北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

日英首脳会談共同声明 野田総理、キャメロン首相と防衛装備品の日英共同開発で合意

2012-04-10 23:27:16 | 国際・政治

◆イギリスは次期榴弾砲・多用途ヘリを共同開発提案

本日行われた日英首脳会談において防衛装備品共同開発の共同声明が出されました。

Uimg_3576 野田総理大臣とイギリスのキャメロン首相との間で行われた日英首脳会談において、昨年末に我が国が見直しを提示した武器輸出三原則運用との関係で、日英間における防衛装備品の共同開発を今後速やかに具体化させる方針を共同声明において明示したのです。
Uimg_4927 先日、産経新聞が陸上自衛隊のFH-70榴弾砲について、その後継装備を日英共同開発するという記事を掲載し、防衛省がこう示威に否定したことから誤報扱いとなったことが記憶されますが、今回の共同声明で少なくとも検討は水面下でなされていた、ということに。
そういえば、74式戦車の主砲は設計がイギリスでしたね。
Uimg_4768 このほか、川崎重工が進める多用途ヘリコプターの後継機開発についても、イギリス側は共同開発を提示しています。既に川崎重工はアグスタウェストランド社製MCH-101のライセンス生産を実施しており、もちろん、費用面の関係もあり提案の域は出ないところですが一つの提案として大きなものには違いありません。
Uimg_4714 武器輸出三原則は、紛争当事国と共産圏に加え国連の武器禁輸制裁実施国への武器輸出を禁じてきましたが、紛争当事国の定義が不明確であり、事実上すべての国に対しての武器輸出を自粛していた、拡大運用が採られていたという実情があります。
Uimg_3150 他方で、我が国は産業技術において世界的に最先端技術を有している工業先進国であり、汎用品である半導体やCCD素子などはそのまま精密誘導兵器の部品として流用、加えて日本製加工機械などが武器製造の第一線で海外では使用されている点もあり、政治的象徴以外に何物でもないという実情もあったということも。
Uimg_4985 こうした背景を元に見直された武器輸出三原則ですが、特に重視されているのは技術分野における開発。F-35もそうでしたが、国際共同開発において日本が参加し、その技術を多国間で共有することや、国際共同生産に参加することも武器輸出になると自制していたわけですね。
Uimg_1045 戦闘機開発や、護衛艦開発など最新鋭装備の構成要素を全て単独開発するのは非常に多額の費用を要するものがあります。見た目が一流のものを開発できても、構成要素の一部でも陳腐化したものがあればシステムとして完成された装備が使い物にならないことは言うまでもありません。
Uimg_3718 我が国は、装備品構成要素については、開発費が非常に限られている中で、防衛産業の献身ともいうべき努力により汎用技術と一部の技術研究本部による中核技術との統合により優れた基本技術を構築してきました。この技術蓄積は何よりも大きい。
Uimg_6932 しかし、限界もあるわけです。国産装備を見れば航続距離と巡航速度の大きなC-2輸送機、護衛艦に艦隊防空能力を可能とさせうるFCS-3,現世代戦車の能力をすべて備え世界最軽量を実現した10式戦車、第六世代の対戦車誘導弾各種、超音速超低空の空対艦誘導弾ASM-3,新世代防空システム03式中距離地対空誘導弾、運動性と空対空能力に加え高い光学情報収集能力を有するOH-1など、ほんの一部でこれだけ。
Uimg_8472 こうしてみれば、非常に高いものがあるのですが、艦船の統合電気推進や情報伝送共有能力、戦闘機用低バイパス比高出力エンジン、そしてこちらは法整備面の影響も大きいようですが無人航空機。こうした分野では後れを取っていますので、例えば共同開発と技術提携が求められるということ。
Uimg_8625_1 特に先端技術実証機の製造を開始した我が国に対し、EF-2000の近代化に予算的限界が差し迫り、当初進める計画であった第六世代戦闘機技術開発を開始できないイギリスのBAEにとって、日本との連携はかなり魅力的な案で、実のところここで水面下の日英、核心的合意があるのでは、とも考えてしまうのですが。
Img_0339 イギリスは予算不足で頓挫していますが軽量化を目指す次世代無人戦車が日本の10式よりも重く、もちろんイギリス戦車は第二次大戦以降重装甲重視ですので、そのまま導入とはならないでしょうが懸架装置や自動装填装置など軽量化技術は融通できるかも。
Uimg_2618 また、イギリスが進める次世代装甲戦闘車、アスコッドによる装甲車体系大量取得計画ですが、装甲戦闘車の必要性が今後海外派遣の増大を通じ増えるであろう陸上自衛隊には参考となるやもしれません。まあ、陸上自衛隊では89式装甲戦闘車の10倍近い取得費用を要するAH-1Sを90機、CH-47JA輸送ヘリを55機導入している、という背景も忘れてはならないのですけれどね。
Uimg_3685 さて、武器輸出三原則が緩和されることで、一部の方は日本製の最新鋭装備が世界の軍事市場を席巻し、ある方は景気回復を期待し、ある方は地域武力紛争激化を危惧したのですが、基本は我が国において運用される念頭に立った装備品、国際競争力は高くありません。あくまで高いのは構成要素の技術ということ、これを忘れている人は多いのではないでしょうか。
Img_5383 日本は山岳国であり、重量が大きな戦車は地形上運用制約を受けます。また道路交通法では2.8m以上の車幅の装甲車が公道を走れないため一定以上小型の装甲車となっています。対空装備などに高い競争力と汎用性はあるのですが、これは単体で導入するには難しく輸出というものには適さないでしょう。
Uimg_4493 艦船も日本が必要な装備に特化しています。任務海域拡大を背景に外洋での航行を重視しかつての軽巡洋艦規模の護衛艦、潜水艦も同じく広い海域での運用を想定し大型化、取得費用と維持費も当然連動して大型化しています。

