物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

『電気電子工学科ミニマム』の改訂?

2021-01-30 12:10:55 | 数学
『電気電子工学科ミニマム』の改訂を久しぶりにしようかと思い出した。

『電気電子工学科ミニマム』とは何か。私はE大学工学部に長年勤務していたが、定年前の約10年間は電気電子工学科所属の教員であった。

そのころ3年ほど『電気電子工学科ミニマム』を編纂して無料配布した。初版は1999年であったが、第2版は2000年で、第3版は2001年であり、これが最終版となった(注)。

その後、数年後に定年退職したのだが、1年生とか2年生くらいのときには学生が『電気電子工学科ミニマム』の有用さがわからなかったらしい。

ところが、4年生になって卒業研究をしたり、大学院生くらいになってくるとその有用さが分かってきて、それらの学年には配布していないのに、その冊子を求めて学科事務室に学生がくるという事態があったらしい。

これは端的に言うと、数学の公式集であるのだが、ちょっとアンチ公式集といった趣のある書であった。第3版は83ページの小冊子である。第1版と第2版とはもっとページ数が少ない。

とりあつかったテーマは
 ・三角関数
 ・指数関数と対数関数
 ・微分と積分
 ・Taylor展開
 ・ベクトル解析
 ・フ―リエ解析
 ・微分方程式
 ・複素数
 ・線形代数の有用な定理と公式
 ・偏微分
 ・双曲線関数
 ・デルタ関数
 ・逆双曲線関数
等である。今考えるとけっこうたくさんのテーマをとりあつかっている。

簡単で要領のいい数学入門でもあったので、学科に所属する数学の先生の中には自分たちの講義を学生が聞かなくなるのではないかと危惧した方もあったらしい。

電気電子工学科の学生は、いわゆる応用数学のユーザーでもあるので、この危惧はいわれがないわけではなかったもしれない。

(注)この小冊子は新入生に無料配布した。ところが私が行っていた『量子力学講義ノート』は有料配布だったので、間違えてこの『電気電子工学科ミニマム』を高額で購入させられたという不平を言う学生もいた。

これはまちがいであることは言うまでもない。『電気電子工学科ミニマム』は無料で配布したので、この小冊子の配布に際して一銭たりとも、学生から費用を徴収したことはない。当時の学生においても、記憶がまま変わってしまう良い例であった。

ちなみに、この第3版の1冊を国会図書館に納めてある。印刷部数は300冊くらいだったろうか。

いろいろな経験や知識が総合的につながってない

2021-01-29 12:55:09 | 本と雑誌
いろいろな経験や知識が総合的につながってないことに気がついた。これは人のことではなく、自分自身のことである。

また最近、私の先生のOさんの「量子力学ノート」第三部の編纂のことが気になって入力しようとしている。ところが私は先生のノートでも逐一わかりたいというか、わかって編集したいとの気持ちをもっている。

ところがそのノートがなかなかわからない。どこかに引っかかって昨年末にも作業を中断してしまったが、それではいけないと考えて自分にわからないところはその点はいったん棚に上げて入力をしようとしている。

ところが簡単だと思われる計算にひっかかって、また調べ始めた。それで、参考文献を自宅からもってきた。午前中はその本の選択でお昼近くまでかかってしまった。

要するに、私の数学の理解がどうも統合されていなくて、別のところの知識が全く根なしの知識であることに気がついた。

その知識自身は正しいと思うのだが、自分では普通の学部の講義で学んだ知識ときちんと結びついてはいない。

いやはや、こういうことだから私のやることはいつも時間がかかる。

ルーキッシュの明視度

2021-01-28 12:34:58 | 科学・技術
ルーキッシュの明視度というのを中学校の図工の先生に教わったことを「Seraさんの本棚」というブログのコメントで書いたら、それを話題にSeraさんがしてくださった。

それでルーキッシュの明視度というのがよく知られたことだろうと思ったのでgoogleで検索したが、ルーキッシュというのはアメリカの学者であったことはわかったし、黄色の地に黒で描くと一番よく目立って見えるという事実はgoogleでわかったが、その他の色の順位はわからなかった。

色彩学というのであろうか。こういうのはまだマイナーな学問であるということだろうか。色彩学に関する岩波新書は私の持っているものは2冊にすぎない。それもあまり読んだことがない。

でもいつか読んでみたいと思うと考えて大事に持っている。

(付記)上に述べた色彩についての岩波新書は
      金子隆芳『色彩の科学』(岩波新書、1988)
      金子隆芳『色彩の心理学』(岩波新書、1990)
である。もう一冊、色彩関係の岩波新書をもっているような気がする。稲村さんという方の書であったような気がするが、定かではない。

金子さんの『色彩の科学』のあとがきに稲村耕雄『色彩論』(岩波新書、1955)が載っていた。これは青版の岩波新書である。これもよく調べたら私がもっているのであろうが、こちらも読んだ記憶がないから、いつか読むかもしれないと思って持っている書なのであろう。


