北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

北朝鮮弾道ミサイル危機 沖縄救援隊第8師団派遣部隊、化学防護車など20両沖縄到着

2012-04-09 23:51:40 | 防衛・安全保障

◆化学防護隊出動、推進剤ヒドラシン流出を警戒

 熊本放送などが4日報じたところでは、北朝鮮弾道ミサイルが上空を飛行する沖縄へ不測の事態に備えた沖縄救援隊への第八師団からの派遣が行われたとのことです。

Nimg_3673 第8師団からの派遣部隊は化学防護車など車両20両をもって北熊本駐屯地を出発したとのことです。第8師団部隊の写真が手元にないので他の部隊の写真で代用です。既に沖縄救援隊第8師団派遣部隊は沖縄県離島地域に展開しており、警戒に当たっているとのこと。

Nimg_6019 化学防護隊の派遣は、今回北朝鮮が実験を行う弾道ミサイルの燃料に使用されているとされるロケット推進剤、ヒドラシンの流出に備えているようです。ヒドラシンは常温保存が可能でロケット燃料としては一般的ですが、燃料としては液体酸素などの超低温保存が不用である反面、皮膚に付着した場合は細胞組織を壊死させ、飛沫を吸引した場合は肺をはじめ呼吸器系統が腐食する危険物です。

Nimg_1898 化学防護隊は、万一燃料タンクなど切り離したミサイルの多段部分が落下し、ヒドラシンが拡散した場合に拡散状況を迅速に把握し住民避難に役立てると共に、緊急車両などを搬送させる通路部分の除染を行うことが目的となります。今回の任務は、2009年の北朝鮮ミサイル実験事案に際しても、上空を飛翔する東北地方においてヒドラシンの拡散への警戒態勢が採られました。

Nimg_1593 他方、昨年11月に実施された自衛隊統合演習では、呉基地より中央特殊武器防護隊の第102特殊武器防護隊や第102特殊武器治療隊などが輸送艦くにさき、にて離島を想定した九州へ展開し、基地防護訓練などに参加しています。部隊こそ違いますが、昨年の準備は、今回も行かされた、ということが言えるやもしれません。

北大路機関:はるな

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コメント (6)
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