Uimg_4000 そして、日本型の運用を念頭に置いていますから、海外の需要と合致するとは限らないということ。輸出前提の装備を開発するか、米軍のように世界中で運用できる装備の開発を行うか、方法はあるのですが確実な需要が見込めるわけではなく、実質的にはリスクばかり大きい。
Uimg_4816 航空機は島国であるため支援戦闘機が対艦打撃力重視、対して求められる航空阻止能力は軽視されています。練習機は汎用性がありますがエンジン含め全て純国産、海外装備との互換性の問題はあります。輸送機は見るべき点があるのですけれども、これは例外に近く、日本型装備ということを忘れてはなりません。第一目的は技術の共同開発、というところでしょうね。

北大路機関:はるな

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北朝鮮弾道ミサイル危機 沖縄救援隊第8師団派遣部隊、化学防護車など20両沖縄到着

2012-04-09 23:51:40 | 防衛・安全保障

◆化学防護隊出動、推進剤ヒドラシン流出を警戒

 熊本放送などが4日報じたところでは、北朝鮮弾道ミサイルが上空を飛行する沖縄へ不測の事態に備えた沖縄救援隊への第八師団からの派遣が行われたとのことです。

Nimg_3673 第8師団からの派遣部隊は化学防護車など車両20両をもって北熊本駐屯地を出発したとのことです。第8師団部隊の写真が手元にないので他の部隊の写真で代用です。既に沖縄救援隊第8師団派遣部隊は沖縄県離島地域に展開しており、警戒に当たっているとのこと。

Nimg_6019 化学防護隊の派遣は、今回北朝鮮が実験を行う弾道ミサイルの燃料に使用されているとされるロケット推進剤、ヒドラシンの流出に備えているようです。ヒドラシンは常温保存が可能でロケット燃料としては一般的ですが、燃料としては液体酸素などの超低温保存が不用である反面、皮膚に付着した場合は細胞組織を壊死させ、飛沫を吸引した場合は肺をはじめ呼吸器系統が腐食する危険物です。

Nimg_1898 化学防護隊は、万一燃料タンクなど切り離したミサイルの多段部分が落下し、ヒドラシンが拡散した場合に拡散状況を迅速に把握し住民避難に役立てると共に、緊急車両などを搬送させる通路部分の除染を行うことが目的となります。今回の任務は、2009年の北朝鮮ミサイル実験事案に際しても、上空を飛翔する東北地方においてヒドラシンの拡散への警戒態勢が採られました。

Nimg_1593 他方、昨年11月に実施された自衛隊統合演習では、呉基地より中央特殊武器防護隊の第102特殊武器防護隊や第102特殊武器治療隊などが輸送艦くにさき、にて離島を想定した九州へ展開し、基地防護訓練などに参加しています。部隊こそ違いますが、昨年の準備は、今回も行かされた、ということが言えるやもしれません。

北大路機関:はるな

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第一師団創設50周年記念行事・練馬駐屯地祭(2012.04.08) 速報

2012-04-08 17:43:04 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■満開桜花が祝う師団創設五十周年

 練馬に行ってまいりました。EOS7D、EOS50Dの写真は現在確認中で、列車内から取り急ぎG-12の写真にて紹介します。

Img_9525 観閲行進の第一師団。本日の式典は記念式典、観閲行進と装備品訓練展示、装備品展示という流れで行われました。ご覧のとおり背景に並ぶ桜花は屏風が如く見事な桜並木より溢れんばかりというほどの満開、ここまで桜花と師団行事とが重なる、そこに五十周年といいますので文字通り中々ない光景ですね。

Img_9597 軽装甲機動車。陸上自衛隊普通科の看板装備となっている小型装甲車ですが、第一師団への装備は遅れ、二年ほど前にようやく配備となったそうです。第一師団は首都防衛を任務とする師団で、必然的に任務地域は市街地が含まれるため、小回りの利く装甲車の重要性が高いことは言うまでもありません。

Img_9631_2 高機動車にけん引される120mm重迫撃砲RT,市街地戦闘への対応を念頭に第一師団は一時期重迫撃砲を廃止していましたが、重火力の直接支援能力の高さが再確認されたこともあり、昨年に普通科連隊への重迫撃砲中隊を再編することとなりました。