空間幾何学

2021-01-28 11:24:23 | 数学
空間幾何学というのか立体幾何学というのかよくは知らないが、平面図形の研究に比べて遅れているのではないかと思う。

学問としては遅れていないのかもしれないが、すくなくとも教育上は平面でのものよりも本にしても情報がすくないのが実情であろう。

球面三角法に最近関心をもっているのだが、球面三角形の極三角形があれば、その元の球面三角形は極三角形の極三角形となっているという証明を球面三角法の本で読んだのだが、なかなかわからない。

球面三角法のことを書いた本を4冊取り出してきて読んだのだのだが、なかなかわからない。立体幾何学の別の本を取り出してきて読んでようやくわかりかけてきた。

(2021.1.29付記) 数学教育協議会の出している現代数学教育事典とかその他の数学j指導法事典とかを探してみたのだが、あまりこれらの空間幾何学についての記述はあまりない。現代数学教育事典だかには空間幾何学についてどれだけのことをどう教えるのかについての研究は遅れているとあった。この事典は1965年の発行である。

私のもっているその後の数学指導法事典にもあまり詳しい記述はない。


ときどきブログのパスワードの確認がある

2021-01-27 11:53:46 | 本と雑誌
ときどきブログのパスワードの確認がある。いまがそのときだったので、へどもどした。

これは他人が私のブログを乗っ取るとか、しないかという心配なのだろうか。半年に一回くらいパスワードとかのチェックがあるのだ。

あわててパスワードを入力するのだが、正しくないとの反応がある。更新する以前のパスワードを入力しているのかどうかわからない。

それで今書いているブログもようやくパスワードの更新をして書いているという次第である。やれやれ。

人工知能と武谷三段階論

2021-01-26 12:31:49 | 物理学
雑誌「窮理」17号で甘利俊一さんが人工知能について書いている。タイトルは「人工知能と社会」である。その中の節に「人工知能は原理を解明しない」というのがあった。

まだ十分よくこのエッセイを読んでいるわけではないが、たぶん人工知能は原理を解明しないというのは本当であろう。

武谷三段階理論では認識は現象論的段階、実体論的段階、本質論的段階という3つの段階を経て深まって行くという。それで人工知能のことが世間で話題になって来るにつれて、私はこの人工知能がどこに位置付けられるか関心をもってきた。

甘利さんの認識は正しくて、いままで認識されてこなかったことが学問の対象になるような新しい分野を開いたことは事実なのだろうが、その段階はやはり現象論的段階の実験式をつくるというところまでなのだろう。

それ以上の認識の深まりはやはり人間の思考によるということであろう。

ただ、素朴な人間の思考ではこれまでまったく学問の分野ともならなかったことが現象論的段階であるにしても議論とか思考の対象になるようになったのは学問としてのその広がりが出て来たことになる。

ゲーテの名言

2021-01-26 11:59:55 | 本と雑誌
昨夜のNHKのEテレの「旅するドイツ語」から、いつものようにドイツ語の名言を書いておこう。

 Die Liebe hersscht nicht, aber sie bildet, und das ist mehr. (J. W. von Goethe)

(ディ リーベ ヘルシュット ニヒト、アーバー ジィー ビルデット 
 ウント ダス イスト メーア)
 愛は支配しない、愛は築く それは支配以上である。 (ゲーテ)

ドイツ文の後ろのカタカナはドイツ語を知らない人のために読みの発音であるから、不十分なものである。ドイツ語を知っている人は無視してください。



続・サッカー選手の名言

2021-01-25 12:27:51 | 本と雑誌
NHKのEテレの「旅するドイツ語」で名言が読まれている。

いつだったかBeckenbauerの名言が出ていたのでメモしたのだが、それをブログに投稿するのを忘れていたらしい。

 Der Ball ist mein Leben, Alles andere ist Dekoration.
   (デア バル イスト マイン レーベン、アッレス アンデレ イスト
   デコラチオン)
  ボールは私の人生だ、他のものはすべて飾りにすぎない。
                         Beckenbauer(ベッケンバウア)

私はこのベッケンバウアのプレーをテレビでも見たことがないが、ベッケンバウアはドイツのサッカー選手としてとても有名な方であり、人気もあったサッカー選手である。

『マクスウエル方程式から始める電磁気学』を読む

2021-01-25 12:12:28 | 物理学
『マクスウエル方程式から始める電磁気学』(裳華房)のはじめの1章から4章までを読んだ。

論理的にすっきりしていて、これは推奨できる電磁気学の本である。実はガウスの定理とストークスの定理の証明をこの本ではどう書いているか知るためにE大学の図書館から借りて帰ったのだが、この部分の記述も難しくはなくていい本である。

ベクトル代数のベクトル積の定義があまりすっきりしないようだが、ここを少し書き直すべきかと思ったが、それもさほど問題ではなかろう。

5章以下はいま読んでいないので、アマゾンコム等の書評でもむしろ問題点はこの後半部分だという指摘は当たっているのかもしれないが、いまのところこの部分を読む気がしない。

