北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

名鉄パノラマカー『三河湾』号・『日本ライン』号・『さよなら7007編成』号

2008-09-22 20:44:16 | 北大路機関特別企画

■Weblog北大路機関60万アクセス突破記念企画 

 パノラマカー総力特集50万アクセス突破特別企画に続いて60万アクセス突破特別企画も、パノラマカー特集である。特急料金不要、特急から急行、普通電車から団体列車まで名鉄の象徴として活躍したパノラマカーもいよいよ最後の時が近付いてきている。

Img_5775  名鉄のシンボル、7000形パノラマカーと、同じくブルーリボン賞を受賞した傑作通勤車6000形の行き違い。名鉄パノラマカーは、高性能型の7500形が運用の難しさから先に廃止され、急行型の傑作5500形も既にその姿はない。しかし、看板列車であるパノラマカーは、当初2009年度までに廃止とされていたが、一部報道では、廃止予定が若干延ばされ、2010年3月31日まで4輌編成型の3編成が運行されるとのこと。もしかしたら、3400形のように、残ることもあるのではないか、と期待もしたい。

Img_2131  パノラマカー『三河湾 吉良吉田号』。8月9日に限り復活したパノラマカー名称列車で、かつて行楽シーズンなどに海水浴場に向かう旅行客を運んだパノラマカーヘッドマークである。パノラマカーが誕生した1960年代前半は、海水浴が行楽で大きな位置を占めており、知多半島や蒲郡方面に路線を持つ名鉄が重要な交通手段となっていた。

Img_2138  パノラマカー三河湾号には、旧特急用の白帯車7011F編成(四両編成)が投入された。三河湾号は、須ヶ口車庫においてヘッドマークを取り付け、出発、名鉄名古屋駅を始発として名古屋本線をすすみ、途中より西尾線に入線、吉良吉田駅に向かった。この列車は、定期ダイヤでは快速急行として従来型の電車で運行されているものに、7000形パノラマカーを充当した名称列車である。

Img_2144  撮影したのは、本星崎駅から徒歩で移動した沿線で、カーブを曲がり終えた電車をちょうど良い位置で撮影することが出来るスポット。撮影日和の快晴を背景に、パノラマカーの展望車は満席状態で、ラッシュ時でも見られないほどの盛況に。展望席には各種ビデオカメラが9台ほど並んでいる。

Img_5151  パノラマカー「日本ライン 新可児」号が8月30日に、名鉄岐阜駅を始発として新可児行き臨時特急として運行された。全席一般車の臨時特急には7011編成が用いられ、久しぶりに“特急 LTD EXP”の表示が掲げられ、雄姿を沿線に示した。当日、名鉄岐阜駅では、ポケモン電車見学会が行われ、小生もピカチュー氏の撮影を行った次第。ひこにゃん氏と同じような印象で、テレビで見るのとは違うなあ、という印象であったが、対して名鉄岐阜駅は満員御礼、撮影は沿線から行った。

Img_5154  車内一杯にパノラマカーファンを乗せ、叩きつける豪雨の雨粒を跳ね除けつつ、前へ進む特急パノラマカーの雄姿。「日本ライン」号が運行された当日は、極地豪雨の影響で、蒲郡付近では列車の運行に支障が出るほどの悪天候、したがって名称列車運行の可否も危ぶまれたが、幸いにして予定通り実施された。

Img_5164  パノラマカー「日本ライン」号は、木曽川急流下りで有名な日本ライン今渡駅への観光輸送が目的の名称列車、この分だと、紅葉や桜シーズンにも名称列車が運行されるのではないか、という期待も湧きあがってくる。ちなみに撮影場所は、名鉄岐阜駅からやや離れた沿線の踏み切り付近から撮影。

Img_5777  9月14日には、パノラマカー最後の六両編成、いわゆるP-6の7007編成がさよなら運転を行った。不定期運行の予備車両として維持されていた7007編成であるが、長い歴史に幕をおろした。当日は金山駅から知多半島の河和駅までの区間、乗車自由の団体列車として運行された。

Img_5783  現在、定期ダイヤにおいて、パノラマカーが運行されているのは名古屋本線の名鉄岐阜~伊奈間、犬山線の新鵜沼駅まで(定期ダイヤで各務ヶ原線乗り入れは、もう行われていない模様)、常滑線・空港線は終点の中部国際空港まで乗り入れているが、他の知多半島における路線は知多半田駅までの乗入となっている。運行は上り線平日13本、休日9本、下り線は平日休日共に9本となっている。

Img_5847  P-6編成のパノラマカーは、5000系により代替されており、6輌編成クロスシートが、4輌編成ロングシートで代替される形となっている。結果、運行が少ない車両数で可能となることで省エネとなるのかもしれないが、着席定数を減らし立ったまま乗客に移動を強いることで省エネを達成するという方法には疑問符が付かないでもない。

Img_5849  特急、快速急行、団体、と今日では特別ダイヤでなければ見ることの出来ない区分で運行されるパノラマカーの写真を掲載した。デビュー当時から脚光を浴び、一時は車両の三割近くをパノラマカーファミリーが占めた名鉄であるが、自慢の展望車に残された時間はあまり長くないことを考えると、やや重い気持ちとなってしまうが、最後までの活躍を期待したい。

HARUNA

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