■特報:世界の防衛,最新論点
今回は定期的に紹介していますフィリピン軍特集の最新情報をお伝えしましょう。一時は日本のミサイル艇を欲したフィリピンは手堅く実用的な調達を行いました。
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フィリピン海軍は新たにイスラエル製FAIC-Msネスターアセロ級ミサイル哨戒艇を導入しました。導入されたのはミサイル艇ネスターアセロと二番艇のロリナトトン、ネスターアセロとはフィリピン海兵隊の下士官の名で1972年にモロ族民族解放戦線の大規模騒擾事件に際し勇気ある行動を執り、フィリピン最高位の勲章である義勇勲章を叙勲した名です。
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ネスターアセロ級ミサイル哨戒艇は全長32m、イスラエルのハイファで建造され8月下旬に貨物船にてフィリピンへ出航しました。最大の特色は機関砲に加え射程25kmのスパイクNLOS対舟艇対戦車誘導弾を装備している点で、従来の機関砲のみを装備する哨戒艇では重武装の中国海軍艦艇による圧迫に対応出来なかった状況を転換させる哨戒艇となる。
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ロリナトトンとともに2隻が揃ったミサイル艇ですが、2022年内に更に3隻が導入される計画で、またフィリピンでは4隻をライセンス生産する構想、カビテ市のパスカルデデスマにあるPN造船所にて建造が予定されています。フィリピン政府は9隻のミサイル哨戒艇建造にイスラエルとの間で100億ペソの契約を結んでおり、海軍力整備を進めています。
■KF-21ボラメを検討
F-35のような第五世代戦闘機を目指すわけではないが安価で4.9世代と自称する韓国のKF-21戦闘機は数を揃えられる次世代戦闘機へ発展するのでしょうか。
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フィリピン空軍はMRF多用途戦闘機候補に韓国の最新鋭戦闘機KF-21ボラメを加えます。これはフィリピン空軍司令部広報官が8月の定例記者会見において表明したものです。広報官は現在構想している第四世代戦闘機と第4.5世代戦闘機と比較した場合、KF-21戦闘機は最もステルス性が高い点を強調しました。KF-21は7月19日に初飛行を迎えている。
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MRF多用途戦闘機はフィリピン空軍が領土領空を防空する上で12機の第四世代戦闘機乃至第4.5世代戦闘機を必要としているものですが、現在のところ国防予算に正式に計上されたものではありません、そして費用としては610フィリピンペソ、米貨換算で10億ドルの総費用を見込んでいる為、12機の導入はF-16V戦闘機の場合予算不足が予想されるという。
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KF-21ボラメが候補に加わるもう一つの理由に、フィリピンは韓国より12機のFA-50軽戦闘機12機を導入した点です、3億2200万ドルで導入したFA-50は韓国側の整備支援や教育支援により整備性や稼働率が確保されておりフィリピン空軍での評価は比較的高く、コストの高騰リスクの低さと運用における韓国製航空機の実績が反映されたともいえます。
■スコルペヌ級潜水艦
フィリピンはステルス性の高い戦闘機を検討すると同時に潜水艦を史上初めて取得する動きが有り、新ゲームチェンジャーとなりえます。
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フィリピン海軍はフランスよりスコルペルヌ級潜水艦の導入計画を継続している、これはフランスの駐フィリピン大使ミシェルボコズ大使が明らかにしたもので、フィリピン政府は潜水艦建造の請負業者についてまだ明らかにしていませんが、フランスの潜水艦造船を担うナーバルグループも、潜水艦導入交渉を継続する用意があると表明しています。
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スコルペルヌ級潜水艦の導入計画、フィリピン政府は2019年にロレンザナ国防大臣がスコルペヌ級潜水艦の有用性を発言していて、2020年から2021年の期間に海上防衛力強化へ潜水艦の導入計画を画定するとしていましたが、フィリピン国内におけるCOVID-19新型コロナウィルス感染拡大による経済後退などを受けその計画の具現化が遅れていました。
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スコルペルヌ級潜水艦はフランスとスペインが共同開発しました輸出用潜水艦であり、ディーゼルエレクトリック方式であると共にオプションとしてAIP非大気依存機関を搭載し水中航続距離を延伸する事が可能です。フィリピンは建国以来潜水艦を保有した事はありませんが中国海軍による行動活性化を受け、潜水艦整備を含め海軍近代化を進めています。
■スキャンイーグル
伊丹駐屯地祭にも登場しましたスキャンイーグルは使いやすく安価です。
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フィリピン海軍はスキャンイーグル無人機による第71海上無人偵察機隊を初度作戦運用に就かせたとのこと。海軍は一年間に渡り海軍航空隊での地上及び海上でのスキャンイーグル運用訓練及び評価試験を継続しており、このほどこれを完了、カビテ市山グリーポイントにあるヘラクレオ アラノ基地の海軍航空隊司令部において記念式典を挙行しました。
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スキャンイーグル無人機はボーイング社の子会社であるボーイングインシツ社が開発した無人機であり、全長1.4mに全幅3.1mと小型ながらは着荷滑走路を必要とせず簡易カタパルトと空中回収装置により狭い地形においても運用、100km以上先への飛行能力と21時間以上の連続飛行が可能、150km/hの速度で飛行が可能でたかい偵察能力をもっています。
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第71海上無人偵察機隊は人員14名で海軍士官5名と9名の整備兵により編成されています、スキャンイーグルのフィリピン軍導入は2020年11月25日のことでした。フィリピン海軍は極めて広大な多島海域を限られた防衛力で警戒監視する必要があり、その為の航空機は日本から無償譲渡されたTC-90練習機など限られています、無人機は重要な装備です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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今回は定期的に紹介していますフィリピン軍特集の最新情報をお伝えしましょう。一時は日本のミサイル艇を欲したフィリピンは手堅く実用的な調達を行いました。