Img_9670 FH-70榴弾砲、第一特科隊は北富士駐屯地に駐屯していますが、このFH-70とは別に105mm榴弾砲を音楽演奏における空包支援用に展開させました。四門の105mm榴弾砲が展示に参加しましたが、国賓への礼砲用として、特科火砲ではなく員数外として運用を続けているとのこと。

Img_9885 74式戦車。先週の駒門駐屯地祭でも撮る機会がありました第一戦車大隊の戦車です。現在第一師団から第31普通科連隊が第一教育団を基幹として新編された東部方面混成団に移管されたため、実質東部方面混成団が第31普通科連隊と第1機甲教育隊を基幹とする機械化混成団となっているため、第一戦車大隊は協同して任務にあたることとなっています。取り急ぎG-12の観閲行進の写真のみ、このように掲載してみました。

北大路機関:はるな

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満開の桜花 自衛隊観桜一般公開・駐屯地さくら祭り情報2012 

2012-04-07 00:45:24 | 北大路機関 広報

◆自衛隊さくら祭り2012

 本日から自衛隊施設の一部で、自慢の桜並木が一般公開されます。本日はこの特集、土曜日に行われるものもあります。

Cimg_6247 桜祭り一般公開、駐屯地祭とはまた違った趣があるものです。東北方面隊の桜祭りは、13日から15日までの船岡山駐屯地桜祭りが行われます。このほかの駐屯地は、同時期に駐屯地祭が行われますので、この時期に観桜できるでしょう。時間帯などは駐屯地により異なりますので、方面隊HPなどをご覧ください。

Cimg_0783 東部方面隊管区桜祭り。土浦駐屯地一般開放は7日と8日、勝田駐屯地桜祭り、三宿駐屯地観桜会、それぞれ四月上旬、東部方面隊HPでは記載は曖昧でした。基本は地元の方向けの行事ですので、駐屯地近くの掲示板などを見てみるのもいいかもしれません。

Cimg_9796 中部方面隊管区桜祭り。8日に伊丹駐屯地創設61周年記念行事として桜祭りが行われます。恐らく観閲行進などは十月の伊丹駐屯地祭でおこなわれるだろう、と。8日はこのほか、守山駐屯地桜祭り、金沢駐屯地観桜会、三軒屋駐屯地観桜会という予定が発表されています。14日と15日には第13旅団司令部が置かれる海田市駐屯地桜並木一般公開が行われるとのこと。

Cimg_5666 海上自衛隊では、江田島基地において第一術科画工校内一般公開が7日と8日に行われます。桜も見ごろでしょうし、平日でも一部が公開されていますが、基地一般公開という位置づけは桜並木と旧海軍兵学校の一般公開という位置づけで見ることが出来るでしょう。

Cimg_6707 舞鶴、呉、佐世保の各基地では週末一般公開が行われます。舞鶴基地北吸桟橋などは、桜並木が名物ですので、こちらを散策しつつ桜の下から護衛艦を、ということはなかなか経験できるものではありません。佐世保基地、先週は最新鋭護衛艦あきづき一般公開が行われたとのこと。呉基地は総監部の桜並木なども期待ですね。

Img_0297 航空基地の観桜会は4月26日に八戸航空基地観桜会が行われます。P-3C部隊の基地ですが、青森県の基地ということで観桜会は遅めの設定ですね、ちなみに木曜日です。このほか、28日にはアメリカ海軍厚木基地にてスプリングフェスティバルが行われるもよう。

Cimg_5813 航空自衛隊ですが、観桜会は熊谷基地を除けば、航空自衛隊幹部候補生学校が置かれている奈良基地の基地一般開放、そして21日に観桜会ではないようですが入間基地にて入間基地RUNWAY WALK 2012が行われます。こちらは滑走路を散策するのみですが、格納庫地区などに入間基地ならではの特殊な航空機が見えるということも。

Cimg_9387_1
 基地周辺を自由に散策したいところではあるのですが、しかし、現在は北朝鮮弾道ミサイル事案が進展中、このあたりは頭の片隅に入れておかねばなりませんね。この点、気のせいか、本年の桜祭りは、昨年の震災後は別として、例年と比べて規模が縮小されているようにも思います。

北大路機関:はるな

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平成二十四年度四月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2012.04.07・08)

2012-04-06 23:38:22 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 満開の桜前線は首都圏へ、皆様いかがお過ごしでしょうか。今週末は東京第一師団、第一空挺団、富士の普通科教導連隊、中央即応連隊に北関東の後方支援連隊、航空自衛隊熊谷の一般公開と桜がみどころ。

Gimg_1945 本年創設50周年を迎える第一師団、練馬駐屯地祭。首都圏の防衛警備及び災害派遣を担う第一師団行事は、広さに限界がありながら訓練展示などに工夫を凝らし、重装備ではないものの現代の首都東京を護る精鋭の行事というもので、見学と撮影にはその分多数のマスコミが多く訪れるので場所の配置に技巧が求められるものの、是非みておきたいですね。

