■兵庫県南部地震
明日で阪神大震災から30年を迎える事となります。
阪神大震災は我が国都市部において発生した直下型地震としては空前の規模の被害を及ぼし、それは危機管理という概念の再構築を迫るものとなりました。同時にこれは、関西においては大きな地震は発生しないという安全神話の崩壊にもつながりました。
危機管理、当時は社会党連立政権であり、危機管理の中枢である内閣総理大臣がNHKテレビを官邸で見ているのみ、自らが自衛隊の最高指揮官である自覚を欠いていたため報道を見守るのみと言う状況でしたし、自衛隊へ災害派遣を要請できる兵庫県知事も県庁の送迎を待っていたという状況であったのです。
県庁がもう少し大規模災害に対する動員体制、例えば地域消防能力の組織化や、高度救助部隊に建機などを保有する十分な、倒壊したビルが道路を塞ぐ状況でも踏破できる程度の準備があったならば、独力で対応できたのかもしれませんが、兵庫県は震災前、防災訓練に自衛隊を参加させていません。
準備が出来ていれば、あの巨大地震はどのようになっていたのだろうか。そして巨大地震というものをある程度盛り込んだ復興計画の展望をある程度災害リスクを見込んだ事前計画として考えていたならば、神戸の経済的な地盤沈下という状況、神戸港などがもう少し変わったのか、と考えてしまうのだ。
安全神話については、しかし不思議に思いました、歴史地震として福原地震など神戸という地名以前の福原京の時代から記録はされているのですし、この地域で地震が起きないという根拠が、安全神話は勝手に湧き上がり信仰されていただけで、調べてみると神話の根拠がなかなかでてこないのですね。
南海地震、ちょうど現在自衛隊は中部方面隊を中心とした大規模演習"南海レスキュー2024"を展開中です。そして過去の南海地震は1946年に昭和南海地震が発生しており、紀伊半島南方を震源とした巨大地震はマグニチュード8.0、死者行方不明者1443名、津波は遠く房総半島から九州まで1m以上となった。
津波は震源から最も近い串本町で6.6mに達し、土佐湾沿岸で5.2m、徳島県沿岸部で3.4m、いや津波は遠く大阪湾や瀬戸内海まで侵入しており堺市で1.5m、呉市で1mなど震源から遠く離れた地域にも及んでいます。こうした1946年の南海地震から、阪神大震災は49年目の発災となっています。
阪神大震災、被害を大きくした背景には過去の摩耶豪雨などの被害から建物の重点が豪雨を想定したために重心が高い建物が直下型地震により大きな被害を受けた、という実情もあるようですが、震災対策、という過去に幾度も日本を繰り返し襲う災害に対して、兵庫県の準備不足が大きく響いている。
建物の耐震補強などはあの巨大地震からまもなく迎える30年までに、大きく補助などが行われていますが、見方を変えるならば一部には厳しい耐震基準が住宅価格を高騰させ、手頃な住宅建設を地方の比較的地価の安い地域においても阻んでいる、という指摘もありますが、少なくとも前進はしました。
震災追悼の日、そして忘れては鳴らないのは次の地震は必ず来る、ということでしょうか。いや、このところの地震は意思があるのではないかと言いたいほどに時機が悪い、具体的には、元旦に発生した能登半島地震、まさか元旦の夕方に発災するのか、というなかなか想定できないことがあった。
自衛隊では災害派遣命令が出る前、ちょうど目の前のしゃぶしゃぶに箸をつけようとした瞬間に地震が発生し、必ず出るであろう災害派遣命令を想定して、正月しゃぶしゃぶは来年として、即座に駐屯地へ駆けつけた隊員がいたほどと言いますが、南海レスキューについても、その直前に地震が。
日向灘沖地震が南海レスキュー2024の地震発生想定時刻11時間前に発生し、気象庁は臨時情報を発令するかの会議を招集しています。次の地震は今日この瞬間にも発生するのかもしれない、1.17は鎮魂とともに、次に来るであろう地震への対策の覚悟を更新する一日とも、したいものですよね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
明日で阪神大震災から30年を迎える事となります。
