訓練、からだで覚えろ、覚えるよりなれろという職人気質が多い中で、物理学と熱力学の視点から航空戦闘の理論化を進めました。アメリカ的な合理的発想だ。

 コンピュータの性能が1MBの記憶装置一つとっても巨大な時代ですので、多分に今よりも技術者の哲学と設計者の概念が反映された時代です、設計哲学というものが人間だけで成り立つ時代、そんな時代にこのF-15イーグルという戦闘機は形作られることとなりました。

 筑波山を背景にイーグルが百里基地上空へ飛来します。機動飛行は青空のこの瞬間に順光の撮影背景とともに仕上がりました、これぞ航空祭これぞ飛行展示これこそ機動飛行、日常に基地周辺で撮影出来る様子とは一段違う迫力が、時間を超えて写真で再現されました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】百里基地航空祭二〇一二【09】ファントム機動飛行とイーグル機動飛行(2012-10-20)

2022-07-03 20:01:54 | 航空自衛隊 装備名鑑
■参院選前の防衛考察
 ファントムの機動飛行と共に地上では次の飛行展示の準備が進む、この百里基地航空祭を撮影しましてから早いもので間もなく十年というところです。

 参院選が来週投票日を迎えますが、防衛費が論点に上がっていたものの、防衛力については議論とならないものが日本らしいものだよなあ、と考えさせられたものでした、自衛隊は2021年までファントムが現役でして、この機体の初飛行は1959年という古いものです。

 自衛隊の装備、全般的に古いものを更新できずに定数を減らして定数割れを防ぐという状況で、これは贅沢をしているとか無駄遣いがあるというものではなく、防衛予算をそのままに島嶼部防衛やミサイル防衛という予算のかかる任務を増やした為、後回しのしわ寄せ。

 防衛予算というよりも、戦車も火砲も削れるだけ削って平成初期の四分の一まで削減するというが、国産装備故に維持費が減らした分だけ量産効果の悪化で高くなり、しかも年単位で需要の無い装備等は撤退を始める為に使える装備の維持さえ難しくなるという現状が。

 防衛費の増額というよりは、まず政府防衛基金のような年次予算枠外の緊急予算を確保して、AH-1S対戦車ヘリコプターや73式装甲車や81式短距離地対空誘導弾やUH-1J多用途ヘリコプターやOH-6D観測ヘリコプターの後継機などを緊急取得する方が喫緊と思う。

 大規模災害が発生するのが時間の問題である日本において、戦術偵察機が最盛期40機あったものが、ゼロになっている、無人機があるというが戦術偵察機ほどの迅速な対応ができる機体は無い、こうした装備が無い事の無視も費用だけ論争されている証左といえます。

 戦闘機にしてもファントムは退役した、けれども、1981年から導入が開始されたF-15をボーイング社に要請して、かなり高額で近代化改修し2040年代まで使い続ける計画があるのですが、当のアメリカがイーグルⅡを新造している訳で、器用貧乏にしかみえません。

 イーグルⅡというのはF-15EXというストライクイーグルの改良型を新規に生産しているもので、自衛隊もなにしろ金属疲労や構造寿命があるのだから半世紀以上機体を使いまわす工夫をするよりも、思い切ってF-15JをイーグルⅡに置換えてはどうかとも考えます。

 数が足りないのを能力的には充分と云う意味の分からない理由で例えばC-2輸送機など、生産予定を下方修正して航空機メーカーにダメージを与えて、しかし、その背後で航空技術者が次々自動車技術者などに転換しているのを気付かず、新型機を開発しようとする。

 参院選では、例えば防衛予算を増額すると共に国産装備の比率を高めて、V-22よりはUS-2を、KC-45AよりはC-2輸送機の空中給油型を、と国産装備を製造するだけで正規雇用がどの程度創出されるか、という事も含めて、防衛費の部分を議論してほしかったとおもう。

 スタンドオフミサイルと敵基地攻撃能力、最近は反撃能力というようですが、無理にF-15に搭載するよりも、C-2輸送機を活用する計画を真面目に考えるとか、死の商人として忌避するよりも、一種卑下してきた問題領域というものを真面目に向き合って考えて欲しい。

 防衛費の問題、特に装備調達と装備維持費の問題は、突き返せば、防衛装備を輸出しない分割高である事を受忍する、という長年の防衛政策、分りやすく言えばケンポーキュージョー第一主義というものが、それならば相応の防衛費を、と迫られている構図なのですね。

 防衛費よりも防衛力、しかし防衛力を立て直そうとするならば、成程いま言われているGDP2%という数字は充分現実的な数値となってしまうのです。この当たりを真面目に、必要な装備、棚上げした問題が多すぎるという現実を直視して、考えて欲しいと思うのです。