Gimg_3764 第一空挺団創設61周年記念行事。習志野駐屯地祭ですが、第一空挺団HPによれば、今年は一般公開しません、とのこと。中央即応集団は現在、南スーダンPKOなど多くの任務を抱えているため、その激務は想像を超えているとも言われるのですが、一般公開中止の背景にはそういうことがあるのでしょうか。

Gimg_6712 滝ヶ原駐屯地創設38周年記念行事。普通科教導連隊と評価支援隊などが駐屯するこの行事では、前回は市街地迷彩の89式装甲戦闘車が観閲行進へ参加し、注目を浴びました。今年は、恐らく最新鋭装備である中距離多目的誘導弾が展示されるのでは、とおもいます。中距離多目的誘導弾は高機動車に搭載し、79式対舟艇対戦車誘導弾や87式対戦車誘導弾の後継となる新装備です。

Gimg_1585 宇都宮駐屯地創設61周年記念行事、中央即応連隊、第12特科隊等が駐屯する駐屯地です。空中k同重視の第12旅団隷下部隊、航空学校宇都宮分校が置かれる北宇都宮駐屯地も近い場所。昨年までは方面直轄の第6地対艦ミサイル連隊が駐屯していましたがほむほむに持っていかれ廃止となり、今に至ります。

Gimg_6136 新町駐屯地創設61周年記念行事、土曜日に実施されます。第12後方支援連隊、第12対戦車隊、第12施設中隊が駐屯している駐屯地です。新町と言っても京都の新町通ではなく、高崎市新町。旅団の対戦車隊というのは、年々方面隊等に転換されており、旅団長最後の手札、として用いられる対戦車ミサイル部隊の行事、注目でしょう。

Gimg_7164
 そして熊谷基地さくら祭り。毎年ブルーインパルス最初の飛行展示となるのですが、本年は行われないとのこと。ですが飛行展示が行われます。・・・、しかし恐らく熊谷基地最大の注目は航空システム通信隊第一移動通信隊の野外通信装備でしょう、此処でなければ見られない、という装備が多々あります。このほか、第四術科学校、航空教育隊第二教育群が展開する基地です。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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新第1師団長に反怖謙一陸将着任、佐世保地方総監加藤耕司海将退官

2012-04-05 23:33:56 | 防衛・安全保障

◆指揮官移動人事は3月30日

 新年度ですが、防衛省自衛隊での人事異動をみてみましょう。師団長人事と地方総監人事に動きがありました。

Jimg_0315 陸上自衛隊ですが政府閣議により第1師団長湖崎隆陸将の退官を承認し、新しく第1師団長に元北部方面隊幕僚長の反怖謙一陸将を着任させることとしました。第1混成団長などを歴任された方ですね、第1師団は首都防衛の要、同時に大臣直轄部隊との関係と人員の配置や装備の面で難しいところもあるといわれ、他方首都直下型地震への準備が求められ、重責と期待を担っている師団、というべきですね。

Jimg_9978 安部隆志補給統制本部長も退官し、新しく補給統制本部長には第8師団長の堀口英利陸将が着任し、後任の第8師団長には西部方面隊幕僚長の松尾幸弘陸将が着任、九州南部と南西諸島北部を防衛管区とする第8師団ですが、西部方面総監部と第8師団司令部は同じ熊本市にあります。

Img_1716a 第8師団長に着任された堀口陸将ですが、前、2008年には第12旅団長を務められています。第12旅団は空中機動重視の旅団で、第8師団は島嶼部を管区に有する師団で沖縄の第15旅団を後ろから支える師団、CH-47輸送ヘリコプターやAH-64D戦闘ヘリコプターを有する西部方面隊の比較的強力な空中機動部隊と連携した立体運用を行わなければ離島振興への迅速な対応は難しく、その手腕を最大限発揮してほしいところ。

Img_256_8 元第5旅団長の市田信行陸上開発官が退官、装備品の開発に当たる陸上開発官には第7師団副師団長の小渕信夫陸将が着任。特に将来装輪装甲車体系の実用化による陸上自衛隊装甲化の躍進という近い将来の変革は、地形防御と空中機動重視の運用体系から水際防御を軸とした機動打撃力重視への転換政策の完成に欠くべからざる人事と言えるでしょうか。このほか将官では、方面隊幕僚長、副師団長で人事異動があったもよう。

Jimg_8628 海上自衛隊では、佐世保地方総監加藤耕司海将の退官が内閣により承認されました。第4護衛隊群司令を経て、舞鶴地方総監、掃海隊群司令といった要職を歴任された方です。後任には幹部学校校長の吉田正紀海将が着任となりました。佐世保は西海の要衝、南西諸島の防衛警備にあたる海上自衛隊で最も緊張度が高い海域と言えるところです。

