北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

伊豆大島台風26号ラハール災害自衛隊災害派遣、C-1輸送機徹夜空輸で第1師団続々展開

2013-10-17 23:34:20 | 防災・災害派遣

◆輸送艦おおすみ伊豆大島向け、呉基地緊急出港

 本日も昨日に続き、伊豆大島における土砂災害への自衛隊の対応を掲載します。現時点で伊豆大島を襲った土砂災害は火山泥流、所謂ラハール災害だったことが報じられています。

Oimg_5083 昨日、1800時に防衛省本省において今後の対応に関わる大臣と副大臣に政務官を加えた協議が行われたと発表されていますが、その後、伊豆大島へ航空自衛隊はC-1輸送機による徹夜の空輸支援を実施しています。1930時、入間基地より警視庁増援部隊47名を乗せた第二輸送航空隊のC-1輸送機が離陸、1952時に大島空港へ到着しました。

Oimg_4434 入間基地からのC-1輸送機による空輸支援は、更に2119時、国土交通省の5名と消防応援部隊19名を乗せ離陸し2147時に大島空港へ到着。消防応援部隊第二波の車両1両と人員1名を2234時に入間基地より離陸し2304時に大島空港へ、第三波の車両1両と人員1名を搭載し2251時に入間基地を離陸、2324時に大島空港へ着陸しています。

Eimg_2455 大島空港は1800m滑走路を有しますが、同時に多数の旅客機発着を想定した空港施設とは言い難く、今回の災害派遣では短距離離着陸能力とともに地上支援を必要としない自己完結型のC-1輸送機が戦術輸送機としての能力を最大限発揮している、と言えるかもしれません。

Limg_7576 被害規模の大きさに鑑み、海上自衛隊は呉基地の第1輸送隊に所属する輸送艦おおすみ、を2130時、緊急出港させています。おおすみ、は明日未明には当面の目的地として横須賀へ展開しますが、要請があれば即座に災害派遣活動へ加わる方針の下、現在も太平洋上を航行中、とのこと。

Gk_img_2664 輸送艦の任務ですが、被災者への食事や入浴支援と道路啓開への必要な重車両の運搬などの輸送艦としての任務に加え、自衛官と警察官に消防官を加え約1000名にのぼる災害派遣要員への給食支援や休息支援などを行うことが予想されるでしょう。

Limg_9306 災害派遣部隊の伊豆大島への展開は夜を徹して続けられました。陸上自衛隊は、練馬駐屯地第1普通科連隊に加え、第二次増援部隊として静岡県板妻駐屯地より第34普通科連隊の投入を決定、2353時に第34普通科連隊の第一波として人員10名と車両1両が、静岡県内の静浜基地より、第二輸送航空隊のC-1輸送機により派遣、日が換わって17日0017時に伊豆大島へ到着、捜索活動へ投入されました。

Limg_0120 第34普通科連隊は、C-1輸送機の第二輸送航空隊が展開する埼玉県入間基地ではなく、航空自衛隊の第11飛行教育団が展開する静岡県内の静浜基地へ前進し、ここで入間基地より展開したC-1輸送機に搭乗し、伊豆大島へ展開しました。0023時、第34普通科連隊増援第二波30名が静浜基地よりC-1輸送機にて0038時に伊豆大島へ。

Oimg_8936 C-1輸送機による静浜基地からの増援輸送は夜を徹して行われ、0056時に第三波増援部隊30名を乗せ0114時に大島空港へ。0326時に第三次第1師団増援部隊として第34普通科連隊第一波40名がC-1輸送機により静浜基地より離陸し0349時に大島空港へ到着。第三次増援部隊第二波へ第34普通科連隊より40名が0342時に静浜基地を離陸し、0415時に大島空港へ到着し、増援にあたりました。

Limg_1191 第1師団第四次増援部隊として更に練馬の第1普通科連隊より40名が入間基地よりC-1輸送機にて0416時に離陸、0442時に大島空港へ到着し、爾後既に展開している派遣部隊と共に行方不明者捜索へ参加、実に夜を徹しての輸送支援となっていることが端的に表れているでしょう。

Nimg_8962_1 C-1輸送機による空輸支援は、陸上自衛隊の派遣部隊輸送続いて0444時に横浜消防基幹の緊急消防援助隊7名を乗せ入間基地より出発し0509時に大島空港へ。0521時に緊急消防援助隊増援の車両2両と人員2名を乗せ入間基地を離陸、0549時に大島空港へ到着しています。

Img_8095 0748時、東部方面隊隷下の東部方面航空隊はUH-1多用途ヘリコプター2機を情報収集のため発進させました、立川駐屯地を離陸した2機のUH-1は、伊豆大島とその周辺海域の情報収集を行ったのち、1000時に立川駐屯地へ帰投しました。

Nimg_9835 夜が明け、C-1輸送機による関係省庁の増援部隊輸送が更に強化されています。1031時に警視庁特科車両部隊人員33名を乗せ入間基地を離陸し1245時現地へ到着。1219時に警視庁特科車両部隊人員増援33名を乗せ入間基地を離陸し1245時現地へ到着。1310時に更なる警視庁特科車両部隊増援人員33名を乗せ入間基地を離陸し1349時現地へ到着とのこと。

Img_0334 警察庁は約240名の警察官を伊豆大島へ派遣しているとのことですので、大半がC-1輸送機により派遣された、といえるかもしれません。更に1410時に川崎市緊急消防援助隊2名と車両1両がC-1輸送機により入間基地を離陸し1442時大島空港へ、1443時に川崎市緊急消防援助隊増援の人員2名と車両1両が入間基地を離陸し1510時に大島空港へ到着しています。

Pimg_0909 現在までに発表されている災害派遣情報は1443時までのものです。火山泥流、ラハール被害であった今回の伊豆大島土砂災害は、表層部が露出している現状において、少量の雨が更なる土砂災害に繋がる危険があり、慎重を要する必要があります。他方、生存者救出へ投光器を配置し、昨夜に続いて今夜も徹夜の救出作業が行われる、と発表されています。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
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