■能登半島地震の師団
第10師団の警備管区は東海北陸地方となっています。

第10師団祭、思い浮かべるのはこの時点でまさか元日の能登半島地震というものを想定できた方はいなかっただろうなあ、という当然のことと共に、この第10特科連隊の中部方面特科連隊移管や戦車大隊廃止改編前の混乱下での震災が起こるとは、ということです。

特殊防護隊による除染展示、想定では敵から化学兵器が散布された、想定の展示です。忘れてはならないのは北朝鮮は化学兵器禁止条約に批准しておらず、そしてVXガスを海外での特殊作戦に使用した実例があるということ、もし名古屋にミサイルで撃ちこまれたら。

戦車と共に普通科が。戦車について、ロシアウクライナ戦争の戦訓と、その前の2020年ナゴルノカラバフ戦争も含めて考えさせられるのは、やはり一定の損耗を強いられる覚悟は必要、という、いわばいかに技術が発展しようとも近接戦闘兵器だ、ということでしょう。

74式戦車は古めかしい戦車ではあるのですが、それにしても3月に戦車大隊が廃止され、後継にたった一個中隊の16式機動戦闘車しか来ないというのは心もとない。代りに装甲車も来ない、96式装輪装甲車も戦車大隊廃止に併せ他の部隊へ管理替えとなり師団を去る。

戦車は強いのです。アクティヴ防護装置や無人機迎撃能力を持つRWS遠隔操作銃塔なども当然必要ではあると考えるのですが、先ず一定数を確保しなければ、優れた戦車も現場にいなければ意味がない、という現実です。もちろん戦車定数というものは認識しますが。

定数という視点から考えますと、なにより任務達成がその根拠となるべきですし、定数にあわせた高性能化が難しいのであれば代替装備が必要となります。それはもちろん、近年は120mm砲をもつ50tの装甲車も開発されている故、代替装備がない訳ではない。

損耗はあるていど見込まなければならない。故に高性能であっても、ランボーやメイトリックス大佐のような無敵のポテンシャルを戦車に求めるのは無理があって、すると一定数を考えなければならないのですが、その損害見積もりの概算根拠が気になるのだ。

防衛についてはブラックボックスになっている部分が多い、故に国民は政府が大丈夫だと言っているので大丈夫なのだろうと考え、自衛隊も国家を防衛するならば何とかなるだろうと考え、結果的にどういう戦闘を展開するのかが無関心の帳の向こうにあるのですよね。

例えばロシアウクライナ戦争、ウクライナが敗北する可能性はない、ロシアにはどうがんばってもキエフを陥落させるには戦略核か大量の戦術核兵器を使うか、もしくは今の経済制裁を半世紀我慢するか、という。ただ、負けずとも国民の負担は重い事となるのです。

来年度防衛費は7兆9200億円といいまして、今年度防衛予算と比較しての増額は1兆1300億円というかなりの積み増しとなっています、ただ、防衛費は札束で相手を叩くのではなく中身がどのような能力や装備と訓練体系となるかで左右されるものだとおもう。

自衛隊の問題と云いますと、いきなり廃止か軍拡か、という極論になってしまう。これは例えば国政選挙で民主主義か日本廃止かを問わず現実的に代議士を選ぶのと比べると極論だと思う、しかしここで憲法違反かの原則論に留まるならば、選択肢は改憲の一択に。

昭和生まれで憲法と親しんで育った世代としては、憲法の数多権利を守る為にも防衛力は必要だと考えますが、しかし防衛力の中身については、もう少し踏み込んだ議論、若しくは脅威に対応できるかの能力構築を検証できる公的機関、国民の議論が必要と思うのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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第10師団の警備管区は東海北陸地方となっています。

第10師団祭、思い浮かべるのはこの時点でまさか元日の能登半島地震というものを想定できた方はいなかっただろうなあ、という当然のことと共に、この第10特科連隊の中部方面特科連隊移管や戦車大隊廃止改編前の混乱下での震災が起こるとは、ということです。

特殊防護隊による除染展示、想定では敵から化学兵器が散布された、想定の展示です。忘れてはならないのは北朝鮮は化学兵器禁止条約に批准しておらず、そしてVXガスを海外での特殊作戦に使用した実例があるということ、もし名古屋にミサイルで撃ちこまれたら。

戦車と共に普通科が。戦車について、ロシアウクライナ戦争の戦訓と、その前の2020年ナゴルノカラバフ戦争も含めて考えさせられるのは、やはり一定の損耗を強いられる覚悟は必要、という、いわばいかに技術が発展しようとも近接戦闘兵器だ、ということでしょう。

74式戦車は古めかしい戦車ではあるのですが、それにしても3月に戦車大隊が廃止され、後継にたった一個中隊の16式機動戦闘車しか来ないというのは心もとない。代りに装甲車も来ない、96式装輪装甲車も戦車大隊廃止に併せ他の部隊へ管理替えとなり師団を去る。

戦車は強いのです。アクティヴ防護装置や無人機迎撃能力を持つRWS遠隔操作銃塔なども当然必要ではあると考えるのですが、先ず一定数を確保しなければ、優れた戦車も現場にいなければ意味がない、という現実です。もちろん戦車定数というものは認識しますが。

定数という視点から考えますと、なにより任務達成がその根拠となるべきですし、定数にあわせた高性能化が難しいのであれば代替装備が必要となります。それはもちろん、近年は120mm砲をもつ50tの装甲車も開発されている故、代替装備がない訳ではない。

損耗はあるていど見込まなければならない。故に高性能であっても、ランボーやメイトリックス大佐のような無敵のポテンシャルを戦車に求めるのは無理があって、すると一定数を考えなければならないのですが、その損害見積もりの概算根拠が気になるのだ。

防衛についてはブラックボックスになっている部分が多い、故に国民は政府が大丈夫だと言っているので大丈夫なのだろうと考え、自衛隊も国家を防衛するならば何とかなるだろうと考え、結果的にどういう戦闘を展開するのかが無関心の帳の向こうにあるのですよね。

例えばロシアウクライナ戦争、ウクライナが敗北する可能性はない、ロシアにはどうがんばってもキエフを陥落させるには戦略核か大量の戦術核兵器を使うか、もしくは今の経済制裁を半世紀我慢するか、という。ただ、負けずとも国民の負担は重い事となるのです。

来年度防衛費は7兆9200億円といいまして、今年度防衛予算と比較しての増額は1兆1300億円というかなりの積み増しとなっています、ただ、防衛費は札束で相手を叩くのではなく中身がどのような能力や装備と訓練体系となるかで左右されるものだとおもう。

自衛隊の問題と云いますと、いきなり廃止か軍拡か、という極論になってしまう。これは例えば国政選挙で民主主義か日本廃止かを問わず現実的に代議士を選ぶのと比べると極論だと思う、しかしここで憲法違反かの原則論に留まるならば、選択肢は改憲の一択に。

昭和生まれで憲法と親しんで育った世代としては、憲法の数多権利を守る為にも防衛力は必要だと考えますが、しかし防衛力の中身については、もう少し踏み込んだ議論、若しくは脅威に対応できるかの能力構築を検証できる公的機関、国民の議論が必要と思うのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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