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フィリピン海軍は新たにイスラエル製FAIC-Msネスターアセロ級ミサイル哨戒艇を導入しました。導入されたのはミサイル艇ネスターアセロと二番艇のロリナトトン、ネスターアセロとはフィリピン海兵隊の下士官の名で1972年にモロ族民族解放戦線の大規模騒擾事件に際し勇気ある行動を執り、フィリピン最高位の勲章である義勇勲章を叙勲した名です。
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ネスターアセロ級ミサイル哨戒艇は全長32m、イスラエルのハイファで建造され8月下旬に貨物船にてフィリピンへ出航しました。最大の特色は機関砲に加え射程25kmのスパイクNLOS対舟艇対戦車誘導弾を装備している点で、従来の機関砲のみを装備する哨戒艇では重武装の中国海軍艦艇による圧迫に対応出来なかった状況を転換させる哨戒艇となる。
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ロリナトトンとともに2隻が揃ったミサイル艇ですが、2022年内に更に3隻が導入される計画で、またフィリピンでは4隻をライセンス生産する構想、カビテ市のパスカルデデスマにあるPN造船所にて建造が予定されています。フィリピン政府は9隻のミサイル哨戒艇建造にイスラエルとの間で100億ペソの契約を結んでおり、海軍力整備を進めています。
■KF-21ボラメを検討
F-35のような第五世代戦闘機を目指すわけではないが安価で4.9世代と自称する韓国のKF-21戦闘機は数を揃えられる次世代戦闘機へ発展するのでしょうか。
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フィリピン空軍はMRF多用途戦闘機候補に韓国の最新鋭戦闘機KF-21ボラメを加えます。これはフィリピン空軍司令部広報官が8月の定例記者会見において表明したものです。広報官は現在構想している第四世代戦闘機と第4.5世代戦闘機と比較した場合、KF-21戦闘機は最もステルス性が高い点を強調しました。KF-21は7月19日に初飛行を迎えている。
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MRF多用途戦闘機はフィリピン空軍が領土領空を防空する上で12機の第四世代戦闘機乃至第4.5世代戦闘機を必要としているものですが、現在のところ国防予算に正式に計上されたものではありません、そして費用としては610フィリピンペソ、米貨換算で10億ドルの総費用を見込んでいる為、12機の導入はF-16V戦闘機の場合予算不足が予想されるという。
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KF-21ボラメが候補に加わるもう一つの理由に、フィリピンは韓国より12機のFA-50軽戦闘機12機を導入した点です、3億2200万ドルで導入したFA-50は韓国側の整備支援や教育支援により整備性や稼働率が確保されておりフィリピン空軍での評価は比較的高く、コストの高騰リスクの低さと運用における韓国製航空機の実績が反映されたともいえます。
■スコルペヌ級潜水艦
フィリピンはステルス性の高い戦闘機を検討すると同時に潜水艦を史上初めて取得する動きが有り、新ゲームチェンジャーとなりえます。
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フィリピン海軍はフランスよりスコルペルヌ級潜水艦の導入計画を継続している、これはフランスの駐フィリピン大使ミシェルボコズ大使が明らかにしたもので、フィリピン政府は潜水艦建造の請負業者についてまだ明らかにしていませんが、フランスの潜水艦造船を担うナーバルグループも、潜水艦導入交渉を継続する用意があると表明しています。
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スコルペルヌ級潜水艦の導入計画、フィリピン政府は2019年にロレンザナ国防大臣がスコルペヌ級潜水艦の有用性を発言していて、2020年から2021年の期間に海上防衛力強化へ潜水艦の導入計画を画定するとしていましたが、フィリピン国内におけるCOVID-19新型コロナウィルス感染拡大による経済後退などを受けその計画の具現化が遅れていました。
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スコルペルヌ級潜水艦はフランスとスペインが共同開発しました輸出用潜水艦であり、ディーゼルエレクトリック方式であると共にオプションとしてAIP非大気依存機関を搭載し水中航続距離を延伸する事が可能です。フィリピンは建国以来潜水艦を保有した事はありませんが中国海軍による行動活性化を受け、潜水艦整備を含め海軍近代化を進めています。
■スキャンイーグル
伊丹駐屯地祭にも登場しましたスキャンイーグルは使いやすく安価です。
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フィリピン海軍はスキャンイーグル無人機による第71海上無人偵察機隊を初度作戦運用に就かせたとのこと。海軍は一年間に渡り海軍航空隊での地上及び海上でのスキャンイーグル運用訓練及び評価試験を継続しており、このほどこれを完了、カビテ市山グリーポイントにあるヘラクレオ アラノ基地の海軍航空隊司令部において記念式典を挙行しました。
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スキャンイーグル無人機はボーイング社の子会社であるボーイングインシツ社が開発した無人機であり、全長1.4mに全幅3.1mと小型ながらは着荷滑走路を必要とせず簡易カタパルトと空中回収装置により狭い地形においても運用、100km以上先への飛行能力と21時間以上の連続飛行が可能、150km/hの速度で飛行が可能でたかい偵察能力をもっています。
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第71海上無人偵察機隊は人員14名で海軍士官5名と9名の整備兵により編成されています、スキャンイーグルのフィリピン軍導入は2020年11月25日のことでした。フィリピン海軍は極めて広大な多島海域を限られた防衛力で警戒監視する必要があり、その為の航空機は日本から無償譲渡されたTC-90練習機など限られています、無人機は重要な装備です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)