 F-15戦闘機の機動飛行が始ります、F-15は初期型がF-35Aに更新が遠からず始まるのですが、いまのところ飛行隊はF-4を置換えた2個飛行隊のみとなっています。いや最終的に147機のF-35を導入する事にはなるのですが、F-15の神話に縋るだけが全てではない。

 F-15はアメリカ空軍とイスラエル空軍にサウジアラビア空軍が採用し、戦闘機のロールスロイスと呼ばれた、のは少し前まででして、いまは戦闘爆撃機型のF-15Eが韓国やカタールとシンガポールで採用され、インドネシアも予算的に購入が可能だったという機種です。

 これだけイーグルが揃っていれば周辺国は恐れるに足らず、こういう発想は1990年代当時のもので、戦闘機は年々改良されています、ゼロ戦こと零式艦上戦闘機の初期の高性能とともに後継機開発が遅延し、結局後継機烈風が間に合わなかった事を踏襲してはならない。

 ゼロ戦を例に挙げましたが、スピットファイアやメッサーシュミットBf-109のように性能向上を続け改良型の製造を続けた事で大戦一杯を戦い抜いた事例もある、まあゼロ戦も2000馬力エンジン型を開発できていれば防弾改修も対応できたのかもしれないけれども。

 イーグルⅡを200機程度10年間でライセンス生産し、戦術偵察ポッド搭載型と旧式化したF-15MSIPを無理に改修せず後継機としたうえで、今後計画のF-2後継機開発が遅延するならば更に96機を量産したならば、かなりの雇用創出に繋がるとも思うのですよね。

 十年近く前の航空祭の様子、戦闘機の飛行展示は華麗で素晴らしい、今年百里基地に行けば戦闘機はF-2に転換していますので、新しくなったとはいえるのですが、もう少し防衛力と防衛費というものの関係を考える政治家が、国会にて防衛力整備を議論してほしい。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】百里基地航空祭二〇一二【08】吠えるファントム機動飛行を見上げるイーグル列機(2012-10-20)

2022-06-19 20:00:23 | 航空自衛隊 装備名鑑
■筑波山とF-4ファントム
 戦闘機は見上げるのも非日常ですが歴史や設計に関心を持ちますと過去の写真も輝いて見えてくるものです。

 筑波山を借景に離陸するファントム、進路筑波山へ、という土浦や霞ケ浦に予科練が在った時代には遠景に見える筑波山に向けて練習機を飛ばしたという。百里基地もたどれば海軍百里ヶ原飛行場なのですが、筑波山と戦闘機という取り合わせは妙にこころしみます。

 空母艦載機として設計されたファントム、ファントムもE型は空軍仕様となっていますので艦載機というのは原型のことなのだと留意は必要なのですけれども、筑波山と空母艦載機という取り合わせも、若鷲たちの戦後までの苦闘を含め、何か感じ入るものがあります。

 ファントム、昨年2021年にとうとう航空自衛隊からは退役しまして、いやギリシャ空軍と韓国空軍に若干数残っていると撮影へ海を渡った方もいるとは聞きますが、それにしても基本設計の優秀さ所以とはいえ、よくぞ古い設計の機体が2020年代まで耐えた、と思う。

 自衛隊がファントムを採用した際には競合機種としてF-111戦闘爆撃機や、あとはミラージュF-1にBAeライトニング等が候補となりましたが、F-111は空中戦が出来ませんしミラージュF-1は本命超音速VTOL機開発失敗の妥協案、実質F-4で決まっていたよう思う。

 F-4戦闘機は1950年代の戦闘機ですが、設計としては合理的で、海軍の空母艦載機として設計されつつ空軍へ採用されるかを競合させた当時、空軍が推進した全自動戦闘機というべきF-106と選定した結果、無理に一名の操縦士で操縦させるF-106には限界があった。

 F-106戦闘機が同時のコンピュータの技術でワンマンオペレーションを実現しようと苦闘したのに対し、F-4は一人が無理ならば二人で、とレーダー管制士官を操縦士の後ろに乗せるという複座方式を採用し、結果的にF-106を凌駕する性能を発揮することができました。

 イーグルの時代へ。このファントムに続いて航空自衛隊はF-15イーグルを選定します、競合機種としてF-14トムキャットが検討され、かなり良い線に行ったといわれますが取得費用と運用費用の面でF-14は対象から脱落したともいう、そしてイーグルの時代が来ます。

 F-15,この戦闘機を2020年代の視点から回顧しますと、ステルス性は無いが爆撃機並に積める、ということで、戦闘機業界のピックアップトラックとしてアメリカはF-15EXをイーグルⅡとして新型機扱いで採用、対してF-14は2006年に完全退役しているのですね。

