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F-X(次期戦闘機)選定と第五世代戦闘機 X-47B初飛行の報道に接して

2011-02-05 23:38:14 | 先端軍事テクノロジー

◆F-35Aという話も聞くのですが

 DVDからBDに移行中という事で、ちょっと個人的に時間が無い中ではあるのですが、アメリカで海軍次世代無人機X-47Bがエドワーズ空軍基地で4日に初飛行を果たした、との報に接しました。

Img_9341  そこで、最新鋭機が飛ぶたびに、F-X選定がどうなるのか、という事を考えたりするのですが、特にF-35Aについて。F-35といえば無人機ネットワークを維持する端末、ネットワークの無い航空自衛隊は先にこのネットワーク構築から行うべきでは、と。まずX-47Bというのはステルス無人機として設計された機体で、ノースロップグラマンを主契約企業として開発していた航空機、機体そのものはF-117のような輪郭なのですがエアインテイクや翼端部分はB-2のような形状の航空機、航空母艦より運用し、高い戦闘行動半径と無人機ならではの長大な滞空時間を誇り、多用途任務に充てる無人機の中では戦闘機としての任務に充てる事が出来る航空機、を目指しているそうです。

Img_9936  F-35,ペアを組むX-47は空母からの運用を想定しているのでこの場合考えるのは航空自衛隊が導入する可能性があるF-35Aではなく空母艦載機のF-35Cになるのですけれども、F-35CはX-47B,制式化されればF-47になるのか、RF-47,・・・、なんか偵察機みたいだな、では、MF-47か、そんな名前になるのだろうけれども、この機体とF-35Cの役割分担、というのを考えると第五世代機としての役割はちょっと分かりやすくなるのだと思います、F-35というのは、ABC問わず、ネットワーク戦の端末として、情報を中継し、任務を統制し、通信を維持する、そういう端末としての役割を期待しているのですよね、つまりステルス性というのはその端末が生存するための手段であって目的ではない、と。衛星通信で情報通信を維持しようとしても妨害に遭う可能性がある訳で、F-35Cは中継に当たり、通信を妨害する相手に対しては実力でこれを排除する、これが第五世代戦闘機の任務。

Img_0272  航空自衛隊はステルス機としてF-35Aを見ているのならば、これはかなり的外れだと思います。ステルス性は充分あるのだとは言い切れる航空機ですが、F-35はネットワークを一端を担うという事が目的であり、端末である訳です。ネットワークに加入することは従来の戦闘機でも可能でした、航空自衛隊ではF-4の時代からバッジシステムとの適合を考えていますので、バッジシステムは一種のネットワーク、これに加入することは既にできていたのですよね、このネットワークの利用効率を高めているのがF-15の近代化改修型、しかし、これら加入することは第四世代機までの必須で、第五世代機は、ネットワークを構築し運用し完成し統制することが出来る機体、そのネットワークは無人機により形成され、その打撃力により協同交戦能力を構成する。

Img_9118  しかし、例えば相手国に侵攻する場合等では、こうした第五世代機と第四世代機の能力の相違はかなり大きなものになると思うのですが、ネットワークの維持能力や構築能力は別として、戦闘機、航空優勢を確保するための戦術機材として観た場合には、第四世代機で第五世代機に対抗することは可能だ、と思うのですよね。まあ、なんといいますか第四世代機第五世代機というのが強調され始めたのはステルス性の高い航空機を開発し始める時期にかなりの開発費を必要とするので、その為に不便として、予算獲得のために使われたような気がしないのでもないのですが、ね。ステルス機に対抗するのならば、F-15Jにアメリカから何とかAPG-70レーダーを供与してもらって搭載した方が有効でしょう。F/A-18EのAPG-79は現時点で何とも言えないのですが、ロシアや中国がステルス機を導入するのでF-35で、というのは、・・・、まあ、F-35とともに強力な無人機装備体系を構築して敵の出撃前に基地を叩く、という運用でもなければ、あまり意味は無いようにも。

Img_0025  そういう意味で、使いこなせる航空機を選んで、そののちに無人機等のF-35が本来完成するべきネットワークを構築して、これを使いこなす端末としてF-35を導入する、という動きでも良いのではないでしょうか。使いこなせないにもかかわらずスマートフォンを予約して、周りには使いにくいから防水携帯にしろ、といわれつつも、ふ、これからの時代はスマートフォンさ、使い方はこれから考えるけれどもね、という方もいますので理解できるのですけれども、ね。・・・、いや私の事です。F-35Aに固執する場合は、そもそもF-35は戦闘機以外の側面をどれだけ航空自衛隊が活かしきれるのか、という事を考えるべきなのでは、と考える次第。しかし、・・・、いやなんでもないです。欲しいという気持ちはわかるのですよね、対ステルス機戦闘のモデルを構築するという意味でも。

HARUNA

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コメント (8)
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