北大路機関

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ペトリオット部隊先島諸島展開完了-北朝鮮人工衛星発射,アメリカ海兵隊のPAC-3とF-35戦闘機連節運用研究

2023-04-28 07:00:51 | 防衛・安全保障
■臨時情報-北朝鮮人工衛星
 北朝鮮人工衛星発射に備え沖縄救援隊のミサイル防衛部隊が先島諸島へ展開中です。

 自衛隊のミサイル防衛部隊先島諸島展開がほぼ完了しました。北朝鮮人工衛星打ち上げに備えての ブースター部分や分離した格納容器など落下物警戒、航空自衛隊は西部航空方面隊のペトリオットミサイル部隊のうち、弾道ミサイル迎撃部隊の大半を引き抜いて沖縄に配置するとともに、もちろん海上自衛隊もイージス艦を展開させ落下に備えます。

 27日朝には石垣島へ自衛隊傭船はくおう入港となり、39両の各種車両を石垣駐屯地へ搬入、また、はくおう輸送任務は続いて与那国島へも向かっているとのこと。またこのほか、宮古島には輸送船2隻の入港をNHKが報道しています。宮古島分屯基地へは前回の北朝鮮人工衛星打ち上げにさいしても沖縄救援隊のペトリオットミサイル部隊が展開していました。

 はくおう、報道されるところでは今回輸送したのはPAC-3ミサイル発射機以外の車両とのことで、ここに弾薬車が含まれるかについては報道されていませんが、傭船契約の関係上弾薬を輸送できない可能性もあります。たほう、PAC-3発射機そのものはC-2輸送機によりいちばん最初に空輸されており、今回の輸送では迎撃体制の準備に影響はありません。

 F-35戦闘機との連接、今回痛感したのはペトリオットミサイルPAC-3発射機だけであればC-2輸送機により空輸できるという点と、アメリカ海兵隊が進めるペトリオットミサイルのF-35戦闘機との連接試験を自衛隊でも進める必要性についてです。ペトリオットミサイルは発射機単体では射撃できません、レーダーや火器管制、電源車などの支援が必要です。

 アメリカ海兵隊はこの点について、F-35とペトリオットミサイルをデータリンクさせることでF-35のレーダーによりペトリオットミサイルを誘導する新しい運用を構想しており、これが実現するならば、自衛隊は緊急時にC-2輸送機により発射管制装置とPAC-3発射機だけを空輸するだけで、ミサイル防衛が可能となり、機動性が飛躍的に向上するのです。

 C-2輸送機によりPAC-3発射機だけを空輸した第一報に接し、発射機だけでは撃てないのだけれどもと若干気になりました。しかしもし政府傭船はくおう等の民間傭船では弾薬を運べないというならば即応性の点で問題であり、しかし、はくおう輸送が必要な多くの機能をF-35により補完できるならば、新しいペトリオットの可能性が開けるように思います。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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