 F-15の原点は第二次世界大戦中にアメリカ陸軍航空隊で大活躍したP-51ムスタングにあるといわれます。P-51戦闘機はスピットファイアやゼロ戦ほど小回りは利きませんでしたし、ドルニエや疾風のような大口径機関砲を積むわけでもありません、しかし強かった。

 ムスタングは航続距離が3000km以上あり戦闘行動半径は1400kmと、ゼロ戦の航続距離3400kmに、なにしろゼロ戦は航続距離と戦闘行動半径に徹した戦闘機、すなわち爆撃機に随伴でき、単独でも敵対空域へ進出し制空権を奪ってくるという運用が可能な水準でした。

 P-51ムスタング、エンジンはピッカードV1650-9で出力2200hp、頑丈な機体を自由自在に繰る出力を有していました。そしてなにより洗練された品質管理とともに信頼性を誇り、戦闘機を評価する機動力や行動半径に打撃力や稼働率と操縦性など五項目があるとすれば。

 戦闘機は全てで最強ではないが、複数項目であらゆる同世代機を圧倒できる性能を有していたという。一方、P-51は優れた汎用性を有し、欧州ではロケット弾を搭載し対地攻撃機としても大活躍し、例えば、戦車戦では強力なドイツ軍戦車に致命的な威力を発揮します。

 空軍万能論ではありませんが、戦闘機の戦闘爆撃機としての性能、これは何故か続くF-86セイバー戦闘機にも継承され、制空権確保よりは護衛戦闘機として、また発展型とされるF-100スーパーセイバーがより設計思想で鮮明ですが対地攻撃攻撃能力が重視されます。

 このための低翼面荷重の設計が実は空中戦に大きな威力を発揮しますが副次的なものであり、アメリカ空軍は本土防空用の、ジーニ空対空核兵器を搭載するような、迎撃戦闘機以外の機体を対地攻撃機へと発展してゆき、これは同時に制空戦闘機の根本を揺さぶる事に。

 戦闘機の機動性という本来概念が忘れられるとは言い過ぎですが、筆頭の要求から徐々に多用途という言葉が取って代わるようになる。F-100スーパーセイバー、続いてF-101ブードゥーやF-102デルタダガーとF-106デルタダートは迎撃専用機ですが、問題はこちら。

 F-105サンダーチーフなどは戦闘爆撃機とはいわれるものの戦闘の名を関することができるか疑問符が、ただ相応に空中戦で活躍はあるが、重い鈍重な戦闘機となっていました。極めつけはF-111アードバーグで、これは戦闘爆撃機とはいうものの、実態は別物です。

 F-111アードバーグ、可変翼と並列複座の操縦席を持つ巨大な戦闘爆撃機です。本来はB-52爆撃機など戦略爆撃機を運用する戦略空軍が爆撃機として採用するほどに爆撃性能が重視された機体となります。これで良いのか、戦闘機部隊のもつ危機感は当然といえましょう。

 ロバートマクナマラ。F-111の生みの親にフォード自動車社長を務め、その経営合理化手腕を当時のケネディ大統領に見いだされ国防長官となった政治家がいます。マクナマラ国防長官は、合理化視点から海軍と空軍が別々の戦闘機を運用している点が無駄に見えてゆく。

 海軍と空軍の戦闘機、この機種の統合を図ることで国防費の最適化をはかるようにします。実際、第二次大戦中であれば小型のF8Fベアキャットと大柄のP-51ムスタングを統合する案などはでなかったのでしょうが、空母艦載機というものはじょおに大型化してゆく。

 アメリカの空母はミッドウェー級、フォレスタル級、原子力空母エンタープライズ、と艦載機を運用できる空母そのものが大型化しています。しかし、艦隊防空を第一とする戦闘機と、相手国上空に乗り込んで迎撃機をすべて打ち落とす制空戦闘機とでは、用途が違う。

 艦隊防空と制空戦闘、ゴールキーパーとフォワードほどに任務が異なり、無理に無理を重ねた結果、十分なミサイルと巨大なレーダー搭載能力を兼ね備えた、巨大なF-111が開発されることとなりました。海軍はこれでは巨大すぎて空母に載らないとして難色を示す。

 空母を仮に大型化しても空母航空団を収容できなくなるとして大きすぎる艦載機に狭くなる空母格納庫を心配し、空軍は大きすぎて鈍重であり戦闘機か疑わしい、と用途を失うようになります。もっとも、戦闘機ではなく爆撃機としては特に高性能であるのだけれども。

 F-111の設計は、しかし当時アメリカに爆撃機万能論があり、その背景にソビエト連邦との東西冷戦下、第一撃で数千メガトンの核兵器をぶつけ合うべく準備し、その一環としてB-52爆撃機が飛行群単位で三六五日二十四時間水爆を搭載し空中待機する時代の反映でした。