後半部分についてはまたいい本はたくさんあるので、この本にその点の改善を期待するのは期待しすぎであろう。

『ファインマン物理学』(岩波書店)の第3巻と似ているのかもしれないけれど、それでも論理的にすっきりしているのはまちがいがない。

森鴎外のこと

2021-01-25 11:27:18 | 本と雑誌
森鴎外のことでは脚気の原因のビタミンB_{1}だというだということに反対したという汚点がある。

脚気の原因については医学者としての鴎外(森林太郎)はちょっと問題があるということは数年前に亡くなった板倉聖宣さんの科学史的な研究で明らかになっている。

もちろん板倉さんは小説のことには関して議論しているわけではないので、人によっては鴎外の小説についての高い評価をする人もある。

湯川秀樹は夏目漱石の小説「坊ちゃん」は中央の(これは東京のと言ったほうがいいのだろうが)、地方蔑視であるとして松山の人がありがたがる必要はないとの見解であった。この意見は独自な見解であるので、びっくりしたが、この見解は当たっていると思われる。



旧聞に属するが

2021-01-23 13:42:55 | 本と雑誌
日本で初めてのノーベル賞受賞者の湯川秀樹は森鴎外の小説が嫌いだったらしい。

彼の『本の中の世界』(岩波新書)はよく読まれた本だが、夏目漱石のことはとりあげているが、森鴎外のことはとりあげていない。

直接に本人から、お聞きしたことはないような気はするが、それでもたぶんあまり森鴎外のことが好きでなかったことは確かであろう。




イムジン河

2021-01-22 13:08:25 | 本と雑誌
以下は「Seraさんの本棚」というブログから無断でコピーをした歌詞です。

歌詞も心に響きます。(これはSeraさんの言葉)

「イムジン河 水清く とうとうと流る
 水鳥 自由にむらがり 飛び交うよ
 我が祖国 南の地 想いははるか
 イムジン河 水清く とうとうと流る

 北の大地から 南の空へ
 飛び行く鳥よ 自由の使者よ
 誰が祖国を 二つに分けてしまったの
 誰が祖国を 分けてしまったの

 イムジン河 空遠く 虹よかかっておくれ
 河よ 想いを伝えておくれ
 ふるさとを いつまでも忘れはしない
 イムジン河 水清く とうとうと流る」

歌詞は簡単な歌だが、歌詞が心に響いてくる。演奏は結構難しそうだ。 

(2021.1.25付記) ブログ「Seraさんの本棚」の魅力はきれいな花とか景色とかの写真がたくさんあることである。これは私のような字しか書かれていないブログとは異なり、目で見ても楽しい。いつも楽しませてもらっている。それにときどき「イムジン河」のような音楽の合奏も聞くことができる。

sachte

2021-01-22 12:13:48 | 本と雑誌
sachte. この語も昨夜のドイツ語のクラスで出て来た言葉だが、こちらはまったく知らなかった。

独独辞典のLangenscheidtをひいてみたら、langsam und vorsichtig (ラングザーム ウント フォジヒティッヒ)(ゆっくりかつ慎重に)とあった。クラスでもそういう説明が講師の R 氏からあった。

しかし、はじめて聞いた言葉はなかなか覚えられないものだ。

これはドイツ語ではないが、NHKのEテレの毎晩11時20分からの「即レス英会話」で短い英語が毎晩紹介され、これを木曜日の晩に復習してくれるが、たいてい思い出せないことがほとんどである。

こうして、なかなか英語は上達をしない。特に、聞き取りがうまくできない。

wahnsinnig

2021-01-22 11:48:58 | 本と雑誌
wahnsinnig という語が昨夜のドイツ語のクラスで聞いた会話に出てきた。
たまたまこの語を聞き取れたのだが、意味をよく知っていたわけではない。

使われていた文脈では「ひどく」というくらいの意味だったが、話のあらすじはある大学生がWohngemeinschaft (WG)という数人が一緒に住んでいる家の部屋を新聞か何かの広告 Anzeige で見てその部屋を見に来て、そこに住んでいる人と会話するという話の一部である。

28歳になるある学生が国家試験を受ける準備をしているのだが、試験恐怖症で試験を受けられないという文脈で出て来た言葉である。

wahnsinnig はもともとは「精神病の」というくらいの意味を持った言葉らしい。

この言葉を知っている人なら、ドイツ語に関して言えば、もう中級レベル以上の人であろうか。

Dushchetoilet

2021-01-21 11:51:24 | 本と雑誌
シャワートイレをドイツ語でどういったかなと思ってDushchetoiletと入力してドイツ語と書いたのだが、どうも私のブログくらいしかヒットしなかった。

他にはデンマーク語のサイトにあたったらしいのだが、デンマーク語を知らないのでちょっとわからない。

ちょっと見た限りではデンマーク語はドイツ語に似ているようだ。もっとも綴りはは少し違うようだ。

なぜシャワートイレのことを思いついたかというとあまりドイツにはこのシャワートイレが普及していないらしいことと、ある方から聞いたところではドイツ人の若い女性がえらくシャワートイレに感激してデパートの三越のシャワートイレをわざわざ使いにいったとかいう話を聞いたことがあった。

なぜシャワートイレがヨーロッパで普及しないのかについては諸説があるようだが、水が貴重であるからという見解がもっともらしい。