阪神大震災は我が国都市部において発生した直下型地震としては空前の規模の被害を及ぼし、それは危機管理という概念の再構築を迫るものとなりました。同時にこれは、関西においては大きな地震は発生しないという安全神話の崩壊にもつながりました。
危機管理、当時は社会党連立政権であり、危機管理の中枢である内閣総理大臣がNHKテレビを官邸で見ているのみ、自らが自衛隊の最高指揮官である自覚を欠いていたため報道を見守るのみと言う状況でしたし、自衛隊へ災害派遣を要請できる兵庫県知事も県庁の送迎を待っていたという状況であったのです。
県庁がもう少し大規模災害に対する動員体制、例えば地域消防能力の組織化や、高度救助部隊に建機などを保有する十分な、倒壊したビルが道路を塞ぐ状況でも踏破できる程度の準備があったならば、独力で対応できたのかもしれませんが、兵庫県は震災前、防災訓練に自衛隊を参加させていません。
準備が出来ていれば、あの巨大地震はどのようになっていたのだろうか。そして巨大地震というものをある程度盛り込んだ復興計画の展望をある程度災害リスクを見込んだ事前計画として考えていたならば、神戸の経済的な地盤沈下という状況、神戸港などがもう少し変わったのか、と考えてしまうのだ。
安全神話については、しかし不思議に思いました、歴史地震として福原地震など神戸という地名以前の福原京の時代から記録はされているのですし、この地域で地震が起きないという根拠が、安全神話は勝手に湧き上がり信仰されていただけで、調べてみると神話の根拠がなかなかでてこないのですね。
南海地震、ちょうど現在自衛隊は中部方面隊を中心とした大規模演習"南海レスキュー2024"を展開中です。そして過去の南海地震は1946年に昭和南海地震が発生しており、紀伊半島南方を震源とした巨大地震はマグニチュード8.0、死者行方不明者1443名、津波は遠く房総半島から九州まで1m以上となった。
津波は震源から最も近い串本町で6.6mに達し、土佐湾沿岸で5.2m、徳島県沿岸部で3.4m、いや津波は遠く大阪湾や瀬戸内海まで侵入しており堺市で1.5m、呉市で1mなど震源から遠く離れた地域にも及んでいます。こうした1946年の南海地震から、阪神大震災は49年目の発災となっています。
阪神大震災、被害を大きくした背景には過去の摩耶豪雨などの被害から建物の重点が豪雨を想定したために重心が高い建物が直下型地震により大きな被害を受けた、という実情もあるようですが、震災対策、という過去に幾度も日本を繰り返し襲う災害に対して、兵庫県の準備不足が大きく響いている。
建物の耐震補強などはあの巨大地震からまもなく迎える30年までに、大きく補助などが行われていますが、見方を変えるならば一部には厳しい耐震基準が住宅価格を高騰させ、手頃な住宅建設を地方の比較的地価の安い地域においても阻んでいる、という指摘もありますが、少なくとも前進はしました。
震災追悼の日、そして忘れては鳴らないのは次の地震は必ず来る、ということでしょうか。いや、このところの地震は意思があるのではないかと言いたいほどに時機が悪い、具体的には、元旦に発生した能登半島地震、まさか元旦の夕方に発災するのか、というなかなか想定できないことがあった。
自衛隊では災害派遣命令が出る前、ちょうど目の前のしゃぶしゃぶに箸をつけようとした瞬間に地震が発生し、必ず出るであろう災害派遣命令を想定して、正月しゃぶしゃぶは来年として、即座に駐屯地へ駆けつけた隊員がいたほどと言いますが、南海レスキューについても、その直前に地震が。
日向灘沖地震が南海レスキュー2024の地震発生想定時刻11時間前に発生し、気象庁は臨時情報を発令するかの会議を招集しています。次の地震は今日この瞬間にも発生するのかもしれない、1.17は鎮魂とともに、次に来るであろう地震への対策の覚悟を更新する一日とも、したいものですよね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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