北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

音響ステルス ディーゼルエンジンとガスタービンエンジンについて

2008-09-06 00:01:47 | 先端軍事テクノロジー

■ステッドファスト詳報の補足

 本日の記事はステッドファスト フォーミダブル級フリゲイトの補足記事です。

 最初に事務的連絡とお礼。おかげさまでWeblog北大路機関は9月4日2000時頃、アクセス解析開始より60万アクセスを突破しました、一日あたり1400を越えるアクセスが続いていまして、たくさんのアクセスに感謝します。

Img_5317  XP-1厚木基地到着に関するお知らせを続いて、掲載。川崎重工から防衛省に納入式を行い、無事海上自衛隊の航空機となった次期固定翼哨戒機XP-1ですが、5日の1400時頃、岐阜基地を厚木航空基地に向けて離陸。岐阜基地上空をP-3Cとともにフライパスしたのち、無事、厚木航空基地に到着したようです。XP-1厚木基地への回送に関して詳しくは第二北大路機関XP-1厚木基地到着http://harunakurama.blog10.fc2.com/blog-entry-122.htmlをご覧下さい。

Img_2666  さてさて、ステッドファストの記事に関する訂正。ディーゼル機関が音響ステルス性に寄与しているという点についてです。ディーゼルとガスタービンの水中放音比較ですが、専門の方のお話では、ガスタービンエンジンの方が低いようです。米海軍の対潜駆逐艦であるスプルーアンス級駆逐艦のガスタービンエンジン採用も、そういう背景があるのではないか、ということ。

Img_8821  フランス海軍のジョルジュレイグ級がガスタービンとディーゼルを併用しているのはガスタービンを対潜用として用いる背景があるのですが、続いて建造したカサール級ミサイル駆逐艦は、ディーゼル機関を採用しています。これは上部構造物に占める排気部分を圧縮し、ミサイル管制設備を配置する目的があるようですが、同様のことは、ラファイエット級の開発において、上部構造物を極力縮減し、レーダー反射面積を低減する目的があったのではないか、といえます。

Img_2928  それでは、対潜用という任務は考えないのか、という事になりますが、そもそもラファイエット級は、短魚雷も搭載しない警備・特殊任務を想定したフリゲイトですので、設計当時は考慮されていなかったのではないか、と考えることが出来ます。シーレーン防衛に任務の最重点を置く海上自衛隊とは異なり、これは南太平洋に領土を有し、旧植民地諸国の地域安定にも責任を持つフランス海軍ならではの発想というべきでしょう。

Img_2573  ディーゼルからガスタービンに、ラファイエット級の系列艦を各国が導入する際、換装を要求しなかった背景は何か。これは、輸出市場においてライバルとなるドイツのブロームウントフォス社製MEKOシリーズ汎用フリゲイトに対して、ラファイエット級がステルス性を売りにしていることから、上部構造物の大型化を避けるという目的、更には設計変更に伴うコスト上昇を避ける、という目的があるのではないかといえるでしょう。他方で、海上自衛隊のガスタービン化は、世界に趨勢に乗ったものといえるでしょう。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
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