Jimg_6377 幹部学校長の後任は掃海隊群司令福本出海将があたり、掃海隊群司令の後任は護衛艦隊幕僚長の徳丸伸一海将補が着任しました。徳丸海将補は、練習艦隊ひえい神戸入港の際に司令官を務めていた方、第4護衛隊群司令も務められていた方です。幹部学校は選抜された上級指揮官を練成する旧海軍の海軍大学校にあたります。

Jimg_7066 航空自衛隊では技術研究本部航空機開発官に幹部候補生学校長の古賀久夫空将補が着任、第8航空団司令などを務められた方です。先端技術実証機の実機製作が先週始まったばかり、二年ほどで初飛行を迎え、同時に次期戦闘機に関する我が国防空体系への編入など、難題が山積しています、こればかりは手腕を期待、というのみ。

Jimg_1811 補給統制本部長山崎剛美空将が退官、ここに技術研究本部航空開発官である吉岡秀之空将が後任へ着くこととなりました。このほか、将官では航空総隊幕僚長、教育集団幕僚長が異動です。自衛隊全体では将補から将へ5名、1佐から将補への昇任が12名あり、新年度から我が国防衛の重責に当たっています。

北大路機関:はるな

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南西諸島防衛 沖縄戦の文民被害を反省するならば改めて防備を固めよ

2012-04-04 23:02:25 | 防衛・安全保障

◆弾道ミサイル防衛反対論調への疑問

 どうしても疑問なのですが、航空自衛隊のF-15から数十グラムの部品が落下することを問題視する一部論調が33tのテポドン一号本体の落下に対して寛容なのはなぜでしょうか。

Oimg_8040 北朝鮮の弾道ミサイル実験に際し、我が国領域へミサイル本体や四散した破片が落着する場合に備え、沖縄本島と島嶼部にはペトリオットミサイルPAC-3部隊が展開、先んじて高高度で警戒し必要ならば迎撃をおこなうべくスタンダードSM-3を搭載したイージス艦が広く洋上に警戒に当たっています。

Oimg_2355
 これら部隊の防護を行うべくイージス艦に対しては常時F-15戦闘機二機、沖縄近海では二隻のイージス艦が展開するとのことですから常時四機、交代と待機を含めれば実に一個飛行隊相当のF-15が防空の任務にあたることになりますし、早期警戒管制機の派遣やこれら戦闘空中哨戒体制の維持に必要な物資を輸送するべく輸送機が最大限の任務にあたることでしょう。

Oimg_4776 陸上自衛隊は沖縄救援隊を既に派遣、人員不足が常に指摘される陸上自衛隊においても旅団の一個普通科連隊に相当する450名を派遣し、迎撃ミサイルの警備に当たると共に、万一ミサイル本体や破片が落下し当該区域の住民に死傷者が出た際を想定し派遣されているというのが現状です。

Oimg_1263 これに対して、一部市民団体は迎撃態勢を固めることが落下を招くとして反発しています。備えなければ憂いなしという論法、もちろん、防備が固まることで交戦的な風潮が生じるという論理は相互確証破壊の論理において説明されているのですが我が国は一方的な防備の姿勢、相互確証破壊の先方を破壊する核戦力もなければ長距離弾道弾の準備もありません。

Img_0060 防備なければ落下無しの論調、これはどうなのでしょうか。先の大戦において我が国は中国大陸に侵攻しましたが、あの場合中国の国民党政府をはじめ抵抗が無ければ占領できて確かに戦争は起きなかったでしょう。真珠湾攻撃に際しても、あれでアメリカが降伏していれば太平洋戦争は起きませんでした。しかし、その後我が国が中国を併合していた場合、彼らが望む平和はあったのでしょうか。

Img_4213 戦争がおきなくとも新しい併合された政権により虐殺が行われる事例は隣国に50年代に併合された国やかつて初めてPKOに展開した国が国家破綻の要因となった事件など歴史上は数多く、戦争が無くとも虐殺という事案があっては本末転倒なのではないか。このあたり、十年ほど前に機会がありましたので民青の方やその手の主張をされる方に思い切って疑問をぶつけてみたのですが、相手の論理を破たんさせてしまったので、20vs1のディベートになった場合でも論理的にはこちらが相手を説得してしまった形でした。

Oimg_7891 さて、今回の防備を、沖縄を再び戦場とするな、との主張があるのですが、そもそも沖縄戦、アイスバーグ作戦でゃ米軍は当初防備の比較的軽く日本本土への攻撃拠点となる台湾攻略を計画していました。しかし、1944年のフィリピン決戦へ台湾から抽出された二個師団を補うべく台湾軍が隷下の沖縄第32軍基幹三個師団から一個師団を抽出したため、逆に沖縄が手薄となり米軍が沖縄へ進攻したという事実、忘れてはなりません。

Oimg_2360 今回の弾道ミサイル危機については、先方が一方的に弾道ミサイルを志向しているため、直接侵攻の余地はないという点で異なるのですが、そもそも防備が固いところは攻撃対象となりません。しかし、その地域の戦略的重要性から優先順位が定められ、外交政策と国家戦略の延長上として損失と利益の均衡点から、外交政策の延長としての不法行為が行われるということ。そうした意味から十分な防備無き沖縄がかつて戦火に沈んだという事実、受け入れる必要があるでしょう。