 こうした中で、空軍にはSAC戦略空軍とTAC戦術空軍があり、爆撃機万能論の一翼を担う性能があれば、戦闘機でも爆撃機の予算を用いる事が出来た、そんな事情がありました。自由の国アメリカでも、いやアメリカだからこその官僚主義というものがあったのですね。

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【日曜特集】百里基地航空祭二〇一二【07】オジロワシファントム特別塗装機着陸とファントムの離陸(2012-10-20)

2022-06-05 20:02:05 | 航空自衛隊 装備名鑑
■青空に並ぶファントム
 岐阜基地にて2021年にラストフライトを迎えたファントムもこの撮影の十年前には二個飛行隊が第一線で運用中でした。

 F-4戦闘機、この百里基地航空祭を撮影しました2012年の時代は、安全保障よりは東日本大震災復旧が第一といえる状況でして、実際のところ復興よりも先ず復旧を済ませなければならないという、かなり切迫した問題は防衛よりも災害の防災という視点がありました。

 10年後、しかし日本は震災復旧から復興を、極力日常生活を転換させずに我慢を重ねてきましたので、これは語弊があるのでしょうがかなり社会に歪を生じさせたように思うのです、これは重要な施策を後回しとしまして、しかし来年に回せる事を更に再来年その先へ。

 防衛力整備は相当無理が嵩んでいるのではないか、具体的には後回しにし過ぎた装備品や削り過ぎた弾薬備蓄に削り過ぎた人件費が、定数割れだらけの装備を部隊縮小でごまかし、定員割れの部隊を将来への課題という曖昧な施策で看過し、結果防衛力は穴だらけという。

 ミサイル防衛、防衛力整備の無理といいますと本来ならば陸海空加えてもう一つ自衛隊が必要になると称された巨大な防衛力整備へ、予算枠をそのままどころか若干とはいえ減額している時期に進めた訳ですから、後回しとなり定員割れ定数割れの部隊が続々でました。

 海上自衛隊の掃海隊、航空自衛隊では練習機、陸上自衛隊は平成初期と比較し戦車と火砲を四分の一近くまで削減、四分の一を削減したのではなく四分の三を削減させた、しかしそれでも多用途ヘリコプターと観測ヘリコプターに対戦車ヘリコプターは大幅に定数割れ。

 防衛費を増額すると先日にバイデン大統領との日米首脳会談にて岸田総理は表明しましたが、先ずAH-64E戦闘ヘリコプターの緊急調達とT-4練習機210機の後継機選定、延命で誤魔化すSH-60K哨戒ヘリコプターの後継機に、OH-6観測ヘリコプター後継機が要る。

 F-15延命改修も素晴らしい計画が一機当たりF-15-EXイーグルⅡ新造価格とほぼ同じ費用で進めるくらいならば、F-2後継機と併せF-15-EX戦闘機を200機、毎年15機程度ライセンス生産し国内戦闘機製造基盤を維持する選択肢を真剣に検討すべきだとも考えるのです。

 懐古趣味という訳ではありませんが、航空自衛隊がF-4戦闘機を維持していた事は、古い戦闘機を大事にという一方で、稼働率維持に大変な苦労があり、しかし古い戦闘機だったとしても任務は百里基地の場合は首都防空、この任務を妥協するならば大変な事になる。

 F-2戦闘機増産やF-15E戦闘機かF/A-18E戦闘攻撃機、実際のところF-4戦闘機後継機はF-35戦闘機に落ち着きましたが、本来ならば小泉政権時代か第一次安倍政権時代に後継機を選定しておかねばならない事案であり、これを遥かに遅延させたことは評価できません。

 防空第一で策源地攻撃等は自衛隊法上の優先度どころか検討課題とされている段階である為に、どれだけ対地攻撃能力が高くとも対地攻撃が主任務ではない以上、航空自衛隊全体ではF-2戦闘機の評価は低いと側聞します、実際そうでしょう、目的外能力は不要という。

 動画を撮らないカメラマンにとってミラーレス一眼の動画性能をどれだけ強調されたとしても、その動画は印刷して紙面に載せられるのか、紙焼き可能か、という視点で落第するように、航空自衛隊の防衛力とは防空力、こうした視点でF-4後継機は難渋していました。

 F-22戦闘機を理想としていた、とは言われるところですが、それならばブッシュ政権時代にF-22戦闘機海外供与を小泉首相が首脳会談において調整すべき事であり、これもライセンス生産が認められるのかという視点が日米交渉の前に難渋、交渉さえ至りませんでした。

