スピヴァック『多変数の解析学』という本を先日 E 大学の図書館から借りだしてきている。私にはとても読めそうな本ではないのだが、この本のテーマはストークスの定理である。
ストークスの定理と聞くと「ああ、あれね」思う方が多いと思うが、ここでは微分形式とかでいう一般化された「ストークスの定理」のことである。この本の序文でスピヴァックはつぎのようにいう。
(引用はじめ)
読者は、現代ストークスの定理が、少なくとも古典的諸定理と同じくらいは難しいと思うだろう。ところが、実はそれは、もうひとつの形のストークスの定理からごく簡単に出てくる。この定理はストークスの定理としては非常に抽象的な形のもので、第4章の主要な結果がこれである。すると、いままで避けてきた難点が、すべてこの抽象ストークスの定理に堆積していると思うのが当然である。ところが、この定理の証明は、数学者にとってはまったくつまらないもので、単なる計算にしかすぎない。これと対照的に、この「つまらない」定理をきちんと述べるのは簡単でない。実際、そのためにたくさんの面倒な定義が第4章で必要になる。(以下略)
(引用終わり)
こんなことを書いてあると、がぜんそれがどうしてなのかを知りたいと思ってしまうのが私の悪い癖である。多分私には理解できないことがこの本には書かれてあるのだろうと思うが、本文の全体をペンで数回書き写すとかして、なんとか、この「一般化されたストークスの定理」を生きている間に理解したいなどという大望をもってしまった。
もちろん、微分形式のことを知っている方々には既知の事柄であろうが。