Oimg_0278 加えて、我が国はかつて中央が沖縄戦において沖縄の防備を固める努力を怠ったという事実があります。沖縄戦に先んじて姫路第84師団を沖縄へ転地させる検討が大本営でなされていましたが、本土決戦の準備を行う優先から派遣を見送り、沖縄ではなく小田原へ展開させているのです。今回、政府が必要な措置を怠り、犠牲者が出た場合には我が国として沖縄を二度見捨てたことになるのです。そんなことはあってはならない。

Oimg_2746 もちろん、我が国の領域は全て等しく国民が生存権と幸福追求権と財産権の保護という恩恵を享受する基盤が構築されねばなりません。しかし、今回は脅威正面が明確となっているのですから、その地域に生活する同胞が見捨てられぬよう、必要な措置を取ることはむしろ当然のこと。

Oimg_7891_2 こうしたうえで我が国での防備反対を主張する面々への問いは以下の通り。無防備こそ安全というならば日本軍に抵抗した中国は等しく批判されるべきなのか、防備堅き台湾を避け防備薄き沖縄が戦場となった事実をどう説明するのか。そして、沖縄戦へ本土から先んじて増援が送られなかったことは是か非か、我が国自衛隊からのグラム単位部品落下事故よりも他国トン単位弾道弾落下事案に寛容なのはなぜか、という明確な回答が欲しいですね。

Oimg_6056 もっとも、先日舞鶴からの帰路、ミサイルより復興を周辺住民の会というプラカードを持って京都に行く快速電車に乗り込んでいる方を見まして、いや、周辺住民にしては100km以上離れていますよ、と思ったりしまして、周辺住民というのは彼らの主張するところの地球市民というべきか、同じ地球というだけで周辺というにはかなり遠方の方がいることは知ってはいます。ただ、そうした方が周辺住民の反対として報道されていることも事実で、少なくとも疑問が前述のとおりありましたので素朴な疑問を掲載しました次第です。

北大路機関:はるな

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北朝鮮弾道ミサイル危機 自衛隊法95条初適用、イージス艦・ペトリオットPAC-3部隊警護

2012-04-03 23:15:48 | 防衛・安全保障

◆自衛隊法95条:武器等防護のための武器使用

 本日大荒れの天候、京都の二条城からNHKが捉えた豪雨の幕が迫り来る映像は正直凄かったです。

Pimg_2816 こうした西日本、東日本の記録的な悪天候とこれに伴う交通の混乱や事故に対して、日曜日に名古屋港を出港した輸送船、呉基地を出港した輸送艦、そして横須賀基地を出港したイージス艦は、それぞれ悪天候に巻き込まれることもなく、予定通り沖縄県内や九州佐世保基地へ入港したとのこと。

Pimg_4195 ペトリオットミサイルPAC-3は、映像を見る限り、展開に輸送艦おおすみ、くにさき、の二隻が参加したようで、他方名古屋港からは自動車運搬船のような船舶が輸送に運用、埠頭にはペトリオットミサイル部隊が並び、ほんの二週間前では考えられない南西諸島の防備が固まったところ。

Pimg_7205 同時に航空自衛隊のC-130輸送機による輸送支援を受け、陸上自衛隊沖縄救援隊が沖縄に順次到着、今後はヘリコプター部隊の展開も実施されるとのことで、明確にペトリオットミサイル部隊の警護と沖縄県内に万一弾道弾が落下した場合への住民救援体制を固めるとのことで、人員は450名が展開、旅団連隊規模の部隊が展開ということになります。

Pimg_9247 さて、今回の自衛隊沖縄緊急展開ですが、自衛隊法95条が初めて適用されることとなりました。これは自衛隊の装備する武器などが奪取乃至破壊される危険へ直面した場合、その行動を阻止するために武器を使用することができるという規定、要するにペトリオットミサイルやイージス艦をゲリラコマンドーや航空機が攻撃しようとした場合、排除行動をとれるということと理解してください。

Pimg_9648_1 ペトリオットミサイルを運用する高射隊は、自隊防護へ64式小銃や9mm拳銃などを装備はしているのですが、近接戦闘訓練を近年実施するようにはなっているのですけれども、やはり限界はあり、そして残念ながら航空自衛隊には部隊警備へ、特にゲリラコマンドーによる攻撃を封じるだけの人員が十分ではありません。

Pimg_2350 ミサイル部隊は、航空攻撃から部隊を防護するため、どうしても広範囲に分散し、発射装置やレーダ装置、管制装置と電源車、通信中継車などを展開させる必要があり、ペトリオットシステムはその運用だけならば2名の人員でも可能というほど自動化は進められつつも、これを防護するには多くの部隊の支援が必要となるわけ。