 F-4戦闘機の一個飛行隊定数は24機でしたので、F-22戦闘機であれば飛行隊定数を12機と出来る為、そもそもF-4戦闘機後継所要であれば2個飛行隊、ライセンス生産しようにも在場予備機を含め30機前後となる訳ですから、本来問題とならないはずなのですけれど。

 第五世代戦闘機として最初の機体であるF-22は、先ず空対空戦闘専従である為にアメリカ空軍でもF-15戦闘機よりも短命に終わる可能性が指摘されています、これはF-15-FXとしてイーグルⅡが開発され、F-15シリーズの生産期間が延長したという背景もあるのですが。

 ファントム後継機にラプターを選定しますと、F-22は運用においても空調格納庫が必要である為に、航空掩体での分散運用よりはアメリカ空軍でも大型格納庫を用いている機体です、実際、F-22戦闘機で基本的に掩体運用している飛行隊が無い程でして、運用は難しい。

 掩体運用していないというのは、丁度良い自衛隊にも掩体はそれほどないのだからと安堵するのではなく、アメリカ本土以外に配備されていない証左でもあります、すると前線基地に近い航空自衛隊において、弾道弾脅威下でも運用できたのだろうか、と疑問はつづく。

 F-35かEF-2000ユーロファイターか、ここで難渋する事となるのですが、AESAレーダーをなかなか完成させられないEF-2000については、製造を担当するBAEが完全なライセンス生産を打診していまして、同時期にF-35戦闘機開発遅延が続いたため、判断は悩む。

 EF-2000については、レーダーの面でF-2戦闘機では三菱電機が既にAESAレーダーを開発し搭載していましたので、段階近代化改修としてもEF-2000は将来発展性は高いものの発展させるには膨大な費用が必要であり、調べれば調べる程に採用後の苦労が覗きます。

 F/A-18Fを先行して採用し本命のF-35が導入された後にはF/A-18Fを電子攻撃機のE/A-18Gとする選択肢をオーストラリアが選択しまして、器用な事をするものだなあと感心した一方、日本の場合はここまで大規模な用途転換は出来るかと不安も感じさせていた。

 F-35Bならば、当時すでに16DDHとして後の護衛艦ひゅうが型の量産が決定していましたので、艦載機に転用できるものだろうけれども。ただ、不具合が指摘されていたものの、開発しているアメリカにF-35以外の第五世代機の選択肢は無く、不具合は予算が解決へ。

 最適解となったのはF-35であった、もっとも当初はF-16程度の費用で調達できるというF-35はF-15戦闘機よりも高くなっている訳なのですけれども、一方で操縦しやすい戦闘機として完成しています、この当たりは中々、現場に居なければ予測できないものなのだが。

 幸いといいますか、自衛隊に策源地攻撃能力任務や敵基地攻撃能力や反撃能力として整備が求められるようなりますと、F-35は要撃機ではなく統合打撃戦闘機という多目的戦闘機、その任務へ対応は可能となりました。そして続いてF-35Bがあっさり採用され、驚いた。

 T-X次期練習機、しかしF-35選定が大きく遅れ2020年代までF-4戦闘機を運用し続けた事で、T-4練習機の後継機が完全に宙に浮いています、T-4の生産終了は2003年ですので、一番新しい機体でも19年、初号機初飛行は1985年ですので、今後の問題となりえます。

 F-4戦闘機、後回しあとまわし、と後継機が大きく遅れてしまい、ファントムカッコイイ、というヒコーキ好きな視点と切り離して防衛安全保障を考えますと、少し複雑な気分にもんまってしまうのですが、高性能なカメラの時代まで現役で居てくれたのは幸いでしたね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
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【日曜特集】百里基地航空祭二〇一二【06】第302飛行隊"オジロワシ"F-4ファントム特別塗装機(2012-10-20)

2022-05-22 20:12:59 | 航空自衛隊 装備名鑑
■ファントム特別塗装機
 第302飛行隊はオジロワシを部隊マークとして冠している航空自衛隊精鋭部隊の一つ。現在はF-35Aライトニングを装備していますが十年前はファントムでした。

 横田基地の日米友好祭、行きたかったなあと少し後悔、バイデン大統領がエアフォースワンで乗り付ける航空祭なんてのは本邦初ではないか、いや世界中でもなかなか来たことが無い、それだけ日本、同盟国の国民を信頼しているという現れなのかとさえ考えます。

 VC-25,貴重な機会です。首脳会談では日本の防衛力強化も含めて議題に挙がるのでしょうが、NHK報道などを見ますと、防衛費増額を対米公約として提示するとの報道も。ただ、防衛費を上げるという説明では、そもそも円安ですのでF-35からして高くなるのです。

