事例紹介コラムです。
今朝の山陽新聞に、「2ステージ制に慎重論」というタイトルで、2ステージ制に関しての記事が出ていました。当ブログとしてはいい流れだと思っています。しかも今日、J1・J2合同実行委員会が開催されたそうです。記事では「慎重論が広がりつつある」としています。以下、抜粋して紹介。
Jリーグによると、FIFAランキング50位以内のリーグのうち、ベルギーやスコットランドなど約40%が、何らかのポストシーズン制を取っているとか。「(集客や注目度を上げるために)欧州の中堅国の多くの新しいやり方を採用している」と中西本部長のコメント。
6日の甲府対浦和戦で反対する横断幕が出るなど、サポーターの反対も根強い。「議論が尽くされているとは言えない」とJ1クラブ社長(浦和?)のコメント。
続いて、サッカージャーナルに「2ステージ制移行に対するレッズサポーターの大規模な抗議について・・・大宮、仙台、新潟、セレッソサポーターも反対を表明!」というタイトルの記事を発見。すごい「声」を感じたメッセージの強い記事でした。以下、抜粋して紹介。
7/6のJ1試合(国立競技場)で、試合終了後にJ1浦和のサポーターが改めて2ステージ制に反対する横断幕を掲示。今回はかなり大規模で、ゴール裏の他にバックスタンドにも数えきれない程の横断幕やゲートフラッグが乱立。橋本社長が拍手で迎えられてゴル裏に登場し説明し、騒動にはならずに収束。「皆さんの思いは十分伝わっているから大丈夫」と語りかけると、「社長!頼んだぞ!」などの言葉と共に橋本コールまで起きたとか。この件に関しては、J1浦和は、フロント、選手、サポーターが完全に一体となっていると思われる。
大宮、仙台、新潟、C大阪など浦和だけでなく、2ステージ制移行に反対する各クラブのサポーターが声を上げ始めているとしています。
「Jリーグ2ステージ制に反対する有志の会」という団体による署名運動も始まったようですね。これだけ反対運動が大きくなれば、万が一制度が導入されたら、サポーターの大掛かりなボイコットなど、Jリーグにとって利益のない事が予想されます。イメージダウンの結果、観客動員が増えるという事もないと思います。
サッカージャーナル該当記事:http://news.livedoor.com/article/detail/7836627/
埼玉新聞にも、この話題が掲載されました。「目先の放映権料に目がくらんだ百円構想」というダンマクもあったようで、なかなか的を得たいい表現ですね。以下がその抜粋です。
集客の漸減傾向の打破や新規スポンサー獲得などが狙いだがデメリットも多い。各クラブに賛否両論ある中、J1浦和の橋本代表は「拙速に決めるのはよくない。1シーズン制に問題があるとは思わない」し、J1大宮の鈴木社長も「入場者数は各クラブの努力。現場の声を踏まえるなど議論の余地がある」と集客はあくまでも各クラブの努力が大前提とのスタンスのコメント。サポーターたちは「真の王者は年間で最も勝ち点を獲得したチーム」と反対の声がほとんど。
J1リーグ入場者数推移を見てみると、確かに'94年は1試合平均1万9598人で過去最多の数字だが、それ以外は何もない。むしろ、年間で争う'05年以降の方が2ステージ制時代を上回っている。'08年から'11年までは漸減傾向だったが、'12年は'11年から1試合平均で約2,000人押し上げている。
例えば、来年から2ステージ制を行うとして、6月のW杯へ向け、日本代表が活動する5月中旬までに第1ステージ17節を終了させるとなると、当然平日の試合が増加する模様。また、週2日の試合が増えると、疲労から選手のパフォーマンスが落ち、それが試合の質の低下につながる危惧がある。
2ステージ制は世界基準ではない。Jリーグ側は盛り上げたいようだが、逆に離れていく人も少なくなく、観客を呼ぶ方法はファンサービスなど、別の努力がまだできるという意見もあるとか。地域とともに生きる。Jリーグ百年構想の根幹。その最前線にいるサポーターの声は無視できない。2ステージ制復活は、サッカーを愛する人たちを興ざめさせる。「Jリーグは商売を優先したらいけない」。Jリーグはどこを向いて進んでいくのか、今後問われることになる。
埼玉新聞WEB該当記事:http://www.saitama-np.co.jp/news06/08/11.html
ちょっと話はずれますが、先日TV番組で、ディズニーテーマパークの「SCSE」という行動規準が紹介されていました。その筋では有名な言葉だそうですが、初めて聞きました。Safety(安全)、Courtesy(礼儀正しさ)、Show(ショー)、Efficiency(効率)の頭文字をとったもので、全スタッフにとって、ホスピタリティの判断や行動の基準になっているとか。「SCSE」は、その並びがそのまま優先順位になっており、すなわち、効率(利益)よりも安全や礼儀が優先されるという事です。床にこぼれ物があって、雑巾で拭く時もしゃがまずに足で拭くそうですが、しゃがむと来場客にぶつかる恐れがあり、礼儀的に悪くても立ったまま雑巾拭きをする、礼儀よりも安全が優先されると。こうした考え方では、優先順位が一番低いのは効率(利益)となります。
そういうSCSE的に考えると、今回の2ステージ制はどうなのか、サービス業での「安全」「礼儀正しさ」は、スポーツビジネスでいうと「強さ」「感動」ではないかと。それが「効率」「利益」に優先するのかなと、個人的に思いました。
と、そこまで書いて帰宅すると、「先送り」のニュース(毎日新聞)が入っていました。今日、J1・J2の合同実行委員会を開催され、2ステージ制は結論を先送りになったとか。8月までに各クラブが地域ごとに集まって開く意見交換会で議論を深め、まとめた案を9月の実行委員会に持ち寄って再度議論するとか。
関係者によると、この日の会議では、リーグ側が観客動員の伸び悩みなどの現状を説明して議論に入ったが、クラブやサポーターに反対意見が根強いことなどから、まとまらなかったとか。また、この話題は明日改めて。
Jリーグ組織問題関連⑪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130704
〃 ⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130614
〃 ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130518
〃 ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130125
〃 ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121228
〃 ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121217
〃 ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121216
〃 ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121215
〃 ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121214
〃 ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121108
〃 ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120730