Img_8024 こうした任務へ、重要施設警備訓練などを行い、そして早い時期からレンジャー訓練として襲撃の研究を行っている陸上自衛隊には攻撃側の視点を理解しているため防護を行うことにも専門性を発揮でき、万一のゲリラコマンドー攻撃に対処、この姿勢を示すことで相手の選択肢を抑止することも出来るのです。

Pimg_2634 また併せて、航空自衛隊はF-15飛行隊を以てイージス艦上空に常時二機のF-15戦闘機を待機させ、戦闘空中哨戒、いわゆるCAPを行うこととしました。イージス艦は防空能力に優れたSPY-1レーダーを搭載していますが、今回は通常の周辺索敵範囲以遠の目標を警戒するため上空一方向に集中するとされ、システム上は同時に個艦防護を十分に行えることとなるのですが補完を行うという目的で行われるもよう。

Pimg_8785 これは、イージス艦に対し北朝鮮空軍の航空機では戦闘行動半径の圏外に展開することとなっているのですが、中国空軍やロシア空軍の偵察、つまりイージス艦が弾道弾警戒を行うレーダーの電子戦情報を収集する目的で電子偵察機などが接近する可能性があるわけです。

Img_0057_1 特に2009年の北朝鮮弾道弾実験のさいでは実際に生起していることから、偵察機の接近という可能性非常に高く、これを排除する目的のようです。このほか、E-2C早期警戒機の前方展開や浜松基地からE-767早期警戒管制機の九州南部への進出による空中警戒体制の強化なども考えられるでしょう。空中給油輸送機の展開も、あり得るのでしょうか。

Pimg_1403 いうまでもなく、沖縄周辺海域には海上自衛隊が護衛艦による哨戒網を構築していますし、那覇航空基地からは哨戒機が恒常的に対潜哨戒にあたります。更に直衛艦が配置されることも考えられ、このため、イージス艦へは幾重にも展開する海上と航空、そしておそらく潜水艦による海中からの防護が張り巡らされているのでしょう。

Img_8143 特にイージス艦から運用されるスタンダードSM-3は放物線を描く弾道ミサイルの頂点付近での迎撃を行う運用から射程が大きく、我が国領海内ではなく、我が国排他的経済水域での迎撃任務に当たることから、潜水艦による情報収集の対象となることも忘れてはならず、この観点から海上自衛隊の潜水艦が先行して警戒に当たっていることも考えられるでしょう。

Img_3305 報道では那覇基地の第83航空隊へF-15の増強が行われる旨の報道もありますが、同時に潜水艦への警戒から那覇航空基地へ鹿屋航空基地など全国の基地よりP-3C哨戒機が増勢される可能性もあるということになり、一時的とはいえ南西諸島の防壁は相当規模になるわけですね。

Pimg_5290 防衛省では、特に陸上自衛隊の南西諸島防衛に関する計画として常時部隊を張り付けるのではなく、緊急展開能力を重視し、有事の際などに緊張が高まった時点で緊急展開部隊を送り、抑止力を発揮することが想定されてきました、今回は想定された脅威が島嶼部侵攻ではなく弾道ミサイル脅威でしたが、この施策が試されることとなるのでしょう。

北大路機関:はるな

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平成24年度海上自衛隊米国派遣訓練の概要 リムパック2012参加部隊発表