 防衛費の問題は円安により輸入するイージスシステムもF-35戦闘機もスタンダードミサイルも何もしなくとも高くなりますし、ボーイングと契約しているF-15戦闘機能力向上改修についても、F-2戦闘機新造と費用面であまり変わらなくなる可能性さえあるのでしょう。

 ロシア経済制裁に伴う欧州LNG需要増大は日本へ更なる資源価格高騰を突き付け、遠からず1973年石油危機の再来のようなインフレを生じさせる事となりますし、結局防衛費を、いまの水準よりも大きく上げたとして、防衛力強化にはそれ程繋がらないよう思うのです。

 日本は何をできるのか、これは例えば憲法問題も含め、有事の際にNATOのようにAWACSを紛争地域近傍まで展開させ護衛艦による情報収集、妨害が有れば実力で排除する、そうした協力を、日本はどこまで出来るのかを法的に明確とできる、この方が肝要とおもう。

 相手国本土への着上陸以外や非戦闘員無差別殺傷以外は可能とする、若しくは、相手国軍事施設への必要な無制限の行動を法的に可能とする、相手国への直接攻撃は政治決定条項だが航空機や艦船に対する無制限作戦は可能とする、こうした一線を示す方が大切です。

 さてさて、ここからは航空祭関連のファントムの話題です。自衛隊装備は近代化改修が為されないと云う率直な印象がありますが、F-4ファントムについては、かなり大規模な改修が行われているのですね、機体価格の二割以上にあたる費用を投じて改修が行われました。

 航空自衛隊のF-4戦闘機改修は、まずファントム導入に際して周辺国へ脅威を与えないとして取り外された爆撃コンピュータの再装備という手法で第一線に維持されることとなりまして、ファントムはブルパップ地対地ミサイルなどの誘導装置が元々ついていました。

 EJからEJ改へ。爆撃コンピュータは航空自衛隊独自のJ/AYK-1を装備しまして、これはF-1支援戦闘機と同じもの、これにより国産の空対艦ミサイルASM-1とASM-2の運用能力を付与されました。そしてレーダーももともとのAPQ-120を新型に置換えています。

 ヘッドアップディスプレイ、もともとEJにはASC-26光学照準装置が搭載されていましたが、流石にこれでは限界がありましてカイザー社製ヘッドアップディスプレイを搭載、レーダー表示装置も大型のAVQ-3に更新され、12カ所の目標位置表示能力が追加されました。

 APG-66Jが新しくファントムに搭載されまして、これはF-16A戦闘機と同じもの、これでファントムがファイティングファルコン並になったのですが、同時にF-16とはいってもF-16Aであり、戦闘機としては中距離空対空ミサイルを運用可能となる前のF-16でして。

 AIM-7Fスパロー、これについては航空自衛隊はEJ改開発当時にF-15J戦闘機のライセンス生産を進めており、このMRM中間指令誘導装置をEJ改に追加、スパロー運用能力を維持しています。またAPG-66Jは低高度目標、ルックダウン探知能力も強化されています。

 MiG-25函館亡命事件が1976年に発生しますと、低空を飛行するMiG-25を追尾不能であった点が問題視されましたが、一応、目処はついた構図です。ただ、AIM-7Fは最新ではなく、時代はAIM-120AMRAAMの到来も視野に、1987年より安価に抑え改修を始めました。

 ドイツ空軍のF-4戦闘機などはアクティヴホーミング方式で誘導不要のAMRAAM空海空ミサイルさえ搭載していまして、十年ほど前に退役しましたが、航空自衛隊の場合はAMRAAMではなくASM-2を重点的な装備とする、支援戦闘機的な考えなのでしょう。

 ドイツのAMRAAM搭載ファントム、2020年代の航空自衛隊ではF-15でさえ初期型にAMRAAMを搭載せず、中間指令誘導方式のスパローを運用していることを考えれば、ドイツのファントムはかなり強化されているものでした。その後ドイツもファントム廃止へ。

 ドイツ空軍はファントムを最新鋭のEF-2000ユーロファイタータイフーンに代替していますが、F-4からEF-2000と数字だけは五百倍になったものの低稼働率、なにしろ即応機が一桁まで下がったことさえある、不具合に悩まされ、しかも構造寿命の問題が表面化する。

 ユーロファイターについて、一部にはとにかく飛ぶことに関しては頑丈なファントムを懐かしむ声さえあるという。航空自衛隊のファントムは、操縦士からの評価はいろいろあるようですが、列線整備の大変さだけは悪夢のようだというものもあり、古さは否めない。

 自衛隊では、特に運用末期は予備部品の枯渇とともに稼働率をどのように維持するかが悩みであったようです。もっとも、用途廃止機からの部品はぎ取りにより稼働率を維持させる、用途廃止のファントムは最後まで運用を続けた百里基地に蓄積され、予備部品となる。

