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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

新第1師団長に反怖謙一陸将着任、佐世保地方総監加藤耕司海将退官

2012-04-05 23:33:56 | 防衛・安全保障

◆指揮官移動人事は3月30日

 新年度ですが、防衛省自衛隊での人事異動をみてみましょう。師団長人事と地方総監人事に動きがありました。

Jimg_0315 陸上自衛隊ですが政府閣議により第1師団長湖崎隆陸将の退官を承認し、新しく第1師団長に元北部方面隊幕僚長の反怖謙一陸将を着任させることとしました。第1混成団長などを歴任された方ですね、第1師団は首都防衛の要、同時に大臣直轄部隊との関係と人員の配置や装備の面で難しいところもあるといわれ、他方首都直下型地震への準備が求められ、重責と期待を担っている師団、というべきですね。

Jimg_9978 安部隆志補給統制本部長も退官し、新しく補給統制本部長には第8師団長の堀口英利陸将が着任し、後任の第8師団長には西部方面隊幕僚長の松尾幸弘陸将が着任、九州南部と南西諸島北部を防衛管区とする第8師団ですが、西部方面総監部と第8師団司令部は同じ熊本市にあります。

Img_1716a 第8師団長に着任された堀口陸将ですが、前、2008年には第12旅団長を務められています。第12旅団は空中機動重視の旅団で、第8師団は島嶼部を管区に有する師団で沖縄の第15旅団を後ろから支える師団、CH-47輸送ヘリコプターやAH-64D戦闘ヘリコプターを有する西部方面隊の比較的強力な空中機動部隊と連携した立体運用を行わなければ離島振興への迅速な対応は難しく、その手腕を最大限発揮してほしいところ。

Img_256_8 元第5旅団長の市田信行陸上開発官が退官、装備品の開発に当たる陸上開発官には第7師団副師団長の小渕信夫陸将が着任。特に将来装輪装甲車体系の実用化による陸上自衛隊装甲化の躍進という近い将来の変革は、地形防御と空中機動重視の運用体系から水際防御を軸とした機動打撃力重視への転換政策の完成に欠くべからざる人事と言えるでしょうか。このほか将官では、方面隊幕僚長、副師団長で人事異動があったもよう。

Jimg_8628 海上自衛隊では、佐世保地方総監加藤耕司海将の退官が内閣により承認されました。第4護衛隊群司令を経て、舞鶴地方総監、掃海隊群司令といった要職を歴任された方です。後任には幹部学校校長の吉田正紀海将が着任となりました。佐世保は西海の要衝、南西諸島の防衛警備にあたる海上自衛隊で最も緊張度が高い海域と言えるところです。

Jimg_6377 幹部学校長の後任は掃海隊群司令福本出海将があたり、掃海隊群司令の後任は護衛艦隊幕僚長の徳丸伸一海将補が着任しました。徳丸海将補は、練習艦隊ひえい神戸入港の際に司令官を務めていた方、第4護衛隊群司令も務められていた方です。幹部学校は選抜された上級指揮官を練成する旧海軍の海軍大学校にあたります。

Jimg_7066 航空自衛隊では技術研究本部航空機開発官に幹部候補生学校長の古賀久夫空将補が着任、第8航空団司令などを務められた方です。先端技術実証機の実機製作が先週始まったばかり、二年ほどで初飛行を迎え、同時に次期戦闘機に関する我が国防空体系への編入など、難題が山積しています、こればかりは手腕を期待、というのみ。

Jimg_1811 補給統制本部長山崎剛美空将が退官、ここに技術研究本部航空開発官である吉岡秀之空将が後任へ着くこととなりました。このほか、将官では航空総隊幕僚長、教育集団幕僚長が異動です。自衛隊全体では将補から将へ5名、1佐から将補への昇任が12名あり、新年度から我が国防衛の重責に当たっています。

北大路機関:はるな

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コメント (2)
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