2012-04-02 01:51:57 | 海上自衛隊 催事

◆日米桜寄贈百周年、米英戦争二百周年行事参加

平成24年度海上自衛隊米国派遣訓練の概要が出されました。明日護衛艦しらね、舞鶴出港。本年はリムパック2012が行われると共に日米桜寄贈100周年、米英戦争200周年記念行事への参加となります。
Img_7052 こうした行事ということもあり、派遣される護衛艦には第七艦隊旗艦ブルーリッジとの姉妹艦を長く務めた護衛艦しらね、が筆頭に挙げられ、弾道ミサイル追尾などで実績が多い舞鶴のイージス艦みょうこう、の名前もありました。護衛艦部隊は第3護衛隊群司令北川文之海将補以下護衛艦しらね、みょうこう、人員600名が筆頭です。
Img_6991 派遣掃海部隊には、掃海母艦ぶんご、で指揮官横澤浩之2佐以下人員130名。そして派遣航空部隊は、第11飛行隊よりP-3C哨戒機3機が派遣され、指揮官は松浦幸一2佐以下70名。日米桜寄贈100周年、米英戦争200周年記念行事はそれぞれ五月中旬と五月下旬に行われるとのことでした。
Img_5891 主なものとしては、米海軍の協力を受け米国および周辺海域空域において洋上訓練を実施し戦術技量の向上を図る、そして日米桜寄贈100周年行事参加による日米関係の強化への寄与、米英戦争200周年記念行事参加を通じての各国海軍との相互理解増進などが目的とのこと。
Img_1147 しらね、は4月3日に舞鶴基地を出港します。15日にはパールハーバーへ入港、19日まで寄港し、29日から5月1日までマンサニーヨ、5月7日から9日までパナマシティ、16日から20日までボルチモアへ寄港し、23日から30日まではニューヨークへ入港。6月7日から9日まで再度パナマシティ入港、19日から21日までサンディエゴに入り、6月28日から8月7日までパールハーバー、8月19日に舞鶴へ戻る予定です。
Img_6052 みょうこう、は5月29日舞鶴出港、6月11日から8月7日までパールハーバー、8月19日に護衛艦しらね、と共に舞鶴帰港。掃海母艦ぶんご、は6月13日横須賀出港、6月27日から8月6日までパールハーバー、8月20日から24日までアプラに寄港し8月29日に横須賀帰港とされていました。
Img_7556 P-3Cは6月17日に鹿屋を出発、17日から18日までアンダーソン、18日から8月7日までカネオヘ、そして8月8日から17日までアンダーソンを経て8月17日に鹿屋へ戻ってくるもよう。リムパックは報道公開のみですがハワイ周辺の入港が見える場所では各国艦船が多く通行するようです。
Img_5326 リムパック、今年は潜水艦が参加しないようで。かつては、一個護衛隊群護衛艦8隻と哨戒ヘリコプター8機を中心となる部隊を派遣していたことを考えれば、せめてミサイル護衛艦一隻と汎用護衛艦三隻、もしくはヘリコプター搭載護衛艦、ミサイル護衛艦、汎用護衛艦二隻の一個護衛隊4隻をまとまった部隊として派遣し、各国に自衛隊の能力を示したいところ。
Img_1281 しかし、近年、南西諸島への警戒監視任務の増大と共にアフリカソマリア沖での海賊対処任務という新しい任務に加え、護衛艦数は年々減少傾向にあり旧式化した護衛艦を延命している実情、狩りにも一刻を代表する、ということではあるのですが、もう少し護衛艦定数をはじめ部隊を何とかできないものか、と考えるのは当方だけではないでしょう。

北大路機関:はるな

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駒門駐屯地創設52周年記念行事(2012.04.01) 10式戦車量産車初参加

2012-04-01 21:44:19 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■10式戦車、空包射撃を初公開

 四月一日、新年度初日が日曜日となり自衛隊では駒門駐屯地と久里浜駐屯地にて創設記念行事が行われました。

Img_9112 10式戦車、最高の打撃力と防御力を備えつつ第三世代と呼ばれる最新鋭戦車のどれよりも軽量を目指す技術の結晶、第一機甲教育隊に配備された世界最新鋭の10式戦車、その量産型です。2両が現時点、本日お時点で配備されているとのことですが、このうち1両が観閲行進へ参加しました。そして訓練展示模擬戦では空包射撃を実施、一際甲高い咆哮を観衆に叩きつけました。

Img_9095 90式戦車、我が国が第三世代戦車という世界の趨勢、攻撃力と機動力重視、機動力を以て防御を補うとされた第二世代戦車に打撃力の技術進歩を踏まえ十分な防御力を加えた第三世代戦車は世界で重量増大化が進み、自動装填装置の採用により集中防御を踏まえた防御力と重量抑制の両立に打撃力の強化を兼ね備えた日本戦車の世界への模範解答というべきもの。

Img_9027 74式戦車。第1戦車大隊の車両で、戦後第二世代戦車に数えられ、鈍重と考えられた戦車体系において防御力を機動力に置き換えるという設計思想に依拠した第二世代戦車にあって、油圧懸架装置の採用による地形防御の重視を我が国が定める専守防衛政策と合致させ、照準へのコンピュータの利用などを高めた、日本型というべき戦車といえるでしょう。

Img_8985 さて、本年の駒門駐屯地祭、昨年は東日本大震災により中止、2009年は北朝鮮ミサイル事案により首都防空任務が取られることとなったので中止となりましたが、本年は実施、戦車部隊の威容や高射特科部隊の装備、施設機材や国際貢献への備えとしての装備品などが観閲行進で示されたところ。

Img_9014 本年の駒門駐屯地祭ですが、訓練展示模擬戦について、2010年の駒門駐屯地祭は国際教を中心に巡回中の軽装甲機動車が襲撃を受け、脅威を排除しつつ車両の回収にあたり、同時に武装勢力を無力化するという想定でしたが、本年は模擬戦を実施、このなかで10式戦車が74式戦車とともに空包射撃を実施したというのが特色でした。

Img_8934 駒門駐屯地へは、JR御殿場線の富士岡駅からシャトルバスを利用して移動しました。地図では近く、徒歩でも15分ほどなのですが、シャトルバスがありましたので利用です。裾野駅からも発着していた、ようですね。撮影はやはり来賓席が多くを占めているので、撮影位置の選定には難渋。観閲行進は理想的な位置から撮れましたが、訓練展示は前回と同じ場所から撮影、失敗でした、観閲行進と同じ場所から撮影が正解でしたね。しかし、寒かったですが天候には恵まれ、良い一日を過ごす事ができました。最後になりましたが現地でご一緒いただきました皆様、とんぺい殿、ありがとうございました。

北大路機関:はるな

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