 有事を考えれば綱渡りそのものであり、考えればあの状況で防衛出動とならなかったのは僥倖といえるのかもしれません。一方でファントムの三菱重工でのIRAN定期整備は2019年4月に、奇しくもその日F-35が太平洋上で墜落事故を起こしたのですが、転機を迎えた。

 最終IRAN機が岐阜基地に小牧の三菱重工小牧南工場からまさにこの日に回航されていまして、こうした先が見えたことでファントム飛行隊は新人教育の頸木から解き放たれます、するとDACT異機種間戦闘訓練で格上と考えられたF-15やF-2を喰う立場になった、と。

 新人訓練ではなく純粋に練度強化に邁進するならば、2010年代末期でもファントムがイーグルに対抗出来る、これは言い換えれば操縦士の機種転換などの教育訓練を第一線部隊に負担させず、実戦部隊が訓練に専念する事で精強な部隊を組めるという置き土産の教訓だ。

 自衛隊のファントム、航空自衛隊に配備された440号機は文字通り世界最後に製造されたファントムとなりましたが、これも2020年に退役します。そして1981年に初号機が到着したイーグルの時代が、1990年代以降広がって有くのですが、なにか不思議が否めません。

 イーグルによる更新、しかし2個飛行隊が残り、長らく301は新田原、302は那覇、この体制が続き、F-1支援戦闘機とF-2戦闘機の繋ぎも担いましたが、戦闘機部隊ファントム2個飛行隊体制は長く飛行隊機種転換が久々、実感がわかないというのが正直などころです。

 しかし本日東京の横田基地にて開催された横田基地日米友好祭では、このオジロワシを冠する第302飛行隊のF-35が地上展示に参加しました、第301飛行隊のF-35とともに。F-4からF-35への機種転換を象徴的に航空祭で展示、ファントムは歴史に去ってゆきました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】百里基地航空祭二〇一二【05】F-4ミッシングマンフォーメーションフライト(2012-10-20)

2022-05-08 20:12:34 | 航空自衛隊 装備名鑑
■3.11犠牲者を悼む大空
 百里基地は北海道沖を南下するソ連ロシア機への首都防空の要であるとともに、そして基地の所在する茨城県は鹿島灘の太平洋に面しています。

 追悼フライト、ミッシングマンフォーメーションフライトともいう四機編隊にて基地上空に飛来し、その内の一機が上空へ急上昇してゆく編隊飛行です。ここ百里基地は茨城県、そして日本海軍の百里原飛行場がその始まりであり、茨城県は福島県に隣接しています。

 東日本大震災の翌年に行われた航空祭です、ここ百里基地はRF-4戦術偵察機を運用している全国で唯一の基地ですので、大規模災害に際しては最初に離陸し情報収集にあたります、その偵察機がフィルムカメラを採用しているので現像に時間がかかるのが難点なのだけど。

 大規模災害、現在ウクライナで第三次世界大戦への導火線と云うべき状況が火花を散らしている状況では若干まだ災害の方が猶予がありそうに見えてくるのですが、それでも戦術偵察機、そして今は観測ヘリコプターも全廃されている中で大丈夫なのか、と思うのです。

 RF-4戦術偵察機の後継に航空自衛隊はRQ-4無人偵察機を採用しましたが、これも広範囲を長時間に渡り情報収集可能という優れた航空機なのですが、東京から大阪まで最短10分強で到達できる超音速戦闘機を用いた戦術偵察機、急ぎの場には必要だったともおもう。

 次の災害は待ってくれるのだろうか、現代であれば戦闘機に搭載できる偵察ポッドでリアルタイムの画像伝送できる装備は国際市場に複数が存在します、日本は東芝が開発に失敗して後に戦術偵察機というものの選択肢が無くなったように見えるのだが大丈夫なのか。

 RQ-4が一旦離陸するならば被災地の情報は持続的に入るのかもしれませんが、高高度を飛行するとはいえ旅客機との飛行管制をRF-4のように素早く展開できるのか、そもそも機数が限られるRQ-4はスクランブルのように発進できるのか、不安が残るのです。災害の際に。

 ファントム、性能面では2010年代にはしかしかなり厳しい水準にありましたが、今となっては懐かしい戦闘機です。いや、後継機のF-35がもう少し早く決まっていれば、偵察ポッドだけでもデータリンク可能な新型に切り替えて、残るF-4を全部偵察機に出来たとも。

 航空自衛隊が採用する前にアメリカ海軍が空母艦載機として開発したF-4ファントム、正確には空母艦載機仕様ではなく航空自衛隊はアメリカ空軍仕様のF-4Eを元に日本仕様としたものがF-4EJです。この機体は設計当時、合理的である考え方で複座となっています。

