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京急電車撮影紀行 京浜急行電鉄は今年で創業110年

2008-09-07 18:33:00 | コラム

■京急の上質なクロスシート特急

 京浜急行は1898年に大師電鉄として創立以来、今年で110年を迎える。鉄道省線(現JR)との競合、そして横浜と東京という激戦区を生き抜くべく、洗練されたサービスを誇る京浜急行電鉄の写真を本日は掲載したい。

Img_8866 京急1000形。2002年より導入された新鋭車両で、首都圏の通勤車としては稀有なクロスシート車。初代1000形と区別してN1000形と呼ばれることもある。VVVFインバータ制御にシーメンス社製GTO素子を採用したことで、発車の瞬間にメロディーのような起動音が親しまれる。写真は横浜駅での撮影で、京浜東北線の209系電車と並んでいる。

Img_8507  京浜600形電車。京浜急行電鉄は、本線の浦賀と泉岳寺間56.7km、京急蒲田と羽田空港を結ぶ空港線6.5km、発祥の路線である大師線の4.5km、金沢八景と新逗子を結ぶ逗子線の5.9km、本線堀ノ内から三崎口までの三崎線13.4kmの営業距離87駅から成り、駅数は72。しかしながら、京浜急行サービスの真髄は、写真の600形のような特急料金不要のクロスシート特急の運行である。

Img_8515  京浜急行電鉄は、東京から横須賀まで実に45分で結んでいる。JR横須賀線を利用した場合75分を要する。この高速ダイヤを実現する為に路線には多くのトンネルがある。また、この高速ダイヤとともに12両編成という長い編成の列車を運行し、首都圏の膨大な旅客需要に対応するべく努力している。

Img_8517  京急2000形。スピード感溢れるこの2000形は、1982年に快速特急用として導入された車両、1983年度ブルーリボン賞受賞車両である。片側二扉のクロスシート車としてデビューしたが、旧式化が進むと共に片側三扉のロングシート車に改造されている。この改造にともない、車体側面の白帯が細くなっている。京急電車は、車体側面の白帯の広さで、ロングシート車かクロスシート車かが一目でわかるようになっているのが嬉しい。

Img_8521  1500形電車。1985年から導入が始まった通勤電車で、京急電車として初めてTバーワンスハンドル式マスコンを採用。1500形は界磁チョッパ制御車として製造されたが、1990年から増備された三次車からはVVVFインバータ制御方式の車両となっている。これにより京急電車はVVVFインバータ制御車へと車両体系の転換に寄与した。

Img_8539  京急2100形。京浜急行電鉄創立100周年にあたる1998年から導入が開始された新世代特急用車両である。幅広い白帯から分かるようにクロスシート車両で、車内の内装には特に重点が置かれ、阪急や京阪の特急と同等のレベルを有する。座席はノルウェー製で転換時にヘッドレストの角度を変化させるという配慮。熱線吸収複合連続窓の採用により車内の低騒音化を図り、シートピッチは850㍉。

Img_8549  京急800系電車。1978年に京急車両体系の近代化を目指し導入された車両。サイドワンハンドルマスコンの採用や回生制動付直並列巻界磁チョッパ制御を採用しているということで、技術的に優れているという評価から1979年に京急電車として初めて鉄道友の会よりローレル賞を受賞している。ニックネームは“だるま”。

Img_8486 京浜急行電鉄は羽田空港とを結ぶ空港特急を運行していることでも知られる。1994年にデビューした600形は、冒頭にも記したようにオールクロスシート方式を採用している。冒頭の写真と比べると、カラーリングが異なるが、これは羽田空港への乗り入れをイメージさせるものだ。なお、600形は、2100形、1500形電車との連結運転が可能であり、運用の柔軟性を担保している。

Img_8483  2000形電車。駅での素早い連結結合により本線と支線の様々な通勤輸送に対応する。競合路線に対して高速化を図り旅客需要の要求に応えると共に、通勤車両への大胆なクロスシート車の導入により高いサービスを誇る、そして最大12両編成により運行することでクロスシート車の着席率を提供するというものが京浜急行のサービススタイルである。

HARUNA

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