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北朝鮮ICBM実験に対抗し日米と米韓が合同航空訓練,航空掩体は十分なのか-ミサイル標的となる日本の航空基地

2022-11-20 07:01:44 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ミサイル防衛
 北朝鮮のICBM実験、日本ではミサイル防衛といえば迎撃に重点が置かれていますがもう一つ防衛施設の脆弱性対策などを真剣に検討すべきです。

 北朝鮮弾道ミサイル試験に対抗するべく、日米や米韓の自衛隊や空軍の戦闘機訓練が実施されています。この背景には北朝鮮には空軍作戦能力が限定され、有事の際に航空戦力により圧倒的な不利を被る可能性が高いために、航空戦力による示威が最大の抑止力になると考えられている為なのですが、これは別の視点でもみる必要があるのかもしれません。

 航空掩体は十分なのか。北朝鮮にとり空軍戦力の欠如が問題であり航空戦力にたたかれる懸念を強く持っているならば、逆に日米や韓国の航空基地などは絶対にたたかなければならない最優先目標であり、そして北朝鮮には充分と考える程度の弾道ミサイルの備蓄があり、更に弾道ミサイルによる核兵器の運搬能力構築をすすめています。この意味する点は。

 自衛隊、冷戦時代には百里基地を視察したNATO代表団のうちイギリスの空軍士官が、素晴らしいここまで周到に航空掩体を隠すとは流石日本だ、と感嘆した話があります。これはイギリス士官が掩体を探せなかったのではなく当時百里基地には航空掩体が無かったため、という笑い話と伝わるのですが、実戦のミサイル攻撃下で笑い事ではすまされません。

 三沢基地にはE-2C早期警戒機は配備当初から掩体運用となっていますし、ソ連に近かった千歳基地では飛行隊の半分は早い時期に掩体運用、近年では小松基地などで見えるところに次々と掩体が建設されていますが、戦闘機はすべて掩体運用とし、大型航空機は地下ハンガーを検討する必要もあるでしょう、例えば中国はミサイル爆撃機も掩体に入れる。

 日本の国内に後方は無い、掩体は前線基地に配備するという印象があるでしょうが、中国巡航ミサイルの射程延伸と北朝鮮弾道ミサイル配備数増大を前に、この基地は北朝鮮から離れているので後方基地、というような区分はもうありません、実際問題アメリカはオーストラリアの基地施設を強化しており、日本を前線と見做し、前線基地に近い扱いです。

 航空自衛隊の基地について、そもそも自衛隊に嘉手納基地のような巨大な基地が整備されな背景には、基地を分散させ一撃での損耗を回避するためのもの、という解釈があるそうです。基地を分散し戦域で集約する、という発想ですね。しかし、重ねて現代は精密誘導兵器の時代ですので、分散だけでなく掩体による全ての戦闘機防護も必要だと考えます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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