 ファントムの優れている部分は無理に自動化しようとせず、二人の操縦要員に分担させることで単座戦闘機であるデルタダートに勝利しました。空母艦載機は二人乗り、アメリカはF-14戦闘機、通称トムキャットでも同様の設計思想を採用しているのが興味深いですね。

 デルタダートの単座と一方、ファントムの複座、無理に自動化しないという発想は、マンパワー依存の運用が前提といえるものでして、これは徐々に自動化が進みますと影響が顕在化してゆきます。ファントムの後継機はF-35ライトニングですが、自動化が凄い事に。

 F-35は整備員がタブレット端末を携帯して機体周囲で整備を開始しますと自動で同調して整備箇所を画像にて示すとともに予備部品をこれも自動で補給処に申請します、これがF-4は全部手作業という時間も手間もかかるものとなっています。人数が居れば平気なのだが。

 いやF-15イーグルでさえ点検部分は前部脚部の内側に自動表示装置があり、緑ランプと赤ランプを見分けて赤ランプの点灯している番号の点検ハッチを開いて交換モジュールと差し替えることで電子整備などは自動化、F-15でも列線整備はかなり省力化されています。

 しかしF-4では250ほどある点検ハッチを一つ一つ手動で整備員が開き目視にて端子に異常な煤の付着はないか、熱を持っていないかを確認するという、マンパワー依存の機体となっています、このために列線整備だけでも大量の人員が必要で、なにしろ手作業が多い。

 これが現場の負担となっていたのですね。ファントムはよい戦闘機、これは間違いはありません、実際、ヴェトナム戦争では大活躍しましたし、イギリスやドイツはじめ欧州に大量供与されたファントムは強力な抑止力となり、第三次大戦の勃発を、阻止しましたし。

 実際ファントムを運用している長い期間にわたり日本も周辺国から軍事攻撃を受けていません。ただ、運用する側にたちますと、ないしろ1981年からレーダーを一人ですべて運用できるほどに自動化されたイーグルを装備している航空自衛隊の視点からは、厳しい。

 F-15と比較した場合でも、操縦も整備も、あらゆるめんで古い、といえるのかもしれません。ファントム飛行隊の定数は24機、交代要員を考えずに操縦要員だけを確保した場合で操縦士が48名必要です、なにしろ一人でも飛べる単座戦闘機の複座型と2倍も違います。

 ファントムは二人居ないと能力が発揮できない前提での設計なのですからね。三菱重工でのライセンス生産、ファントムは三菱重工が95%のライセンス生産を実施したことで長期間の運用が可能となりました、なにしろアメリカでは制空戦闘機としては早々と交代した。

 アメリカでは、制空戦闘機として陳腐化したのちワイルドウィーゼルとして防空制圧に活躍しましたが湾岸戦争を最後に退役しています。ワイルドウィーゼル、対レーダーミサイルを搭載し、本格的な航空打撃戦に先立ち自ら囮となり敵地対空ミサイル圏に飛び込む。

 ファントムはワイルドウィーゼル任務に用いられただけでも優秀な特性があるといえます、敵地対空ミサイル圏内をのんびりと飛行し、撃ちあがってきたミサイルを欺瞞と電子妨害で躱しつつ急降下し敵地対空ミサイル陣地を攻撃破壊する、そんな任務に投じるのだから。

 ただ、世界中に供給されたファントムはその後も現役で、最強では無かったが強力な戦闘機ではあった、無理にロールスロイス製エンジンを搭載したイギリス軍機を除き長く運用されています。この背景にはファントムが古い設計であったことが逆に寄与した、とも。

 世界初のソリッドステート式コンピュータを搭載したファントム、ソリッドステートとは要するに半導体ですが、遙か後に北海道函館に亡命したソ連製MiG-25は真空管を採用していましたが、ファントムは半導体を、EMP電磁パルスシールドと共に採用していたのです。

 しかし1950年代の半導体性能はたかが知れていますし何より巨大でした、これが逆に旧式となったコンピュータを新型へ置き換えるための空間的余裕となったのかもしれません、同じことは同時期に開発されたホーク地対空ミサイルにもあてはまるのかもしれませんね。

 ホークミサイルも、草創期の電子計算機を積み込むために直径35cmと巨大な演算装置を組み込む大きさを有していたために、後に新型の誘導装置などにも対応、2020年代でも日本を始め数多くの諸国で第一線運用に耐える能力を維持しつつ運用中です。F-4と似ています。

 航空自衛隊のファントムは2021年に運用を終了しましたが、防衛出動などに用いられる事は無く、RF-4は災害派遣に活躍、F-4は日本に戦争の可能性が及ぶのを遠ざけ抑止力として威力を発揮しました。後継機となるF-35もその偉功を引き継げるように切に願うのです。

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