北大路機関

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【G3X撮影速報】カブールC550-CAVOUR日本初寄港(7)全通飛行甲板型艦艇の大きなポテンシャル(2024-08-22)

2025-02-13 20:01:01 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■パワープロジェクションシップ
 横須賀にて。

 横須賀基地の空母カブール入港、カブール、ハリアー運用を前提としているとともにF-35B戦闘機運用に対応している航空母艦。軍艦は長期にわたり運用することから設計に際して遺漏の内容にといわれるものです。

 カブールについては、設計当時には現在のロシアウクライナ戦争を想定する前の段階ではありましたが、当時は従来型の戦争よりもテロとの戦いを念頭としていた時代ですので、カブールも用途は色々云われて。

 人道支援任務や災害対処、不思議に思えるのはカブールと同時期に設計された全通飛行型甲板を有する艦艇は、日本のいずも型、イギリスのクイーンエリザベス級、フランスのミストラル級などが挙げられるのですが。

 パワープロジェクションシップ、戦力投射艦という、その国からの遠隔地域への作戦能力投入基盤となることが盛り込まれ、結果、多くの場合はF-35B戦闘機の運用が可能となっている点なのかもしれません。

 F-35B戦闘機、垂直離着陸さえ可能な第五世代戦闘機で、開発は難航し大丈夫なのかと言われたものですけれども、いまのところ各国が現実的に調達できる唯一の第五世代戦闘機がF-35となっていまして。

 かがF-35B戦闘機運用能力付与、日本の視点から見ていますと、2024年に、撮影したいと熱望していた知り合いの方が見事、防衛省の艦上報道公開に映っていたけれども、大きな出来事といえました。

 全通飛行甲板型艦艇の大きなポテンシャルは、航空機を置き換えることで様々な能力に対応することなのだろうなあ、それは設計の時代を超えて情勢が変化しても、艦載機により対応できることにあるのやも。

 SH-60KやSH-60L哨戒ヘリコプターを搭載することで、SH-60は輸送任務にも救急搬送任務にも対応する哨戒ヘリコプターですが、効率性はさておき、多用途性能に対応していることは確かなのですよね。

 V-22可動翼機もF-35B戦闘機も搭載できるので、情勢がどのように変化しようと艦載機の航空隊編成を切り替えるだけでどのような事態にも概ね対応できる、長期間の展望に資する艦艇だと思うのです。

 いずも型と比較しまして、一方で思うのは、いずも型はステルス性を過度に重視した、厳しい周辺情勢に対応する設計となっていますが、カブールはデッキなど、使いやすさを相応に想定している。

 ステルス性の重要性は理解できるのですが、デッキ設計などはもう少しハンドリングを考慮していても良かったのかと思う一方、やはり生存性を考えた場合はステルス性が重要なのか、とも考えて理解します。

 イタリア海軍艦の日本親善訪問、なかなかみることのできない最新鋭艦を見られるとともに、こうした欧州と極東の情勢が艦艇建造にどう影響しているのかも、端的に見られ、興味深いのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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