任意の複素数 a+bi に i をかけると、この複素数 a+bi をガウス平面で90度回転したものが得られる。
このことを証明しようとして、いろいろ考えた。 一番初めに考えたのは、原点と座標 (a,b) とを結ぶ直線と原点と座標 (-b,a)とを結ぶ直線の傾きの積が -1となることを用いた。それだと
(a/b)(-b/a)=-1
となって二つの直線が互いに直交していることを示すことができた。
ところが、わたしはなぜ直交する二つの直線の傾きの積が -1 となるのか、その理由を知らないことに気がついた。このことに気がついたので、他のいくつかの方法で座標 (a,b) が90度だけ反時計回りに原点のまわりに回転すれば、(-b, a) となることを調べた。
その詳細はブログに書くことができないが、 (a,b) と (-b, a) とをベクトルと考えて、その内積が0になることとか、原点のまわりの90度の回転の行列をかけて、 (a,b) から (-b, a) が得られることとか、a+bi=r(cos theta +i sin theta)がi(a+bi)=r[cos (theta +pi/2)+i sin (theta +pi/2)] となることを示した。
それらの方法で -b+ai は a+bi に i をかけたものだが、それは a+bi を原点もまわりに90度回転したものであることは疑うことはできなくなった。
ところが仕事場に来て、一番初めに考えた、はじめの直線の傾きが -1 になることの理由を調べてみたが、私の持っている本はそんなに少なくはないはずだなのだが、なかなかその証明に行き当らなかった。
とうとう、何十年も前に子どもが使っていた、高校の数学の学習参考書に確かめ問題として、この知識が出ているのを見つけて、ようやく納得したが、このことを示す方法はいくつもあるらしい。そのうちのたったひとつをようやく知っただけである。他の証明もこの機会に知りたい。
いや、自分にとって当然と思えた知識もまったく、その理由をよく知ったうえで使っている知識ではないことに気がついてびっくりした。
(注) latexの方式で数式を書いてあるので、latexを知らない多くの人々には数式が読みにくいかもしれないと思って、\をだいぶん省いた。