■防衛情報-ウクライナ戦争
現状をみているとやはり航空機供与の遅れが響いているようでアルファジェットでもファントムでも早く供与できる航空機を模索すべきだったようおもう。
ロシア軍のチャシブヤール周辺での攻撃についてISWアメリカ戦争研究所が5月11日に発表した概況では、ロシア軍はチャシブヤール南方の高速道路Tー0504号線まで進出しており、またスヴァトヴェ西方やアウディイフカ南西のネタイロブ中心部にも侵攻しているとのこと。またクラスノホリフカなどドンバス地方での前進が続いている。
ハリコフ州でも前進が続いており、ただ、この背景にはウクライナ側がロシアとの国境付近に本格的な要塞線を構築していなかったという実状があり、ウクライナ軍の防衛線は国境から若干距離を置いたリプシやヴォフチャンスクなどの人口所在地域に置かれており、今後この前哨陣地との接触によりロシア軍前進は阻まれる可能性がある。
国境地域にウクライナ軍は地雷原など防衛戦を構築していない状況について、ISWはここまで踏み込んだ発言はしていませんが、ウクライナ軍は2023年夏季反転攻勢の戦果をもう少し大きなものと見積もり、この地域の防衛線構築よりも反転攻勢へリソースを集中したことで現在の防衛戦が不利になっているのではないかと考えます。
■ハリコフ周辺
砲兵の弾薬量は兎も角として射程ではウクライナ軍に供与されている火砲が勝っているのだから弾薬供給さえ整えば状況は変わり得る。
ハリコフ周辺に侵攻しているロシア軍部隊について、ISWアメリカ戦争研究所は5月11日付戦況報告において、ウクライナの軍事専門家の発言を引用し、レニングラード軍管区第11軍団第7自動車化狙撃連隊、第11軍団第18自動車化狙撃旅団より2個大隊が攻撃の先鋒となっているとしていて、ここに複数の部隊が支援を行っている、と。
先鋒の2個大隊を支援するのは新設第44軍団の第72自動車化狙撃師団と第128自動車化狙撃師団で、支援部隊を含めるとハリコフ侵攻へは5万名から最大7万5000名規模の部隊が投入されているとのこと。日欧米メディアはこの攻撃を緩衝地帯設置が目的と報じていますが、ISWはハリコフ市への砲撃が目的の前進であると分析しています。
ハリコフはウクライナ第二の都市であり、ISWはここまで踏み込んでいませんが住民も多数が居住していることから、ここが砲撃に晒された場合にはウクライナ世論が反撃よりもハリコフ防衛に重点を置くべきと動くことは必至で、ハリコフ州に隣接しロシアが重要視するドンバスでのウクライナ譲歩に繋げる狙いも考えられます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
現状をみているとやはり航空機供与の遅れが響いているようでアルファジェットでもファントムでも早く供与できる航空機を模索すべきだったようおもう。
ロシア軍のチャシブヤール周辺での攻撃についてISWアメリカ戦争研究所が5月11日に発表した概況では、ロシア軍はチャシブヤール南方の高速道路Tー0504号線まで進出しており、またスヴァトヴェ西方やアウディイフカ南西のネタイロブ中心部にも侵攻しているとのこと。またクラスノホリフカなどドンバス地方での前進が続いている。
ハリコフ州でも前進が続いており、ただ、この背景にはウクライナ側がロシアとの国境付近に本格的な要塞線を構築していなかったという実状があり、ウクライナ軍の防衛線は国境から若干距離を置いたリプシやヴォフチャンスクなどの人口所在地域に置かれており、今後この前哨陣地との接触によりロシア軍前進は阻まれる可能性がある。
国境地域にウクライナ軍は地雷原など防衛戦を構築していない状況について、ISWはここまで踏み込んだ発言はしていませんが、ウクライナ軍は2023年夏季反転攻勢の戦果をもう少し大きなものと見積もり、この地域の防衛線構築よりも反転攻勢へリソースを集中したことで現在の防衛戦が不利になっているのではないかと考えます。
■ハリコフ周辺
砲兵の弾薬量は兎も角として射程ではウクライナ軍に供与されている火砲が勝っているのだから弾薬供給さえ整えば状況は変わり得る。
ハリコフ周辺に侵攻しているロシア軍部隊について、ISWアメリカ戦争研究所は5月11日付戦況報告において、ウクライナの軍事専門家の発言を引用し、レニングラード軍管区第11軍団第7自動車化狙撃連隊、第11軍団第18自動車化狙撃旅団より2個大隊が攻撃の先鋒となっているとしていて、ここに複数の部隊が支援を行っている、と。
先鋒の2個大隊を支援するのは新設第44軍団の第72自動車化狙撃師団と第128自動車化狙撃師団で、支援部隊を含めるとハリコフ侵攻へは5万名から最大7万5000名規模の部隊が投入されているとのこと。日欧米メディアはこの攻撃を緩衝地帯設置が目的と報じていますが、ISWはハリコフ市への砲撃が目的の前進であると分析しています。
ハリコフはウクライナ第二の都市であり、ISWはここまで踏み込んでいませんが住民も多数が居住していることから、ここが砲撃に晒された場合にはウクライナ世論が反撃よりもハリコフ防衛に重点を置くべきと動くことは必至で、ハリコフ州に隣接しロシアが重要視するドンバスでのウクライナ譲歩に繋げる狙いも考えられます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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